夏休み中の魔法を導く奇跡~二期~   作:名無しの権左衛門

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7:大事な記憶

7:大事な記憶

 

 僕らはあの追走劇から逃げ切って、哲也の家に来る。

すると和服の男女性が、僕らの方に来て宿泊という名の保護をうける様になった。

 

「大変だったわね。あ、ここが、貴方の部屋ね。

 後の二人はこっちね」

 

 

 僕となのは・エリちゃんは、別の部屋になる。

よかった。錠剤が使いやすくなるぞ。

 

 

「はい、ありがとうございます。お兄ちゃん、また後でね」

「浩にーちゃん、またねー」

「うん、また」

 

 

 僕はとある錠剤を取り出し、魔法陣の中央に置いて発動する。

さ、今日の作業は終わりだ。

片付けて終わろう。

 

 この後この屋敷内を案内される。

後で個人的に行ってみたいところがあった。

ただ屋敷の外から時折聞こえる爆発音。

これが結構くるな。

 

 哲也は負けない。

これは分かる。

だけど、受肉しているキャラは、地球人になるとともに能力的に衰える可能性がある。

故に負けるかもしれない。

 

 まあ後でわかったんだけど、皆魔力頼りに偏っていない編成だったから辛勝らしい事が分かった。

圧倒的なのがリヴァイなのは、普通にわかった。

 

 

「哲也。密談の席の用意、ありがとう」

「ああ」

 

 

 今僕はなのはやエリちゃんに邪魔されない場所で、密会を開いている。

話すことは彼女達の近距離面での超強化だ。

敵になる可能性や乗っ取りの可能性は、皆無であることはない。

だからその前にねじ伏せる方法が必要だ。

 

 その一つの解決策が、遠近戦闘で圧倒的優位に立つこと。

エリちゃんは召喚があるから、なんとかなるけど。

なのはは攻撃時に、溜めないといけない。

 

だからその隙にやられる可能性がある。

そこで『バスターストライクカノン』の加速砲撃部とレイジングハートの柄を合わせた、魔力強化による槍を作らせる。

これによる棒術を極めてもらうことにした。

 

 戦術的な意味では、あのカノンは最強だ。

全身を機械的に補佐して、棒立ちからの射撃は凶悪だ。

 

だから肉体を強化しない程度の強さの砲撃と魔力靭が合わさった加速部を持たせれば、余裕で遠近対応の戦士ができる。

 

 

 

 今は精神的に何事にも屈しない、強靭な戦士になっている。

だから鍛えても、ハートマン式でもいける。

 

 

 

 僕らは会談を進める。

そして哲也を介して、僕の家族への連絡を怠らない。

何をしたかというと、やはり……長期間滞在の事だよ。

たぶんこれから、ものすごい事になる。

 

団地内じゃないから、あいつらも手を出してくる可能性が俄然高くなる。

だから今が最大の機会なんだ。

 

 

 僕はこの密会後、哲也と共に魔法陣の研究を手伝ってもらいながら、棒術を教える事になる。

棒術を教える時怪我する可能性があるから、なのはにはバリアジャケットを着てもらい

エリちゃんにはマジカルトランスしてもらった。

そしてなのはにもう一つの形態を、哲也の兄貴にデザインを書いてもらってそれをアップロードする。

 

 これでなのはは、この重槍兵形態を使えるようになった。

エリちゃんもリィン・ロッドを、『轟鳴槍』というものに再度デザインされ形態が増えた。

 

「師範、御願いします!」

「うむ、これからの為、びしばし行くぞ」

 

 なのはの師範は、哲也もお世話になった子供の身体を壊さない程度の訓練しかしない先生だ。

他にも師範がいるが彼等は、確実に人間をやめないと耐え切れないという。

哲也も4日で彼の師事を終えたので、確実に人間をやめているという。

 

 僕も怠惰になって衰えちゃ意味がないから、哲也に交じって人外である彼の曾祖父に師事を願った。

まあ最初は弱くいくが、徐々に強くなっていく。

早くも精神が折れそうになったけど、錠剤で精神を強化して立ち向かう。

 

 

 そして汗を掻いたら、お風呂で身体を清め汗を流す。

なのは達と逢えるのは、4時間くらいしかない。

一度逢いに行こうとしたら、不埒なのでダメと言われた。

 

知ってた。

 

 

 でも転移魔法陣を使ったなのはとエリちゃんが、布団の中に入ってきていたのでその日の朝に説教を受けた。

何でだ。

 

 

しかも、哲也も叱責を受けた。

なんでだ。

 

 

 

 とにかくこんな日々を過ごしていた。

ただ一週間過ぎると、その時が唐突に訪れることになった。

 

 

 

 

 16時。

 

 

 軽食と小休憩が終わった瞬間、位相空間が出現した。

 

 

 この瞬間、僕と哲也は指南所から抜けて、外へ飛び出す。

そして空中闊歩の魔導陣を発動して、空中へ飛び出す。

周囲に敵がいないか探る。

 

 

 すると空中に魔法陣が出現する。数は二つ。

その魔法陣から、光が出現する。

 

 

 

「……召喚者。僕を何のために呼んだの?え、春儚をたすけられるの……?

 わかった。『雷帝[イシュテルテ]』行くよ」

「召喚者よ。なんで僕をバビロンシティから呼べたの?

 え、エデンの守護者が彼等なの?じゃあ、本気でいくよ……『雷帝』」

 

 

 

まずい……!

 

 

 

 更にもう一人。この土地に……。

 

 

 

「やあ、久しぶり、田畑君矢嶋君」

「田中先生!お前、辞職した筈だろ!」

「すまねぇな、少女のいない職場なんて、俺は生きられねぇんだぁ。

 それに……今俺は、ニャルラトホテプと『同化』している」

 

 

 記憶を消さず人格者と同化し、二次世界と融合している!?

ありえない。受肉すれば……。

 

 

「だからよぉ、俺はお前が大切にしている、受肉していないブレイカーである”なのは”に”エリ”?

 俺好みの女にしてやっからよぉ、こいつらと遊んでてくれぇ。そんじゃ、”フェイト”・”綾香”頼むなぁ」

 

 

 田中先生は更に応援を呼びやがった。

しかもフェイトがアニメ版の服装じゃなく、映画版の服装になっている。

まあ僕にできて他者にできないことじゃないか。

 

形態変化。やっぱり、敵が使うと困難極まりないな。

 

 

「浩二。フェイトと綾香は知っているが、あの男たちはなんだ?」

「『わたしの救世主[メシア]様~lacrima~』の主人公、弓樹真弥。

 『GetBackers-奪還屋-』の第二主人公、天野銀次。

 正直言って、勝てるビジョンが見えないんだけど」

「どういう存在だ?」

「ラスボスをただのお人よしが改心させられる男と感情がない破壊神だよ」

「勝てる気がしないんだが……」

 

 

 ここにあの映画フェイトが来た事で、更に不利になった。

 

「哲也。僕が肉壁になる。だから、やってくれ」

「……いいだろう。矢嶋哲也-大宮次郎左衛門信忠-神宮神子杜尊が、お前の剣に成ろう」

「頼む、哲也」

 

 

 哲也はなんか三つくらい固有名詞を並べたけど、僕にとって哲也は哲也だから。

結局何があっても、僕は哲也を友人だと思っているよ。

 

哲也も何か知らないけど、笑ってるしね。

 

そんじゃ、絶望戦線を始めようじゃないか。

 

 

――――

 

 

 爆音。

 

 

 私はエリちゃんと一緒に、棒術の指南を師範に習っていた。

今は休憩中。空気が振動するほどの爆発は、お兄ちゃんたちがいる道場から何度も聞こえたから慣れたもの。

 

でも今回はちょっと違うような……。

違う!全然違う!この景色は、結界の中!

 

「エリちゃん、お兄ちゃんが危ない!」

「うん!」

 

 

 

「その必要はないよ」

 

 

 

 カッカッと踵を鳴らして、屋敷内を歩いている奴が来た。

誰だろうと思って見ていると、始業式で見た田中先生だ。

裏の控室で、私とエリちゃんの身体をじろじろみてた変態。

 

 

「何の用ですか、田中先生」

「お、俺を覚えてくれてたのかぁ。先生感動しちゃうねぇ」

「辞職したんでしょ。私たちにとって、ただのおっさんなんだけど」

「う~ん。目上の人に敬語を使わないなんて、最近の子はだめだねぇ……

 調教してあげよう」

 

 

 ねっとりした気持ち悪い喋り方。

嫌悪感が強くて、直ぐに攻撃しようと思ったけどエリちゃんが情報を引き出すために今は黙っておいてって言われた。

それに何かされても極度のロリコンだから、触ってきたらバーストして爆破すればいいって。

 

そして観察していると、ロリコンの田中は地面から真っ黒な縄みたいのが、私とエリちゃんの四肢を縛って自由を奪う。

うぅ、変にねっとりしてて気持ち悪いの……。

 

「大丈夫。最初は気持ち悪くても、だんだん気持ちよくなってくるから。

 そう、今までの封印し消されてきた記憶も、どんどん湧水のようにあふれ出てくるから」

「な、何言ってるの?私は……私は……あれ、なにこれ……な、何で私こんなところで……

 ここはどこなの……?」

 

「そう。君は田畑浩二に錠剤効果で、意識の空白と記憶の一時封印と新たな意識同調を行わせたんだ。

 だから君達は浩二君を兄と慕い、家族になれた」

 

 

 お母さん……お兄ちゃん……違う!

こんな知らない奴を兄だなんて―――

お母さん……違う。ママはもっと優しくて、美味しい料理を作ってくれた―――

お父さん……何この社畜。パパは強くて優しくてかっこよくて、でも怪我して―――

 

 

 

 浩二。私に何をしたの?

 

 

 

 

 許さない。私の記憶を改竄した事、辱めたこと、召喚した事……!!!

常識の上書きをして、本来の私を奪った。

 

 

許さない。

 

 

絶対に赦さない。

 

 

 

殺す!

 

 

―――

 

 

「そう。君は田畑浩二に錠剤効果で、意識の空白と記憶の一時封印と新たな意識同調を行わせたんだ。

 だから君達は浩二君を兄と慕い、家族になれた」

 

 

 気持ち悪い触手に捕らわれて、なのはに事情聴取を行わせたけど。

これ、何?どういう事?

 

 

 

 こんな気色悪いモノに絡まれて、虚言吐きな道化のいう事を信じちゃいけないのは分かる。

でもこのロリコンが言う通り、私は情報操作をされた。

 

浩二君はなんで情報を操作したのか。

使い道が終われば消せばよかったんじゃないかな。

 

私達はもともと生きているとは言い難い存在。

漫画の中で描かれている事象に過ぎない。

だから消せばよかった。

 

 

 だったらなんで家族という面倒な関係にさせたんだろう?

きっと浩二君の両親は、全く知らないんだろうな。

だとしたら浩二君の狙いは何なんだろう?

 

 

私は目の前でニャルラトホテプに印象操作されて、歪に心模様を変化させられているなのはを見て溜息をつく。

たしかに気持ち悪い事をされて、心が焦るのもわかるよ。

 

でも、その時の感情に身を任せれば、無意味に散るってことわかるのかな?

 

 それに私達は何度でも呼ばれる。

記憶を持っていてもいなくても、どんな怪我を負っていようと私達は漫画があるかぎり、そこにある。

だけど彼等の世界は、死ねば終わりな世界。

もし私達の世界から呼ぼうとしても、この世界の摂理に引っ張られて死んでしまう筈。

 

 

「うわあああああああ!!!!」

 

 

 

「くくく、どんなに錠剤で精神を強化しても、一時的な初期化をすれば……。

 過去を思い出せば、子供はいともたやすく落ちる」

「なるほど。そうやって、私達を同士討ちさせることが目的ってわけだったのね」

「おっと、君は正気を保っている様だねぇ」

「私はなのはと違って、ちょっと勉強をしているから」

「でも、逢いたいんだろう?」

 

 

 私は苦渋の決断の前の状態だよ。

正直、私も帰りたい。

でも浩二君が何をしたかったのか知らないと、一生後悔する。

 

だって、何も私達に情報を公開してくれないんだもん。

今情報を欲しがっている時じゃないと、私の不安が解消されることはないよ。

 

 

「もし、受肉しない状態でこちらにいれば、向こうはどうなるか。

 原作に君の姿は表示されない。魔法少女が独りのままで、物語が進行される。

 原作者は君を思い出せない。設定や描写さえ。誰も、だ。

 これにより、物語の破綻につながり、君は……消える」

 

 

 繋いでいないと、私が消える……?

 

 

「でもその存在の長さは別にあるようだねぇ…?」

 

 

 私は……つい最近の浩二君の行動を思い出す。

真夜中や私達が居ない時、ナニカを持ち出していた。

それは錠剤。

 

私達の記憶は、最初に行えばいい事。

 

だったらなにをするの?

 

 

 そういえば以前、何度でも魔力消費をしてもいいといっていた。

だとすれば……浩二君に、私達の存在りゆうがあるということだ。

 

 

 ということは……なのはのしようとしていることは間違っている……?

 

 

 

 聴かないと。

全てが終わる前に聴きださないと、全てが泡沫になる!

 

 

 私は発狂したなのはの後を追った。田中は『ティンダロス』に食わせた。

 

 

――――

 

「ごめんなさい。春儚を助けるために、死んで」

「己の欲求の為に、全てより一を救済するか。

 本当に情けない位自己中心な漢だね!」

 

 

 真弥はアトロポスの剣を起動させて、『消去[デリート]』を放ってくる。

だけど僕は魔法陣で、僕へのタゲを上手く映して削除を逃れる。

真弥も∞に等しい物量に、消去を施すのは難しいようですぐに物理攻撃に頼ってきた。

 

空中闊歩や位相転移で、無限世界を逃げ回る。

 

 

 

「待て!おいついたぞ!」

「因果係数3.05556か。随分と稼いだね」

「何だって……?」

 

 

『八点包囲陣型:五重反転魔導布陣』

 

 

 発動方法は召喚錠剤を磨り潰した粉を魔導布陣にかけ、召喚錠剤を自分が呑む事。

そして8つの頂点を持つ箱型の魔導布陣の中へ、対象となる存在を導く事。

 

 効果:対象を元の世界に送り返す。また、相手を召喚した召喚者と自分は、一年間対象を召喚できない。

 

 

効果だけはものすごいけど、まず自分の土俵に相手をつれてくるって、けっこう難しい事なんだよね。

だから凄く面倒。

でも消費する魔力は少ないんだよ。

 

 こっちは終わった。

後はフェイトと綾香だ。

銀次は哲也が頑張って居る筈だから安心だよね。

 

 

 僕は元の三次元空間に戻ってきた。

今思えば、あの因果係数は意味ないんだよなと思う。

ただの相手への見えない攻撃なだけなんだからな。

 

「浩二バリア!」

「え、ま」

「雷帝パンチ!」

 

 

「ぎゃああああああ!?」

 

 

 

 僕は零時迷子によるあらゆる力の無限供給によって、全てが保管された。

危なかった。それと同時に哲也が雷帝を、斬った。

 

 

「無駄だ。雷を斬るのは粒子を斬るのと同じで、物理的に不可能だ」

 

 

 雷に包まれている銀次は、何も表情を浮かべず淡々としていて哲也の攻撃を物理的に回避していた。

回避というよりも、ホログラムを触るという感じで実体がない。

だったら、魔法陣でそれを崩してやる。

 

 

「雷よ!」

 

 

 銀次は上に指を掲げ、雷を招来し雷を纏う。

 

「覚悟しろ」

 

 

「哲也!」

「大丈夫だ。対処法はある」

 

 

 僕は何か起こってもいいように、魔法陣をつくりあげる。

じっと戦闘を観察していたけど、哲也は徹頭徹尾嬉しそうな表情をやめなかった。

 

 

「雷帝キック!」

 

 

 哲也は銀次の蹴りを、刀でそのまま受けきり力を受け流して回避する。

 

「ちっ。掠ったか……ん? 腹が痛い?」

 

 

 一瞬しか見えていなかったけど、銀次は哲也の横を通り過ぎた様にしか見えない。

それでもダメージを与えてたみたい。

だって、あの銀次が腹から血液を、噴出させているんだもん。

 

 

「何やった……」

 

 

 腹を抑え呼吸を激しくし、哲也に行動への言及をする。

しかし哲也は何も言わず、そのままいつの間にか銀次の背後に移動しており切り落とした。

銀次はあっけらかんとした表情をして、粒子へと肉体を変化させていった。

 

 

「よし、この位相空間の敵は排除した。後はあいつらだ」

「うん。さっさと撃破しよう」

 

 

 僕らが目指すのは、フェイトと綾香の無効化。そして、田中元教師の殺害。

日常を目指すのは当然さ!

 

そうだ哲也に情報を聴かないと。

何をというのは、受肉に関してだよ。

 

「哲也」

「何だ?」

「受肉ってどうやってやるんさ」

 

 聴いてみると受肉は、できるだけブレイカーに会った年齢・性別の人間を選定し、

熟睡中に魔法を唱えるだけでいい。

下ろしたその被受肉者の人格や経験知識は、完全になくなりその人間としてキャラが生まれる。

 

 結果キャラはトイレや腹痛など、排泄系の必要性や病気にかかるようになる。

其れと共に情緒の再構成、知識等勉強系の再教育が必要になる。

 

 

 効果は聴いていないけど、人間一人必要だってことか。

面倒だけど、やる場合はそうしないといけないか……。

そうだなぁ。じゃあ、関係のない学校から拉致すれば、完全に行けるってことか。

うん、良い事聴いたよ。

 

 

 

「さて……おしゃべりは済んだ?」

 

 

 金髪のフェイトが、僕らに遠方から確認してくる。

更にその隣の魔女っ娘も、僕らに極刑の話を持ってくる。

 

 

鎧袖一触・一触即発な雰囲気の中、場を荒らす者が出現する。

 

 

 それは桃色の砲撃が初撃だった。

砲撃は僕から哲也らを分離する巧妙であり、実に丁寧なものだ。

うん、すげぇ。びっくりした。

 

 しかも全く殺意を持っていないから、哲也も気づくのに一瞬だけ遅れたね。

さて、彼女は僕らの援護に来たのかな?

 

 僕は砲撃が来た方向を見る。

 

 

 

 その方向から桃色の羽を踵から発生させた、魔法少女が僕の近くに来る。

あれ、おかしいな。今は戦闘中。フェイトや綾香の方に、その武器の切っ先を向けるはずなのに……。

何故こちらに向けるんだろう?

 

 

 

「お兄ちゃん」

「どうしたんだい、なのは」

 

 

 

 彼女は砲撃を溜め始めた。

魔法陣を展開している。

魔法陣に描かれている文字からして、アクセル・シューターだ。

 

 

 

「ううん―――」

 

 

 彼女はそのツインテールを揺らして、否定する。

 

 

 

 

「浩二君」

「ん?」

 

 

 

 どうしたんだろう?

それよりも、バリアジャケットどうしたんだろう?

変身しないとその力を発揮できない筈なんだけどな?

 

 フェイトや綾香の方を見るけど、哲也が牽制してくれている。

よかった。

 

 

「なんで、私の記憶を改竄したの?」

 

 

 なのはは桃色の弾丸を、多量に放ってきた。

え、何で?

 

何で僕に撃ってきているんだ?

 

訳わかんないんだけど?

 

 

『反転魔法陣』を発動して、魔法の弾丸を全て逸らして僕が持つ魔力で弾き飛ばす。

 

 

「今だ!フェイト、綾香!」

 

「『フォトン・ランサー』」

「『形勢位階[イェッツラー]:死[ザ・デス]』!」

 

 

 田中の聲が聞こえる。そして、フェイトと綾香が攻撃してきた。

でも哲也の一薙ぎで、田中を含めた全ての敵と攻撃がシャットアウトされた。

 

 

 

 

「なんで?まさか、あの錠剤?」

「……今は言えないよ」

 

 

 

 

「言え」

 

 

 

 間髪いれず、攻撃をしてきた。

純粋な魔力攻撃っぽい。

 

 

 

「言ってよ!召喚者[クリエイター]!」

 

 

 

 足元にエクセリオンバスターの魔法陣を描いている。

うーん。徹底抗戦みたいだ。哲也の介入はないね。それはいいんだ。

僕は悲しいよ、なのは。

 

 

 

「フォースバースト、シュート!」

 

 

 

『三次元:変異転換魔導布陣』

 

 平面に三つの頂点に魔導陣が付与されていて、受けた魔力系攻撃を性質変異・ベクトル転換させる魔導布陣。

 

『三角方陣型:二重複合魔法陣』

 

 ただの三角形の陣の中に、複合魔法陣が二重なので魔法陣計算は4重ということになる。

結果。威力頼りの雷撃攻撃になる。

 

 

 僕はエクセリオンバスターを真っ先に受けて、そのまま雷撃へと性質変異させベクトル転換させる。

そしてもう一つの魔法陣で、単純な雷撃攻撃をする。

一々魔法布陣で行うべき複雑な陣は、即行で紙に書けないからね。

 

「別に改竄してないよ。後、戦闘も終わったし、もうやめようよ。ね?」

「ふざけないで!錠剤で私達を勝手に読んで都合が悪ければブレイカー!?

 しかも居たくないのに受肉させて、この世界に縛りつけるって意味わかんないよ!」

 

 

 桃色の砲撃をしてくる。

ショートバスターとでもいうのかな?

 

 

「『応答剣[アンサラー]』!」

 

 

あ、丁度いいね。

これでなのはの混乱をどうにかできるよ。

 

 

 

 砲弾を全て撃ち抜く剣。

それを見てなのはは後方を見る。

 

 

「エリちゃん、邪魔しないで」

「直情的になっちゃだめだよ、なのは。浩二君も、田中を排除したら私達を元の世界に返して」

 

 

 僕はこの言葉に、一瞬頭が真っ白になる。

 

 え、何言ってるの?

まだまだ、これからじゃん。まだ日常は先だよ?

 

 

「浩二。元凶なロリコンと被害者二名は確保している。もうやめろ」

 

 

 

 眼下にリヴァイ・ゾロ・士郎が、田中・フェイト・綾香を縄でふん縛って此方を見上げている。

 

 

 

 

「俺達の戦いも終わった。あいつの送還と共に、錠剤を禁止させる切り札もある」

「え、哲也君もあるの?」

「エリちゃんもか?」

 

 

 何故エリちゃんとなのはは、僕に笑顔を向けてくれないんだろう?

僕は兄だよ?

一番上で頼れる人間なんだよ?

 

何で哲也がいいんだよ。

 

 

僕とお母さんとお父さんと、一年間の生活はいみがないものだったの?

 

相変わらずなのはは、憎悪に染まる表情で見てくる。

 

 

 

 

 

 そっか。やっぱり、紛い物な家族はダメだね。

 

 

 

 

 

――――

 

 

「なのは、エリちゃん。こっちにこい!早く後ろへ!」

「え」

「いいかなら、なのは!」

 

 

 哲也は焦燥の顔つきになり、エリとなのはに指示して後ろに隠れるように言う。

年上な哲也の背中は、彼女らを確実に守る事ができる肉体になっている。

 

 

 

「やっぱり。やっぱり、家族は……!僕らは紛い物なんだ!」

 

「如何した、浩二。浩二!!」

「哲也君、どういうこと?」

「いい気味なの」

「ちょっと黙って、なのは」

 

 哲也は昔なじみの旧友の変化に、いち早く感じることができる位の漢だ。

そんな彼が焦る位、浩二の様子はおかしくなってしまったようだ。

 

 

「あいつは、マザコンにちかい家族コンプレックスなんだよ。

 母親も父親も子供を作れないから、その分祖父からの期待が重すぎるって聞いたことがある。

 勿論浩二の両親の親は、エリート階級だ。

 それに対して両親は一般的な社会人。そこに親からの失念。

 で、それが子供に行くという悪循環。

 

 俺もそうだからな。痛いほどよくわかる」

「つまり、私達が理想から離れた形をしてしまったから……」

「そういうことだ。それにあいつは、喧嘩を知らない。

 寧ろ、喧嘩や意見の相違があると、本能的に抗うんだ」

「哲也君と浩二君って、似た者同士よね」

 

 

「今更か」

 

 

 哲也は少しわらうが、状況は最悪に近い。

発狂した浩二は、基本的にお人よしが過ぎるので何を考えているか未知数なのだ。

そんな中、浩二がポケットに手を突っ込む。

 

 

 そしてそこから大量の用紙を周囲にばらまく。

その大量の用紙は不自然に発生した風によって、地面に落ちる事無く遠くに運ばれていく。

 

 

「悪い予感がする」

「じゃあ、さっさとやりたい事やっとくね、『因果を観測する者[ラプラスの悪魔]』!」

 

 

 エリは槍と化した杖を振るって、強大な者を召喚する。

その者は数式に溢れる闇の穴から出てくる。

男とも女ともわからない何か。

体格・骨格・聲・頭髪、顔つき等全てにおいて、中性的としか言えない。

 

 

 

<僕はラプラス。因果をみてほしいのは~、君だね浩二君♪>

 

「御願い、ラプラス。浩二を作ってる部分を見てほしいの」

 

<ん~~わかった。主様の為にも、僕頑張っちゃうぞ♪>

 

 

 彼?の態度と口調に、なのはは嫌厭[けんえん]気味だ。

哲也は動じず、御願いするとだけ伝える。

エリは既に召喚者として、どっしりと構えている。

 

 

<ふんふん、なーるほどね~。うん、これで情報はそろったかなぁ~?>

 

 ラプラスは既に多数の魔導布陣を展開している浩二に近づき、

周囲をねっとりとじっくりと嘗めまわす様に飛行した。

 

 

「どうだった?」

 

<すごいわ~。

 だって、クトゥルフの最上位、アザトースを作り上げているのよ。

 あの子は世界のバグね、浩二君。

 いんや、デウス・エクス・マキナ、零時迷子に影響された”力の機械”ってとこかな♪>

 

 

 この結果にエリと哲也は驚愕の表情一色だ。

なのははよくわからない為、砲撃の準備だけしておく。

するとなのはが用意した砲撃の魔力が吸い取られていく。

 

<マスター。魔力が全て吸い取られました。砲撃できません>

「嘘!?」

 

 

 

<もう手を出すのは止めた方がいいわ~。

 だって……彼は既に、舞台から降りているのよ?

 踊りもセリフもあきらめた役者に、共に働こうって言ったって通じるわけないじゃない?>

 

 

 彼?は彼等の周囲を踊る様に飛ぶ。

このセリフはエリに強く突き刺さる。

 

「わかった。浩二君は、自爆するみたいだから見守っとくよ。

 死んだら私達帰れるかもしれないからね」

「手を出さない方が良いかもしれないな」

「一発だけ。ね、一発だけ」

 

<駄目です、マスター><だめだめよ~?>

「介入禁止」「下手に手を出すと、痛い目を見るぞ?」

 

 なのはは子供らしい唸り方で、最後は我慢すると決めたようだ。

 

 そして浩二は周囲に魔法布陣を展開させる。

 

 

『4次元円方陣型:∞重層位相魔法布陣』

 

 

 此れの発動により、周囲の位相結界が破壊された。

この光景に若干焦燥の心を持つ哲也。

このまま攻撃をされると、旧知の友人としても加減ができないことは明白だ。

 

 既に哲也は父親よりも上の、絶対的支配者である。

故に変に攻撃を行えば、それは大きな生存集団の一つの大きな意義になってしまう。

浩二が亡びるのならば別に構わない。

 

しかし、手を出してくるのならば、盛大に歓迎しよう。

 

 

そういう覇気を、哲也は己に纏う。

 

 

 

「大丈夫。大丈夫だよ。皆を攻撃するわけがないから。

 そう、僕が変わったわけじゃないんだ。僕が先に変わっただけで、世界が後で変わるんだ。

 僕が絶対の先駆者なんだっ」

 

 

 何かぶつくさと喋っている、病的な人間のようだ。

既に心が壊れてしまっていたのかどうかはしらないが、

やるべきことはやってしまっていた模様。

 

そう、既に遅かったのだ。

 

 

 

「ぼ、ボクが世界を変えるんだ!

 『円周演算―次元位相魔導回廊』

 『α機構球円陣:列重層縦横相魔導回帰』

 

 『回帰因果係数01:魔界創生』!!」

 

 

 最初の魔法陣で、全ての存在する者に誰も見えぬ感知しない魔法陣を付与し、

 今後の為の魔導回廊を作り上げる。

 

 

 次の魔法陣で天文学者どころか世界中の生物が視認し恐怖する程の魔導回廊が、

地球や月・果ては太陽系全てを包み込む。

また包み込んだら、一枚の魔導回廊の基盤が複製と融合を繰返し、重層と縦相の幾何学模様や無秩序な構成を作り上げる。

 

 

 最後に魔導回廊の完全上位互換の魔導回帰が発動し、世界が白光に包まれる中浩二は何かを右手に持ったまま

世界から蒸発して居なくなった。

 

 

 

 この間はエリもなのはも、目を閉じても眩しい光景を腕で防いでいたのでわからなかった。

しかしラプラスの悪魔・哲也は、それを見ていた。

 

 

 

「……終わったな」

 

 

「やった!これで帰れる!」 

 

 

 浩二が消えたことに狂喜しているなのはに、居た堪れない気持ちになってしまうが其れも仕方ないとあきらめる。

其れとは別に彼の両親に、どうやって説明しようかと思考を巡らせることになる。

後は戦闘中に見た浩二の魔法陣の解析は済んでいるので、すぐにでも彼女達を帰せる。

 

 

「そういえば、浩二君が消えたのに私達はまだいるよね」

<当然よ~。ブレイカーは受肉者と違って、権利が近くにいる者に移譲されるもの~>

 

 

 

「「ええ!?」」

 

「大丈夫だ。帰す方法は既に知っている。そして、受肉したその人の人格を、元の世界に戻す方法も知っている」

「やっぱり哲也君凄いね、あんなど変態と違うなぁ」

「なのは、言い過ぎ」

「にゃはは、ごめんごめん」

 

 哲也は死んだ浩二の事は忘れる事にして、今後の事をスケジューリングした。

 

「そういえば、ラプラス。浩二が魔力を持っているのは、やはり……召喚者特典か」

<……そうよ~。

 召喚者がブレイカーの特性を、一部受け継ぐことができるの。

 だから、魔力をつかえたんだわ。

 そうじゃないと、あらゆる力を回復するだけの零時迷子が、魔力を付与するわけないもの>

 

 

 

 哲也とラプラスは、帰れることに歓喜しているなのはとその態度を止めるべきと説教するエリの視線から外れ、

お互いに顔を見合わせる。

 

 

「ほ ん と う に、終わったんだな?」

<……たぶんね~。ただ……見た?>

「あの持っていた奴か」

<人間?>

「少なくとも人間の範疇だ」

 

 失礼そうなラプラスの言葉を、簡単に回避する哲也。

 

 

<一度我が主と高町なのはを、帰す事を提案するわ。

 たぶん、彼の魔力と切り離して解除しないと、思い出すことも思い出せない。

 少なくとも召喚フラグは、あの人物にある。

 ただ、その魔法陣は自身にもリスクがあるわ>

「解っている。そこはエリ達に参加してもらわないとな。

 そう、力が失われる前に」

 

 

 このあとラプラスはなのはを説得して、エリと哲也にお礼を言って帰っていった。

なのはは渋々と許諾して、地上に降り立った。

既に変身しなくとも、基本能力を使えていた二人は化け物であるといえる。

 

 

……

 

 遂に時が来た。

田中と同化していたニャルラトホテプを解除し、そのまま本体は警察署へ届けた。

またフェイト・綾香は、同時に元の世界に送り返した。

 

 

「リヴァイ・ゾロ・士郎。ありがとう」

「ああ。テメェも今後起こりうる全てにあきらめず、頑張れよ」

「哲也!次こそは、俺と対決してくれ!」

「お前の言う正義を貫いてくれ」

 

 

 受肉していた彼等の人格を、そのほかデータを逆転送した。

受肉されていた人は、構成員に連れていかれ精神的な治療を施されることになる。

 

 

 

「さて、飯食ってるとこ悪いが、エリ・なのは……

 この後お前たちを向こうへ転送する。

 今後お前たちは一週間、此方で過ごしたことで苦しむだろうがたった一週間で忘れる。

 それまで我慢してくれ」

「うぇーやだなぁ」

「なのは、一週間の辛抱だよ」

 

 

 食事が終わってある程度、此方の世界でやり残したことを終わらせておく。

例えばお世話になった師範とか。

学校や養子先の親には、記憶操作系の魔法で改竄する手筈になっている。

 

 

「よし、先にどっちがいいんだ?」

「はいはーい!私が先!」

「随分といきが良いな」

「だって、こんな世界より、皆に逢いたいもん」

 

 哲也は小学生のあるべき姿に苦笑いしつつも、腑に落ちる感じで納得して彼女をすぐに転送する。

 

 

 もう少しこっちでのいい思い出と云うのはなかったんだろうか、と思ってしまう。

だがそれと共にどこか淡白な気持ちに陥っている、実に薄情な自分に対してうしろめたさを感じる。

 

 

「さ、次はエリちゃんだ」

「うん」

「じゃ、送るぞ」

 

 

 淡々と魔導陣を展開させる哲也。

徐々に魔導陣が輝きを増していく中、エリは哲也の方を見やる。

 

 

「哲也君。私に聴かなくていいの?」

「エリちゃん。無意味な位にあいつを信じていたのは、エリちゃんだけだよ。

 俺は浩二を疑った事が何度もある。

 だからこっちでの生活はどうだったみたいなことを、修学旅行気分で質問する等毛程もない」

「そっか。じゃあ、私の独り言……。

 正直楽しかったかな。裏切られた感満載だったけど。

 でも……恋をするのって、なんていうか……言葉に表せられない直情的部分があるんだね」

 

 哲也は感慨深そうに本来の年齢ではやらないような表情をする彼女に、

驚嘆の表情を見せる。

 

 

「紛い物であったとしても……これは私の糧にするよ。ありがとね、哲也君」

「ああ。向こうでも息災でな」

「うん、武運長久を祈る」

 

 

 哲也はエリを向こうへ転送した。

 

 

 静寂に包まれた道場。

ここでは数多の師範と生徒がいた。

武器をトレースする者・三刀流の者・立体機動をする者・伝説の再現者・星光の破壊者。

稀有であり類稀な才能を持つ者達が、この場所で多くを学び先程元の世界へ帰っていった。

 

 

 普通であれば、干渉に浸る筈だが既に世界中に傷跡がついている。

この異常現象を解決することが、これからの当主としての役目だろう。

 

 

 

「さて……どうしょうか」

 

 

 未来を担う若者は、早々に壁にぶちあたりながらも先を行く。

 

 

―――

 

「尊さま、兄上様の一派が反乱を!」

「兄貴のプロマイド写真集でも見せとけ」

「流石は当主様。宗家異端である奴らを抑えられるとは」

 

 

 

「尊さま。なぞの空間を発見しました」

「探検隊を送れ」

 

 

「女中の本堂に、不埒者が侵入」

「我が糞親父だ。男色系ビデオでも見せとけ」

「流石は当主様。実の父親の趣味までもお見通しとは!」

 

 

「人とは思えぬ者を発見しました!」

「捕えろ。相手の返答次第では、殺せ」

「流石は当主様。大宮家の利益の為ならば、冷血に徹しきれるとは!」

 

 

 

「天使とか魔物とか管理局とか」

「とりあえず俺がとりかかろう」

「さすがはとうしゅしゃま。皆の為にかっこいいでしゅ」

 

 

 

「東西南北の王です」

「面談だ。これに尽きる」

「国家元首の如き威厳。さすがでございまする!」

 

 

 尊は多忙な仕事をしていったようだ。

 

 

 

 人はその一瞬の為捨てるか捨てられないか。

それは自分への寵愛が変化すればするほど、内容は変化している。

 

 

 

 

 存在の無意味を気取っても、結局は意味がない。

色々な状況下で道連れにしても、自身の大切さを上回る大切な物はない。

 

きっと、そのはずだ。

 

 

 

 

――――

 

 

「教師は長いけど、生徒は短いね」

 

 

「人以前に自分の生活を見直せよ」

 

 

「役立つなら、人さまの人の役に立ちなさい」

 

 

「意見を真っ向から反対と切り捨てないで、その意見を酌んであげることもブレーンストーミングの要なのです」

 

 

「なんでわさびもとんがらしも醤油も、辛いの?」

 

 

「やってる事成してる事。結局それって、昔の事のぶり返しなんだよね」

 

 

 

「相手の喉元に常に武器を当て続けなさい。そうしている間、貴方は無事で済みます。

 しかし気を緩めれば、死にますよ?」

 

 

「元首は平和を手に取るためって言っているけど、一般市民から言うと……。

 その日の一時の安寧の為に、命を削っているんだよね。

 

 だから働くという、幸福への一歩をやめられないんだ」

 

 

「草、おいしいです。匂いでご飯何倍でも行けます。想像と妄想で明日も元気に生きれる。

 舌で味わいません。五感で楽しむのです」

 

 

 

「友達って何だと思う?」

「紙一重だが、必要だろう?なあ、”―――”」

 

 

 

「確かに私はそう思ってたけど。あれは私の思い上がりだったの。ねえ、友達になってほしいんだ。

 まずはそこから、始めようよ”―――”」

 

 

「”―――”、私は好きだよ。何時からか目で追ってて、気持ちが浮ついて……。

 そして、聲を掛けられるだけで、胸の奥が温かくなったんだ。

 これがなんなのかよくわからなかったけど、これが『恋』なんだって。

 だから帰ってきてよ、”―――”!!!」

 

 

「君は良いんだね?」

「はい。ご協力ありがとうございました」

「そこまで馬鹿なのは、初めてみたよ」

「理屈で語れない。それが人です、お世話になりました」

 

「本当に……っ!残念でしかないっ!」

 

 

 

『方円位階次元相――――』

 

 

 

 全てを初期化します。

 




第一期は、12時間で仕上げました。
第二期は、一期投降後からこの話の投稿時間までです。

 残念ながら、ハーレムルートなんてないんです。
結局亭主が女性達へ、利害を超えた利害を発生させないと個々人の情を制御できません。
それを薬でどうにかしていたってわけです。

 これはそんな、ジャンキー共が紡ぐ違法薬品が絡んだ事件である。
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