ラブライブ!サンシャイン!!〜約七年も眠っていたペルソナ使い〜   作:しがみの

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どうも。Aobaです。たまには原作の違う作品とか書いてみたいですよね。


#0 はじまり

私、結城(ゆうき)琴音(ことね)はニュクスを封印する為に「()()()に死んだ」()()だった。しかし、次に目が覚めた時には真っ暗な空間に立っていた。見えるのは半径1m以内の円の中と自分の全身のみだ。

 

「久しぶり。琴音。」

 

暗闇の先から聞き覚えのあるような無いような懐かしい声が聞こえた。

 

「お兄ちゃん!?」

 

現れたのは十年前に事故にあった時、私を庇い、両親と共に死んだはずの双子の兄、結城 (まこと)であった。彼は既に身長は私を抜かしており、私と同じ十六歳の様な見た目だった。

 

「十年ぶりだね。」

 

「お兄ちゃん!!!どこに行ってたの!?」

 

「琴音が今来た世界にね。」

 

「へ?」

 

「琴音はあの世界にたくさんコミュニティを築き、更にまだまだそのコミュニティは広がる。俺はそれを無駄にして欲しくないと思う。」

 

「??」

 

兄から言われた事。私はその事を理解出来ず、ハテナマークが頭上に次々と浮かんだ。

 

「もう一年、二年生のチャンスをあげる。そこでさらに広がるコミュニティを築いて来な。」

 

「え!?ちょっと待って!!!お兄ちゃん!!!」

 

兄が去ろうとするのを止めたが、兄は一度後ろを向き、

 

「向こうじゃ、もう数年経ってるからね。じゃ、頑張ってね。琴音。」

 

その一言で暗闇の空間に消えていった。

 

「お兄ちゃん・・・。」

 

私はしばらく呆然と立ち尽くしていたが意識が遠のいていく感じがし、私は重くなっていく瞼をゆっくりと下ろした。

 

 

 

 

 

 

 

 

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目を開けると、目の前には見知らぬ天井、いや、一回見た事がある天井が広がっていた。内装も見覚えがある。恐らく、東京湾に浮かぶ人工島、辰巳ポートアイランドにある辰巳記念病院だろう。ただ、私が一回入院した時には無かったものがあった。延命装置と心電図、戦いからかなり時が経っている年月、2016年12月24日を表示しているカレンダー、花瓶に刺さっている真新しい花、山積みにされている誕生日プレゼント、そして、自身の口を覆っている人工呼吸器だ。私は、私しかいない空間に看護師を呼ぶため、ベッド脇にあるナースコールを押した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

看護師が来て、簡易検査をしている時だった。急に病室のドアが思いっきり開いた。

 

「琴音っ!!!」

 

ロングコートを着、黒のニット帽を被っている目つきの悪い男性が私の名前を叫びながら病室に飛び込んできたのだ。彼の名は荒垣(あらがき)真次郎(しんじろう)。私や寮のみんなから見ると母的な存在だ。恐らく、連絡が入ってから直ぐに来たのだろう。肩で息をしている。

 

荒垣は、しばらくその場で立ち止まっていたが、私の姿を見た瞬間、私に抱きついてきた。簡易検査中だったので看護師が止めたが。

 

それからは、寮の仲間や同級生達が押し寄せるように駆けつけてきた。ほぼ皆がそんなに嬉しかったのだろう。一番能天気だと思われいる男子だって泣いていたからだ。

 

その後、検査を行った結果、身体に何も異常が無く、私は明日に退院する事になった。

 

 

 

退院後、街を歩いてみると辺りの様子がかなり変わっていた。〝あねはづる〟の車両が新しい物に変わっていたり、あんなに綺麗だった月光館学園高等部の校舎が少しボロくなっていたり、私が住んでいた巌戸台分寮が閉鎖されていたり。まあ、約七年も寝ていたからしょうがない。

 

で、ワインレッドのロングヘアーの桐条(きりじょう)美鶴(みつる)さん、まあ、一年歳上の先輩の言う事には、私の部屋は毎月掃除をしてくれているらしい。確かに、私の部屋に足を踏み入れてみたけど、ホコリ一つすらない。私は桐条先輩の提案したある案に賛成した為、桐条先輩から貰ったいくつかの段ボールに部屋の家具などをしまい始めた。

 

 

 

そうそう、私は桐条先輩の提案を了承したことによりもう一度二年生をする事となった。だが、月光館学園の高校二年生ではない。実は、月光館学園は、桐条先輩の実家であり、更に国際的大企業である桐条グループの傘下にある。その桐条グループは、沼津にある女子高を傘下にしたもう一つの国際的大企業小原グループと学園間だけであるが協定を結んだのだ。その友好の証として私を派遣するらしい。まあ、私は卒業まで向こうに居ることになってるけど。更にそっちの旅館で住み込みで働くことにもなったし。あ、この寮を出るのは3月下旬だよ?それまで巌戸台区の教習所でオートマ車の免許をとるのだ。あ、教習所の費用と車の費用は全て桐条先輩が出してくれるらしい。太っ腹・・・。

 

さて、三ヶ月間使わない物を段ボールにしまったし、教習所に向かおう。

 

 

 

 

 

 

 

 

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暖かい春の陽気が漂う三月下旬。新都市交通〝あねはづる〟巌戸台駅のホームには、私を含め、茶髪でミディアムヘアーの岳羽(たけば)ゆかり、青緑でショートヘアーの山岸(やまぎし)風花(ふうか)、帽子と顎鬚がトレードマークで、殆どの人のあだ名を「〜っち」にする伊織(いおり)順平(じゅんぺい)、そして同学園の3年でボクシング部主将で、肉とプロテインが大好きの真田(さなだ)肉ひ・・・、ゲフンゲフン、真田明彦(あきひこ)、桐条美鶴、荒垣真次郎、そして、桐条グループが開発した「シャドウ制圧用兵器」のラストナンバーであり唯一の生き残りであるアイギス、メンバーの中では最年少だった天田(あまだ)(けん)の八人の姿とゲージに入った真っ白な毛並みの犬、コロマル(漢字では虎狼丸)の姿があった。

 

「召喚機は非常事態以外は使うなよ。あと、()()()は、何があっても話すなよ。」

 

「はい。」

 

出発直前、桐条先輩にペルソナの召喚機の銃を非常事態以外は使うな、そして、その力を何に使っているのかを言わないようにと釘を刺された。

 

桐条先輩は、注意の後、宿泊先の家庭への茶菓子類が入った(プリンだが)紙袋を渡してきたため、私は両手で丁寧に受け取った。それと同時にホームには電車が接近するチャイムとアナウンスが流れた。

 

「もうすぐだね・・・。」

 

11両編成のモノレールは、速度を落としながら2番線に滑り込んだ。車両とホームドアがチャイムを鳴らし、空気の音をたてながら開いた。

 

『巌戸台。巌戸台です。辰巳ポートアイランド方面はお乗り換えです。2番線の電車は臨海大井町方面、蒲田行きです。当駅止まり電車との接続の為、しばらく停車します。』

 

私は一歩踏み出し、モノレールの車両に乗ると、直ぐに後ろを向き、みんなの顔を眺めた。

 

「じゃあ、みんな元気でね。」

 

「着いたら連絡してね。」

 

私は一通り挨拶をした後、ずっと下を向いている荒垣の方を向いた。

 

「荒垣さん。」

 

「何だ・・・。」

 

「そんな顔しないでください。ちゃんと毎日連絡しますから。あ、会いにも来てくださいね?」

 

「・・・ああ。」

 

私は、荒垣さんにゆっくりと近づくと、ぎゅっと抱きついた。

 

『2番線、蒲田行きが発車します。』

 

「それじゃあ、行ってきます。」

 

「気をつけてけよ。体には気をつけて。」

 

発車サイン音が二回響くと、私は荒垣さんを抱きしめていた腕を放ち、車両の中に戻った。車両の床を踏んだ時、車両のドアとホームドアがゆっくりと閉じ、特有のインバータ音を出しながら発車し始めた。私はホーム側に振り向くと、過ぎ去って行く八人と一匹に向かって手を振った。

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