幻想殺しと電脳少女のボンゴレ生活 作:軍曹(K-6)
とある日のこと。ツナ達がいつも通り登校していた時のこと。
ツナ達の前から・・・というか、リボーンが歩く塀の上を同じように向かいから歩いてきた。
「な、なんだ・・・?」
「こんにちは―――っ」
「ちゃおっス!」
「私・・・三浦ハルと申します」
「知ってるぞ。ここんちの奴だろ?」
「お友達になってくれませんか?」
「いいぞ」
(関わり合いになりたくないな・・・。今の内にリボーンから離れるチャンスだぜ)
ツナはコソコソと足音を消し、なおかつ高速で離れていく。後ろの方で奇声が聞こえた気もするが彼は気にせずに前に突き進む。
(よし。リボーンから逃走完了。家を知られてるからまぁ完全に逃げることは不可能だろうけど・・・。まあいざとなったらイタリアの基地にでも)
その後、ツナがリボーンから聞いた話によれば、どうやらあの少女はツナに対してかなりの怒りを抱いているらしい。
(殺し屋だのマフィアだの全部この赤ん坊が言い出したことなんだけどなー・・・。というか、まず赤ん坊がスーツ着て喋ってることを疑問に思おうぜ)
三浦ハルと名乗った少女に心の中で突っ込みを入れるツナだった。
―――次の日。
「暑いな・・・・・・。太陽一度でいいから消えてくれないかな―――」
太陽を恨めしげに睨むツナの耳にガシャガシャと金属音が響いてくる。
「あれ・・・。あまりの暑さに耳鳴りが・・・・・・」(いや、耳鳴りじゃ・・・ない)
「おはよ―――ございます」
「何だアンター!!?」
ツナが振りかえると、そこにはアイスホッケーのスティックを持ち、バイクのヘルメットを抱え、甲冑のような物をまとった昨日の少女が居た。
「昨晩頭がぐるぐるしちゃって眠れなかったハルですよ」
「寝不足だとそういう格好しちゃうのかよっ!?」
「違いますーっ。それじゃ私お馬鹿ですよ」
「・・・ん?」
「リボーンちゃんが本物の殺し屋なら、本物のマフィアになるツナさんはとーってもストロングだと思うわけです」
「・・・はぁ」
「ツナさんが強かったらリボーンちゃんの言ったことも信じますし、リボーンちゃんの生き方に文句は言いません。お手合わせ願います」
(・・・しょうがねぇ。風歩とか使うまでも無く簡単にあしらえるだろう)
ツナは特に深いことも考えずに暇つぶしにプチプチを潰す感覚で少女の攻撃をさばいていく。
「あ、言っておくけど俺はマフィアのボスにはならないからね」
「じゃあリボーンちゃんをもてあそんでるんですね!!」
「いやいや。マフィアのメッカ、イタリアの組織が俺をマフィアのボスにしようと送り込んできたのがリボーンなんだよ。俺悪くない。悪いのイタリアンマフィア」
「十代目。さがってください!」
「え。あ、獄寺君・・・!」
「果てろ」
「あれ? どかーんってやつですねー」
その通り。獄寺の投げたダイナマイトが爆発し、爆風でハルの体が欄干を越えて川に落ちる。
「あーあー。落ちちゃったよ・・・」
「これでもう大丈夫です」
「一応カタギの人間なんだけどなぁ・・・」
「ブハッ。なんであんなもん持ってるんですかーっ。! ・・・・・・。たすけ・・・ゴボッ。助けてぇーっ」
「あちゃーっ」
「ん?」
「助けてやる」
「・・・リボーン」
「駄目です! この川は、リボーンちゃんが泳げるよーな」
「ツナ」
「あー・・・。面倒臭い」
ツナは気怠げにそう呟くと、少々格好つけ気味に欄干を飛び越え川に飛び降りる。
「溺死とかくだらない死に方すんじゃねーよ」
そう言いながらツナはハルを河川岸に引き上げる。
*
「ありがとーございました・・・」
「ったく、十代目に何かあったらオメーこの世に存在しねーんだからな。反省してんのか?」
獄寺が少し怒ったようにそう言ったが、ハルはまったく気にせずツナに惚れていた。
リボーンの代わりに飛び込んだから。気怠げなところがカッコイイ。などと細部は違うものの、結末は変わらなかったようだ。
「ハハ・・・不幸だ」