幻想殺しと電脳少女のボンゴレ生活 作:軍曹(K-6)
「は―――ぁ。始業式から寝坊だよ」
「急げよ」
「あーはいはい。・・・・・・・・・うおおおぉ! 死ぬ気で登校するー!!!」
「自分で死ぬ気になれんのか。どんどんボンゴレボスに近づいてやがるな」
全速力で学校に走って向かうツナ。途中で誰かに腕を掴まれたが、気にせず全力で学校まで走った。まあ、要するに間に合ったのだった。
「ふぅ」
「―――紛れもない本物・・・」
「!? だ、誰?」
「聞きしに勝る、パワー・スタミナ! そして熱さ!! やはりお前は百年に一人の逸材だ!!」
「は?」
勢い良く起き上がってツナの方を向いたのは、髪を短く切り揃えた年上っぽい少年だった。
「我が部に入れ。沢田ツナ!!」
「綱吉です・・・。ってか何で俺の名前・・・」
「お前のハッスルぶりは妹から聞いているからな」
「い・・・妹?」
「お兄ちゃーん」
「どうしたキョーコ!?」
「キョーコ・・・? とってもなじみ深いような・・・」(えっと、この人ボクシング部に所属してる笹川了平先輩・・・。笹川・・・キョーコ)
ツナは頭をひねって考え、答えにたどり着けそうになったが、答えは向こうの方からやってきた。
「も―――。カバン、道におっことしてたよ!」
「! 京子ちゃん!? 」
「あ・・・ツナ君。おはよ!」
「スマン」
「おはよ?」
「? 何で二人でいたの? あ。まさかお兄ちゃん、ツナ君捕まえてメーワクかけてないでしょうね!」
「ない!」
(や、迷惑結構かかってます。なんかいやな予感がびんびんします)
「ツナ君。お兄ちゃんのボクシング談義なんか聞き流していいからね」
「あ、うん」
「そう言えば自己紹介がまだだったな。オレはボクシング部主将。笹川了平だ!! 座右の銘は“極限”!!」
(熱いな・・・)
「お前を部に歓迎するぞ。沢田ツナ!」
「綱吉です」
「駄目だよお兄ちゃん。ツナ君を無理矢理誘っちゃ―――」
「無理矢理では無い! だろ・・・・・・・・・? 沢田」
「いえ。結構強引です了平さん」
「・・・・・・では! 放課後にジムで待つ!!」
「強引だなぁ・・・・・・」
「ガサツでしょ? あー見えて意外と優しい所もあるんだよ」
「まあ誰だってそういう面はあるだろうけど・・・」
「でもツナ君凄いな。私も嬉しくなっちゃった」
「へ?」
「あんな嬉しそうなお兄ちゃん久しぶりに見たもん」
「へーそれはよかったですね(棒)」
断りにくくなってきたなぁ。と、ツナは他人事のように思ってしまっていた。
―――放課後、ボクシング部室。
「さて、いかにして断ろう・・・」
「おお、沢田。待ってたぞ!」
「あ、はい」
「お前の評判を聞きつけて、タイからムエタイの長老まで駆けつけているぞ」
「は? タイの長老・・・? タイから日本まで半日はかかるんだけど・・・」
「パオパオ老師だ」
「パオ―――ン!」
(てんめー!!!)
像の被り物をしただけという簡易コスプレで声を変える努力もしていないリボーンに若干のいらつきが見え始めたツナであった。
「オレは新入部員と主将のガチンコ勝負が見たいぞ」
「えー。何を言ってるんですかパオパオ老師さん。私めにボクシングをやらせる気でしょうか?」
「当たり前だ。ちった―――強くなりやがれ」
「っていうか、ボクシングとムエタイは関係なくないですかねー」
「うむ。オレとのスパーリングは沢田の実力を計るいい方法かもしれない」
「えー。了平先輩までそんな事を言ってしまわれるんですか。俺にボクシングをやれと」
「ツナ君頑張ってー!」
「負けんなよ」
「十代目~!」
「み、皆さん来ていらっしゃるので・・・」(っていうか、
「パオ~ン」
*
「ゆくぞ、沢田ツナ!! 加減などせんからな!!」
「綱吉です・・・。あと、ボクシング部入部は断らせてもらいますっ!」
「ほーぅ・・・。オレは細かい詮索などせんぞ。何故なら男同士拳で全て語り合えると信じているからな。入部しろ沢田!!」
「断る!!!」
「“極限ストレート”をかわすとは! ますます気に入ったぞ!! なおのこと入れ、沢田!!」
「絶対! 嫌だ!!」
「すげー。笹川先輩の“極限ラッシュ”をかわしてる・・・・・・・・・!!」
「あいつ、何者だ!?」
「かわすツナもすげーが、あのラッシュも常人のものじゃねーな・・・」
「ありゃあ殺し屋のそれだ・・・」
「入れ入れ入れ入れ!!」
「やだやだやだやだ!」
「入れ!」
最後の一撃。了平が放った“極限ストレート”がツナの顔の真ん中にめり込んだ。
「「「!」」」
ツナの体は少しよろけ、ロープに寄りかかる形になる。
「・・・沢田?」
「・・・・・・了平先輩。熱くなっていたんでしょうけど、流石にジャイアンパンチはないんじゃないんですか?」
地の底から響いてくるような低い声でツナは言った。
「さて、じゃあ反撃の狼煙を上げるとしようか・・・・・・」
ツナはそう言うと軽く踏み出し了平との距離を詰める。
「むっ!」
「連続「普通のパンチ」♪」
一瞬のことだった。見えた人間が少ないかもしれないほどの一瞬で、ツナの拳が質量を持った残像でそこに出現し、了平の上半身を余すところなく叩いた。
「ぐはあぁ!!」
「・・・・・・・・・ッ!」(っっってぇえぇえええ?! 肩がぁ! 肩がぁ! ちょっと手加減しようと変な動きしたからか!? 外れやがったこのバ関節!)
バレないように関節をはめ直すツナ。そう言えば・・・。と了平の方に目を向けてみると、割れたガラスの破片の中に沈んでいる彼の体があった。
(わお)
「素晴らしい! 極限に気に入ったぞ、沢田! お前のボクシングセンスはプラチナムだ!! 必ず迎えに行くからな!」
「もー。お兄ちゃん嬉しそうな顔してー!」
「いえ、結構です」
「オレも気に入ったぞ、笹川了平」
「?」
「お前、ファミリーに入らねーか」
「「?」」
(また・・・コイツは・・・)
貪欲なリボーンだった。
ツナはボクシングをすると誤って人を殺めそうです。
なのでスポーツ全般やる気が彼にはありません。