幻想殺しと電脳少女のボンゴレ生活 作:軍曹(K-6)
「・・・その頭部の
「小言弾はツナの静かなる闘志を引き出すんだ。死ぬ気弾とはまるで違う全く新しい力を秘めた弾だからな」
「ふ、僕には戦意を喪失しているようにしか見えませんがね」
そう言って殴りかかってくる犬を退け、千種の幻術を見切り、本当の居場所を探り当てるツナに、獄寺を乗っ取った【骸】は驚愕する。
「どういうことだ。・・・先程よりも精度が上がっている?」
「死ぬ気弾は外側から強制的にツナのリミッターを外すのに対し、小言弾は内側から全身のリミッターを外す。ツナは今まで無意識の内に抑え込んでいたブラッド・オブ・ボンゴレがフルパワーで使えるんだぞ」
「なるほど。・・・だが、お忘れですか? これはお仲間の身体だ。君は手をあげられるんですか?」
そう言って【骸】は獄寺とビアンキの身体を操り、ツナをサンドバッグのように殴り始めた。
無抵抗のまま殴られているように見えるツナだったが、獄寺とビアンキを傷つけないように急所を避けて攻撃を受け流していたのであり、攻撃を躊躇っていたのではなかった。
ツナは一瞬の隙をついて2人を沈黙させ、そっと2人を横たえるとリボーンに視線を向ける。
「リボーン、処置を」
「急にいばんな」
口ではそう言いつつ素直に二人の容態を確かめるリボーンに、ツナは安心する。
(さて、どう化けた?)
超直感に死ぬ気の炎。リボーンは正体を知らないが死ぬ気の零地点突破まで。全て使えていたツナだったが、生憎人間単体で出せる出力には限界がある。肉体の損傷を気にしなければそこそこいけそうだが。しかし、そんなことを気にせずとも使えるよう、武器は手に入れた。リボーンは己の生徒がどう成長したかを見極めようと、目を向ける。
「・・・・・・」
一方ツナは、己の右手に填まる指輪に目を落とす。羽がついていたりドクロが着いていたりなど、パンク風のものではない。だが、大きなベージュ色の宝石の左右に六色の宝石が配置されたもの。
(・・・ベージュ? 大空が青。ベージュ色・・・宇宙か!)
これは余談だが、宇宙の平均色はベージュだといわれ、「コズミック・ラテ」と名付けられている。
「・・・いつまでそこで寝転んでるつもりだ骸」
「・・・―――クフフ。格闘センスが格段に向上していることは認めましょう。だが、この程度で図に乗ってもらっては困りますね」
「・・・・・・」
「僕が持つ六つある戦闘能力の内、まだ一つだけ発動していないことにお気づきですか?」
「第五の道。人間道だな」
「その通り、我々の生きるこの世界が人間道です。そして実は六つの冥界の内、もっとも醜く危険な世界だ。皮肉ではありません。故に僕はこの世界を嫌い、この能力を嫌う。できれば発動させたくなかった―――・・・。この人間道は最も醜く」
彼はそう言うと己の右目に指を突っ込み血を流す。そして次にその目が見えた時にその数字は五となっていた。
「最も危険な能力ですからね」
「!!」
「どす黒い闘気だな」
「見えますか。闘気を放出しながら戦うタイプの戦士にとって、吹き出す闘気の強さがすなわち強さ!」
強大な力を手にした骸が襲いかかり、ツナは壁に叩きつけられる。
「クフフ、脆いですねぇ。・・・ウォーミングアップのつもりだったのですが」
「で、なくっちゃな・・・・・・・・・」
「なっ!」
「お前の力がこんなものなら、拍子抜けだぜ」訳)もっと来いよ骸。お前の力はそんな物か?
「クフフフフ。まったく君は、楽しませてくれる」訳)マスター。ここからが僕の本当の力ですよ。
「Xグローブは死ぬ気弾と同じ素材でできていて、死ぬ気の炎を灯すことができるんだぞ」
「まるで毛を逆立て体を大きく見せようとする猫ですね。だが、いくら闘気の見てくれを変えた所で無意味ですよ」
「死ぬ気の炎は闘気じゃない」
「ほう・・・。面白いことを言う。ならば見せて・・・、もらいましょうか!?」
襲いかかる骸の三叉槍の柄を熱で折り曲げ、その顔に炎を浴びせるツナ。
「つっ!!!」
「死ぬ気の炎と闘気ではエネルギーの密度が違うからな。限られた人間の目に見えるだけの闘気と違って、死ぬ気の炎はそれ自体が破壊力をもった超圧縮エネルギーだ」
「そのグローブは焼きゴテというわけか・・・」
「それだけじゃない」
そう言ったツナは骸に殴りかかる。が、骸が三叉槍を振り下ろした瞬間その姿が消えた。
「!? 消えた!?」
目を見開いた骸の背後に現れたツナは、骸の顔めがけて拳を繰り出す。咄嗟にそれを三叉槍でガードした骸だったが、壁際まで吹き飛ばされる結果になった。
「何だ、今のは・・・? 奴は一体、何をしたんだ・・・?」
「ウォーミングアップはまだ終わらないのか?」
ツナのその質問に、骸は悔しそうに表情を歪める。が、次の瞬間、哄笑した。
「クフフ・・・クハハハ! これ程までとは嬉しい誤算だ。これならば知略をめぐらせずともマフィア間の抗争を起すことができる!」
「それがお前の目的か」
「――おっと。これ以上話すつもりはないですよ。君は、僕の最強形態によって僕のものになる。見るがいい!!」
骸が影を放つ。
それを幻覚と見破ったツナは、そのすぐ後その幻覚に混じった石つぶてを死ぬ気の炎で振り払い、その噴射の力で高速スピードで移動し骸の背後に再び現れた。
ガードが遅れツナの拳をまともに顔で受けた骸は床に叩きつけられる。
「クフフフ。これがボンゴレ十代目。僕を倒した男か・・・殺せ。マフィアに捕まるくらいなら、死を選ぶ」
「・・・お前、俺のファミリーにならないか?」
「!?」
「!? ・・・ツナ?」
「リボーン。確か負けた奴が勝った奴の下に着く、それがマフィアのルールだったよな」
「だがそいつはマフィアを追放されている。その掟は通じないぞ」
「・・・・・・でも、殺したくないんだよなぁ」
クルリと背を向けた瞬間、ガッと骸に腕を後ろ手に取られ身動きが取れなくなる。
「クフフ・・・その甘さが命取りです」
骸に腹部を蹴られ、その衝撃で壁へと吹き飛ばされる。
「飛ばされる先を見るがいい!!」
その言葉に後ろを向けば、先程千種の手から弾き飛ばした三叉槍の先端部が壁に刺さり、突き出ていた。
「空中では受け身が取れまい。・・・君は、そのくだらぬ優しさで己を失くすのです!」
「いけ、ツナ。今こそXグローブの真の力を見せてやれ」
リボーンのその言葉に、ツナは手を壁の方向に向けると掌から炎を逆噴射した。
「なっ・・・、炎を逆噴射だと!?」
「死ぬ気の炎の推進力を使った高速移動だ」
リボーンの言葉に、骸はようやくツナが突如背後に現れたカラクリを知った。
ツナは逆噴射を利用してそのまま骸に突っ込み、骸の顔面を鷲掴みにしてそのままステージまで突っ込んでいく。
その間に炎が骸の邪気を浄化し、そのままステージの下に叩きつけられ昏倒した。
大宇宙のリングはツナ専用のリングなので、ツナの炎の出力に合わせてリング自身も成長していく特殊仕様です。おそらく。