幻想殺しと電脳少女のボンゴレ生活 作:軍曹(K-6)
「終わったな」
「・・・・・・ああ」
「ご苦労様だぞ。ツナ」
「みんなのケガは?」
「心配ねー。ボンゴレの医療班が到着したらしいしな。ランチアの毒も持って来た解毒剤で間に合ったそーだ」
「良かった・・・。それに、骸もなんとか死なせずに済んだしな」
「ったく甘い奴だな。お前は」
「近づくんじゃねぇびょん!! マフィアが骸さんに触んな!!」
「あ、良かった。まだ動けるんだ」
犬と千種が床を這いツナ達に向かってくる。骸に身体を乗っ取られ利用されていたにも関わらず、その忠誠は変わっていないようだ。
その後、三人の生い立ちについて語られた。まあ、この場で彼らの生い立ちを知らないのはリボーンだけなのだが。
「じゃあ口が利けるみたいだから聞いておく。君達、俺のファミリーになる気ない?」
「ツナ・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・骸さんに聞くびょん」
「そっか。じゃあ最後に一つ、ごめん。そしてありがとう」
「「?」」
「? ・・・ツナ?」
呆然とツナを見ていた犬と千種だったが、突如現れた謎の人物達の放った鎖に捕らわれてしまう。
「うわっ。趣味悪っ。全身グルグル包帯だらけで黒ずくめとか・・・誰得だよ」
「“
「牢獄に突っ込んだりして?」
「ああ。その通りだぞ」
「殺されたりはしないの?」
「さぁな」
「しないよな・・・?」
「しねぇ方が良いけどな」
「だよね」
「俺達マフィアの世界は甘いもんじゃねぇ。・・・あいつらは厳しい罰を受けることになる」
リボーンの言葉に頷き、ツナは三人が消えた扉を見つめていた。
「それでもさ。俺は―――」
「ツナ・・・?」
「お待たせしました! ケガ人は!?」
復讐者と入れ替わるようにしてやってきたボンゴレの医療班に、ツナほっと息をついた。仲間達が無事だと分かって安堵しているようだ。
「・・・ねぇ。もしかしてランチアさんも? 他の脱獄グループも?」
「ランチアは解毒後に復讐者に連れて行かれたらしい。後は知らね」
「そ、そんなぁ・・・」
ツナは疲労が溜まっているのかその顔には疲れが見え始める。そして、眠るように倒れた。
「・・・相当疲れていたのか? 寝ちまいやがった。でも、九代目の司令はクリアだぞ。良くやったな、ツナ。俺も家庭教師として・・・、ねむい・・・ぞ」
二人仲良く担架に乗せられ運ばれていったのだった。
・・・・・・一ヶ月後。
球場にて、野球部秋の大会が開かれていた。
「「「わ―――っ!!」」」
「ホームランです!!」
「流石山本。野球の事となるとピカイチだな・・・」
「それ以外は駄目っすけどね」
「勉強とか特にね。後、獄寺君」
「なんスか! 十代目?」
「何でダイナマイト握りしめてるのかな?」
「あ、いや! これは・・・クセっス! 何か握ってないと落ち着かないというか!」
「ならいいや。もしかしたら獄寺君が山本の試合に水を差そうとしてるんじゃないか、って勘ぐっちゃったよ」
(は、はは・・・)
そんな事を野球の試合から目を離してわいわいやっていた時だった。
「―――ッ。ん・・・・・・? ・・・・・・・・・」(どいつだ?)
「?」
悪寒を感じたツナが心当たりを探してキョロキョロするが、当たりは見つからなかった。
「! ・・・・・・・・・一人は寂しそーだな。またいつでも相手になってやるぞ」
「また・・・いずれ・・・」
―――十数日前。
珍しくリボーンの監視がない状態でツナは学校から帰っていた。もちろん近くに獄寺、山本の姿もない。
「何かがあるな」
超直感でも何でもなく、ツナはそう思った。
と、ツナの目の前で反対車線の歩道から道路に猫が飛び出した。その様子に彼は納得する。
猫が轢かれる。そう思った時、歩道から少女が猫を助けるために飛び出した。
(ゲッ)
ツナも釣られて飛び出し、自らの意思で死ぬ気になり少女と猫を抱え歩道まで飛んだ。
「・・・・・・ふぅ」
「あ、あの」
「何やってんだ馬鹿! 道路に飛び出すとか自殺志願者か!?」
「ね・・・猫が」
「猫がどーした!? そんな事で死んだら元も子もねーだろっ!? 自分の命が大切じゃないのか!?」
「でも」
「デモもストライキもねーんだよっ! 馬鹿か!? 馬鹿なのかお前は!」
「ごめんなさい・・・」
「謝るなら最初からするなって話だろ!? お前が謝るべきなのは誰だ。親か? 俺か? 違うだろ! 大切にできなかった自分自身に謝りやがれ!」
「うぅ・・・」
ツナの怒鳴り声にどんどん小さくなっていく少女。と、その時。
「・・・? 誰?」
「・・・・・・? 何言ってんの、キミ」
疑問を感じたツナは、気配感知と精神感応を最大限に使って当りを探す。と、
「クフフフ。散歩はしてみるものですね」
「骸!?」
「おや、マスターも私が見えるのですか」
「いや、辛うじて声が聞こえる程度だけど」
「・・・貴方は、この変な髪型の人と知り合い?」
「だ、誰が変な髪型ですかッ! マスターも何とか・・・笑ってる!?」
「い、嫌。だって・・・ククク。ごめっ・・・そ、そうだよ。骸と俺は主従関係。で? 骸、何か考えがあったんだろ?」
「ええ。彼女は適性がある」
「・・・・・・ねぇ、キミ名前は?」
「・・・凪」
「よっし凪! 俺はお前を誘拐だっ!」
ガシッ。と少女、凪を小脇に抱えてツナはその場を立ち去った。
―――場所は変わって、影組日本基地。
「よっ。お前等」
「「「「!!」」」」
「ツナ様!」
「お帰りなさいませ」
「この子の部屋を作ってやってくれ」
「? 誰ですか? この子」
「六道骸の端末になれる子だよ」
「有幻覚・・・」
「クフフ。全く、気絶した少女に僕を取り憑かせるなんて、相変わらずマスターのやる事は読めませんねぇ」
「読まなくていいんだよ。読まれると面倒だからね」
上条はその後何故か凪になつかれた。
「というか犬と千種は普通にそこにいるんだね」
「骸さんが逃がしてくれたんだびょん」
「犠牲になった・・・」
「でも、綱吉さんのおかげでまた会えたびょん」
「流石綱吉様」
相変わらず持ち上げてくるなぁ・・・と、ツナは思ったそうだ。