幻想殺しと電脳少女のボンゴレ生活 作:軍曹(K-6)
三戦目は嵐の守護者対決。
ツナ達からは獄寺隼人が、相手からはプリンス・ザ・リッパーの異名を持つベルフェゴールだった。
獄寺は時間ギリギリ到着という少々遅刻敗退が危ぶまれたが何とかなった。
その後、ステージの説明を受け円陣を組んだ。
「それでは嵐のリング。ベルフェゴールVS.獄寺隼人。勝負開始!!」
バトルが始まってすぐ、ツナが異変に気付いた。
「ねぇ、リボーン。助言って失格かな?」
「良いんじゃね。もうお前は盗られるものは何もない」
「・・・だね」
ツナは観客席の声が届くことに思わず笑った。
「獄寺君。良いこと教えてあげる。
ツナのその言葉に、大半の人間が首を傾げた。
(糸くずを払う? 十代目・・・。!)
その言葉で気付いたのか、獄寺は先程ベルフェゴールに触られた肩を払う。するとワイヤーが地面に落ちた。
「・・・流石です。十代目」
「―――もしかして今のって反則?」
「いえ。ヒントですから、良しとしましょう・・・」
「うぃうぃ」
だが、キレたプリンス・ザ・リッパーの実力に獄寺はだんだん追い詰められていく。ツナはもしかしたら勝つかなー? と希望的観測を持っていたのだが、結果は原作通り。ツナの一言で帰ってきてくれた。
「それでは嵐の守護者戦の結果を発表します。嵐の守護者戦はリングを奪取したベルフェゴール氏の勝利とします」
チェルベッロが改めてそう言えば、獄寺達が落胆する。ツナは何故か頷いていた。
「そして第4戦目は、雨の守護者戦とします」
その言葉に山本は表情を引き締め、己の相手となるスクアーロに視線を向けた。
「俺の相手はてめぇだな。この時を待ってたぜぇ刀の小僧!! やっとかっさばけるぜぇ!! 前回の圧倒的力の差を思い出して逃げんなよ」
そう言ったスクアーロに、山本は不敵な笑みをうかべた。
「その心配は要らねーぜ。楽しみで眠れねーんだからな」
「失礼します! レヴィ隊長! ただ今、何者かが学校内に侵入し、雷撃隊と交戦。ほぼ、全滅です!!」
「! 何!?」
レヴィが眉を顰める。
「そんな事ができるのって」
「アイツしかいねーぞ」
「アイツ?」
山本が不思議そうに首を傾げると、ツナはオモチャを前にした子どもみたいに笑って。
「並盛の秩序であり並中の支配者、雲雀恭弥さんですよ」
「ねぇ。君達、ボクの学校で何してるの?」
「たった今、嵐の守護者戦が終わったんです」
ツナは雲雀の怒気に臆することなく話を続ける。
「ふぅん。校内への不法侵入及び校舎の破損。連帯責任でここにいる全員咬み殺す」
「あっちゃー。そうだった。この人校舎大好きっ子だった!」
ツナはあちゃーと額に手を当てるが、特に気にした様子はなく、暫くは雲雀の好きなようにさせた。
そして、山本と対峙しようとしたその時。ツナの払いが雲雀を止める。
「・・・・・・なんだい草食恐竜」
「これ以上暴れられるのはちょっと・・・、と思いましてね。等価交換と行きましょう。ここで暴れるのを我慢して、守護者戦で見事勝ったら。一つだけ、オレが言うことを聞いてあげます」
「・・・へぇ。どんなことでも?」
「流石に死ねとかは無理ですけど。本気で戦えというのであれば、雲雀さんと全力で戦いますよ」
「・・・・・・分かった。校舎は完全に直るの?」
「はい。我々チェルベッロが責任を持って」
「綱吉」
「・・・あ、はい」
「僕の言うことを聞く前に、猿山の大将に負けないでね」
「オレが負けるとでも?」
「・・・じゃあね」
「ええ。では」
「ゔお゙ぉい! 刀小僧!」
ホッとしたその現場にスクアーロの大声が響く。
山本は緩んでいた表情を再び引き締めて振り返る。ツナはいつも通りヘラヘラとしていた。
「貴様その動きどこで身につけたぁ!! 気に入ったぁ! だが、お前が勝つ可能性は万に一つ。いや、億に一つか!!」
「・・・やってみなきゃ、わからねーさ」
「例えソレが那由多の彼方でも、山本には十分だよ」
「おう!」
ツナの言葉に頷いた山本を見てスクアーロは笑い、ヴァリアーを連れて去って行った。
「・・・ところでツナ」
「んー?」
「那由多ってなんだ?」
「ッ!? や、山本・・・知らないで頷いたのか!?」
つつつ・・・と呻きながら獄寺が驚く。
「おう。で、なんなんだ?」
「一、十、百、千、万。この後は?」
「億、兆・・・?」
「京、垓、杼、穣、溝、澗、正、載、極。恒河沙、阿僧祇、那由他、不可思議。ッスよね十代目」
「そ。アイツは万に一つか億に一つか。つまり、万分の一、億分の一の確立しかオレ達は勝てないんじゃないか。って言った。だから那由多分の一より小さくても山本は勝ってみせるよ。って言ったんだ」
「ちなみに那由多分の一って言ったら、零が六十個あるんだぞ」
「ははっ。そんな低確率でも勝てってツナは言うのか」
「諦めが人を殺す。諦めなければ人はどこまでも強くなれるんだよ。山本」
「・・・・・・なんか頑張れそーだわ」
―――次の日。
第四戦。雨の守護者戦が始まる。
「『型にはまった剣・流派。それらを超えられなければスクアーロには勝てない』・・・か」
「ツナ・・・」
「深く考える必要ないと思う。で、俺から言えるのは一つ。山本にしか振れない剣があるはず」
「俺にしか・・・振れない剣」
「そ。頑張ってね」
戦いはスクアーロの優勢だった。時雨蒼燕流は昔潰した流派だ。と、スクアーロは自慢げに言っていた。お前のやっていることは無駄だ、と。だが、山本は時雨蒼燕流の完全無欠最強の理由を知る。そして―――
「時雨蒼燕流・・・攻式九の型」
「ゔお゙ぉい! 野球でもするつもりか?!」
「・・・あいにく、これしかとりえが無いんでね」
―――うつし雨。
山本の放ったその攻撃は、ツナ達の勝利を意味する一撃だった。
その後、スクアーロは放たれた鮫に、助けようとした山本の厚意を振り払って、食べられた。
「スクアーロ!!!」
「」
「」
「」
「」
「ぶは―――っははは!!! 最後がエサとはあの―――――ドカスが!! 過去を一つ精算できた」
「アハハ。アハハハハ! まさに死闘。だね!」
お互いの大空のボスはどこか微妙にずれている。
「明晩の対戦は、霧の守護者同士の対決です」
対戦のカードは今日も切られる。
(いよいよ・・・か。獄寺君とかすごく反対しそー・・・)