幻想殺しと電脳少女のボンゴレ生活 作:軍曹(K-6)
「クフフ。クフフフ」
「!!?」
「ムム? 男の声・・・?」
その声の後、床が割れ、マーモンに攻撃が襲いかかる。
「ムギャ!!」
「クフフフ。随分いきがってるじゃありませんか。僕のマスターに逆らう、愚かなマフィア風情が」
「だ・・・」
「誰だ・・・?」
「んー?」
「娘が・・・」
「六道骸・・・!! 間違いない」
「や。骸」
「お久しぶりです。舞い戻ってきましたよ。輪廻の果てより」
そして、マーモンと骸の幻術での戦いが始まった。
激しい幻覚の応酬に、汚染の症状を訴える守護者達に苦笑し、ツナは骸へと視線を向けた。
(しかし・・・本気で戦ってるよなーどう見ても。クロームとの戦いで本気で挑まないといけない相手だとふんだってところかな)
(そう。僕がこちらにいられる時間は限られています。ただし、マスター。全力でなければ勝てないわけではありませんよ。時間の短縮、ただそれだけの理由です。勘違いなさらないでください)
「ふふっ。知ってるさ。全く、俺の部下は負けず嫌いが多いね」
そう呟いた言葉に反応したリボーンが、ツナに視線を向ける。
「ツナ?」
「ん? あー。骸がとても負けず嫌いな発言してるからさ。あいつにもそういう面があるんだな。って」(知ってたけど)
「骸との精神感応だったか?」
「心の読み合いともいうね。ただ、戦闘中にこっちに意識を向けるって事は意外と余裕なのかなぁ」
彼ほど人生を楽しんでいる人間もいないだろうというほどの笑顔で、先程からツナは笑っている。
一方で、XANXUSはどこか不機嫌そうだった。
実のところXANXUSは幼少期の頃のツナの暴挙に憧れと尊敬の念を抱いていた。そんな彼と、同じような事ができる、そんな骸に嫉妬の炎が燃え上がる。
「・・・お前のせいでボスの機嫌が最悪だ」
徐々に圧されつつあったマーモンが骸を睨む。
「そんな事は知りません。クフフ。マスターと僕はただただ上司と部下の関係。余計な感情を抱いているのはおたくのボスだけですよ」
「そうだよ。だから早く終わらせろよ骸。俺は凪のただいまが聞きたいんだから」
「ヤー、マイマスター」
骸の最大出力と言っても過言ではない幻術がマーモンを襲う。
「堕ちろ。―――そして巡れ」
大きな音を立てて破裂したマーモンの身体を見て、ヴァリアー側も獄寺達も同様に表情を強張らせた。
「霧のリング。これで・・・いいですか?」
チェルベッロに向かい骸は完成させた霧のボンゴレリングを見せる。
それに対して、彼女達はクロームの勝利を告げた。
「ヘイむっくん」
「マスター、もちろん殺してはいませんよ。流石アルコバレーノ、逃げるだけの余力は残していたようですから」
「流石だぜ!」
その言葉にXANXUSは振り返らずにゴーラ・モスカを呼ぶ。
「戦線離脱とみなす。争奪戦後、マーモンを消せ・・・方法は任せた」
了承の意なのか、目の部分が光った。
そんなXANXUSを見て、骸はフ、と笑みをうかべた。
「まったく君は、マフィアの闇そのものですね。XANXUS。君の考えているおぞましい企てはこの僕ですら畏怖の念をいだきますよ」
「・・・」
骸は何も返さないXANXUSに肩をすくめ、
「いえ、別にその話に首を突っ込むつもりはありません。僕は良い人間ではありませんので。ただ一つ・・・、僕達の大空が君の計画の排除を決めたなら、僕は全力で君の企てを潰します。そして彼を舐めない方が良い。彼はその身一つで、宇宙中を敵に回しても笑っていられる男だ」
「・・・あんまり無責任な事言わないでくれないかな。骸」
「貴女が言ったことですよ?」
「その“あなた”、女って字を使ってない? 俺は男! 確かに昔お前達に言った記憶はあるけどさ・・・・・・」
「クフフ」
そこで、骸は何かに気付いたようで。
「ではマスター。この娘を、頼みます」
「オッケー」
ツナは倒れてきた凪をキャッチすると、そのまま胸の前で抱え上げる。所謂お姫様だっこだ。
「じ、十代目・・・」
「ん?」
「それ、できるんですか・・・・・・?」
「当たり前だろ!? まったく、女の子一人支えられなくて男が務まるわけないだろうに」
「その意見は賛成だな」
「・・・これで三勝三敗。次の守護者戦で決まる・・・のか?」
「はい。引き続き守護者戦は行われます」
「明日はいよいよ争奪戦最後のカード。雲の守護者の対決です」
「・・・・・・おい、XANXUS。次、雲の守護者戦でそちらが負ければ否応なしにツナの勝ちだ。・・・大人しく負けを認め、ボンゴレ10代目の座を諦めるんだろーな」
「あたりめーだ。ボンゴレの精神を尊重し、決闘の約束は守る。雲の対決でモスカが負けるようなことがあれば、、全てをてめーらにくれてやる」
「・・・そして全てを奪い返す・・・」
「ん? ツナ、何か言ったか?」
「いや、何も。行こう、リボーン」