幻想殺しと電脳少女のボンゴレ生活 作:軍曹(K-6)
(昨日は・・・色々あったなぁ・・・・・・)
しみじみそんな事を考えながらツナは起床した。いつも通り階段を降りてリビングに向かうと、目的地から笑い声が聞こえてきた。
「世話になっているぞ」
「ランチアさん。その、昨日はどうもありがとうございました。というか、どうして・・・?」
「その話は後だ」
「ツナも着替えなさいよ」
「出かけるからな」
「出かけるってどこへ?」
「ぱーちーだ」
「・・・・・・ッ!」
「笑うんじゃねぇ」
「昨日何があったかもう忘れちゃったの? おめでたい事あったでしょ?」
「え? 昨日・・・?」(ヤバい。リング争奪戦ぐらいしか分かんねぇ!)
「ランボ君が退院したでしょ?」
「あー。そっち」
「山本ん家集合だからな」
「山本の家って・・・寿司屋?」
言われた通りツナは準備をして山本の家に向かう。
「・・・こんばんは」
「へいらっしゃい。ツナ君御一行!」
「ツナ君!」
「ツナさん!」
「十代目!!」
「みんなそろってるんだ・・・」
呆れたように言うツナに、獄寺が駆け寄ってくる。
「十代目っ。表向きはアホ牛の退院祝いスけど、間違いなく今日は祝勝会スから!! リング争奪戦の!!」
「あ、うん」
「やりましたね!!」
「あ」
「だな!」
「うむ」
獄寺や山本達はそう言って指に着けたり、ネックレスとして首からかけたボンゴレリングを見せてくる。
「もうみんなに行き渡ってるんだ・・・」
「ヒバリとクロームにも行ってるはずだ。ほれ、これがお前のだ」
「俺にはウラヌスリングがあるんだけどな・・・」
ツナは渋々ボンゴレリングを受け取ると右手の中指にはめる。ウラヌスリングは左手の中指にはめる事にした。
「しかし最後までボンゴレ十代目にはならねぇなんて言いやがって」
「当たり前だろ。俺はマフィアになんてならないの」
「ハハハ。往生際の悪い奴だな」
ツナとリボーンがそう言っていると、ディーノが笑いながら会話に入ってきた。
「それに九代目は無事だったんだ。今すぐツナが十代目になるわけじゃないぜ?」
「そーゆー問題じゃないんですよ・・・・・・」
「あんなチビもやる気なのにか?」
「は?」
「この指輪ねぇ。ツナからもらったの」
(うそつけー!!)
ディーノの視線の先には、京子とハルに雷のリングを見せながらそんな事を言うランボがいた。
「アホ牛の奴。シメてやろーか!!」
「まーまー。ランボも頑張ったじゃねぇ―か」
「ったく・・・。まあいいっス! 十代目!! んじゃあ今日は未来のファミリーについて熱く語り、盛り上がりましょう!」
「え」(それは盛り下がるなー・・・。っていうか、将来マフィアやるつもりないし・・・)
「聞いたよツナ君! 相撲大会、勝ったんでしょ?」
「う、うん・・・」
「そのお祝いもしよーね」
「ありがとう。お守りも、ありがとね」
ツナはお礼を言って、少し前に出る。すると、耳元で京子の声が聞こえてきた。
「お帰り、ツナ君」
「ただいま、京子ちゃん」
「イチャイチャしてる暇があったら食べなさい」
「え!? い、イチャイチャしてるわけじゃ・・・」
「じゃあいただきまーす」
慌てる京子に対し、ツナは何も気にせずビアンキのポイズンクッキングを口に運ぶ。獄寺はしっかりと心構えを持っていればビアンキの顔を見ても平気になっていた。
「うん。毒だから仕方ないのかもしれないけど、もう少し味と見た目を何とかしてほしいな。食べるこっちの身にもなってほしいよ」
「そ。考えておくわ」
「ありがと。・・・どしたの京子ちゃん」
ツナが振りかえると、何故かふくれっ面になった京子がいた。ツナは何をしたいのかよく分からなかったため、そのような質問をしたのだが、返ってきた答えは
「・・・なんでもない」
つん。と顔をそらした上でのそんな一言だった。
「・・・?」
と、そこでツナの携帯電話が着信を知らせる。ツナはその場の全員に謝って一度店の外に出る。
「・・・はい。沢田です」
『・・・ボス?』
「やっぱり凪か。どうしたの?」
『・・・おめでとう。やったね・・・! って言いたかった』
「・・・・・・ッ」(何この可愛い生き物ッ!)
『・・・ボス? あ。もしかして電話の向こう綱吉さんれすか? ・・・そうだけど。 変わるびょん! ・・・うん。 ・・・あ、もしもし綱吉さん?』
「犬? どしたの?」
『特にないんれすけど・・・。その、お疲れ様でした』
「ん? ありがと」
『綱吉様。おめでとう』
「千種・・・、ありがとね」
と、そこでツナのケータイにキャッチフォンが入る。
「ご、ごめん。キャッチフォンが入った。用事も済んだみたいだから切るよ!」
ツナは一度黒曜組の通話を切り、新しく入った方の電話に出る。
「はい。こちら沢田―――」
『お兄ちゃーんっ! おめでとー!!』
「ま、真美ちゃん!? どうしたの!?」
『聞いたよ、聞いたよ! 私はいろいろ聞いたんだよお兄ちゃん』
「な、何を聞いたのかな・・・?」
『ふふん。聞いて驚いてね? お兄ちゃんがシモンと因縁の深いボンゴレの子孫だという事をね!』
ふっふーん。という得意げな鼻息と共に聞こえてきた衝撃発言に、ツナは思わず笑ってしまう。
『お兄ちゃん?』
「・・・ごめん。どこで知ったのか知らないけど、まだみんなには秘密にしててほしいな」
『お兄ちゃんと私の秘密?』
「そ、秘密。もちろん炎真にも」
『炎兄にも・・・。うん、分かった。指切りしよっ!』
「こんなに離れてるのに?」
『大丈夫! じゃあ行くよ!』
『「指切りげんまんウソついたら
「・・・・・・」
『・・・・・・』
「・・・何言ってんの? 真美ちゃん?
『お兄ちゃんこそ。
『「約束を守ればいいんだよ。・・・・・・だね」』
―――この時ツナは、寿司屋から聞こえてくる喧噪に耳を傾け、こんな日々が続くと考えていた。
まさか。
「リボーン!! どこだ!! ・・・どこに行きやがったんだよ!! リボーン!!」
リボーンがこの世からいなくなる日が来るなんてまったく考えもせずに。