幻想殺しと電脳少女のボンゴレ生活 作:軍曹(K-6)
Date
沢田綱吉
並盛中学 二年A組
ボンゴレファミリー(仮)
十代目ボス(仮)
大空のボンゴレリング(精製度A以上)
ランチアのリング(精製度?)
大宇宙のウラヌスリング(精製度S+以上)
―――そんな男は今現在、意外と素直にリボーンの前で正座をしていた。
「なァツナ。オレが何を言いたいか分かるな?」
「捕虜として彼らを捕まえたこと?」
「身体検査もきっちりしてから連れてきたのは褒めてやる。だがな」
「うん」
「情報を引き出すために氷漬けにするのはどうなんだ。って話だ」
「一番確実な拷問方法だったんだよ? 視覚化した恐怖が体を蝕んでくるんだから」
「・・・もういい」
ツナの言い分にリボーンは呆れ、説教を取りやめた。
「しかしなぁ・・・リボーン。ハル達にどんな説明したんだよ」
「ん?」
「デストロイとか、平和な並盛とかいってたよ? 俺としてはこっちの世界の方が殺伐としてて、過ごしやすいけど」
「そりゃお前の感性だ。
「こんな状況下だからこそなんだろうけど、現在カレー作りしてるからね」
「・・・ツナ。闘えそうか?」
「余裕だよ。死ぬ気の炎に頼ってる戦闘なんて、現代兵器の足元にも及ばないよ」
「何言ってやがる?」
「鉛玉の方が、炎よりも生身には恐ろしいって意味だよ。じゃ、ちょっと京子ちゃん達の方みてくる」
「ああ」
ツナが出ていったドアの方をみてリボーンはため息をつく。
(・・・何か、この時代の奴らが可哀想になってきたぞ。散々同情は甘いとか言ってきたが、こればっかりは言わずにはいられないな。違う時間軸とは言え、ツナは理不尽に未来に拘束された上、自分が殺されてるんだ。かなり頭にきてるんだろうな)
―――キッチン。
ツナがそこについた時、ちょうど悲鳴が上がった。
「どうしたの?」
「な、流しの下に・・・」
「何かいるの・・・」
「え?」
黒い塊が流しの下で動いていた。そして、ツナ達の方に飛び出してくると、人の声が聞こえてくる。
「いや―――、抜けました。あ、私。ボンゴレファミリー御用達、武器チューナーにして発明家のジャンニーニでございます」
「あ、武器をおかしくする」
「お久しぶりですボンゴレ十代目。私もすっかり立派になりまして、今や超一流のメカアーティストに成長いたしました」
「相変わらず太ってるみたいだけどね」
ツナの辛らつな言葉にジャンニーニは乾いた笑いを漏らした。
「えーっと、料理大丈夫?」
「あっ! ごめんなさい! 火、消し忘れてた!」
「はひ! ギリギリセーフです!」
「よかった」
「火・事!! 火・事!!」
「うるさいよ、ランボ。本当の火の恐怖教えてあげようか?」
「え、遠慮するもんね!」
片方の手に炎を灯してツナがそう脅せば、ランボは慌てて部屋の隅に退避する。
「・・・ツナ君・・・」
「ん? どうかしたの? 京子ちゃん」
「・・・また、教えてほしいなーって・・・」
「・・・分かった。今晩俺の部屋に」
「・・・うん」
ツナはそう言うと廊下に出る。そこには獄寺達がいた。
「何かあったんすか! 十代目!」
「遅いよ。何があったって・・・、ジャンニーニが流し台の下で点検してたのを見つけた京子ちゃん達が驚いただけだよ?」
「そ、そうだったんすか。てっきり敵襲かと」
「センサーも何も反応してないのに、何かあるわけないじゃないか」
「で、ですよね」
「でも、そんな風にして忍び込んできた相手は中々殺りがいがありそうだけど」
ツナがそう言って笑っていると、リボーンが話しかけてくる。
「ジャンニーニがトレーニングルームに案内してくれるらしい。ほら、行くぞツナ、獄寺、山本」
「はい!」
「えー?」
「わかったのな!」
そしてトレーニングルームがある下の階に行くためにエレベーターに乗り込む。
「このアジトは公共の地下施設を避けているため、いびつな形状をしています。総面積は、イタリア・サンシーロ・スタジアムの約1.5倍。電力は地熱を利用した自家発電で供給しています」
「へぇー。法律とかどうなんだろうね。科学的にもよく分かんないし。本当に足りてるの?」
「大丈夫です。おや、つきましたよ。ここです」
ジャンニーニの案内でツナ達が着いたのは広さには十分余裕がある場所だった。
「俺が暴れるための広さは十二分にあるね」
「まぁ、それを考慮して設計されてますから・・・」
「ふーん」
「ツナ」
キョロキョロと周りを見ながら何かを考えるツナに、リボーンの言葉がかけられる。
「何?」
「お前の戦闘能力はハッキリ言って化け物だ。何も心配はしてねぇ。だから、
「・・・。ま、俺一人の方が機動力もあるしね。分かった」
「おい、リボーン。本当にこんなガキで大丈夫なのか?」
「お前はみたことないのか? ツナの原理の分からねぇ攻撃力を」
「・・・・・・!」
「あるみてーだな。あれがあるから俺はツナの心配なんてしてねぇ。ついでだ、ツナ」
「ん? っと。匣?」
「その箱を開匣しろ」
「ん、分かった」
「おい、リングに炎を灯すことができなければ開くことさえ・・・」
が。ツナは既に右手に填めたボンゴレリングに火を灯し、匣の穴に突っ込んでいた。
「お? 崩れる?」
そして、出てきたのはマモンチェーンが巻かれたおしゃぶりだった。
「これって・・・アルコバレーノの・・・?」
「ふっ。リングと匣の使い方は分かったか?」
「え? まぁね」
「じゃあ行ってこい」
「・・・分かった」
「っと、その前にメシにするぞ」
「あれま」
「ハラへったな」
そしてメンバーはカレーを食べてその日を終える。
―――夜。
ツナは自分の部屋に取り付けられたカメラや盗聴器、センサーの類いを全て破壊し彼女を待っていた。
「・・・ツナ君」
「こんばんは、京子ちゃん」
「ごめんね。ワガママ言って、でも」
「俺なら教えてくれる。そう思ったんだよね」
「うん」
「じゃあ、掻い摘まんでだけど説明するよ。今、俺達の身に起ってることを」
そしてツナは、十年バズーカの仕組みから始まり、未来がどんな状況か、そしてこれから何が起きるのかはまだ未知数であることを教えた。
「そう・・・なんだ」
「うん。これから何が起るかは俺にもよく分かんないんだけど、これだけは言える。みんな無事で過去に帰る。その為に全員守ってみせるってね」
「ふふっ。ありがとう。・・・私ね、不安だったんだ」
「?」
「ツナ君達がいなくなって、突然ツナ君に会って、よく分からない内に巻き込まれちゃって・・・。この時代じゃお兄ちゃん・・・行方不明なんだって・・・・・・」
「うーん。極限な了平さんが妹さんに何の情報も渡さずにいなくなったりするかなぁ・・・」
「?」
「分かった、何かヒントがないか探してみるよ。明日、俺外に行くから。京子ちゃんはアジトにいて、絶対。俺の手が届く範囲から出ないでね」
「うん・・・。? どういう意味?」
「気にしない気にしない。言葉のあやだから」
その後、京子の部屋まで彼女を送り、自分の部屋に戻らずに出口に向かったツナだった。