幻想殺しと電脳少女のボンゴレ生活 作:軍曹(K-6)
(確か原作ではD出入口・・・。あった!)
ツナはハッチの中に飛び込んで外の世界へ繰り出した。
すっかり日が昇った並盛町。
(うっわー・・・黒服のお兄さんがいっぱいいるぜぇ・・・!)
ツナはまったく隠れようともせず、堂々と街中を歩いていた。
「おい、そこのボウズ」
「ハゲてないけど何ですか?」
「この家の娘、知らねぇか?」
「笹川京子っていうんだが」
「残念ながら知りませんです。俺基本的に引きこもり何で」
「時間とらせたな」
「いえいえ」
ツナはボサボサの黒髪頭をかきながら、道を進む。
(こりゃ、京子ちゃんちで情報収集は無理そうだな・・・。仕方ない、事情を話しても大丈夫そうな・・・黒川の家にでも行ってみるか)
黒髪黒目の
黙って出てきたアジト内で凄まじい混乱が起きていることも知らずに。
(っと、ここが黒川の家かな?)
ツナは礼儀として一度インターフォンを鳴らす。
『はい? どちら様?』
そしてツナは、声だけ沢田綱吉に戻して。
「あ、黒川? ちょっとお願いがあるんだけど・・・」
『・・・? まぁ、いいけど』
玄関先に招かれたツナは変装を解く。
「ねぇ、沢田。あんた何しに来たの?」
「えっと一から情報を話してたらキリが無いんだけど・・・」
言いながらツナは夜のリングを介して炎を発生させる。そして、半ば強制的に京子をその場に呼び出した。
「! ツナ君!? みんな探してるんだよ?」
「ちょっと野暮用でね。黒川、一応京子ちゃんも俺達の事情を知ってる。協力してほしい。男達じゃできないことも多いんだ」
「・・・・・・。分かったわ。その代わり、ちゃんとあんたの口からも説明しなさいよ」
「もちろんさ。モード、上条当麻」
二人の目の前でツナの姿が変わる。
「それじゃあ、俺は色々と用事があるので。黒川のことだから、了平さんのことも知ってるだろ?」
そう言ってツナは家から出て行った。
「・・・・・・沢田は、あんな頃からああだったかな・・・」
「え・・・?」
「まぁ、いいや。沢田が頭を下げたんだ。私が教えたげる。あんたの兄貴の情報」
「えぇ・・・!?」
(それにしても・・・四面楚歌ってこういうことを言うんだろーな。燃えてくるぜッ!)
ツナは楽しそうにそう笑う。本来敵に囲まれることは普通に考えて危険な状態なのだが、ツナ・・・いや、上条当麻の思考はそんな事は思わない。「敵に囲まれたのなら、どこに攻撃しても敵にしか当たらないじゃん♪」が、彼の考え方である。
「さて・・・、まずは敵のおびき出しかな・・・?」
そう考えたツナは、その姿のまま大空のボンゴレリングのマモンチェーンを外し、炎を灯す。
「さて、町外れまで着いてきてもらうぜ、強面のおにーさん達♪」
―――どこかの廃工場地帯。
「やぁ、あんたらは・・・ブラックスペルとか言う人達かな?」
「・・・何者だ? お前」
「おやおや、俺が何者か分かってきたわけじゃないんだね」
そう言って、周りの屋根や地面。空中までも四方八方をブラックスペルに囲まれた状況で、黒髪の少年は笑っていた。
「ボンゴレの関係者か。わざわざリング反応まで出して・・・」
「あんたが電光のγさん?」
「・・・俺を知っているのか。バカな奴だ。見たところ高校生のようだが、ボンゴレとどう繋がっている」
「不本意ながら、ボンゴレには世話になってるよ。色んな意味でね!」
ツナはそう言うと、五十二枚のカードを取り出す。
「トランプ・・・?」
「さてさて、それじゃあ。マジックショーにご案内」
ツナはそう言って、手に持ったトランプを空中にばらまく。すると、意思を持ったようにトランプが飛び出し、ツナを囲っていたブラックスペルの内の十何人かに深手を負わせた。
「やっぱり」
「あ? 何してんだお前」
「四方を敵に囲まれた時ってさ。とりあえずどこかしらに攻撃しておけばいいと思わない?」
「・・・は?」
「だって、周りには敵しかいないんだから・・・。自分以外の誰が怪我しようが関係ないでしょ?」
ツナはそう言って全身から冷気を噴出させる。その一撃で、空中に浮いていなかった人間は工場跡の敷地と一緒に氷漬けにされた。
「こっ・・・この技は・・・・・・!」
「死ぬ気の零地点突破 FirstEdition」
「・・・さて、気になることがいくつか出てきた。ボンゴレの十代目はいつ生き返ったのかな? そこんとこ口を裂いても教えてもらわなきゃな」
「あれ? 生きてるとは思わないんだ」
「あぁ、奴が射殺されるところは多くの同士が目撃してるしな」
「それはそれは、大勢でもって人の処刑現場を目撃するなんて、性格悪いよあんたら」
「お喋りはここまでだ。召されな!」
「ビリヤード!?」
空中で弾き合い、ツナの周りに着弾したビリヤード球は、ツナに向かって電気を浴びせてきた。
「どうだ? ショットプラズマの味は・・・、天国の扉は見えたか?」
「そうだなぁ・・・。発想は十分、威力も申し分ないんだけどなぁ・・・。残念、弾が見えてる時点で
「大空の死ぬ気の炎・・・そうか、やはり貴様がボンゴレ十代目」
「さて、情報を持ち帰られるわけにも行かないから、ここで凍らせておかなきゃね」
「そう簡単に当たるかよ!」
「遅い」
「ッ?!」
γが次の攻撃に移ろうとしたその瞬間には、既にツナの掌が肩に触れていた。
「ガァッ!!」
「おやすみ。楽しかったよ・・・。あ! いいこと思いついた!」
「なん・・・だと・・・・・・」
首から下が氷漬けの状態で、γは問う。もちろん返答があるとは思っていなかった。が、
「ねぇ、ここで俺達の捕虜になるのと、ここに全身氷漬けで放置されるの、どっちがいい?」
「・・・」
「そっか。全身氷漬けにされた挙げ句それを砕かれたいっていうんだね? 特殊性癖かな?」
「捕虜になるさ。ったく、ガキがどこで覚えた。そんな脅し方」
「人生の先輩に教わったんだ♪」
と、そんな訳で捕虜として連れ帰ったγ達を使って、獄寺達がトレーニングすることになるのだが、それはまた別のお話で。