幻想殺しと電脳少女のボンゴレ生活   作:軍曹(K-6)

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第四十六話 ゲスな男と悪魔

始まりはツナのこの一言だった。

 

「黒曜ランドの方に行ってきても良い? クロームがやってきてる気がする!」

 

リボーンの見解では恐らく超直感が働いたのだろう。だからリボーンは許可を出す。

 

「・・・・・・行ってこい。お前の超直感がそういうならな」

「ありがと! 行ってくるね」

 

そう言ったツナは亜音速で飛びだして、アジトから消えた。

 

 

旧黒曜ヘルシーランド。

途中、商店街で食材を買い占めたツナは黒曜に足を踏み入れる。そしてズイズイと奥へ歩いていく。

 

 

突然現われた津波に、押し流されそうになりながらも彼女はしっかりとその足で大地を踏みしめていた。

 

(これは・・・幻覚? 違う・・・)

「これは現実(リアル)だぞ」

「?」

「雨の属性の匣の特徴は沈静。雨フクロウ(グーフォ・ディ・ピオッジャ)の大波は、炎を消し攻撃を鎮め、人体の活動を停止に近づけ・・・意識を闇に沈める」

 

そんな状況でも、彼女はしっかりとその足で立ち続ける。彼女のボスは彼なのだ。そう簡単に倒れるようには鍛えられていない。

 

「いよいよいただく時間だな。リングと・・・お前をな!」

「私・・・を・・・? ・・・・・・・・・」

 

その言葉を聞いた彼女は何かを考えるような仕草をしたあと、思い出したように手を打って。

 

「・・・変態ロリコン野郎、だ」

「なッ・・・へんた・・・?!」

 

呆れたような、蔑むようなジト目でそう言われた男は、顔を怒りで赤く染めたり、予想外の反応に顔を青くしたりする。

彼の知る彼女とは違い、どうやら彼女は存外図太い神経をしているようだ。

 

「・・・変態は、撃退する・・・んだよね」

 

どこかに確認をとるようにそう言った彼女は、何故か自分で納得した。

その様子に、思わず彼も笑いがこぼれる。

 

「クフフ・・・」

「!? む、骸様!? ・・・どこ、ですか?」

 

かくれんぼ? と、首を傾げる彼女に、骸は溜め息を吐きたくなる。いったい彼女はどうしてこうなってしまったのか。

 

「一つ、アドバイスをあげましょう。クローム。幻術のリアルさは術士のそれと同じこと。お前が一番信じるもの。それが最も強い幻覚となる」

「・・・ムク・・・・・・ロウ?」

「ムクロウ? ・・・まさか!?」

「クフフフフ・・・。そうです、グロ・キシニア。あなたの匣兵器に少し細工をさせてもらいました」

 

そう言って言葉を話すのは、雨の炎ではなく、霧の炎をまとった匣兵器のフクロウだった。

 

(信じる・・・もの・・・。私は、私は・・・)「助けて・・・ボスッ!」(あの時、みたいに!)

 

ボンゴレリングに炎が灯り、霧の幻術が行使される。

だが、

その幻術はガラスが割れるような音と共に消し飛ばされる。

 

「―――んなこと言われなくても手を貸す(助ける)ぜ」

 

そんな風に、霧の幻術を消し飛ばして現われたのは、クロームの心の拠り所。変装した沢田綱吉(上条当麻)もう一人の人外(忍野扇)平等なだけの人外(安心院なじみ)。過去において影組と呼ばれる暗躍型特殊任務実行部隊のボスとその側近がそろっていた。

 

「な、何なんだお前等は!」

「「何なんだお前等は!」と聞かれたら」

「答えてあげるが世の情け」

「影よ!」

「大地よ!」

「大空よ!」

「世界に届けよデンジャラス」

「宇宙に伝えよクライシス」

「天使か悪魔かその名を呼べば」

「誰もが震える魅惑の響き」

「トウマ!」

「オウギ!」

「ナジミ!」

「時代の主役はわたしたち!」

「我ら無敵の!」

「「「影組よ!」」」

 

ビシィ! と、決めポーズをとる三人。

 

「「・・・・・・・・・」」

「ボス、カッコイイ・・・!」

 

グロ・キニシアと骸は呆れ、クロームは目を輝かせていた。

 

「さて、そこのおかっぱメガネ。まだ何か匣持ってるだろ。使って来いよ。俺は全力を持って突っ込んできた相手を正面から叩き潰すのが好きだからさ」

「ふっ。なら後悔するが良い。そこの六道骸が憑依しているのは私のサブ匣、私の真の力はこのメイン匣。雨巨大イカ(クラーケン・ディ・ピオッジャ)にある!!」

 

床下から巨大なイカの足が生えてきた。

 

「うわっデッカ・・・」

「エロいね」

「考え方が思春期男子のそれですよ、なじみ先輩」

「触手はエロいだろ?」

「否定はしません」

「幻覚どもが・・・、植え付けてやる。お前を完膚なきまでに叩きのめすグロ・キニシアの恐怖を!!」

 

イカの足を水が覆う。それはどうも死ぬ気の炎のようだった。

 

「消えて静まれ、まやかしが!!」

「―――誰がまやかしだ、まったく」

 

上条の放った拳は、迫ってきたイカの足を跡形もなく吹き飛ばす。扇の方も同様に。なじみはそのイカの足を輪切りにしていた。

 

「「あ・・・」」

「は?」

「「粉々にしてしまった・・・。味を確かめたかったのにッ!」」

「平常運転だね。それでこそ当麻君達だ」

「幻覚・・・」

「じゃねーよ。おかっぱメガネ。俺達は。今ここに百パーセント実体でここにいる」

 

その証拠を見せてやろうか? といって、上条はウラヌスリングのマモンチェーンを外す。それはS+というトゥリニセッテを遥かに凌ぐ精度(ランク)と力を持つ世界に同じものは一つとして存在しないリング。もし、それに炎が灯されるとどうなる?

 

結果。全世界のリング感知レーダーが前代未聞のリング反応にエラーを起こし、ショートし、爆発をおこした。

 

そして、ツナは淡く炎を纏った両手のまま構え、特徴的な呼吸を始めた。

 

「震えるぞハート。燃え尽きるほどヒート。うぉおぉお! 刻むぞ! 血液のビート!!

 

 

―――山吹色の波紋疾走(サンライトイエロー・オーバードライブ)!!」

 

連続普通のパンチと同等の速度で放たれた“死ぬ気の炎”と“波紋”を纏うその拳は、グロ・キニシアの身体中の骨を砕き顔面を崩壊させ、人としてあってはいけない体にした上で、死ぬ気の炎が爆発した。

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