幻想殺しと電脳少女のボンゴレ生活 作:軍曹(K-6)
幻騎士を倒したツナはスパナにコンタクトを任せ、その彼を牽引しながらX BURNERで破壊した先にあった白くて丸い装置に向かう。
「っと。これが・・・?」
「うん・・・。正一の装置だ」
「まさかあの幻騎士を倒すとは、計算外だったよ。沢田綱吉」
「やぁ、正一クン。おひさ~」
「まずは武装解除して貰おうか、話はそれからだ」
平静を装って入江正一は話しているが、ツナの笑顔で大分胃がやられている。
ツナは話が進まないと思い、ハイパーモードを解除した。
「みんなは? もしかしてもう逝ってる?」
「いや。一応君が抵抗したそぶりを見せた時のために、睡眠ガスで眠らせてある」
「あ、そう」
透明なガラスの中に充満していた睡眠ガスがなくなったのだろう。中にいた彼等が目を覚ましてくる。
「・・・うぅ。ハッ。十代目!!」
「!」
「捕まっている!?」
「あれは・・・」
「チェルベッロ女!!」
「何で奴らが!?」
「お前達の命は我々が握っている。話をしたいんだ。大人しくしてくれないか?」
「!! 入江正一!!」
「やろう」
「抵抗しようとしてもムダさ。お前達のリングと匣兵器は・・・全て没収した」
そういう入江正一の掌にはボンゴレリングを含めた様々なリングが転がっていた。
「な!! 何!!」
(まあだろうね・・・。というか、そこに捕まってて良く没収されてないと思ってたね)
「なんてことだ・・・・・・。これでは・・・!!」
「・・・ぐっ・・・、沢田・・・。かまわん!! 貴様の手で装置を破壊しろ!!」
「え? やだ」
「十代目!? そいつをぶっ壊せば過去に帰れるかもしれないのに!!」
「・・・・・・ダメなの」
「そう、ダメ。俺もさ平行世界だからって理由づけたくないけど、自分達を殺すのはどうかと思うしね」
「「「は?」」」
ツナは守護者達の意見に首を横に振る。やれやれだぜ。とでも言わんばかりに。
「全く、お前達の無知ぶりには呆れるばかりだ。この装置を破壊すれば困るのはお前達だぞ。この装置に入っているのは、十年バズーカでお前達と入れ替わりで消えた・・・、この時代のお前達だ」
「え、俺背が伸びてる。やったね」
「ボス、一度見てる」
「ゆっくり見る機会なんてなかったじゃん。ゆっくり見れる・・・この機械どんな仕組みなんだろ」
「見えている彼等は立体映像のイメージで、実際には分解された分子の状態で保存されているがな」
「え。それ生きてるの・・・?」
「と言うか何でお前が知ってんだよ!!」
「それは・・・十中八九入江正一が、俺達をこの未来に閉じ込めたからだろうね」
「・・・何故だ。何故お前がそんな事を!」
「そうまでして俺達を連れてきてどうするんだ!」
「入江様これ以上は・・・」
「いや・・・、答えよう」
激昂する守護者達と冷静なツナ。そんな中入江正一は落ち着いて状況の説明を始めた。
「簡単な話だ・・・。白蘭サンがこの世界を手中に収め、もう一つの世界を創るために、ボンゴレリングが必要だからだ」
「「「「・・・?」」」」
「この世には力を秘めたリングが数多く存在するが、中でも「マーレリング」「ボンゴレリング」「アルコバレーノのおしゃぶり」各七つ、計二十一個のリングを
(いや、いやいやいや。どんだけ中二病なの白蘭!? アータ俺と出会ってなかったらスゴイイタい子になってるんですけどーっ!?)
「話は以上だ。あとは任せた」
「ハッ」
入江正一の前に、チェルベッロの二人が出てくる。
「沢田綱吉、大空のボンゴレリングを渡しなさい」
「さもなくば守護者を毒殺します」
「あ、うーん・・・それもいいんだけど・・・こういう場合ってみんなが助からない場合が多いじゃん?」
「これは交渉ではない。命令だ」
「じゃあもう一度砕く!」
「「「「?!」」」」
「そんな器具がないからムリ。とでも言うつもり? 俺のパワーは知ってるよね。いざとなればこんなちんけなリングくらい。簡単に破壊できる・・・!」
指輪を握った拳に力を込めるツナに、守護者達が慌てる。一方主犯の彼は、仲間になろうとしてる赤髪の青年がパニックになっているのを見て笑いをこらえるのに必死だった。
「三秒以内に渡しなさい。全滅は免れません」
「こっちだって砕く準備は出来てんだぞ・・・!」
「3」
「・・・ッ」
「2」
「いいの・・・? マジで砕くよ?」
「1」
次の瞬間には銃声が響いた。ツナはもう我慢できないといった様子で軽く吹き出す。
「悪く思わないでくれ。少し眠って貰うだけだ・・・」
「ッッ・・・!」
「はぁ~、・・・暑い。・・・もうクタクタだ・・・・・・。一時は、本当にどうなることかと思ったよ・・・。沢田綱吉君と、仲間の皆さん。あ・・・、キンチョーがとけて・・・ヒザが笑ってる・・・。ふぅ~」
「ついでにツナも笑ってるぞ」
「・・・ッ。・・・・・・ッ!」
「よくここまで来たね。君達を待ってたんだ・・・・・・。僕は君達の味方だよ」
「「「「!!」」」」
「オレ達の・・・味方だと!?」
「う・・・うん、そうなんだ・・・。普段、僕の行動は部下と監視カメラによって二十四時間白蘭サンに筒抜けになってたけど、君達が全てをメチャクチャにしてくれたおかげで、やっとこうしてミルフィオーレの立場を気にせずに話せるよ・・・。はぁ~ずっとこの時を待ってたんだよ。この基地でのこの状況での出会い方こそが、僕らの設定したゴールだったんだから」
ミルフィオーレの隊服を脱ぎ捨て、地面に腰をぬかしたように座り込んだ入江正一はそう語り出す。
「な・・・何言ってやがる」
「ミルフィオーレがボンゴレリングを奪うために俺達をこの時代に連れてきたのは恐らく事実。その時世界に何らかの干渉をして、平行世界の中でも弱い俺達を連れて来ようとでもしたんでしょ。結果
「うん。綱吉君、君の強さは僕らの予想外のことだ。でも、君達を鍛えて強くなって貰うって目標は達成できた」
「要するに君は、
「まぁ、そういう事になるね」
「信じられるか!」
「そうだ、沢田! 何故お前は信じている!!」
「だってこの人、ウソついてないから」
「あ、そう言って貰えると・・・嬉しいよ」
正一のその言葉に、ツナは笑いながらさきほど正一が持っていた銃を手に取ると、懐にしまう。
「で。あの甘味バカを止めるためにどうするのさ」
「協力してくれるの?」
「当たり前じゃん? 俺の行動理念はいつの日も
「はぁ・・・。どうやら『扱いにくいけど味方にいたらとても頼もしい』綱吉君が来たみたいだね」
「なにそれh」
「褒めてないよ」