幻想殺しと電脳少女のボンゴレ生活 作:軍曹(K-6)
午前中をバイクの練習、午後を了平・バジルの歓迎会に費やした次の日。ツナ達はトレーニングルームに集まっていた。
「よしっ、そろったな。今日から本格的な匣兵器の修行だが、リボーンの一番の教え子であるオレが、全体を仕切る家庭教師をすることになった。よろしくな」
「・・・ヘナチョコのあいつなんかに務まるんスかね」
「ディーノさん部下の前だとすごいじゃん」
「ちなみに今回オレはその上の役職“家庭教師の精”だからな」
「妖精なんだ・・・」
「ディーノがヘボい時はオレが制裁を下すから安心しろ」
「いでで。やめろってリボッブッ!!」
別にヘボくないのにリボーンに蹴られているディーノに、ツナはある種の同情を感じていた。
「って事で始めるが・・・、その前にクローム。意思確認だ。お前はボンゴレ守護者であると同時に、骸の一味でもある。ミルフィオーレとの戦いには味方として数えていいのか?」
「もちろん。ボスと一緒に戦う」
「よし、なら頼んだぜ。それとランボにも本格的な修行をして貰う。白蘭を倒すには守護者全員の力が必要だ」
「まぁ、いいんじゃない?」
「俺はこの時代のツナに聞いて、お前達のボンゴレ匣のことを多少は知ってる。そこから考えてそれぞれに違う修行をして貰うつもりだ。ちなみに雲雀恭弥はオレとの修行をもう開始している」
「あれ、どこかへ消えたと思ったらそんな事してたの?」
「相変わらず可愛くねーじゃじゃ馬だけどな」
ツナは雲雀さん結構素直だよ? と、疑問を口にする。
「じゃあ沢田綱吉! お前から修行内容を言っていくぞ」
「はーい」
「お前は正しく開匣できるまで一人だ」
「へ? 正しく?」
「大空の匣兵器ってのはデリケートなんだ。頑張れ」
「あ、はぁ・・・」
ツナは一人かぁ・・・ボッチか・・・。慣れてたけど・・・辛いなぁ・・・といじけ始めた。
「次に獄寺隼人。お前は匣兵器初心者である笹川了平と、ランボの面倒を見てやってくれ」
「なにっ!?」
「おぉー・・・、隼人はもう教える立場なんだ・・・。すごいねー・・・」
「えっ!? ・・・・・・、いえいえいえ。勿体ないお言葉! 自分なんてまだピヨッ子です!! ですが、お役に立てるのなら力の限りやらせていただきます!」
「あ・・・、うん。・・・ピョ?」
「次にクローム髑髏。お前は匣兵器強化のためえに半分の時間をマーモンの幻覚プログラムで修行。残りを格闘能力アップに使う。あそこの二人に手伝って貰ってな」
その二人とは、ビアンキとイーピンのことだ。クロームがそちらを見ると、二人が手を振る。
「そして山本武」
「うす!」
「お前はパス。待機だ」
「へっ?」
「パス・・・」
「つーか、お前には手ー出せねーんだ。お前に下手なこと教えればあいつにぶっ殺される」
「あいつ・・・?」
「お前の才能を一番理解してる奴が
ツナ達は訳も分からず首を傾げるだけだった。
「修行の説明は以上!! 各自修行場所は自分で選べ。バジルは自分の修行と平行してみんなのサポートをしてくれるからな」
「よろしくお願いします!」
「了平!! ランボ!! ノートと鉛筆を持って図書室へ集合!! まずは理論を頭に叩き込む!」
(隼人は相変わらず理論指導なんだね・・・)
「ありゃあ大変そーだな」
「だね・・・。というか武は修行どうするの?」
「まっ、よく分かんねーから修行が始まるまで自主練だな」
「クローム来なさい。鍛えてあげるわ」
「はい」
雑談をしながら一度みんなトレーニングルームから出て行く。出ていく前に一度振り返ったツナは、首を傾げて踵を返して歩き出した。
―――ツナside
ツナは以前扇と
「これ、普通に開けていいんだろうか・・・」
十数分ほど唸っていたツナだったが、悩んでいても仕方ないと思い開けることにする。リングに炎を灯し、匣に炎を注入。その時、ツナの頭の中ではサイコロが回るBGMが流れていた。
炎の塊が飛び出したあと、そこにいたのは大きなライオンだった。
「で、でかぁ・・・!」
GURURURU・・・
「あ、ちょっと待とうよ。ね? ね?」
GAOO!!
「ストーップ! NONONONO!」
その後、数時間にわたって天空ライオンと鬼ごっこをしたツナだった。
「・・・ハァ」
「お疲れ様です十代目!!」
シャワー室から出てきたツナに、獄寺が声をかける。
「隼人と了平さ・・・ゑ!? 何でそんなボロボロなの!?」
「ランボが匣兵器を開けまして・・・、気付いたら全員気を失ってました・・・」
「今日はもう続行不能だ」
「大丈夫・・・なの?」
「なんとかな・・・。沢田はどうなのだ? 開けたか? ボンゴレ匣!」
「一応・・・。でもこっちの言うこと全く聞いてくれないので・・・」
遠い目をするツナ。獄寺は開けたことをベタ褒めしてきていた。
「お前等ボンゴレ匣で修行できるだけいいじゃねーか。俺なんかおあずけだぜ・・・」
「武・・・。もしかしたらスクアーロがくるかもね」
「ははっ。そりゃいいや」
山本がツナの言葉に期待の笑いを漏らした。
「あの・・・、お話があるんですが」
「え?」
「よっ。お疲れ」
「ハル、どうしたんだ? 京子ちゃんも一緒で・・・」
「誤魔化しても仕方ないので、単刀直入に言います。ハル達にもミルフィオーレやビャクランやボックスのこと・・・、今起きてることをもっと詳しく教えてください!!」
「「「!」」」
「あ、やっぱり朝のあの場にいたの二人だったんだ。でもどうして・・・」
納得したように手を打ったツナは、とりあえず事情を聞こうと口を開く。
「もう誤魔化されるのはたくさんです!! 私達だけが知らない事情を隠しているのは分かってるんです!! ハル達も皆さんと一緒に生活をしている以上、真実を知る権利はあります!!」
「ツナ君、私達も一緒に戦いたいの!」
「権利はあっても義務はない・・・って言ったら怒るよね。ぁあ~! 気持ちの整理がつくまで待ってくれないかな・・・。流石にすぐどうのこうのというわけには・・・、っていうか! もうすぐ全部終わって無事に元の世界に戻れるんだけど・・・・・・」
「わかりました。では私達もそれなりの措置をとらせていただきます」
「んへ?」
「ツナさん達が真実を話してくれるまで、ハル達は家事をしませんし」
「共同生活をボイコットします!!」