幻想殺しと電脳少女のボンゴレ生活 作:軍曹(K-6)
並盛町の地下五百メートル、メローネ基地跡より一キロ地点。
「え。この装置で過去に帰れるの・・・?」
「ああ。五分で過去に戻れるはずの十年バズーカの効力をこの装置で妨げているわけだから解いてやれば良いんだ。7³のパワーバランスが正常に戻った今なら、時空も安定していて安全に帰れるはずだ」
「オレ達が十年ピッタリにタイムワープ出来なかったのか、7³のパワーバランスが崩れ時空が歪んだからなんだな」
「今頃気付くとは愚かだなリボーン。もっとも帰りのタイムワープは心配するな。この天才が計算し、ベストな時と場所に帰らせてやる」
「信じて良いのか、ヴェルデ」
「カリは返すさ、沢田にな」
(この二人の雰囲気なんか最悪じゃね・・・? さーて、そろそろみんなこの時代の面々とのお別れはすんだかな? お世話になりました。ってちゃんと言えてるかな・・・)
ツナは中学生相手になんとも失礼なことを考えながら、その場を立ち去った。
―――ボンゴレ十代目の棺桶側。
「色々あったな・・・。未来で」
「別次元の未来って事で余計不思議な気分ですよね」
「確かに・・・な」
「さ、沢田さん」
「・・・・・・ユニ?」
「あ、あの・・・その・・・・・・」
「どうしたの? もしかして、大空のアルコバレーノの箔が欲しい?」
「あ、いえ。そういう事では・・・・・・」
「でも、まぁ・・・」
エネは何かを呟きながらユニに近づくと、大空のおしゃぶりをその首にかける。
「これはアナタの首に収まっているのが一番正しい在り方ですよ」
「だな」
「・・・・・・その、色々ご迷惑をおかけしました」
「何が?」
「その、私達アルコバレーノの宿命に巻き込んだりしてしまって・・・」
「みんな無事で笑っていられるんだから何の問題も無いだろ? 終わりよければ全て良しってやつだ」
「・・・結局。今回ご主人は、何のために戦ったんですか?」
「自分のため、だろ」
ツナはそう言ってニヘラと笑う。そのまま踵を返してアジトの方に歩き出した。その後ろをエネがチョコチョコと着いていく。
「さーて、オレは次に何をしようかなー」
「何をする気ですか・・・・・・」
「ボンゴレリングの強化かなぁ・・・?」
「へ? 強化ですか?」
「おう、強化。その為にはあいつ等に協力要請を・・・しなくても良いかもな・・・・・・」
「どういう事ですか・・・?」
「さーて、どういう事でしょーか?」
「突然な仕事の舞い込みはやめてくださいね?」
「突然の仕事の後には定期的な仕事の予約が入ってるだろ?」
「“その”突然な仕事はやめろっつってんですよ!」
「お前、口調悪いクセに最後ですつけてる?」
「んな分けねーです」
「ん。パクってないね」
「いずなたんですか!? あの狐耳少女と私の口調を比べてましたね、バカご主人!」
―――白くて丸い装置の場所。
「よーし、みんなそろったね!! そろそろ出発だが、ボンゴレ
「がお・・・」
「何その我関せずな態度」
「がう」
「は? どうせ会えるだろうって? 未来でだろ、何年かかると思ってる」
「・・・がお」
「おい。んだよ、その『分かってねぇなぁお前』みたいな態度!」
ナッツの態度にだんだんキレ始めたツナだった。さらにそんな態度のツナにナッツは冷ややかな目を向ける。
「・・・・・・」
「だから何だよその態度! テメェ人生舐めてんだろ!」
「・・・がお」
「だ・か・ら! 急にどうしたんだよ、お前!」
(ナッツの行動には、ツナの深層心理が反映されるんだが・・・。お前、どんだけ自分を嫌ってやがる・・・)
それぞれの別れが(ツナが一番長かったくせに別れを惜しんでいたわけではなかった)終わり、ツナ達はもう一度集まる。
「じゃあタイムワープを始めるよ!! 別れを惜しんでいたらキリが無いからね!! アルコバレーノは過去のマーレリングを封印してすぐにここに戻ってくる予定だ」
「それじゃあ・・・」
「では・・・。本当に・・・、ありがとう!」
「・・・また。どこかの未来で!」
「タイムワープスタート!!」
装置が起動し、ツナ達は十年バズーカの効力が切れたので、その場から消える。
このタイムワープでアルコバレーノのみんなは様々な贈り物をツナ達にした。まず過去のマーレリングの封印、そして一緒に戦った仲間達の未来の記憶を、過去の彼等に伝えた。そして、特別価格の好待遇でナッツ達ボンゴレ匣を過去に連れて行った。ヴェルデの天才科学技術で、今までの匣型から更にコンパクトな指輪型になって、だ。
「まっ。みんなこんな所にいたの? てっきりツナの部屋かと思ったわ」
「か・・・、母さん・・・」
「?」
「「ママーン!!」」
「んまぁ、どーしたの。どこかイタくしたの?」
「先を越されたな、ツナ」
「え。すると思ってんの?」
ツナの視線に思わずリボーンの背筋が伸びる。
「そーだツっ君。今の地震で物が落ちてないか自分の部屋を見てきてちょーだい」
「え? 地震があったの・・・?」
「その後でケチャップ買ってきてくれない? 今晩ハンバーグなんだけど切らしちゃったのよ」
「とことん息子を使うね!? まぁ、良いけどさ・・・」
「ちょっと、なにツナ!? 顔にたくさんキズバンつけて・・・、また転んだの?」
(あ、ナッツの爪痕・・・)
「それにたくさん指輪つけて・・・、獄寺君のマネ? 非行かしら・・・」
「え! いや、これには様々な形容しがたい理由がありまして! つまり、何でもないのであります!」
とにもかくにも、ツナ達中学二年生の未来での戦いはこうして幕を閉じました・・・。