幻想殺しと電脳少女のボンゴレ生活 作:軍曹(K-6)
「ツナ君、真美の扱い方をよく分かってるね・・・」
「・・・まぁね。真美ちゃん、炎真君より大地の炎使うの上手くない?」
「うぐっ・・・」
真美が救急箱を持ってくるまでの間に復讐者が現われ、ツナ達に記憶を見せて消えていった・
「お兄ちゃん!!」
「ま、真美ちゃん?」
「また記憶が見えた! あいつ等が来てたんでしょ!? 何もされてない? 大丈夫!?」
「Don't worry.」
「ほ、本当に?」
「大丈夫、大丈夫」
「怪我しないでよ?」
「任せなさい」
「私と結婚してよ」
「オッk・・・・・・え?」
ツナは了承しかけて思わずとまる。慌ててツナが真美の方を見ると、顔を真っ赤にして照れていた。
「あの・・・さ。俺、了承してないけど・・・」
「何で!?」
「ツナ君。真美をよろしく」
「炎真!? 何で!?」
「ツナ君が真美と結婚すれば、兄弟になれる」
「え?」
「わかるでしょ?」
「分からねーよ!?」
ツナの受け売りなのか猫かぶりで首を傾げた炎真に、ツナは叫ぶ。血に染みついたツッコミ属性とはこの事だ。
「安心しろツナ、マフィアの中では愛人もありだ」
「安心できねーよ!! 愛人づくりに何を安心しろって!?」
「さすがっス十代目! モテモテっス!」
「男としては羨ましいけど、部下としては誇らしいのな!」
「武が・・・」
「野球バカが・・・」
「「なんか、知的な事言ってる!!」」
「ツナ! 獄寺も! お前等失礼だろ!」
「だって・・・武・・・。補習組じゃん」
ツナのあからさまな『自分は違う』目線に、山本は仕返しを思いついた。
「ツナは小僧みてーに愛人はつくらないのか?」
「え、あ? どーなんだろ・・・」
「一人だけを選ぶんなら誰が本命なんだ?」
(野球バカっ・・・十代目を!)
(ツナ君・・・大丈夫かな)
(綱吉あの子に半殺しにされるんじゃ)
(脊髄反射的に答えねーといいがな)
ツナはその問いに暫く唸った後、一人の少女の笑顔を思い浮かべて頬を赤く染める。
「や、やっぱり。京子ちゃん・・・かなぁ・・・?」
「え?」
「「「「あ」」」」
「え?」
「お兄ちゃん・・・私じゃないの・・・?」
目のハイライトが消えたくせに、瞳の奥にハートが見える真美がツナを見つめる。
「え、いや。だって・・・」
「なんで!?」
「ツナ、諦めて真美とも結婚しとけ」
「それが良いよツナ君。ハーレム」
「お兄ちゃんそうしよ! みんな幸せ! ね?」
「あ、いや」
「ね?」
「あ「ね?」・・・っ「ね?」・・・「ねぇ?」・・・はい」
真美の有無を言わさない気迫に、ツナは将来のハーレム結婚を約束させられたのだった。
「じ、十代目」
「なに・・・?」
「あ、記憶は・・・」
「見てたよ。Dがみんなを騙してたんでしょ?」
「そ、そうっス。だから・・・つまり・・・」
「そっか。骸とDが戦ってるんだね」
「見に、行きますか・・・?」
「そう、だね。凪にも会いたいし。行こうか」
ツナはゆっくりと立ち上がろうとするが、手当てされ中の彼は真美に押さえつけられて動けない。
「さ、先に行ってて?」
「僕は残るよツナ君。リボーン君もいれば安心だよね?」
「俺もいれば真美も暴走しねーだろーからな」
「じゃあ十代目! 見に行ってきます!」
「後からちゃんと来いよ? ツナ」
「分かった」
ツナ達が走って骸達がいる所に着いた時、復讐者がD・スペードの処理を獄寺達に頼んでいた。
「処理って・・・!!」
「なっ。オレ達が後始末かよ!!」
「・・・いいさ。ボンゴレを継ぐ前に一仕事やっておこう」
「じ、十代目!」
「ジョット・・・!?」
「お兄ちゃんと老いぼれジジイを間違えないで!」
あまりにも似すぎたその風格に、復讐者までもがツナとジョットを間違えた。その事実に真美が怒りをあらわにするが、ツナが止める。
「その代わり、ボンゴレとシモンの戦いはなくなった。ボンゴレ晴の守護者、シモンファミリーの全員を牢獄から解放しろ」
「「「「・・・」」」」
「・・・・・・。古里炎真、お前の意見は」
「僕も同じだ!!」
「・・・・・・。その眼差し・・・、あの時のジョットとコザァートと同じ・・・。十代の時を経て、ようやく二人の誓いが果たされたということか・・・。いいだろう、Dを倒せば牢獄にいるファミリーを解放する」
「ありがとう」
「ですが十代目! こいつら信用できません!!」
「約束は守る」
「!!」
「あっ」
「あいつは!!」
「過去の記憶でⅠ世とコザァートの誓いに立ち会っていた男!!」
「イェーガー・・・」
「バミューダの輝きと共に、復讐する者」
「くっ・・・」
「・・・・・・・・・。来たな」
次の瞬間、莫大な炎圧と共にそこになにかが落ちてきた。
「うおぉ・・・。あ、武、隼人」
「ふぅっ」
「う・・・」
「なんて一撃だ。見た目以上に重い!」
「これだけで炎を使い切る勢いだぜ・・・」
「あれは?!」
「夜の炎・・・」
爆発の中心に黒い揺らめきができ、そこから奴は出てきた。
「ごきげんよう。さあ、終えましょう。君達の世代を」
「あの黒髪が・・・D・スペード・・・、なのか?」
「なんか茄子みたい」
「プッ。お兄ちゃんその例え最高」
「D・・・よくも、シモンのみんなを・・・、僕を・・・騙したな!!」
「ヌフフ」
「クフフの方がマシ!」
「GAO!!」
「・・・・・・・・・」
「あの野郎」
「待ってボス!!」
武器を構えた守護者の前にクロームが両腕を広げて立つ。
「あれは骸様の体!! 攻撃しないで!!」
「そうも言っていられないのですよ、クローム」
「あっ、骸様!!」
「マスター、うすうす感じているのでしょう?」
「ああ。アイツは化物だ」
「今、持てる限りの全力をもって挑まなければならない相手なんです」
「全力、出して良いの?」
「「「「・・・・・・・」」」」
「やってやれ。ツナ」
「わかった!」
「よし」
「そうと決まりゃ」
「はじめましょうか?」
((速い!!))
一瞬で距離を詰められた。その言い方が今最も正しい表現だった。直後、ツナ達の目の前に現われたDが持っていたトランプのジョーカーが爆発し、ツナ・クローム・炎真を庇った獄寺と肩に乗っていたランボ・山本・ジュリーが消えてしまった。
「さしあたっての手品です」
「どこかに飛ばしたのか」
「その通りです。彼等はこの穴より、私の創った幻覚世界へ行っていただきました」
「そこで大人しくしてろって事か」
「彼等には語り部になってもらわなくてはならない。今まさに行われる堕落したボンゴレの十代目候補討伐の物語を、新たな伝説として後生のボンゴレに残す私の目的を完遂するために、沢田綱吉の悲惨な最期を目撃し語り継ぐものにね」
そこでトンファーのチェーンが伸び、Dを攻撃するが、効果は今ひとつのようだった。
「語り継がれるのは、君の死の方だよ」
「ヒバリさん!」
「手を出さないで、草食恐竜」
「あ、いえ。そんな奴の死誰も語り継がないかなーって思いまして・・・」
「お前・・・色々酷いな」
「・・・テヘッ」
「さすおに!」
相も変わらずツナを持ち上げる真美。そんな二人を見て、常識人枠であるリボーンと炎真は諦めていた。
「・・・と言うかアイツ、どこまで幻術を使えるんだろう・・・」
「元々霧の守護者だ。それに加えて骸の身体。全盛期とさほど変らねーんじゃねーか?」
「それってちょー厄介ってこと?」
「幻術に関して言えば、な」
「・・・つまるところ?」
「ツナにとっちゃ雑魚って事だ」
「雑魚を馬鹿にするな! ちりめんじゃこ美味しいだろ!」
「確かに美味しい」
「なんであんなにご飯に合うんだろうね」
「「確かに」」
「お前等見てやれ。ほら、雲雀が押されてるぞ」
「・・・・・・やっぱり? 舐めプするからだよ」
「雲雀がか?」
「あの人、俺と戦う時はもうちょっとマジな雰囲気出すからさ」
「そか」
「あーあー。トランプに吸い込まれちゃった」
「雲雀恭弥にもまた、愚かな十代目ボス候補の最期を伝える語り部としていき続けてもらいましょう。そして、私が作る新しいボンゴレの目撃者となるのだ」
「え? 俺死ぬの?」
「殺しても死なねーよーな奴が死ぬとは思えねーな」