転生したら転性した挙句に篠ノ之箒に成っていたISプラス2期   作:銭湯妖精 島風

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クラス代表戦・箒 前

 

 

一夏が折村とか言う転生者からの宣戦布告を受けた翌日、私は一夏からのお願いで白式をオーバーホールする為にIS学園を3日程休み、白式を万全の状態にした

 

相変わらず時折聞き覚えのある声が聞こえたり、一瞬だけ淡く青に光る黒髪の少女が視界の端に映ったりしたのだが、やはり原因は分からなかった

 

 

そんなこんな出来る事を最大限にして、いよいよクラス代表戦の日がやって来たのだが、私は起きてから胸騒ぎと言うか嫌な予感がしていた

 

原作の流れならば一夏vs鈴の試合終盤にゴーレムIが乱入して来て一夏が決死の特攻でゴーレムIを撃破する

 

しかし、私が歩む この世界ではゴーレムIの製作者である姉さんは私が説得して味方にしているし、何より一夏を不用意に危険な目に遭わせたら私が激怒して酷い目に遭わせる事を理解しているだろうからしない筈だ、そう信じたい

 

原作から外れている事が多々あるとは言え、根幹の部分は変わっていない様な気がする、つまり何かしらの事件が起こる可能性が高い

 

そんな訳で私は千冬さんに無理を言ってピットで待機する事にした

 

シスコンな姉さんに念の為に、と持たされた哨戒用ドローンをピットに入る前に学園中にバラ撒いておき、何があっても大丈夫な様に準備する

 

「朝から、ずっと険しい顔してるけど、大丈夫?」

 

ISスーツを身に纏いストレッチをしていた一夏がタブレットPCを睨んでいる私に話しかけてきた

 

「・・・あぁ、少し悪い予感がしていて下準備をしていたんだ。何も起こらず、準備が無駄になって欲しい所だ」

 

タブレットPCから顔を上げ一夏を見て言うと、一夏は私の方へ歩み寄って来て私の頭を撫でる

 

「箒は頑張り屋さん過ぎるよ、少しは私や皆を頼っても良いと思うんだけどな〜」

 

そう言い一夏は苦笑して撫でるのを止めて私を抱き締める

 

「あまり1人で抱え込まないで箒、君は大抵の事を1人で解決してしまう、解決出来てしまうけれど、私も姉さんも束さんも君が大切なんだよ?頼って欲しいって思ってるんだよ?」

 

「・・・ありがとう一夏、善処出来る様に努力してみるよ」

 

私も一夏を抱き締め返し、改めて決意する

 

例え私が死ぬ事になっても一夏だけは守りきる事を

その過程で人が死ぬ事になろうと、一夏だけは必ず守ると

 

そんな感じで一夏とイチャイチャしていたら発進の指令が放送されたので一夏は名残惜しそうに私から離れ白式を纏いカタパルトで出撃して行った

 

私はタブレットPCへ目を向け異常が無いかチェックしていく

 

「今の所は異常無し、か」

 

何故か有ったパイプ椅子に座り足を組みメガネを掛けて空間に投影された映像へ眼を向ける

 

「一夏の相手は折村か、確か第1回戦は1組vs2組だった筈・・・アイツは2組だったのか」

 

と言う事は鈴はクラス代表になれなかった?

 

いや、ならなかったのかもしれない

 

鈴がクラス代表になったのは一夏と戦う為・・・否、一夏との接点を増やす為だった

 

と言う事は、私の一夏は女の子で鈴は一夏へ恋愛感情を持っていないから、わざわざクラス代表にならなかったのか?

 

まぁいい、後で本人にそれとなく聞いてみよう

 

「折村の使っている練習機はアクアビット(ウチ)のモビルジンだな」

 

確かに生存性も継戦能力も第2世代に引けを取らないとは言え、第1世代を与えるとは、敵だが少し同情してしまう

 

幾ら転生者とはいえ、碌にISに搭乗していないだろうし何より一夏に慢心は無いし、白式も白騎士も一夏にチカラを貸してくれている

 

無理に攻めずに上手く自分のペースにしていく一夏の戦いを眺めていると、気配を感じ右を見ると其処には紅椿では無い黒髪の美少女が立って私を真っ直ぐに見つめていた

 

「お、お前は誰だ?まさか皆城乙姫(ツバキ)ではあるまい?」

 

あまりに唐突だった為に軽く動揺しながら尋ねると

 

「私が何者で、私の名前が何であるか、そんなのは些細な事よ箒・・・もうすぐヤツが来るわ。失いたくないモノ、護りたいモノが有るならば戦いなさい」

 

彼女は、そう告げ消える様に姿を消した直後、タブレットPCから警告音が鳴り、私はタブレットPCを確認する

 

未確認の機動物体(アンノウン)が接近中?未確認・・・密造のコアか?いや可能性は低いか・・・今は被害を出さない様にするのが先決だな」

 

直ぐに思考を切り替えて、千冬さんへ通信を入れ、データを送り試合の中止と避難誘導を申請しながら最悪の事態を想定し、紅椿を纏い情報を見る

 

「想定より大分早かったな・・・是非も無し、一夏を助けるついでに折村も助けてやるか〔ちふ・・・織斑先生、私が突入して囮をします、ハッチを開けて下さい〕」

 

「それは無理だ篠ノ之、現在全ての電装系がエラーを起こしていてハッチも隔壁も操作が出来ん、織斑と折村を逃してやる事も増援を送る事も出来ない状況だ。だがお前と紅椿ならばハッチを破壊してアリーナへ出られるだろう、責任は私が持つ・・・やれ」

 

私の想定より大分早くアンノウンがアリーナへ乱入してきたので千冬さんへ進言すると、GOサインが出たのでイージスを機動し、射撃モードでハッチを撃ち抜き破砕し、シールドモードにしてカタパルトへ脚を固定し思考する

 

余程の事が無ければ2人は無事の筈だ

 

だが、嫌な予感がしてならない

 

「一夏、無事でいてくれ」

 

私は逸る気持ちを抑え込みアリーナの中へ飛び出す

 

 




ちょっと飛ばしてクラス代表戦になりましたw


一応、前後の2話の予定ですが、箒side他に一夏sideとマドカsideを書くかもです

その場合は、箒side2話+αになるかも?


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