転生したら転性した挙句に篠ノ之箒に成っていたISプラス2期 作:銭湯妖精 島風
ラウラをVTシステムから解放する為の一連の戦いは、表向きには模擬戦中の事故として処理が行われた
まぁ裏では姉さんがVTシステムの存在に激怒し今では協力者が過半数を占めたIS委員会へドイツ軍への監査を要求、姉さんも変装して同行したらしい
一先ず事故扱いになったお陰で、大破したシュヴァルツェア・レーゲンの修理費を弁償する必要は無くなったが、問題は金だけではない
ラウラはVTシステムによる超過駆動による負荷により、筋肉痛が酷い状態と軽度の打撲と火傷と私に較べれば比較的 軽傷だ。全治2週間といった所だろうか?
対して私は、右手首及び右肘の中度の捻挫と軽度の火傷、左肩から先の切断に伴う接合縫合、2週間は絶対安静の全治数ヶ月となった
まぁ姉さん謹製のナノマシンを使えば大幅に短縮できるだろうが、リハビリは必要だろう
そんなこんなで私が再び目を覚ました時には既に腕は治療済みで固定されて動かせない状態で痛みを感じるだけだった
とりあえず一夏とアンナ事やコンナ事が暫く出来ないのは残念だが我慢する事にしよう、うん我慢だ
そんな感じで目を覚まし千冬さんに掻い摘んで説明をして貰った翌日、再び千冬さんが現れる
当たり前の事だが、ここは病院だ。因みに何か豪華な個室
「箒、具合はどうだ?」
「左腕が痛む以外は至って元気です、千冬さん」
私の事を篠ノ之ではなく、箒と呼んだので今はプライベートと判断しいつもの様に名を呼びパイプ椅子に座る千冬さんの方を向く
「そうか、あまり無茶をしてくれるな。私も家族を失うのは辛いし、何より一夏が悲しむ」
「・・・すみません、以後は気をつけます」
仕事モードの千冬さんからは想像出来ない優しく本当に心配をしてくれている表情を見て私は深く頭を下げて言う
千冬さんは下げられた頭を撫で
「分かれば良いさ、さて箒・・・此処からは教師として質疑をするぞ」
「はい」
穏やかな表情からキリッとした表情に変わった千冬さんを見て佇まいを正し頷く
「まず昨日話した通り、この件は模擬戦中の事故として処理を行った。だがあくまでも表向きは、だ・・・何が起こったかはシュヴァルツェア・レーゲンと紅椿の記録を見たら分かる筈だったが、閲覧が出来なくてな?事情聴取という訳だ」
本当はしたくない仕事なのだろう、頭が痛そうな様子で言い
「そして今日、先にボーデヴィッヒへ事情聴取を行ったが・・・模擬戦中の記憶が無いらしい、あのボーデヴィッヒが私に対して嘘をつくとも考えられないし、嘘をついて自分の立場を危うくする必要もない。医者曰く一時的な記憶喪失らしいな」
あまりに唐突な内容に流石に私も何と言ったら良いのか分からず何も言えない
そんな私を知ってか知らずか千冬さんは続ける
「でだ篠ノ之、一応 私はIS学園の教師である以上 受け持ったクラスの生徒が模擬戦中に事故を起こしたら報告書を提出せねばならない、片方が事故で記憶喪失になってしまった。比較的軽度の片方がだ、重症のもう片方も失血によるショック等で記憶が不鮮明になっていても不思議では無い、よな?」
そう言い千冬さんは、珍しく悪役の様にニヤリと笑む
「そうですね」
それを見て苦笑しながら答えると、千冬さんは満足そうに頷き
「実は お前の担当医は私の昔馴染みなんだ、後は分かるな?」
「あ、はい」
今まで何で姉さんと親友で居られるのか不思議だったが、千冬さんも姉さんと似ている所があった様だ
本当、姉さんと千冬さんが味方で良かった。本当に良かった
お待たせ致しました