転生したら転性した挙句に篠ノ之箒に成っていたISプラス2期 作:銭湯妖精 島風
「着いたぞ、ここだ」
「ここは?」
私の言葉に首を傾げるラウラは、小動物な感じがして可愛い
最初は懐かなかったペットが懐いたら、余計可愛いみたいな?
「私の部屋だ」
「ほぉ、失礼する」
掴んでいた手を離して扉を開きラウラを中に招き入れると、一夏にシャルロットが覆い被さっていて、少し離れた場所に室内履きのスリッパが乱雑に落ちていた
どうせシャルロットが滑って転けて一夏を巻き込んだのだろうが、少し悪戯心が湧いてしまった
「今戻ったぞ一夏・・・なっっ一夏、私というものが居ながら他の女を連れ込むとは!!貴様ぁ」
如何にもな言葉と表情をして言うと、一夏とシャルロットが私とラウラに気付き此方を向き、一夏は私が茶番を仕掛けてきた事に気付いているのか微かに頷き
「ち、違うんだ箒!これはシャルロットが私を無理矢理・・・」
「え?!ちょっっちょっと一夏!?違うからね?箒、違うんだ」
如何にもな表情で目を伏せる感じで一夏が言い、その言葉を聞いて間に受けたシャルロットが慌てて弁明し、ラウラは当然始まった昼ドラさながらの茶番に着いて行けずに棒立ちになっている
「言い訳なんて聴きたく無い!こうなれば一夏を殺して私も死ぬ!ついでにシャルロットとラウラも道連れだ!!」
「な、なんで私まで!?完全に巻き添えだろう!!」
「そうだよ!ボクは兎も角、ボーデヴィッヒさんは巻き込まないであげてよ!」
一夏が笑うのを我慢しているのを横目に収めつシャルロットとラウラの視線を私へ集める
とは言え、そろそろ茶番も終わらせないとシャルロットも怖いので
「確かにな、さて茶番もお終いにして・・・ただいま一夏」
「うん、おかえり箒。あ、いらっしゃいラウラ」
急に素に戻り普通に会話をする私達に2人は目を丸くし、ポカンとしている
「シャルロットも気を付けろ、一夏に怪我させたら許さんぞ?ラウラ、そんな所に立って無いで適当に座ってくれ。今お茶でも淹れよう」
「あ、私が淹れるよ箒、片腕じゃ淹れ辛いでしょ?」
ラウラは小さく頷き椅子に座り、一夏は起き上がり私の横に移動してくる
「え、えーっと箒?」
「なんだ?シャルロット」
ベッドに腰掛けて恐る恐るといった表情でシャルロットが私の名を呼び
「さっきのは?」
「茶番だろ?一夏が浮気なんてする訳が無いだろう、だから茶番のちょっとした悪戯だよ」
さも当然と言った表情でシャルロットに言うと肩を落とし脱力する
「ごめんね?シャル、箒の茶番に乗っちゃって」
一夏は緑茶の入った湯呑みをお盆に乗せシャルロットに謝る
「あーうん・・・ボク、一夏はもっと真面目な融通が効かない系の人だと思ってたよ」
「確かに一夏は頑固な所もあるが、結構普通に私の茶番とか乗ってくれたりするぞ?」
一夏から湯呑みを受け取っているシャルロットに言い、緑茶を一口啜る
相変わらず一夏の淹れる緑茶は美味いなぁと考えつつ椅子に座り、恐る恐る緑茶を飲んでいるラウラを見て和む
気を回したが、一夏の様子からして私が入院している間に和解したのだろうか?
一先ずは、可愛い生き物の観察をするとしよう
おまたせしました