転生したら転性した挙句に篠ノ之箒に成っていたISプラス2期 作:銭湯妖精 島風
そんなこんなでカフェを後にして私達はショッピングモールの水着売り場へ移動する
やはり初夏の休日とも有って夏物を求めて多くの人で溢れていて下手をしたら人の波に飲まれてしまいそうだ
まぁアキヒロと言う目立つ目印も居るから逸れても直ぐに合流出来そうだが
「やはり休日だからか人が多いな」
「そうだね、みんな逸れない様にね?」
チラホラクラスメイトや他クラスの同級生の姿を横目に呟くと一夏が言い、皆が頷く
「あ、女性水着は4階みたいだよ?」
「では向かうとしよう、アキヒロの水着は私達の後だ」
「お・・・おう」
シャルロットがエスカレーター横の案内板を見て言い、私はアキヒロの方を向き言うとアキヒロは困惑した表情で生返事を返してくる
恐らく私達の水着選びにまで付き合わされるとは考えていなかったのだろう
「悪いなアキヒロ、伝えていなかったが お前には役目があるんだ」
私とてただアキヒロの水着を買わせる為にアキヒロを連れ出しては居ない
アキヒロの役目は謂わば虫除けの様な物だ、ナンパ対策とも言う
一夏は言わずもがなシャルロットも鈴も美少女だ、各々が勘違い野郎を撃退出来る戦闘能力を有してはいるが、やはり問題を起こすのは憚れる
それ故のアキヒロだ
アキヒロの様なガチムチと共に行動していては、誰もナンパなんぞ考えないだろう、多分
そんな感じで掻い摘んで説明し、エスカレーターに乗り4階へ登り通路を進むと、見覚えのある赤毛の兄妹が歩いていた
「一夏、アレ」
「え?あ、弾と蘭だね。おーいダーン」
「え?弾と蘭ですって?」
私が指差す方を見て一夏は弾の名を呼び、鈴は予期せぬ旧友との再会に驚き、弾と蘭は予想外の遭遇で驚いているものの嬉しそうにしていて、アキヒロとシャルロットは私の横で邪魔しないように私と一緒に見守っている
「あの2人は兄妹で兄の弾は一夏と鈴の旧友、蘭は妹的存在だそうだ。まぁ私は会うのは2回目なんだがな」
「・・・妹、か」
「へぇ、なかなか良い人みたいだね」
アキヒロがポツリ呟いて思案顔になったのを横目で見つつ、シャルロットの言葉に頷く
「弟の事か?まさか入学してから家族に連絡していない、とか無いよな?」
私が尋ねるとアキヒロはあからさまに私から目を逸らす
「・・・アキヒロ、暫く一夏達の話は続くだろうから、少し電話して来い。きっと待っていると思うぞ?」
「・・・あぁ」
私の言葉に頷きアキヒロは電話をしても邪魔にならない場所へ歩いて行く
それを見送っていると、シャルロットが いつも以上にニコニコして私を見ていた
「・・・なんだ?」
「箒って、あまり感情が表情に出ないから勘違いされがちだけど、本当に誰にでも優しいよね?」
シャルロットは本当に思って言っている様で凄いニコニコしている
「別に、普通だろう?家族は大切にするものだ、特に心の繋がった家族はな」
少し恥ずかしくなってシャルロットを直視出来なくなったのでシャルロットから目を逸らし言う
お待たせしました