転生したら転性した挙句に篠ノ之箒に成っていたISプラス2期   作:銭湯妖精 島風

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許す者 許される者

 

 

その後、束さんの介入で混沌とした入浴時間になってしまったが

 

ガチムチの割に紳士なガチムチと軽く自己紹介を交わし、彼がアキヒロ・フランクランドと言う名前と知る事が出来ただけで私は何故か胸が満たされた様な気分だ

 

前世を含めて、こんな気持ちになったのは初めてで自分自身不思議な感覚で少し戸惑ってしまう

 

だが、いつまでも浮ついてはいられない

 

何故なら私は織斑千冬との面会が有るからだ、そして十中八九 一夏がそこに居る

 

私は断罪されるだろう、手足の骨の一本では済まない筈だ

 

彼女が望むならば、命も差し出そう、そう腹をくくる

 

 

お風呂から上がり用意された一室で時を待ち、呼びに来た束さんの導きで指定された一室へ向かう

 

 

束さんは、いつもの調子で入り座り、私は静かに入って缶ビール片手に上座に座る織斑千冬と、私から目を離さず真っ直ぐ見てくる一夏の正面の下座に正座で座る

 

「待っていたぞ?マドカ、改めて今回の加勢、感謝する。IS学園の代表として礼を言う、ありがとう」

 

そう言い彼女は缶ビールを置き頭を下げる

 

「礼などいりません、頭を上げて下さい。あれはあくまでも仕事でしたし」

 

私は冷静を保つ事を務め事実を言い彼女に頭を上げさせる

 

「仕事だろうと何だろうと、お前の活躍は確かだし、私達が救われたのも事実だ」

 

「・・・そうかも知れませんが」

 

いくら酒が入っていようと、あの織斑千冬に口で勝てる訳も無く私は認めざるを得なくなってしまう

 

「礼をしたい所なんだが、流石に大々的にIS学園から・・・とはいかないくてな?私個人からの礼になってしまう、すまん」

 

「い、いえ、ですから、お礼は大丈夫です」

 

何とか織斑千冬からの提案を断ろうとしながらも、一夏が私から一切目線を移していない事を横目に確認する

 

心なしか入室した時より凄みが増している様な気がする

 

「・・・仕方ない、無理強いも悪いしな。さて・・・本題に入るか」

 

織斑千冬は缶ビールを一気に飲み干してグシャリと空き缶を握り潰し屑箱へ投げ捨てる

 

それを見て、時は来たと知り私は背筋を正し彼女を見据える

 

「束から大体の事は聞いている、無論 一夏も知っている」

 

私は緊張からか言葉を発せずに無言で頷く

 

「お前が折村マドカ、私達 姉妹の腹違いの兄弟であった あの折村マドカだと言う事、アンノウン乱入事件で再起不能になった お前が束と契約し過去の姿を捨て今の姿になった事・・・お前が私達に、いや一夏に断罪される事を望んでいる事を知っている」

 

私が話していない事まで束さんにはお見通しだった様だ、織斑千冬に全て話されてしまっている

 

だが、知られているなら話は早い

 

「その通り、私は折村マドカ。過去の自分を全て捨てるだけでは足りないのは分かっている、だから私に償う機会を貰えないだろうか、どうかお願いします」

 

私は、その場で頭を下げて土下座をする

 

すると、今まで無言を貫いていた一夏が立ち上がり私によってくる

 

次に来るであろう痛みに歯を噛み締め覚悟を決めていると

 

「顔を上げて」

 

「はい、痛っ」

 

平手を入れる為と思い顔を上げると、一夏は私に地味に痛いデコピンを入れ呆れた表情で

 

「君は馬鹿なの?許すも何も、君は私達に何もしてないじゃない。むしろ今日助けて貰ったんだ、感謝はしても責めたりしないよ」

 

やれやれ と肩を竦める仕種をする彼女に

 

「だが、私の父はお前達を捨てた男だ、子で有る私が償わないとダメだろう?」

 

私は立っている一夏を見上げ尋ねる

 

「ん〜でも、君は過去の自分を捨てたんでしょ?なら君が償う必要は無いと思うんだけど?」

 

そう言い一夏は自分の姉を見やり意見を求める

 

「・・・マドカ、お前が償いを求めるなら私が お前に償う方法を示そう」

 

織斑千冬は私を真っ直ぐ見据え言い、私は思わず唾を飲み込む

 

「過去を一切合切捨て、これからは織斑マドカとして生き、幸せを享受し、老いて死に行け、以上」

 

そう言い彼女は2本目の缶ビールを開けてグビグビ飲み始め

 

「良い案だね、流石は姉さん。私、妹が欲しかったんだ〜」

 

一夏も乗り気でニコニコして私の頭を撫で始める

 

「いや、おかしいだろ!?え?あれ?」

 

私が混乱して声を上げるが、見事にスルーされニヤニヤしている束さんが口を開く

 

「うんうん、やっぱり家族は仲良しが1番だね!良かったねマドっち、家族が増えたよ」

 

「だから、おかしいだろ!!私間違ってるの!?ねぇ!」

 

その後、織斑千冬 改め 千冬姉さんが本格的に酔っ払い、私に絡み酒を始め説得し、一夏は一夏で千冬姉さんの為に簡易キッチンでツマミを作り、私を愛で甘やかし説得され、私は考えを改めた

 

これはこれである意味では苦行だ、ならば耐える事が償いになるのだろうと

 

だから受け入れよう、私は折村マドカを捨てて織斑マドカになろう

 

 

そしたら、また彼に会えるかも知れない、うん

 

 






と、言う訳で番外編からマドカが主人公の第2期に変わりました


どこまで書くかは未定です

またマトモなラブコメ?を書くのは初めてなので手探りで書いていきますので、変な場所が多々あると思いますが、お許しください




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