転生したら転性した挙句に篠ノ之箒に成っていたISプラス2期 作:銭湯妖精 島風
私、織斑一夏には両親が居ない、唯一の肉親は私より9つ歳の離れた頼りになり過ぎる姉さんだけ
私が物心がつく頃には既に姉と2人だったので、私には両親との思い出と言う物が殆ど存在していない
姉さんが言うには両親は私が乳飲み子の時期には他界してしまったらしい
私にとって家族とは姉さんと私の2人の事だった、
小学校に入学した日、姉さんは私を初めて己が通う剣道場へ連れて行ってくれた
そこには私と同じ歳の女の子がいた、名前は篠ノ之箒
今思えば小学校に上がったばかりの女の子にしては随分と鋭い眼差しをしていた様な気がする
それから私も姉と同じく箒のお父さん、篠ノ之
先生は、その筋では名の知れた剣術家らしい。ただし本業は神社の神主との事
姉さんと共に道場へ通い、箒や同門生と竹刀を振ったり遊んだり箒が求婚してくる日々がずっと続くと思っていた
箒のお姉さんで有る篠ノ之束さんが、それまでの常識を覆すマルチフォームスーツ、インフィニット・ストラトスを世界に発表し、その数ヶ月後に起きた白騎士事件が起こるまでは
要人保護プログラムにより、篠ノ之家の人は故郷を離れざるを得なくなり、私は箒と離れ離れになってしまった
別れ際に箒が言った、必ず迎えに帰ってくる。その言葉を聞き、信じて私は此の約6年を生きて来た
要人保護プログラムにより住所を明かす事も許されず、手紙はおろか電話もメールも出来なかった、だが私の中の箒の存在は大きくなり続け、そして中学生になる頃に私は箒が好きなのだと気付き確信した
もし剣道を続ける事が出来たならと私も思ったが、私が通っていた小学校にも中学校にも女子剣道部は存在していなかった
仕方ないので、箒と入れ替わりで転入してきた凰 鈴音、愛称 鈴や偶々席が隣になった事で仲良くなった弾や数馬と鈴の両親が営んでいる中華料理屋や弾の家が営んでいる五反田食堂で短期アルバイトをしたり遊んだり勉強をしたり弾に鈍感と言われたり、鈴が弾の言葉に同意して呆れられたり数馬が彼女を作る為に108回ほど告白を敢行するのを陰ながらに応援したりしたが、やはり頭の片隅では箒の事を考えていた
あと姉さんが私には何も言わずにIS搭乗者になって尚且つ日本代表になり世界最強のブリュンヒルデの称号を手に入れたりしたのは驚いた
急に合宿だの、遠征だの、大会だのと家を開けがちだったので、てっきり大学のサークル活動だと思っていた
まぁ実際には高校や大学に通いながらIS搭乗者の訓練をしていた様なので近からず遠からずかも知れない?
姉さんは少しシスコンの気があるらしく、家を開ける時は鈴の両親や弾の両親に頼み、私は凰家や五反田家のお世話になっていた
弾のお祖父さんの源さんには弾の嫁に欲しいと冗談交じりに言われたりしたが、丁重にお断りしておいた
でも我が家は私と姉さんの2人だけなので、弾の妹である蘭ちゃんが懐いてくれて妹が出来た様で嬉しかったりはした、弾は要らないけど蘭ちゃんなら欲しい、妹として
そんなこんなで、姉さんが二連覇を賭けたモンドグロッソが開催され、開催国のドイツで私は うっかり誘拐されてしまった
まさか姉さんの連覇を阻むだけの為に犯罪行為を行う人がいるとは思っていなかったし、日頃から護身用に持っていたスタンガンが土壇場で故障するなんて想定していなかった
誘拐された割には丁重に扱われ、怪我もする事もなく廃工場らしき場所に捕らわれていると、誘拐犯の人達が蜘蛛の子を散らす様に慌しく逃げて行き、数分後には決勝戦を棄権したISを身に纏った姉さんに救助され安堵と罪悪感から泣き縋る私を姉さんは優しく抱き締めてくれた
本来であれば許されない事を姉さんはした
だが、姉さんが一線から退く事で一応の収束を迎えた
姉さんは現地で協力してくれたドイツ軍へ教官として1年間赴任する事で政治的、法令的に姉さんを罰する事がない様に色々と揉み消してくれた
ドイツから帰国すると、鈴は一身上の都合で中国へと旅立ってしまった
それから季節は巡り、私は確かな情報筋から箒がIS学園へ行く事を知り、IS学園の入試を受け見事に合格した
そして今日、私の待ち焦がれ恋い焦がれた彼女が私の元へ帰って来てくれた
思わず抱きついてしまった私を抱き締め返してくれる彼女の温もりと匂いを感じて、ほんの少し、そう、ほんの少しだけ押し倒したくなったのは秘密
よし、結婚しよう
あれ?白式との対話を書く予定が、いつの間にか かいそう(笑)を書いていました、なんでだ?
あと一夏ちゃんのキャラが不安定な気がしてならない