転生したら転性した挙句に篠ノ之箒に成っていたISプラス2期   作:銭湯妖精 島風

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番外編 勝手にクロス 2話目

 

 

その後、自爆装置の有無が気になったのでササっとゴーレムIを解体して自爆装置が無いことを確認し終えた頃に漸くシステム復旧が終わったのかISを纏った突入部隊と険しい表情の織斑 千冬が現れ突入部隊が私を囲む

 

「・・・これは何の冗談ですか?織斑先生?」

 

この世界では確かに所属不明のISを身に纏っているが、襲撃犯を確保しているので相応の対応をして欲しいと思う訳で、いきなり包囲されたらイラつきもする

 

「悪いが お前を拘束させて貰う。上が面子を気にするものでな」

 

そう織斑 千冬は頭が痛そうに言う

 

なるほど、日本政府辺りが口を出して来たのだろう、多分

 

「大人しくISを解除して指示に従ってくれると私は助かる」

 

「・・・良いでしょう、ISの解除はします。ただしISの提出はお断りします、この程度の人数では私と紅椿は止められない」

 

たかだか6人、イージスに籠もれば問題無いし、最大加速でひけばダメージも通る

 

最悪クラッキングして無力化も可能だしな

 

「・・・仕方あるまい、突入部隊は侵入犯の回収を始めろ。コイツは私が対応する、ついて来い篠ノ之」

 

「はい」

 

紅椿を解除して織斑 千冬の後に続く、ちなみに服装はISスーツではなくアクアビットの作業着だ

 

この程度のエネルギーロスは絢爛舞踏が有る紅椿には無いに等しいしな

 

しばらく歩き生徒指導室に入り

 

「さて・・・まずは今回の協力に感謝する、ありがとう」

 

織斑 千冬が扉がしっかり閉まっている事を確認した後に軽く頭を下げて言う

 

「構いません、私には私の思惑が有りますので」

 

そう言いつつ、流石に無理をしてしまったのか左上腕部に痛みを感じる

 

そういえばリハビリ中だったのを今思い出し一夏に怒られない様にしなければと考えていると

 

「その思惑が何でアレ我々が助かったのは変わらない事実だ、公には無理だろうが協力出来る事は協力しよう」

 

そんな私を知ってか知らずか織斑 千冬が そう言う

 

「・・・帰還の目処が立つまで衣食住の提供をお願いしたいのですが、構いませんか?」

 

正直、ゴーレムI 程度で釣り合うとは思えないが、希望を持って尋ねると織斑 千冬は腕を組み考え

 

「それだけで構わないのか?」

 

そう不思議そうに私を見て彼女は言うので

 

「ゴーレムI 程度では足りないと私は考えていましたが、価値有りますか?アレ」

 

そう言うと織斑 千冬は軽く溜息をつき

 

「アレの価値は お前の考えているより少なくとも数倍は有る、向こう数年は贅沢しなければ喰えるだけの価値だ」

 

呆れた様に織斑 千冬は言う

 

どうやら私は姉さんに毒されていたらしい

 

だが、私程度の技術で容易く無力化出来るプログラムと考えると、やはりゴーレムI はプロトタイプであった可能性が高い

 

まぁ織斑 千冬は知らない様だから向こうが評価を上げてくれるのは助かる

 

「衣食住の提供は約束しよう、建前では此処は治外法権の地だ。どうにかしておく」

 

「ありがとうございます」

 

これで暫くは寝床と食事の心配はしなくて良くなった

 

問題は、どうやって帰還するか、だ

 

世界を渡る原因になった装置は跡形もなく消えてしまった、運が良ければ この世界に残骸が有るだろうが探し出せる可能性はゼロに等しいだろう

 

ならば姉さんが迎えに来るのを待つか、自分で帰還する 又は この世界の篠ノ之 束に助力を請うしかない

 

正直、篠ノ之 束との接触は避けたいが最終手段として想定はしておこう

 

まぁ問題は帰還の件だけでは無いのだが

 

「改めて確認するが、お前は篠ノ之 箒で間違いないのか?」

 

「はい、私は正真正銘 篠ノ之 箒です」

 

織斑 千冬が再び口を開き尋ねて来たので嘘をつく必要は無いので素直に答えると織斑 千冬は面倒くさそうな表情を浮かべる

 

そりゃそうだ、同姓同名なんてモノじゃない同一人物が存在している訳だから面倒でしか無いだろう

 

私の推測が正しければ此の世界は原作筋を辿っている世界で、此方の箒は原作のままの可能性が非常に高い

 

つまりカッとなれば手と竹刀が出る剣術少女だと考えられる

 

「知っての通り、此方にも篠ノ之 箒が居る。お前の説明が非常に面倒な事になっていてな、偽名を名乗り他人の空似と言う事にしてくれるか?」

 

 

織斑 千冬の表情を見る限り、やはり面倒事でしかないらしい。彼女の気持ちも分かるので

 

「・・・どこまで信じるかは保証出来ませんが分かりました、此の世界で異物は私ですし、偽名を名乗る事を了承します」

 

さて、そうなると偽名を考える必要が出てきたが・・・シールドに篭って作戦指示を出したりするし、クギミヤ ケイにしとくとしよう

 

「では此処に居る間はクギミヤ ケイと名乗る事にします」

 

織斑 千冬に そう告げ私は愛用のメガネ(ステータス・ゴーグル)を掛けてポニテを解いて解れが無いか目で見て確認する

 

今日は一夏からの貰ったリボンをしていなくて良かった、仮に一夏から貰ったリボンだったらSAN値がゼロになって闇堕ちしていた可能性が高い

 

リボンに解れが無いのを確認して頸辺りでリボンで髪を結い直す

 

「髪型を変えてメガネを掛けるだけで少しは印象も変わると思いますし、大丈夫でしょう多分。織斑先生、申し訳ない有りませんが今日は疲れてしまいました、もう休みたいのですが・・・」

 

「部屋の用意に少し時間がかかる、すまないが今日は私の部屋で休んで貰えるか?」

 

彼女は すまなそうに言って鍵を差し出す

 

「場所は分かるな?」

 

「勿論 分かります、では遠慮なく」

 

鍵を受け取り生徒指導室を出て学生寮へ向かう

 

少しばかり長く話していた様で夕日で空が赤く染まっている

 

「・・・待っていてくれ一夏、私は必ず戻ってみせる」

 

左手の指に嵌る指輪を撫で呟き寮の前に池に掛かる橋に人の気配を感じ目線を向けると、何故か箒が竹刀を左手に持って私を睨む様に橋の真ん中に立っていた、何故だ?

 

「・・・すまないが、其処を通して貰えるか?今日は色々有り過ぎて疲れてしまったから、もう休みたいのだが・・・」

 

私は事を荒立てるつもりはないので、出来るだけ言葉を選んで箒に言う

 

「私の質問に答えたらな」

 

竹刀を納刀の状態から右手で抜刀し切っ先を私に向けて彼女は言う、やはり面倒は起こる様だ

 

私が無言で頷くと

 

「貴様は何者だ?」

 

「私は・・・クギミヤ ケイだ、IS学園の生徒でありIS企業アクアビットの社員だ」

 

真っ直ぐに彼女を見据え言うと目付きが鋭くなり殺気が増す

 

「私は貴様の様な生徒知らん、それにアクアビットなんて企業知らんぞ?何より・・・貴様は何故 私と同じ顔をしている?」

 

やはり納得してはくれない様で今にも斬り掛かって来そうな様子で言う

 

「・・・別の世界から来たからだ、もっとも来たくて来たわけじゃ無いがな」

 

「そんな世迷言を信じろと?」

 

信じてもらえない様で少しずつ箒が距離を詰めてくる

 

「信じて貰うしかない、それが事実だからな。仮に嘘だとして、どうするつもりだ?」

 

箒との間合いを確かめつつ彼女に尋ねる

 

「どうせ姉さんの差し金だろう、ならば突き返すだけのこと」

 

完全に間合いに入った所で箒が言い威圧してくる

 

まぁ姉さんが原因なのは事実だけどな、うん

 

「やれやれ・・・篠ノ之の名が泣く、部活棟に行くぞ?あそこなら存分に暴れられるからな」

 

面倒くさいと思いつつ踵を返して部活棟へ歩みを進めると

 

「その手には乗らん! 覚悟!! 」

 

箒は邪念でブレた剣筋で私へ竹刀を振り下ろすがイージスを展開して防ぎ

 

「背後からの不意打ち、貴様は篠ノ之の剣を継ぐに相応しくない。来い、貴様の腐った性根を叩き直してやる」

 

シャフ度を決めながら箒を睨みつけ言い胸ぐらを掴んで部活棟へ引きずって行く

 

勿論、箒が大人しくする訳はないのだが、無理矢理連行している

 

 

私は、私には許せない、誇りに思う篠ノ之流を汚されている様に感じて

 

剣は自分を写す鏡、故に剣道は礼儀と清い精神を磨く為の武道なのだ、だから他でもない私が箒を叩き直す

 

 

・・・一夏に知られたら、からかわれそうだな

 

 





お待たせしました

前より少しばかり短いですがお許しください

2018年、今年も年末になりました、私の作品を読んでいただきありがとうございます

2019年も無理しない程度に頑張って執筆したいと思います

よろしければ、お読みいただけると幸いです


皆さまに感謝と、2019年 皆さまに幸多き1年が訪れますよう、祈っています


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