転生したら転性した挙句に篠ノ之箒に成っていたISプラス2期 作:銭湯妖精 島風
簪が飛行の慣らしを始めて数分、聴き馴染んだ銃声が聞こえ其方へ目を向けると一夏がシャルロットにガルムを撃たせて貰っていた
私が言える事ではないが彼は お世辞にも上手くなかったが素人なら仕方ないし、確か原作白式には火器管制プログラムすら搭載されていなかった筈だ、普通に使える方がおかしいだろう
「うん、飛行も問題無い。戦闘機動を試したいから相手をお願い出来る?」
確認が終わった簪が私に話かけてきたので
「あぁ、任せろ。ただし飛び道具は無しにしよう、人が多すぎる」
彼女と同じ高さまで浮上して提案すると簪は頷き夢現を展開し構える
私も近接ブレードを2振り展開して構え簪を見据える
なぜ近接ブレードかといえば、空裂と雨月はビームを出す機能があるしガンドレイクは射撃武器の要素が強いからだ
「やぁっ!!」
「はっ!!」
薙刀と刀では間合いが倍以上の差が有るので通常、薙刀の方が有利と言われていて薙刀に勝つには3倍の実力が無いと勝てないらしい
そう、通常なら
私達はISを纏い試合をしている、つまり機動力や装備の差が薙刀と刀の間合いの有利を無いものとする、紅椿は防御型なのに加えて私が篠ノ之流剣術で優先して取得した技は防御やいなし技だ
簪の操る夢現は近接ブレードの倍の間合いが有り中々距離を詰める事が出来ないが、焦る必要は無いので確実に防御をして簪の出方を伺う
まぁ今回は打鉄弐式の具合を確かめる為にやっているから勝ち負けは関係無いのだけど
ある程度加減して簪と打ち合いながら一夏とシャルロットの様子を伺う
時間的に そろそろラウラが現れる筈だからだ
「ありがとうケイ、お陰で次の公式戦に出れる」
打ち合いを止めて簪が そう言ってくる
「気にするな、私が勝手にやっただけだ・・・ん?」
簪に返答をしたタイミングで生徒達が騒めき始め、ラウラの挑発的な言葉が聞こえたのでワザと一夏を狙っているラウラのレールカノンの射線を遮る様にイージスを展開してから降下すと、予想通り砲弾がイージスに当たる
「・・・危ないな、ラウラ・ボーデヴィッヒ。織斑 一夏に執着するのは構わないが、無関係の人間に怪我をさせたらダメじゃないか?」
「ふん、知らんな。この程度で怪我をするならば雑魚だ、チカラこそ正義なのだ、弱さは悪だ」
おっとー?
このラウラも歪みが酷くないか? 病み具合が何段階か高い気がするぞ?
仕方ない、此処で始めるか
「・・・なら貴様に敗北を教えてやろう」
「面白い、やってみろ! 篠ノ之 箒!」
私が近接ブレードの切っ先を向いて挑発すると挑発に乗ってきたラウラがプラズマブレードを展開し見下した笑みを浮かべ私の名前を呼ぶ
間違っては無いが、間違っているので
「私はクギミヤ ケイだ、篠ノ之 箒のソックリさんだよ。まぁ今はどうでも良いか」
AICの弱点、欠点を知っているし対策も考えている。だが私とラウラの間には実力の差が有る
当たり前だ、彼女は戦闘のプロとして産まれてから ずっと訓練をしてきているのに対し私が戦闘訓練をしているのは彼女の10分の1にも満たないだろう
足りない実力を防御に徹する事で埋めるのが私の基本戦術だ、今回に限っては最適とは言えないかもしれないが
「織斑 一夏、シャルル・デュノア、生徒達を遠ざけてくれ。当たれば怪我では済まないからな」
私が2人に言うと一夏は戸惑い考えてから頷き、シャルロットはラウラの様子を注視しながら生徒達の誘導に入る
「全く優しいな貴様、あんな雑魚共を心配するとは」
「私は お前と違い分別は出来るからな。あぁ簪、悪いが微調整は また後で」
生徒達が居なくなるのをワザワザ待っていたラウラが見下した笑みを浮かべて言って来たので返し、私達の上空で様子を見ていた簪に言うと彼女は頷きピットへ帰って行く
「漸く貴様も全力を出せる状態になったな?これで言い訳は出来まい」
どうやら私を正面から叩き潰す為に待っていたらしい、随分と余裕ある様で羨ましい
その
黒い茨の様なモノが巻き付いていて、その姿は痛々しい
「・・・そうだな、始めようか」
近接ブレードを格納し空裂と雨月を展開し再度構えラウラを見据え言うと、彼女は迷う事なくレールカノンを撃って来たので砲弾を雨月で斬り
「まさか、飛び道具で私を倒せると思ってはいまい?来い、お前に敗北を教えてやろう。ISを道具としか考えていない人間には特にな」
砲弾を斬られた事に少し戸惑っているラウラを睨む様に見据え言い間合いを詰めて近接戦を仕掛ける
「少しはやる様だな、だが身の程を知るがいい!! 」
やはりラウラは射撃戦より近接戦が得意な様で私の攻撃を上手く捌き攻撃を繰り出してくる
なんとかラウラと今は戦えている、今は。VTシステムが発動した後の決めてが まだ決まっていない流石に再び裏コードを使えない
零落白夜が有れば一撃で終いに出来るが、今は一夏も居ないから頼る訳にも行かない
かと言って彼女を苦しめ続ける訳にも行かない、実にもぞかしい気分になる
「ほぉ、貴様の評価を改める必要がある様だな? 貴様には本気を出してやる」
そう言ってラウラは右手を私に向ける、直ぐにイージスを展開したままパージして後退する
「どこで知ったか知らんがAICを知っている様だな?」
更に狂気度が上がり楽しそうにラウラは言い眼帯を外す、彼女は本気を出すつもりらしい
「行きなさい箒、彼女の、彼女達の未来の為に」
「・・・そうだな、それが私から与える祝福だ」
乙姫が現れ私の左肩に触れながら彼女は言う、その言葉を聞き私は改めて決意しラウラを見据える
大丈夫、やる事は分かっている。やるべき事は分かっている
「行くぞラウラ・ボーデヴィッヒ、此処から先は私の闘争だ!」
「いいえ箒、私達の闘争よ」
瞬間加速を繰り返しフェイントを混ぜながら攻撃を繰り出しラウラと打ち合いが始まる
AICを使わせない為には手数で攻めるしかない、離れればAICの餌食になるからだ
そして少しどころではない無茶をする事にした、時間を稼ぎVTシステムをクラックすると言う無茶を
幸い私はマルチタスクが使えるし、紅椿にはインコムが有るので操作も出来る
我ながら無謀だとは思うが、やるしかない。持久戦や消耗戦は私の得意とする戦術だしな
「まさかIS学園に私と同等の搭乗者がいるとはな、驚きだ」
「お褒めに預かり光栄だ、そのまま敗北を知ってくれ」
付かず離れずの距離で打ち合いを繰り返し続ける、レールカノンは銃身が長くて取り回しに難が有るので間合いの関係で使って来ないのは助かる
「面白いな、是非教えてくれ」
負ける気も負ける予感も微塵も無い表情のラウラが言い動きが更に早くなる
それを捌きながらVTシステムのクラックを進めると、彼女を縛る茨が1つ消える、どうやらゴーレムI より難易度は低い様だ。暴走しない事を祈るとしよう
「このまま焦らずにやりなさい、大丈夫よ」
「そうか、分かった」
乙姫の励ましに返事をしつつ考えてる、我ながら無謀な事を始めて それをこなしてる。なんとも常人離れしてきたものだ
戦闘を始めて約1時間、漸くVTシステムのクラックが終わり彼女が茨から解放され、嬉しそうに笑みを浮かべている
「さぁ次はラウラを解放する番ね」
「そうだな、もう少し頑張らねば」
あと一踏ん張りだ、このラウラも可愛い生き物になる事を祈ろう・・・否、可愛い生き物にしよう
やはり妹が欲しい・・・いや、つい最近出来たな義妹が
よし帰ったら生意気な義妹を可愛い生き物にしよう、一夏に似て素材が良いからきっと大丈夫だ。本人は嫌がるだろうが
お待たせしました
なんにも考えずに見切り発車して書いてるので、終わりが見えない←
とりあえずは、あと2〜3話ぐらいで番外編を終わらせたいです