星河スバル(偽)の戦闘録   作:星屑

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 意気揚々と足を踏み入れたラビリンス。

 以前はまるで水中活動しているかのように感じていた抵抗も、今は薄い。

 封印が解かれた影響からか、電波状況が改善されているようだ。

 

「……昨日と雰囲気が全然違うね。まるで別の場所みたい……」

 

「きっと、ムー大陸の封印が解けた影響だと思う。それより……」

 

「あのいけ好かない(ファントム・ブラック)ヤロウの気配は……ねぇな。どこかに潜んでいやがる可能性はあるが……もしかしたら、チャンスなのかもしれねぇ。出しゃばってこないウチに先へ進んじまおうぜ」

 

「ポロロン……ワタシは賛成ね。どうやら、案内役を待たせていたみたいだし」

 

 ホラあそこ、というハープの示した先には、以前ラビリンスを攻略する際に道しるべを買って出てくれた電波が佇んでいた。

 今はまるで、己の存在を主張するかのようにカンテラを輝かせている。

 少しでも情報の欲しい僕達は、取りあえず件の電波から話を聞くことにした。

 

「やぁ、ひさしぶり。この前はありがとう。助かったよ」

 

「…………」

 

「……ええっと、その、ムー大陸について知ってることがあれば聞きたいんだけど」

 

「…………」

 

 返事はない。屍にしてくれようか。

 以前も思ったが、もしかしなくても嫌われているのだろう。解せぬ。

 

「恥ずかしがり屋さんなのかな?」

 

 ミソラさん、そいつただの少女型電波主義者の変態ですよ……

 しかし、僕が何をしてもこの変質電波が口を開くことはないだろう。現実とは時に非情なものである。

 ……ここは、適材適所で。

 

「お願い!電波さん、何か知っていることがあれば教えて欲しいの……」

 

 掌を合わせ、上目遣いで彼女は頼み込む。

 例え『豚野郎』と罵ったとしても、彼が喜んで情報を提供してくれるだろうことは予測出来るが。

 

「……イニシエのコトバ、だ。『……、……、…………、……、……』」

 

 …………は???

 

「え?…………ふむふむ、なるほど……決まったルートを通らないと、ムー大陸へは行けない仕組みになってるんだね。ありがとう、とっても助かったよ!」

 

 カンテラを握っていない方の手を両の掌で包み込み、ブンブンと上下させて感謝の意を伝えるハープ・ノート。

 心なしか、カンテラ電波から蒸気らしきものが漏れているような。

 オーバーロードか?むしろオーバーヘッドで叩き込んでやりたいくらいだよ。

 

「でも、どうして急にワタシだけに聞こえる声で話したの?……え?情報漏洩の阻止?」

 

 情報漏洩の阻止……なるほど合理的だ。

 ただの変質電波かと思ったが、中々考えている。

 少し、彼の印象を見直すべきだろうかと、自分に言い聞かせる。偏見は悪い文明。

 件の電波の表情を覗く。彼はいつも仏頂面だ。やはりその顔色からは、内面を察することは難しい……

 

「…………フッ」

 

 電波狩りの始まりじゃあぁぁぁ!

 

「よぉし、それじゃサクッとラビリンスを抜けちゃうよ!」

 

 ドス黒い狂気に身を任せかけていた体が、彼女の一声で我に返る。

 元々、ラビリンスのような特殊環境下での攻略は門外漢だ。

 気力は十分なようだし、ここは遠慮なく頼らせてもらう。

 

「頼りにして、いいかな?」

 

「フフフ……お任せあれ!」

 

 ドヤる彼女を見ていると、そこはかとない不安に襲われる。

 大丈夫、だよね……?

 

 

 

 ♢♢♢

 

 

 

 しかし、僕の期待を裏切るようにムー大陸への道程は極めて安全なものだった。

 ウィルスは湧くや否やストリングでバラバラにされてしまうので、ウォーミングアップにもなりやしない。

 

 ……そんな道のりも、唐突に終わりを告げる。

 何故なら、ワープホールを抜けた先が、まるで天まで届きそうな程壮大な階段だったからだ。

 

「……スゴい。ラビリンスにこんな場所があったなんて。まるで、天国まで続いているみたい……」

 

 そう呟くと、ミソラちゃんは言葉を失ったように辺りの景色を見やる。

 きっと、亡くなった『ママ』のことを想っているのだろう。

 確かに、殺風景だけどどこか神聖な風合いを感じる、そんな感じの場所だ。

 

「えっと、大丈夫……?」

 

「ゴメン、ちょっと感傷に浸ってたみたい。……可笑しいよね。亡くなった人に会えるワケなんて無いのに……でも、もう平気。だってワタシは、これ以上誰かを失う悲しさを感じる人を増やさないために、ここまで来たんだから」

 

 背を向け、自嘲するように笑うと彼女はこちらへ振り返り、儚げに微笑んだ。

 その瞳には、決意の炎が轟々と燃え盛っている。

 こんなところで立ち止まってはいられない。目は口ほどにものを言うワケだ。

 

 

『ンフフ……コイツは傑作だ!開演前に忍び込もうとしたかと思えば、今度はロマンスでショーそのもののジャンルを変えようという腹づもりかね?……つくづく、キミ達は脚本家泣かせの才能に富んでいる!』

 

 響いた声に反応した僕達は、瞬時に戦闘態勢へと移行。

 あの道化師擬きの居場所を探る。どうやら、『カミカクシ』から声だけを飛ばしているらしい。

 しかし……改めて考えると、ぶっちゃけファントム・ブラックよりもカミカクシの方が戦略的に優れているのでは……?

 

『だが、生憎とその先へ進ませるわけにもいかなくてね』

 

『ふむ……そうだな。では、ムー大陸という舞台の幕が開けるまで、暫し私のショーにでも付き合っていただこうか』

 

『もっとも』

 

 閃光。

 たなびくマントを後ろに流し、不敵な笑みを浮かべた男が道を塞いでいた。

 感じるチカラは……大きい。以前とは比較にならない程だ。

 

「こうなってしまった以上、キミ達がメインイベントに立ち会うことは叶わないだろうがね」

 

「ふざけやがって……!」

 

 あくまで余裕の態度を崩さないファントム・ブラックに、痺れを切らしたロックが噛みついた。

 ……かえって喜ばせる結果に終わったみたいだが。

 

「ンフフ……ふざける?いいや、そんなことはない。せっかちな押し掛け客に、わざわざ対応して差し上げているんだ。当然、それなりのペナルティがあって然るべきじゃないかね?」

 

「そのオリヒメサマとやらにどれだけの力をもらったかは知らねぇが……そこに突っ立っている以上、オレ達のやることは変わらねぇ!」

 

「ンフフ……はて、一体何が変わらないと言うのだ?」

 

「テメェを!ぶっ倒して!つまんねぇ計画なんざ全部ブチ壊してやるって言ってんだよ!!」

 

 やはり直情的なロックとは相性が悪い。

 下手につけ込まれても不利になるだけだ。

 こういう手合いはさっさと始末してしまうに限る。

 

「威勢は十分……だが、既にキサマ達の戦力はブライとの戦闘で解析済みなのだよ。それをふまえ、オリヒメ様からチカラを頂いた今の私に勝つことは出来ない。絶対にね」

 

 流石に自称脚本家。

 キャストの情報収集に余念がない。

 

「そんな大昔のデータでいい気になってもらっちゃあ困るぜ!教えてやるよ!オレ達はいつだって成長し続けてるってことをなァッ!」

 

「そうか……では見るが良い!ワタシの描き出した、キサマ達の敗北劇という名の脚本を!」

 

 宣言と同時にファントム・ブラックから大量の電波が吹き荒れる。

 なるほど、ただ闇雲に振るっているわけではないらしい。

 それでも負ける気がしないのは、彼が彼足る所以なのだろうか。

 

「どんなにスゴいチカラでも……!それが、僕達の諦める理由にはならない」

 

「ええ!立ち向かう理由がある限り、ワタシ達はいつだってネバーギブアップなんだから!」

 

「ならばこの私が、キサマ達の絶望すら演出してみせるとしよう!それに、だ。キサマ達を倒せば、オリヒメ様はこのワタシとブラザーバンドを結んでくださるという確約を頂いている。これは私にとっても最大のチャンスと言うわけだ。……では、消えてもらおう」

 

「ヘッ、なら遠慮なくやっちまおうぜ!」

 

「ああ!決着を着けよう、ファントム・ブラック!」

 

 脚本家が舞台に上がるということがどういう意味なのか、教えてやろう!

 

『ウェーブバトル!ライドオンッ!』

 

 

 

 ♢♢♢

 

 

 

 開幕で不意打ち気味にバスターを叩き込むも、一発残らずステッキソードで打ち落とされる。

 なるほど、純粋な身体能力スペックも相当に上がっているのか。

 

「ンフフ……どうだね?素晴らしいレスポンスだろう?当然ながら、私の相棒(ファントム)も強化されているのだよッ!」

 

 瞬間移動。背後からの奇襲。

 ……以前よりも、明らかに早い。

 だけど、この場にいるのは僕とロックだけじゃない。

 

「……そこッ!」

 

 振り上げたステッキソードで切り裂こうとしたファントム・ブラックに、強靱なコードが絡みつく。

 幾重にも絡まったコードをほどくのは容易ではない。……ミソラちゃんグッド!

 

「むっ……これは……」

 

「……一気に、決める!」

 

 訪れた好機は逃さない。

 振り向きながらベルセルクの鎧を纏い、顕現させた大剣で袈裟斬りを狙う。

 

「この、程度ではなァッ!」

 

 しかし、ファントム・ブラックは全身を捻り、解放。

 回転に伴い発生させた真空刃でコードを切り裂き、こちらの膂力に拮抗をもたらした。……ファントムスラッシュか。

 そのまま大剣を弾き、追撃に乗り出しかけていたハープ・ノートへとステッキを投擲。不意打ちが成立し、彼女は回避行動に専念せざるを得なくなってしまった。

 

「中々やるじゃあないか。これは、戦力評価に補正をかけて計算するべきだったかな?」

 

「減らず口にはチャック、だぜ!」

 

 距離を取るために再び移動した瞬間を狙ってウォーロックアタック。

 見切りの着けづらい高速の一突きだ。逃げ道はハープ・ノートによるショックノートの段幕で塞いでいる。

 これは躱せないっ!

 

「このスペックと比較しても速い、だと!?」

 

「終わり、だァッ!」

 

 胸の中心目掛けて突きだした大剣は、狂い無く目標点を貫いた。

 ……けど、妙な手応え!?

 

「うっ……!」

 

 ハープ・ノート(・・・・・)のうめき声が辺りに響く。

 その胸の中心からは、雷を迸らせる大剣の刀身が生えていた。

 どういうことだ!?

 

「ミソラちゃん!……どうして!?」

 

「ンフフ……」

 

 ファントム・ブラックの声でハッと気付き、大剣を引き抜く。

 突き刺していた大剣の接地面には、黒いエフェクトがかかっていた。

 これは……『カミカクシ』か!

 

「なぁに、簡単なことだよ。カミカクシの出入り口を、私の体表から彼女の体内に設定しただけだ」

 

 まるで堪えきれないように、クックッと押し殺した笑いを漏らす。

 ……お前ら人間じゃねぇ!

 

「……スバルくん、ワタシは……大丈夫だから……」

 

 どう見ても大丈夫じゃない表情で言われても、困る。

 

「……Dエネルギーを!速く!」

 

 確か、非常用にいくつか持っていたハズだ。

 取りあえず、この戦闘での高速機動は絶望的だろう。

 どちらにしても、コイツは速くやらないとヤバい類いの敵だ。

 

「でも、まずはカミカクシの防御壁(アレ)を突破しないと……」

 

 キズを癒した彼女が『インビジブル』を使用して戦線を一時離脱したことを確認しながら、そう呟く。

 電波障壁のような物理的防御でない以上、闇雲に出力を上げれば良いというものではない。

 さて、どうしたものか……

 

「いや、多分そこまで気軽に使えるモンじゃないと思うぜ、スバル」

 

「ロック……どうして?」

 

「恐らく、アレは正確な座標を撃ち込んで使うタイプのアイテムだ。動き回っていりゃあ、そうそうこっちの体内にワープゲートを開かせることもないと思うぜ。……つまりアレは、こっちの動きを完璧に読めて初めて使えるチカラってワケだ。多分」

 

 なるほど……胸の一部にしかゲートを開けなかったのも、体表面をまるごと指定することが出来なかったからなのか。

 そう考えれば、まだなんとかなりそうだ。

 不意打ちは基本。古事記にもそう書いてある。

 

「オーケー、理解したよ。それなら、まずは向こうの計算を狂わせることから始めよう」

 

「……アレか。わかった、思いっきり派手にいこうぜ!」

 

 幸運にも、こちらは向こうも知らない切り札を持っている。

 ここは惜しみなく切らせてもらおう。最高のワイルドカードを。

 

「ンフフ……どうしたのかね?まさか仲間を傷つけて、急に恐ろしくなったとでも?」

 

「ほざいてな、道化ヤロウ!仲間のチカラで泣きを見るのは、テメェのほうだってことだ!」

 

「……『ナダレダイコ』ォッ!」

 

 天地さんより預かった、ギガクラスカードを展開。

 以前使用したペガサス・マジックGXのように、全身をイエティ・ブリザードが放つ凍てついたオーラが包み込む。

 奇しくも二つのカードは属性・性質まで類似していたために、操作の感覚はなんとなく掴むことが出来ていた。

 しかし、どちらも冷気の操作を軸にしているが、ペガサス・マジックGXが一点集中型であるのに対しナダレダイコは範囲攻撃型という明確な違いがある。

 

「うおおおぉぉぉッ!!」

 

 雄叫びとともに、足下のウェーブロードから膨大な量の雪塊がせり出してくる。

 僕の周囲を囲むように現れた雪壁を、驚愕の表情を顔に貼り付けたファントム・ブラックを含む全方位へと粉末状に分散して放出。

 それはさながら、ヤエバリゾートでゴリが演出してみせた猛吹雪となってヤツを襲う。フィールド全域を覆う攻撃だ。たとえ転移したとしても、げ場はない。

 

「これは……タダの目くらましではない!?」

 

 タダの吹雪として使用している以上直接的なダメージは殆ど存在しないが、ナダレダイコには元々ヒットした相手を凍結させる効果がある。分散させたためにその効果も弱まっているだろうが、まとわりつく雪塊は鬱陶しいだろう。

 あと、ついでに目くらまし。

 

「無敵のカミカクシでも、流石に全身は覆えないだろッ!」

 

 再び大剣を構え、安定した足場を求めて着地したファントム・ブラックへとウォーロックアタック。

 明らかに動きが鈍っていることを確信しながら斬りかかる。

 

 しかし、その一撃はステッキソードの受け太刀によって阻まれる。

 感じるパワーはまだ、強い。

 

「今日、この場に限っては……私も退くわけにはいかないのだよ!」

 

 拮抗したつばぜり合い。

 正面からのぞき込んだファントム・ブラックの表情は、正に鬼気迫るといった様相だった。

 

「くそっ……オリヒメと結ぶブラザーバンドが、そこまで大事なのか!?」

 

 ロックが吠える。

 ファントム・ブラックはニヤリと笑い、押し込むように圧をかけてくる。

 

「そうだ!私はオリヒメ様の右腕となり、この世界を共に支配する!」

 

「でも、人を始末して結ぶブラザーバンドにどれだけの繋がりがあるって言うんだ!」

 

 例えオリヒメに求めるものがチカラであったとして、それは必ずしもブラザーバンドを介する必要はない。

 ここまでブラザーバンドに固執するハイドの本心。それは一体なんだ?

 

「共通の目的や視点、思考を持っているからこそ強くなる結びつきなどざら(・・)にある!この世界そのものを支配するのだ……一人や二人、始末出来る程度の信頼はあってしかるべきだろう!」

 

「何が信頼だ!その信頼は、アナタを道具として見たものじゃないか!」

 

「道具で結構!それで支配する側に回れるのであれば、安いものだろう!?」

 

 ステッキ越しに語るハイドの目は、控えめに言って狂人のそれだった。

 狂気すら感じさせる勝ち馬への執着。

 つまりブラザーバンドも、電波体としてのチカラも何もかもハイドにとっては手段でしかないということか。

 ブラザーバンドに執着するのも、それが最大権力者(オリヒメ)に最も手軽に近づける手段だから……。

 

「長い物に巻かれて、それで満足なのか!?」

 

「そうだとも!だがそれこそが、この私が唯一望んだものだ!今更捨てられるはずもない!」

 

「だとしても、アナタの考えはたくさんの人を不幸にする!」

 

「それがどうしたというのだ!齢を重ねれば、他者を踏み台にする機会などいくらでも巡ってくるぞ!……失うのが未来か!命か!それだけの違いだろう!」

 

「選択の機会すら奪っておいて、よく言うよ!」

 

「蜘蛛の糸がいつまでも、そこかしこに垂れていては、愚かな凡人どもが登ってきてしまうではないか!それは私達としても困るということだ!」

 

「神様でも気取るつもりかッ!」

 

「その神すらも、既に私達の手中であるということだ!」

 

 神……ラ・ムーのことか。

 ファントム・ブラックの強化も、恐らくはそれによるもの。

 なら、まだ大丈夫。大量生産されたムーの電波体が世界中に解き放たれるまで猶予がある。

……ので、コイツに構っていられる時間はないッ!

 

「ならとっととアナタを斬り伏せて、その神様にたどり着く!」

 

「それは出来ない相談だなァ!」

 

 剣から伝わる圧力が増大する。

 押し切られる前に鍔迫り合いを解き、後方に跳ぶ。

 

「スバル、転移される(飛ばれる)ぞ!」

 

「わかってる!」

 

 間髪入れずサンダースラッシュを飛ばし、牽制を試みる。

 が、それは一刀の下に斬り捨てられる。

 

「レスポンスが上昇していると!言ったはずだ!」

 

「だけど、足は止まったぞ!」

 

 サンダースラッシュを飛ばした時には既に、ウォーロックアタックで追撃を敢行している。

 切り払われた雷の剣波の後ろから飛び出し、僕達はファントム・ブラックの頭部へと突き込んだ。

 しかし、手応えはない。間に合わなかった────ッ!?

 

「──────ッ!」

 

 殆ど無意識の挙動だった。

 本能の赴くまま大剣を逆手に持ち直し、振り返りもせず右脇の下から真後ろへ向かって引くように突き出す。

 ……確かな手応えを感じ、息つく暇もなく全力放電を流し込んだ。

 大剣を握りしめていた右手を離し、左方から回るようにして振り返る。

 オーパーツから流れ込むチカラを右腕と両足に集中。

 血の気が引く程に掌を握り込み、黒装束の中でも一際目立つ青白い顔面目掛けて振り抜いた─────ッ!

 

「うおおぉぉぉああぁぁぁッッ!!!」

 

「ぐっ……ああぁぁぁぁぁッ!?」

 

 天空の大階段に二人の電波人間の絶叫が響き渡り、やがて静寂が辺りを支配した。

 

 





GET DATA……『ファントム・ブラックEX』

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