星河スバル(偽)の戦闘録   作:星屑

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執筆の合間に聞いた『Be somewhere』で最高にテンション上がりました!

聞いたことなかったんですけど、良い曲ですね!


第四話『天秤座』
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 ーー星河家・翌日ーー

 

 ……あぁ、凄く晴れやかな朝だ。もう何でも出来るような気がするね。ロックも受け入れてくれてるし、怖いものなんて何もないぞ!

 

「オイ、スバル!起きろ!」

 

 何だ?ロックが急かすなんて珍し……くもないか。

 

「オレはいい加減、我慢の限界ってヤツだぜ!」

 

「ふあぁ……どうしたの、ロック?」

 

「BIGWAVEだよ!なんやかんやでまだ行けてねぇだろう!?……流石に我慢の限界ってヤツだ!」

 

 あっ……そう言えば、ロックとは行ってなかったね。

 ミソラちゃんに会う前にロックを探しに入ったけど、あんまり詳しく見たわけじゃないからなぁ……

 

「うん……ゼニーも貯まってるし、バトルカードの貯蔵は十分だ!ロック、決戦の時間だよ……!」

 

 あそこには、沼がある……!!

 

 ーーBIGWAVEーー

 

「とうとう来たね……ロック」

 

 今日、ボクは一世一代の大勝負をするぞ!

 

「おう、中々良さそうなトコロじゃねぇか」

 

 BIGWAVEの店長、南国ケンさんに話しかける。まずはバトルカードの購入だ。

 

「いらっしゃい!チョーいいモノ一杯あるよ!ざっと見てくかい?」

 

「お願いします!」

 

「なら……はい、これが当店のラインナップだよ!データにしてキミのトランサーに送ったから、決まったら何時でも言ってね!」

 

 品揃えは……なるほど。汎用性のあるカードが多い。特にリュウエンザンやHPメモリ、スタンナックル辺りは買いかな……。

 

「……じゃあ、リュウエンザン、HPメモリ、スタンナックルを下さい……三つずつで」

 

 おお……これが大人買いと言うヤツか……一気に強化された気がするぞ!

 

「(なるほどな……ウィルスバスティングのリザルトで手に入るデータってよりは、完全に戦闘用に調整されたカードって感じか……面白いじゃねぇか)」

 

 ロックも楽しそうで何よりだ!そして、ここからが本当の戦いなんだよ……

 

「オイ、スバル……急に顔が長くなって、顎が尖ったように見えるのは、オレの錯覚か?」

 

 ざわ……ざわ……さぁ!勝負を始めよう!

 カードトレーダー3用に数えきれない(誇張)ほど集めたグランドウェーブを使う時が来たようだね!

 ……無心で回せ……回転数が、全てだ!

 

 うおぉぉぉぉぉっ!!

 

 まず一枚目!……バトルカード『プラズマガン1』!

 

 まだボクのバトルフェイズは終了してないぞ……ッ!

 

 そして二枚目!……バトルカード『エアスプレッド1』!

 

 まだまだ!三枚目!……バトルカード『ソード』!

 

 四枚目!『パワーボム1』!

 

 五枚目!『キャノン』!

 

 こ、これしきでボクのバーサーカーソウルを止められるとでも……!?

 

 六枚目!ドロー!『グランドウェーブ1』!

 

 七枚目ぇ!ドロー!『リカバリー30』!

 

 まだまだァッ!

 

 ーー十分後ーー

 

「まだ、まだだ!諦めるわけにはッ!」

 

「もうやめるんだ、スバル!余りのバトルカードはとっくにゼロだぞ!」

 

 HA☆NA☆SE!

 

「オイ、スバル!しっかりしろ!……そういうときもあるさ」

 

 ロックに慰められた……うん、そういうときも、あるよね。

 ……カードトレーダーの電脳に忍び込んで、排出率をいじるか……?

 

 ーーカードトレーダー3の電脳ーー

 

 ……来てしまった。いや、違うから!ウィルスに侵されてないか調べるだけだから!排出率をイジったりなんかしないから!

 

「スバル……」

 

 ロックの視線が痛い……

 

「ええっと……どこかに異常は……あ」

 

 …………………………あ、居た。メットリオが排出プログラムをイジってたのか…………………ゆ る さ ん!!

 

「うおぉぉぉぉぉぉッッ!!」

 

 純真なボクの心を、よくもッ!

 

 ーー十分後ーー

 

「まぁ、なんと言うか、災難だったな」

 

 ロックが優しい……うぅ……

 

「そうだね……今日はもう家に帰ろう……」

 

 ーー星河家・夜ーー

 

 さーて、割と楽しみにしている『危ない暴れん坊ウルトラ大将軍』の時間だ!昼間の悪いことなんて忘れてしまおう!あれは、嫌な事故だったんだ……

 

 

「……………………あれ?テレビの調子が悪いな……」

 

 どうしたんだろう?またウィルスかな?ボクの部屋のテレビはそこそこ新しいモデルのハズなんだけどな……

 

『ザザ……ザザザ……ス……くん……き……える…』

 

 何だ、声が……聞こえる?

 

『ザザザ…………スバルくん!聞こえる!?』

 

 画面にハープ・ノートォッ!?どういうこと!?

 

「え、えええ?なにこれ……ちょっと、ロック!これは……?」

 

「……多分、居やがるな」

 

 居るって、まさか……!?

 

「……ザザ……やっと画面に出れた!ハァイ!スバルくん、昨日ぶり!」

 

 凄いハイテンションなんですけど……

 

「え、どうしたの?わざわざこんなコト……」

 

「もちろん、スバルくんに会いに来たんだよ!……ちょっと待ってね……よし!」

 

 元気な掛け声と共にハープ・ノートの姿がテレビから消え、ボクの部屋の中にミソラちゃんが現れた……。

 どうやら、まだ混乱しているらしい。今週は遂にモンドコロニウムレーザーの2号機、インロウビームバズーカが出るとか、そんなことは頭の中から吹っ飛んでしまった。

 

「ふふっ、会いに来ちゃいましたー!!」

 

 いや、そんないい笑顔で言われても……不法侵入ですやん……いや、構わないけどさ……

 

「うん、で、どうしたの?」

 

 何か用事かな……?

 

「ヒドイよスバルくん!……何か用が無ければ来るなって言うの!?」

 

「え?あ、いや、違うって……でも急だったから、ビックリしちゃったんだ」

 

「うんうん、そうだよね!ワタシたち、ブラザーだもん!…………えいっ!」

 

 うわぁっ!腰の辺りにタックルしてきたぞ!

 ……いや、これは…………

 

「ふふっ……スンスン……やっぱりスバルくんの匂いは落ち着くなぁ……」

 

 信じられます?この娘、昨日までアイドルだったんですよ?

 

「いや……え?ホントどうしたの?」

 

「……んっ……ちょっとね、寂しくなっちゃったんだ」

 

 ………………まぁ、悪い気はしない。ミソラちゃん可愛いし?何だかヘンな気持ちになりそうだ……

 

「そっか……」

 

「ウン…………あっ!ちゃんと用事もあるんだよ!」

 

 あぁ、そうなのね。まさかこんな変態行為をしに来たわけじゃないだろうし……

 

「ホラ、スバルくんと初めて会ったとき、スバルくんハミングしてたでしょ?聞いたことない曲だったから、音楽の先生に聞いてみたんだけど……知らないって言うんだよね。ワタシとスバルくんの思い出の曲だから知っておきたいなぁ……って」

 

 ……そりゃ、アナタが未来で歌う曲だし?しょうがないよね……ま、いっか。

 

「いいよ……あの歌はね、ボクがこの世界にいるコトの証でもある曲なんだ……だから誰も知らないハズだよ」

 

「ふふっ、そっか。またワタシとスバルくんだけの繋がりが増えたってコトかな?」

 

 ……何で凄く嬉しそうなんですか……

 

「あ、その曲の名前は……?」

 

「『シューティング・スター』って言うんだ」

 

「そっか……『シューティング・スター』。うん、覚えた!」

 

 そんな感じで辺りが寝静まっても、ボクの部屋は少々騒がしかった……

 

 

 ーー数日後・就寝中ーー

 

 ……ここは、精神世界?ベルセルクの時と同じ……と、言うことは。

 

「…………ロック、居る?」

 

「あぁ、居るぜ。だがここは……以前見たことがあるな。精神世界ってヤツか……しかし、辺り一面何も見えねぇな。いつの間にこんなところへ来ちまったんだ?オレたち……」

 

 ……………………っ!気配がする……後ろか!

 

「……コレは……幻獣……?」

 

 カゲ、のようなモノが3体、こちらを見つめている。

 

「……スバルよ」

 

 ペガサスを象ったようなカゲがボクの名前を呼ぶ。間違いない。以前、夢で語りかけてきた存在の声だ。

 

「……何ですか?」

 

「それと、その腕に取り憑いているのは……FM星人、ウォーロックだな」

 

 ライオンを象ったような姿のカゲが話しかけてくる。

 ぶっちゃけドラゴン、ペガサス、レオって、レオだけ格落ち感ないかなぁ……?

 

「オレの名前まで……何なんだ、コイツら……」

 

「ワレワレはオマエたちをずっと見守ってきた。そしてこれからも……」

 

 まさか、憑依のコトがバレている……!?

 

「まさか、ミソラちゃんとブラザーバンドを結ぶ時も、見ていたんですか……!?」

 

「スバル、今はおいておけ……コイツら、かなりヤバいぞ。雰囲気が明らかに違う……」

 

 心配してくれるのは嬉しいけど、彼らのスターフォースは重要な戦力になる……でも、聞かれたくは、なかったんだ……まだ、知っているかわからないけど……音声までは拾えなければ、まだ……

 

「ワレワレはただ、伝えに来ただけだ……既にある程度のチカラを持っているようだが……いずれオマエたちの存在がこの地球の命運を左右することになる、と」

 

 ペガサスを象ったカゲ……ペガサス・マジックの分身がボクに告げる。

 正直、ボクの中ではプライベートを覗く変態幻獣集団だけどね!

 

 …………夢が、覚める…………絶対分身をコテンパンにしてやるからな……!いいか、絶対にだ……!

 

 ーー星河家・朝ーー

 

「うーん……」

 

 やっぱり変態幻獣集団に見られていたのか……なんだか悲しくなってきたよ……

 

「あっ、ペンダントが光ってる……」

 

 ……消えて、しまった……そう言えば天地さんかあかねさん辺りに聞こうと思ってたんだっけ……

 ……着替えようっと……

 

 

 ーー五分後ーー

 

「それで、やっぱりロックも同じ夢を見ていたのか」

 

「あぁ、妙な黒いカゲが三つ……意味のわからないコトをほざいてやがった 」

 

 間違っては、いないんだよね。『アンドロメダのカギ』の件もあるし。

 

「意味がわからないと言えば……朝、起きたらペンダントが光ってたんだよね……後で、母さん辺りにでも聞いてみるよ」

 

「それがいいぜ……何なんだろうな、それ」

 

 ……確か、通信機だったハズ……

 

 ーー星河家・リビングーー

 

「あれ?……母さんがいない……」

 

 パートだったかな?

 

 ーー数十分後ーー

 

『……ただいま~』

 

 あ、帰ってきた。

 

「お帰り、母さん」

 

「あら、スバル……ただいま」

 

「朝から居なかったけど……どこに行ってたの?」

 

「うん、実はね……」

 

 どうやらボクの学校に行ってたらしい。

 

「担任の先生に会ってきたの……アナタの様子を聞きたいって連絡があったから」

 

 ……………………確かに、最近は前よりもあかねさんと会話している気がするな……

 

「新しく担任になった人みたいで、お母さんも初めて話をしたのだけど、とても感じの良い人だったわ……アナタのコト、とても心配していたし……あの先生ならスバルもきっと好きになると思うの。……どう?そろそろ行ってみない?学校に……」

 

 ……確か、学校ではリブラ・バランスが現れるはず……

 取り憑かれたのは……確か育田ってフラスコを持った教師だった、ハズ。

 

「……少し、考えてみるよ」

 

 これが、今の精一杯。FM星人の襲撃がある以上、あまり縛られるわけには……でも、ちょっと気になるな……

 

「……っ!……そう。でも、無理はしなくていいのよ?本当に行きたくなったときに、行ってくれれば、それで……」

 

「うん、ありがとう……ところで、父さんからもらった、このペンダントなんだけど……」

 

 聞いてみたが、やはり知らないらしい。天地さんなら…と言っていたので今日はそっちに向かうことにする。

 その前に、ウィルスバスティングだ!カードトレーダー用の残弾を確保しなくちゃ……




今回、変態っていうワード多すぎない……?

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