星河スバル(偽)の戦闘録   作:星屑

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あれ?今日三話目だ。気づかなかった……


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 ーー天地研究所外観のウェーブロードーー

 

 ……周りに人気がないことを確認してウェーブインしたけれど、毎回気を使ってたらいつかハゲそうだ……

 

「オイ、スバル。とっととこんな試練クリアして、あのカゲヤロウをびびらせてやろうぜ!」

 

 ロックの気合いも十分だ。今更雑魚ウィルスに負ける気は、流石にしない。

 

「うん!」

 

 ーー五分後ーー

 

「ワレは星の番人……『星の試練』を突破し、『星のチカラ』を手に入れてみせよ……『星の試練』に挑戦するか?」

 

「もちろん!」

 

「では、行くぞ……」

 

 ……これは、ウィルスのデータ!?

 ウィルスは……モエローダーにモノソード、ベルゴングがそれぞれGタイプか。殆ど既知のウィルスだ。

 この中ではモノソードが初見だが、確か正面に立った時にだけ硬化状態を解除して斬り掛かってくる、という感じだったハズ。ぶっちゃけカモだ。

 

「ハァッ!」

 

 セレクトしたリュウエンザンを展開し、振りかぶりながらウォーロックアタックの加速に身を任せる。

 モエローダーに側面から急接近し、リズム良く振り切る。

 デリートを確認し、ベルゴングへとワイドウェーブを発射。マヒプラスで強制的に硬直しているベルゴングのHPをロックバスターで削りきり、残るモノソードはゆっくり側面から近づき、ヒートアッパーによってガードブレイクすることであっさり倒すことが出来た。

 

「受けとるがよい」

 

 そう言って渡してきたのは『星の証1』。

 あと四人かぁ……リザルトもゼニーだしなぁ……

 

「オイ、スバル。気を抜くなよ!」

 

「わかってるって」

 

 ペガサス・マジック(シャドー)とのバトルまで体力を温存しておくのが吉かな?

 

 ーー三十分後ーー

 

「ヤァッ!…………ふぅ」

 

「……受けとるがよい」

 

 ……これで星の証は5つ。

 さぁ、ペガサス・マジック。絶対負かしてやるかんな!

 

『スバルよ、どうやら最初の試練は突破したようだな……しかし、ここからが本番だぞ。ここで次の試練を行う……証をもってこちらに来るがいい』

 

 さっき屋上で消えた三賢者が、屋上の直上にある少し拓けたウェーブロードに佇んでいた。

 やっとか……接近戦で勝てるかな?

 

「よし、行くぞスバル」

 

「わかってる!」

 

 ーー天地研究所外観のウェーブロード・最奥ーー

 

 わかっているけど、これは凄い迫力だぞ……

 カゲとはいえ、AM三賢者が揃い踏みだ。ウィルスも近寄って来ないのだろう。その代わり、ボクがしわ寄せのごとく大量にエンカウントするハメになったけどね!まさかこれも星の試練……ペガサス・マジック、なんて卑劣な……!

 

「証は集めてきたよ!」

 

「次はなんだ!?」

 

 ロックが若干キレ気味で三賢者に話しかける。

 ていうか電波人間でもないのに、なんでこんなに偉そうなんだろう。一辺三賢者のタメ口とか、聞いてみたい気もするけど……

 

「そう、急くな。次は……私が相手だ」

 

 次は……私が相手だ(キリッ)いや、馬面なんだけど。

 分かりやすい強キャラ感……

 

「私に見事勝利すれば星のチカラを与えてやろう」

 

「そうこなくっちゃ!……別に、デリートしてしまっても構わないのだろう?」

 

「あぁ、チンタラこっちの手を待ってたら、本当にデリートしちまうぜ!……オレたちを弱いと言ったコト、後悔させてやる!」

 

「言っておくが、私を星の番人たちと同じだと思うなよ……」

 

 分かりやすい小物感……一体強いのか弱いのかわからなくなってきたよ……

 

「ウェーブバトル・ライドオン!」

 

 

 さて、変態天馬のカゲ、もといペガサスシャドーとの戦闘が始まった。

 ……?こちらの出方を観察している……?

 ……ッ!違う、これは……照準を合わせていたんだ!

 なるほど、確かに対処はできる。処理能力の低さからして、所詮はシャドーということか……

 ペガサスシャドーが発生させた三角錐型の氷柱をシールドで受けながら考える。

 

「(これは……素体のロックマンじゃキツいか?)

 スイマセン!この空間に怪しい電波体の類いがいないか、わかりますか!?」

 

 ……戦闘中に会話は不粋ってわかるんだけどなぁ……

 

「…………特にそのような電波体は確認していない……少なくとも、この場所を覗ける電波体は我ら以外に存在していない。…………ベルセルクとやらを使っても構わんぞ」

 

 なら、手加減無しだ!全力全開!上げていくよッ!

 

「いくよ!トライブオン……ベルセルク!」

 

 ベルセルクのカードを使用し、体を稲妻が駆け抜けるイメージで展開。変身は一瞬だが、辺りに体から漏れでた電撃が散布される。近づきづらい迫力を相手に与えるので、変身中に攻撃を仕掛けられるということは無さそうだ。浅倉じゃあるまいし。

 

「ウオオォォォォォッ!!」

 

 ロックの雄叫びがこだまする……勝利の鉄槌よ、大地を砕け!いや、違うけど。それはジャックか。

 

「コイツを全力戦闘で使うのは、久々だからなぁ!戦士の血が騒ぐってヤツだぜぇっ!」

 

 これはウォリアーブラッドですね、間違いない。

 HPバグは遠慮させてもらいたいな……

 いや、ベルセルクのチカラに感化されているのか…?

 

「ロック!」

 

「オオォォォッ!!」

 

 ロックの全力の雄叫びと共に、素のロックマン時よりも高速で移動しているのを感じる。が、しかし感覚自体は引き伸ばされたように周囲を気に配る余裕がある!

 

 

「疾ッ!!」

 

 まるでシノビのような掛け声でペガサスシャドーに斬りかかる。……入った!

 しかし、何故羽があるのに飛ばないんだ?

 舐めプ?流石に対空砲撃の用意はしていないから助かるんだけど……

 

「ハッ!」

 

 シャドーとは思えないほど、やけに力のこもった発声と共に氷柱を再び発射してくる。今度は避けられる。やはり大したことはなさそうだ。

 

「(この巨体なら、取りついて斬るコトに専念したほうが良さそうだ)」

 

「(あぁ!斬り刻んでやろうぜぇっ!)」

 

 やはりベルセルク……いや、まぁ問題ないんだけども。

 氷柱を飛ばしてくるペガサスシャドーの周りを小刻みに跳躍とウォーロックアタックを駆使して跳び回る。ペガサスシャドーの死角に入った瞬間に接近し、浅く斬り裂いていく。

 固定装備は打ち込んだ勢いや装甲の厚さなどで与ダメージが変わるようなので、一度に与えるダメージ量自体は大したコトないが、徐々にペガサスシャドーの余裕がなくなってきているコトがわかる。

 あくまでも手加減しているにしては、だけど。

 

「ハァッ!……疾ッ!」

 

 段々作業的になってきたな……

 

「そろそろ決めるよ!ロック!」

 

「おうよ!ヒッサツワザってヤツだ!」

 

 戦闘中に発生した余剰エネルギーを雷撃に回しているらしいが……『サンダーボルトブレイド』級のチカラともなると、一度の戦闘中には一回が関の山ってトコロだろう。長引けばまだわからないけど。

 

「うおぉぉぉっ!!サンダァボルトッブレイドォッ!!」

 

「……甘い!」

 

 これは……ただの突進?しかしあの巨体なら相応の威力になるハズ……なら、競り勝ってやるッ!!

 

「ハァァァッッ!!」

 

「……ググ!……残念、ブラフだ」

 

 何!?ここで飛翔するだって!?

 飛び立ったペガサスシャドーの背後に配置されているのは……総勢20以上の氷柱の一斉攻撃だ!

 これは殺す気だろッ!?

 

「おぉぉぉぉぉッ!!」

 

 雨あられと降り注ぐ氷柱を、必死に斬り開いていく。これは実際の数より多く感じるぞ!

 ……っていうかペガサス!アンタ人が捌いている間に氷柱追加したな!?

 

「フフフ……」

 

 チクショウ、愉悦しやがって!

 ならば!ベルセルクからの出力を、刀身の中心に集中……直刀型の片手剣へ!そして左腕にリュウエンザンを展開……手数勝負といこうか!

 

「うおおぉっっ!!」

 

「何……!?」

 

 イケる、イケるぞ!氷柱を砕ききった!

 既にウェーブロード上に降り立ったペガサスシャドーへ、ウォーロックアタックで突進する……

 

「ロォォック!!」

 

「カクゴしやがれぇぇっっ!!」

 

 ペガサスシャドーの正面まで急加速!して、その勢いのまま右手のベルセルクソードで頭部をアッパー気味にカチ上げる!振り切った勢いで回転、次はリュウエンザンを叩き込む!踊るように2つの刀身でペガサスシャドーを切り裂いていく……うおぉぉっ!

 

「もういいッ!そこまでだ!」

 

 何だ!?炎の壁!?これは……レオ・キングダム!

 そうか、終わりか……久しぶりに全力だったよ……

 悪くなかったけどね!

 

 

「…………やるな。想像以上の強さだった」

 

「……オイ、オレは騙されないぞ、何で手を抜きやがった!」

 

「確かに、これ見よがしに飛ばなかったからね」

 

「それもそうだが……コイツ、本気なんて出しちゃいねぇぞ!」

 

「我々の目的はオマエたちと争うコトではない。……今の戦いはオマエの潜在能力を図っただけに過ぎないのだ。思った通り、オマエたちはこの星の人々を守るに十分な素質を持っている……受けとれ!我が、スターフォースを!!……ハッ!」

 

 何か光った?……うわっ!

 これは……体内に入ってるのか……

 

「特に、変化はないようだけど……」

 

「何がスターフォースだ!大層なコト言いやがって……オレたちを騙したんだろ?」

 

「スターフォースは確かにオマエの体内に宿った。しかし、そのチカラを呼び出せるかどうかは……オマエたち次第だ。……試練はまだ『おわっていない』。スターフォースは何かを守るチカラ、誰かを守りたいという強い意志がスターフォースを呼び出す……オマエにはまだそれが足りていないのだ」

 

 ……確かに、ミソラちゃんはハープ・ノートになれる。

 強い意志には届かなかったか……じゃあやっぱり、学校の事件で……ごめんよ、委員長さん。

 

「あとはオマエたち次第……我々はまた、見守るコトにする。オマエたちの成長を……」

 

 ……ペガサス・マジック等は行ってしまった。

 

「……思い出したぜ。ペガサス・マジック、レオ・キングダム、ドラゴン・スカイ……ヤツらはAMプラネットの三賢者と呼ばれたヤツらだ……大いなる知恵とチカラを持ち、AMプラネットに繁栄をもたらしたとされるAM星人で、確かAMプラネットが滅びるより前に星を離れたと聞いていたが……まさか、地球にいたとはな」

 

 スターフォース。ボクは自分のチカラのために委員長さんたちを危険に晒すのか……いや、もう決めたことだ。ボクは、あかねさんと、ミソラちゃんを守る。

 それがこの世界に生きるボクが、ボクであるために必要なコトだから……もう、繋がりを失うわけには。

 

「……何だかくたびれちまったぜ。なぁ、もう家に帰らないか?」

 

「うん。そろそろ家に帰ろう……母さんが待ってる」

 




少し短めですいません。
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