ドラクエ8の原作主人公モノが書きたくなってきたぞ……
ペガサス編完結したら書いてみようかな……
ーーゴミ処理場の電脳ーー
さて、あんまり気乗りしないウェーブバトル。だってジェミニにガン見されてるんだもん。ええっと、敵ウィルスは……ジャンクネスとヤマガンコのGタイプが一体ずつと、ジャミンガー2一体の3体構成。ジャミンガーはビビってたし、正直あまり驚異には感じない。
「……ロック」
「おう!」
先ず対処しなきゃいけないのは、重砲撃型のヤマガンコと射撃能力持ちのジャミンガー2。特にジャミンガータイプは他のウィルスと違って知能が高いようなので、気をつけないといけない。だから……
「ハァッ!」
ヤマガンコは強力な砲撃を可能とするウィルスだけど、そもそもシールドで防げる上に、足がないため機動力は死んでいる。
ぶっちゃけボクみたいな動き回るタイプには絶好のカモだ。クエー。……あんまり似てないな。これじゃシタッパーだ。
さて、ふざけている場合じゃない。いや、ふざける余裕はあるんだけど。……動きの鈍いヤマガンコに向かってリュウエンザンを展開した左腕を振るう。砲撃タイプだから、弾に誘爆してくれればと思ったけどそう上手くはいかないらしい。一手間増えただけなんだけどね。返すリュウエンザンでヤマガンコにトドメをさし、ジャミンガーに振り返る。一連の動きにすっかりビビりあがってしまったようで、心なしか震えている。かわいそうだ。(棒)ま、キミがいて困る理由はあっても助かる理由はない。ジャミンガーになったことを後悔するしかないと思うね。
「ヒ、ヒィッ!」
「逃げないでよ……キミの上司が見てるってのに」
そう言うとジャミンガーはハッとしたのか、ジェミニの方を見る。ジェミニはただ笑うだけだ。……ニヤニヤとね。
その間に、浮いた駒となったジャンクネスをデリートし、残るはジャミンガーただ一人だ。
「……ウ、ウオォォォ!!」
破れかぶれといった体でこちらに突進してくるジャミンガー。何か、ボクが悪者みたいじゃないか……
「ウオォォォ!!……グハッ!」
殴りかかってきたジャミンガーにクロスタウンターでスタンナックルを当て、吹き飛ばす。吹っ飛んだジャミンガーはピクピクしているが、これは殴り飛ばしたからではなく、スタンナックルのエフェクトによるものだ。
「……」
無言でヘビーキャノンをぶっ放し、ジャミンガーを物言わぬ躯とするべく追い討ちをかける。声なき悲鳴が聞こえるようだ。
「ぐあぁぁぁぁぁ!!」
最後に断末魔を上げるタイミングでマヒが切れる程度の幸運は残っていたらしい。アヴドゥルはいきなり腕以外を吹っ飛ばされたというのに……
「……フン。何て役に立たない連中だ」
「フッ、何て役に立たない上司だ……」
ジェミニの嫌味を鼻で笑いながら返してやると、一瞬だけど体から迸るイカズチが膨れ上がった気がした。お前はサイヤ人か。
「ケッ、まったくだぜ!しかし……次は、やっぱりお前が出てくるんだよな?FM王の右腕と呼ばれる雷神ジェミニ!」
信用出来ないし、左腕でいいんじゃないかなぁ……
「へぇ……結構デキるヤツなの?」
「あぁ、コイツはヤバい……が、ヤツは今人間と融合していない。つまりぼっちだ。オレたちFM星人はぼっちの状態じゃあ本来のチカラを出せないからな、地球では。今のオレとスバルなら、負ける要素はねぇぜ」
おう、何だか照れ臭いって……しかし双子座のジェミニをぼっち扱いとは……中々斬新だね。
「クク、確かにオマエの言う通りだ。ぼっちが何かは知らんが、ヒカルのいないオレじゃ、流石に分が悪い」
「分」どころか、「割」の単位で負けてると思うよ!
「ヒカルって……さっきの自称新世界の神兼預言者(笑)兼朝のアナウンサーじゃないか!」
朝のアナウンサーとは、星座占いをする人のことだ。
「ブハッ!そんな愉快なヤツに取り憑いてやがるのか……ジェミニは!」
「フン、ヒカルにそんな趣味はないが……まぁ、そうだ。そのヒカルがオレの相棒だ」
一応宿主のフォローをするジェミニ。まさかジェミニに人を気遣う優しさがあったなんて……!
「だが、何故そのヒカルってヤツは姿を見せないんだ!」
最も脆い姿である状態の宿主の情報を晒すほど、ジェミニはバカではない、ハズ。そういうのは真っ先に疑うところだからね。疑惑という感情がカタチを持ったようなジェミニに限ってそんなリスクを侵すハズがない。
「あいつは人前が嫌いだからな、オマエたちの方から探してみたらどうだ?クククク。……じゃあな」
稲光の如く一瞬のフラッシュが過ぎた後、ジェミニの姿はなかった。先手を打って葬るべきだったか……?いや、そうなると後が怖い。FM王によって復活したジェミニはやり方を選ばなくなるだろう。
「逃げやがった……」
「ヒカル……ね。また属性が増えたな……」
新世界の神・預言者(笑)・朝のアナウンサー・電波変換可能(new!)
改めて見ると、コイツはヤバいな……誰も(キャラが濃すぎて)勝てる気がしないよ。
さて、ゴミ分別ロボのコントロールパネルをいじってオーバーレイ待ち状態の分別ロボを元に戻さないと。……ほいっと。よし、完了。
ーーブゥーーーン
これで正常になったかな?
「よし、ウェーブアウトだ」
「はーい」
ーーゴミ集積所ーー
「……ふぅ」
最近、あんまり手応えのある敵に会っていない気がする。作業染みてきたしなぁ……何か縛ってみようかな?
『オーイ!スバルくん!』
あ、カヲル君!まったくキミのスタンドのせいで酷い目に遭ったよ……あれ?何かが可笑しい?まぁ、大体あってるでしょ、多分。もう疲れたよ……
「スバルくん、大丈夫だった?大変な目に遭ったね。急にロボットが暴走するんだもの……」
「へーきだよ、ツカサ君。それに忘れてない?ボクはバトル用のナビを持ってるんだ。ソイツが解決してくれたよ。まったくタチの悪いウィルスがいたんだってさー……」
「…………」
ボクの割とギリギリで投げやりな発言に反応するツカサ君。おお、可哀想に。
「そっか、それは苦労をかけさせたね……ゴメン、ボクがこんなトコロに連れ出したばっかりに」
申し訳なさそうなツカサ君。別に気にしてないけどね。
「止めてよ、こんなトコロなんて……ボクはともかく、キミにとっては印象深い場所なんだ。ボクはキミの過去や現在を否定するつもりはないよ」
「……ありがとう。そんなコト言われたの、初めてだよ」
男のデレはちょっと……いや、ギリギリ男の娘に分類出来るかな?どっちにしても、頬を染めるのは止めてください。
何故かミソラちゃんと委員長が笑顔で握手するイメージが……二人のキズナリョクは∞を指している。いや、トランサーじゃないのかよ。
「あぁ、もう湿っぽいのは止め止め!ボクは気にしてないから!ハイ、終了!」
「フフフ……そうだね。じゃ、改めて帰ろうか」
「そうそう、それがいいよ」
ボクたちは再び連れ添ってバス停を目指し、歩き始めた……。
ーーバス停ーー
ーープップ~~
お、バスが来たみたい。
「ボクは違う方向のバスに乗るから、ここでお別れだね……今日はとても楽しかったよ、ありがとう」
「うん、それじゃ。また今度、学校でね」
笑顔で手を降って、バスに乗ろうとする。しかし、バスに乗る直前、ツカサ君の呟きが聞こえてきた……。
「キミみたいな人とブラザーバンドを結んでいる人はきっと、幸せなんだろうね……」
……………………うん、そうか。
「……………」
バスに乗らず、ツカサ君の方へ向くボク。
「ど、どうしたんだい?」
「キミの呟き、聞こえたんだ。……どう?良かったらでいいけど、ボクとブラザーバンドを結ばない?」
何というか、あんまりに純粋過ぎて応えたくなった、では言い訳としては不十分かな?この後を知っているボクとしても、手酷い結果になるのはわかってるんだけどね……あぁ、もうクソッ。何か照れ臭いな……!
「えっ?ブ、ブラザーバンド!?」
「そう、ブラザーバンド。ツカサ君、キミは良い人だ。多分、5-Aのクラスメートに聞いたら十中八九同じ答えが返ってくるだろうね。そんなキミが、わざわざボクにあまり良く思っていない、本来なら憎むべき両親のコトまで話してくれたんだ。キミを信頼するには、十分過ぎる。それに、境遇も似ているし……」
あぁ、もう何だか言葉がまとまらない。畜生!こうなったらやってやるぞ!ジェミニを倒しながらツカサ君との繋がりも断たないようにする。出来るか?いや、やってみせるんだ。ボクはボクだ。ボクのやりたいことは、ボクが決める。
「スバルくん……」
「どうだろう?」
「ありがとう、スバルくん。嬉しい、本当に嬉しいよ」
本当に嬉しそうにはにかむツカサ君。今はホモ要素なんて目を瞑ってやるぞ。
「…………」
「ボクは今までブラザーなんて結んだコトなかったんだ。だからそんなコト言ってくれるなんて、感激だよ。……ただ」
そう言って海の方を向くツカサ君。そもそも周りは海なんだけどね。
「ただ?」
「ただ、その……言いにくいんだけど……ボクにはとても大事な秘密があるんだ。ボクが『捨て子』だってコト以外に……」
ヒカルのことか。ボクは仲良く出来そうなんだけどなぁ……。
「その秘密はボクにとってとても深刻なコトなんだ。ブラザーになるためには、それを教えなくちゃいけない。
もしキミがその秘密を知ったら……ボクのコト、嫌いになってしまうかも……」
「大事な秘密か。そうだね……例えば誰か、知らない人間の魂が宿ってる……とか?」
ま、これはボクなんだけどね。
「……キミを信頼していないワケじゃないんだ。ボクに勇気が無いだけなんだよ」
敢えてボクの問いには答えず、穏やかに喋るツカサ君。
「…………」
「……そうだね、1日だけ。1日だけ考えさせてくれないかな……その間に決心がつけば……」
そうか、まぁ結局はそうなるよね。仕方ない。でもジェミニとの戦いは、これで手を抜けなくなったぞ。必ず勝つ。そう、遂にあれを使うときが……!
「いいよ、待つさ。ボクの提案だったんだから、ボクが待つのは当然だよ」
「フフ、ありがとうスバル君。さ、今度こそウチに帰ろっか」
あ、次のバスが来たみたい。
「そうだね、何だかもう、疲れちゃったよ……次のバスが来たから、それじゃあね」
今度はちゃんとバスに乗る。バスの窓から小さく手を振ってボクたちは解散したんだ。
ーーコダマタウンーー
「オイ、スバル。今日はもう寝ちまおうぜ」
ロックの提案は渡りに舟だ。ここからウィルスバスティングいこうぜ!とか言われたらロックと暫く口をきかない自信がある。
「そうだね……」
ーー星河家ーー
「母さん、ただいま」
「あら、スバル。おかえりなさい」
あかねさんは夕食の準備をしているようで、厨房からは美味しそうな香りが漂ってくる。寝る前にご飯食べてシャワー位は浴びておくか……
短めですいません。この後は恒例の被憑依者の思考タイムなのでここで切らせてもらいました。
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