星河スバル(偽)の戦闘録   作:星屑

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もう限界……今日は寝ます……

6/22、修正(微)しました。


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 ーー倉庫内部のウェーブロードーー

 

 ……っ!突進し、切り裂くことに長けているであろう巨爪を降り下ろしてくるウルフ・フォレストに対し、体を捻って斜に構え、右に受け流すようにシールドを展開する。

ウルフ・フォレストのクローは貫通力が高いようには見えないのでやり過ごせるはず……クソっ!流しているはずなのに一撃が重い!

 

「オイオイ、ウォーロックと融合してるってのにパワーが足りてねぇんじゃねぇのかぁ!?」

 

 …電波人間の特性は融合している電波体の影響を色濃く受けるけど、構成した体の強度に関してはその限りじゃない!……はずなのに何でこんなにデカイんだ……!? パワーがダンチだよっ!

 

「そんなことっ……ロックマンの特性はパワーなんかじゃない、汎用性だ!」

 

 …そう、汎用性なんだ……あとは適応力。どんなヤバい力でも暴走しないとか、適応力高すぎるよね……ホント。

 

「ケッ!だがそんなんじゃあ、足りないぜ……オレの気を静めるにはなァッ!!」

 

 辛くも受け流しに成功し、そのままシールドを展開したまま体ごと右に回転する。爪を振り切った姿勢で慣性に従い、右に流れていった巨狼はそのまま無防備な背中を晒すことになる……ガラ空きなんだよッ!シールドを展開するため、右胸の上で構えていた左腕にロングソードを展開し、袈裟に斬り掛かる……上半身の装甲が思ったより厚い、なら腰を狙えば!

 

「チィッ!!ッラァ!」

 

 嘘だろ!?しゃがんで接触点をずらしただって!?しかもそのまま跳躍して空中で爪を振ってくる……マズイ、遠距離攻撃だ!ロングソードを解除してシールドを張らなきゃ……ダメだ!間に合わない!なら……!

 

「っ!うおぉぉぉぉぉっ!」

 

 スイングした爪の軌道から発生した3つの斬撃を、振り切った左腕に展開しているロングソードを返す刀の要領で振るい、斬り捨てる!なんとか間に合った……

 

「いいねぇいいねぇ!いいじゃねぇかよォ!!」

 

「死ぬかと思いましたよ!」

 

「ケケッ!感謝しろよォ!?ちゃあんとHPは残してやるってんだからなァ……!」

 

 いい大人が感情の制御も出来ずに暴れるなんてっ!

 

「そんなに大きな力を持ってるのに、制御出来てないじゃないですかッ!暴れるだけの力に屈するなんて……認められるかぁっ!」

 

「テメェの許可がいるのかよォッ!!」

 

 デカイ上に早い。……しかもパワーもある……装甲だって分厚いんだ。間接部や腰にヒットさせないと、怯みすらしない……!

 

「うおぉッ!」

 

 左右に跳躍しながら近づいてくるウルフ・フォレストに向かってキャノンを連発するが、当たらない!

ちょうど視界のカスタムゲージが貯まったことを確認して素早くカードを選択する……マズイ、もうこんな距離まで……ッ!?

 

「ハハハハァッ!!オラァッ!」

 

 牽制のためのキャノンを選択したと予測し、展開から発砲までにタイムラグのあるキャノンに先んじようと再び爪を振り上げ切り裂きにかかってくる……

 

「クッ……これなら!」

 

 パワーボムを発動し右手で正面に放り投げると同時に左手でシールドを展開しながらバックステップで跳躍する……!

ウルフ・フォレストには及ばないが、ロックマンだって、人間に比べれば基礎スペックは十分に高い!

更にパワーボムの爆風も利用し、距離を稼ぐ……これで仕切り直しには持ってこれた!さぁ、ここからだよ!ロック!

 

「グルァァッ!!小細工をしやがって……切り裂かせろォッ!!」

 

 こちらを牽制に遠距離に届く爪の斬撃を振るうため、腕を振りかぶる……今だ!

 

「ロック!」

 

「おうよッ!!いっくぜぇぇぇぇぇッ!!!」

 

 即座にロックオンカーソルを合わせ、ウォーロックアタックを発動!ウルフ・フォレストの目前に躍り出る……!

 

「バカか、テメェはァッ!?こっちのほうが早いってのに突っ込んで来やがってェッ!!」

 

「ロック!もう一度だ!」

 

「ああ、わかってる!いくぜオラァッ!!!」

 

 目前に迫ったウルフ・フォレストの爪に向かって一瞬だけ突進する……!この突進でわずかだけど推進力を得たボクが展開するのは……

 

「ッ!!ヒートアッパーァッ!?」

 

 そうさ!この倉庫に来るために乗ってきたバスにいたウィルスから、リザルトで手に入れたバトルカードだッ!

 

 振り切る前の腕にヒートアッパーをヒットさせ弾き飛ばす……!バランスの取れなくなった身体は腕に引っ張られて倒れる……ボクは、ヒートアッパーをヒットさせたために殺された勢いのままウェーブロードに着地、素早くロングソードを選択して短く跳躍し、倒れたウルフ・フォレストの胸の装甲を片足で抑え、首の横にロングソードを展開する……

 

「まだ、やります?」

 

「グルァ……もういい、結構だ。大分落ち着いてきたからな……」

 

「……ふぅ」

 

 …危なかったァー!尾上さん普通に強いんですけど!

 

「オイ、スバル!今の凄かったぜ!まさか連続でウォーロックアタックをやるとはなぁ!」

 

 ガッハッハと笑うウォーロックに君のおかげだよ……なんて言う気力もない位疲れた……今日はもう帰ろうかなぁ……

 

「よォっし!約束だからな、オマエを認めてやる!ついてきな!」

 

「は、はい!」

 

 やっぱり落ち着いてないんじゃないの……?

 

 ーー倉庫内部のウェーブロード・最深部ーー

 

 ここが……オーパーツが安置してある場所……

 

「ロック、これは……」

 

「ああ、ピリピリするような電波が漂ってくるぜ……こんなのは初めてだ……!」

 

 ウェーブロード上を歩きながらロックと確認するが、やっぱりこの感じは錯覚ではないらしい。っと、見えてきた。アレが、オーパーツ……

 

「なんか……剣みたいなカタチだぜ」

 

「そうだね……それじゃあ、行くよ、ロック」

 

「おう!任せときな!どんなヤツが出てきてもブッ倒してやるぜ!」

 

 まぁ、ある意味出てくるんですけどね……精神世界に……

 

「段取りは決まったようだな。それじゃあオレたちはここで見てるから好きにしな……」

 

 さて、行きますか……鬼が出るか、蛇が出るか……それとも幸運の女神とくるか……いざ、大勝負!

 

「触るよ…………うっ!」

 

 身体中がオーパーツの発している電波のオーラに包まれる……これは、頭の中に何かが流れこんでくる……!?

 

「おい、スバル!どうした!?」

 

 大丈夫、すぐ戻ってくるさ………………

 

 ーースバルの精神世界ーー

 

 ここが、精神世界……一面真っ白な世界のなかでボクだけが立っている……電波人間の姿で来れたのはラッキーかな?

 

「オイ、スバル!ここは……何だ」

 

「ここは多分、ボクの精神世界……何もないのは多分これから大勢現れるからさ……」

 

 …何かが噴出する音と同時に、人のカタチをした金色のオーラが多数現れた。多分これが、ベルセルクの意志……彼らが滅んでから、気の遠くなるような年月が経っているはずなのにそのオーラには微塵の弱々しさもない……これが、ベルセルク……

 

「キサマ、ワレラ ガ チカラ ノ ショウチョウ ニ サワッタナ?」

 

「ええ、あなたたちにチカラを貸して頂きたくて、来ました」

 

「スバル!そんなまどろっこしいことしないで、ブッ倒そうぜ!そうすりゃ解決だろ!?」

 

 ウォーロックも戦闘民族だった件について……

 

「(ちょっと黙っててよロック!)」

 

「キサマラ ハ チカラ ヲ ホッシテ ココ ニ キタノカ……」

 

「はい、どうかあなたたちのチカラを貸して頂くことは出来ませんか?」

 

「ダメダ」

 

「どうしてなのか、教えてもらってもいいですか?」

 

「カンタン ダ。キサマ ノ カラダ ヲ ウバッテ ワレラ ノ フッコウ ヲ トゲル カラ ダ」

 

 やっぱりこうきたか……!でもそれに対する反論は用意出来る!

 

「種族の復興があなたたちの望みですか?」

 

「アア ソウダ」

 

「しかし、今この地球には大きな危機が訪れています。ボクと融合しているウォーロックの故郷、FMプラネットの魔の手が迫ってきているんです」

 

「オイ、スバル。それは……」

 

「本当のコトだろ?」

 

「彼らは地球の外でも活動が可能であり、地球に危害を為そうとしています……最悪、この星を破壊しに来るかもしれません」

 

「ホウ、ドウヤラ ウソ ヲ ツイテイル ワケデハ ナサソウダナ」

 

「はい、なので地球への危害を防ぐために、そのチカラを貸して欲しいんです……あなたたちだって、自分以外の生物に好き勝手されるのは嫌でしょう?」

 

「(ス、スバルが黒いぜ……!)」

 

「ソウイウ コトナラ テヲ カシテヤル」

 

 よしっ!

 

「ありがとうございます!」

 

「フン!FMプラネット トヤラ ヲ オイカエスマデ ダ……テヲ ダスガイイ」

 

「はい、では……チカラが流れてくる……」

 

 これは凄いぞ!

 

「キサマ ノ トランサー トヤラ ニ アル カラ ノ カード ニ チカラ ヲ ヤドシタ。コレデ イイダロウ?」

 

 よし、ベルセルクの力ゲットだ……最悪乗っ取られることも覚悟してたからなぁ……この体で追い返してやる!ってね…………ならなくてよかったけど。

 

「はい、ありがとうごさいました!」

 

「キニスル コトハ ナイ。 サラバダ……」

 

 ーー倉庫内部のウェーブロード・最深部ーー

 

「………………ハァッ、フゥ……」

 

 ここは……ウェーブロード……?ああ、さっきまで精神世界にいたんだっけ……

 

「オイ、スバル!ウォーロック!大丈夫か!?」

 

 ウルフ・フォレスト、もとい尾上さんが声をかけてくる。結構心配させてしまったみたいだ。

 

「すいません、もう大丈夫です」

 

「ああ、そうか。流石に今日あったばかりのヤツが死んじまったら寝覚めが悪いもんな……ところで、どうだったんだ?」

 

「ええ、成功です……ホラ、これがベルセルクのカード。これを読み込ませると……」

 

 目を閉じ、体が一瞬稲妻に包まれるのを自覚しながら古の戦士のチカラを纏うイメージをする……ゆっくり目を開けるが、瞬き程度の一瞬で変身できることは既に実感として理解できていた……

 

「コレが、オーパーツのチカラ……すげェな……」

 

「うん、成功だ……どう?ロック。何か体に不調は?」

 

「いや、全くねェぜ。……チカラがカラダから溢れてくるのがわかる……とんでもねぇシロモノだったな、オーパーツってのは……!」

 

 こんなのがずっと昔にあったっていうんだから、この世界の地球ってわからないよね……

 

「さぁ、帰ろうロック。……ウルフさんと、えっと…」

 

「尾上だ。尾上十郎、本業は植木職人だからな…いつか出会うかもしれねぇぜ」

 

「アハハ、そうですね…」

 

 これはフラグですねぇ…

 

「では、尾上さん。今日はありがとうごさいました!」

 

「おう、あんまり悪さするんじゃねーぞ!」

 

「もう懲りましたよ…」

 

「じゃあな、ロック!次は負けねぇぜ!」

 

「へっ!また負かしてやるぜ、ウルフ!」

 

「では、さようなら!」

 

 ウェーブアウト!……凄い勢いでコダマタウンに向かって飛んでいくのを感じる…

 

「今日は疲れたね、ロック。帰ったらすぐ寝ちゃおうか」

 

「ああ、だがこういう疲れは大歓迎だぜ……地球で言うなら……勝利の美酒ってやつかな?」

 

「アハハ!違いない!」

 

 ボクたちはまっすぐコダマタウンに戻れたんだけど……

 

「スバル!こんな時間までどうしたの!?いつもの天体観測かと思ったら、いつまでも帰って来ないし……母さん心配したのよ!」

 

 ゲッ……ウェーブホールが近くの公園にあったの忘れてた…………!

 

「ご、ごめんなさい!」

 

「ホントに心配したんだからね!」

 

「は、はぁーい」

 

「(今回はスバルが悪いぜ)」

 

「(うぅ……わかってるよ……)」

 

 母さんの怒りはこの星河スバル、唯一の誤算であった!南無三!

 




次回予告なんてなかった……ちゃんと(大嘘)ってしておいたし、大丈夫……ですよね?

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