ーー星河家ーー
家に帰ると、ノイズがザーザー流れているテレビの前で途方に暮れるあかねさんの姿があった。ウィルスでも潜んでいるんだっけ?
「困ったわねぇ……」
「ただいま、母さん」
ボクの声に漸く気づき、こちらに振り向くあかねさん。
「あら、おかえりなさいスバル」
どことなく元気がないように見える。日常の不幸に、なんとなくため息を吐きたくなるときってあるよね。
「このテレビ……」
「ええ、どうも映りが悪いみたいで……どうしても見たい番組があるのに……」
あぁ、確かダイゴさん関係の番組だったような気がするような。……どうにもはっきりしないなぁ。
「そうなんだ……」
「スバルの方が母さんより機械には詳しいでしょう?原因は、わからない?」
そう言われても、所詮は趣味レベルだったスバル君の知識では画面が酷く乱れている、程度にしか判断できない。とすると、多分……
「ええっと、多分このテレビ、電波の受信状況が悪いんじゃないかな?……直らなかったら、ボクの部屋にあるテレビで見たらいいと思うよ」
ボクの部屋にもリビングのテレビ程の大きさではないけれど、視聴するのに不便は感じない位の大きさのものはある。まぁ、直すんだけども。
「(オイ、スバル。どうするんだ?)」
「(そりゃあ、一応調べてみるけど……)」
「(どうせウィルスだろ?早くやっちまおうぜ!)」
血気盛んだね……
まぁ、人のコトは言えないんだけど。
「(だね。いくつか新しいバトルカードも手に入ったコトだし、試し撃ちくらいにはなるかもよ?)」
あ、思い出した。これ、デンパくんが眠ってるヤツだ。ってことは、バトル無し。……ちぇっ。
「(スバルも言うようになったモンだぜ。確かに今更ウィルスじゃなぁ……せめてFM星人クラスの敵でもいりゃあな)」
さっきのバトルも終始圧倒してたからね。ロックとしてももっとこう、熱い戦いがしたいんだろう。
あぁ、最後にFM星人の残留電波とやったのはいつのコトだったか……
「スバル、何をブツブツ言ってるの?」
首を傾げながら聞いてくるあかねさん。どうやら話しすぎたようだ。
「何でもないよ。あ、ボクちょっと用事を思い出しちゃった。外行ってくるね……」
「夕御飯までには帰ってきなさいよ~!」
「はぁーい!」
ーーガチャッ!
ーー星河家の電波ーー
取り敢えずテレビの電脳を調べようと思い、電波変換してウチに戻ってきたボクたちはウェーブインしようとしていた。
「そういえば、電脳にウェーブインするのも久しぶりだよね。なんだか様式が変わってる?」
具体的には、以前のように小さなウェーブホールといった体ではなく、テレビから流れた電波が上空に向かって伸びているって感じだ。
「ああ、これはテレビが受信している電波の集まりだな。今は天井があるから見えないが、外に出れば上の方に伸びている電波が確認出来たハズだぜ」
そういえば何か伸びてたね。割と当たり前過ぎて忘れてたけど。
「なるほど……ああ、ウェーブロードを遥か上空に移したとか、それの影響なんだったっけ?」
「まぁ、取り敢えずウェーブインしてみようぜ」
「オッケー!それじゃ……昇っていく電波に乗るようにして……トォッ!」
「ブフッ!そんな気合い入れなくても大丈夫だぜ?」
「あっ!笑ったなぁ!?もう……ちぇっ」
ともかく、この電波の流れに乗れば映りの悪い原因まで直ぐってことだ。それだけ分かれば十分さ。
「んじゃ、行くよ……セィッ!」
「だ、だからそういうの要らねえって……クククッ!」
あ、しまった……
ーーチュイン!
ヒャッホォォォッ!!グングン昇ってくぞ!ステーションに飛んだ時のコトを思い出すね。これはクセになりそうだ!
ーーテレビの電脳ーー
ーーチュイン!
「イヤッホォォォ……って、もう着いちゃったのか」
「ギャッハッハッハッハ!!!オマエ、ホント最高だぜ!!」
何故か大爆笑しているロック。何かツボるとこあったかな?
「ハイハイ、落ち着いて。さて、ここがテレビの電脳か……」
凄いね。ウェーブロードの巨大なパネル一枚って感じの構造だ。変に枝分かれしてなくていい。それに……
「スゴいよロック!雲が、真下にある……!」
何で今まで来なかったんだろう。あ、違う。凄く来づらかったんだよね。電脳の入り口の多くがウェーブロードから外れた場所に配置されるようになったから、トランサー組のボクたちには敷居が高かったんだ……
「ステーションの件で散々見たろうに……ま、兎に角だ!テレビに向かって送られてくる電波は数多くある。そいつが集約した場所ってのがココだ」
「へぇ~って、ロック知ってたの?」
知ってる割には、あんまり事情とかには興味ないみたいだったけど……どういうこと?
「いや、知識としては無いが夜中の暇な時とかに、この家にある電子機器の電脳に忍び込んだり……したりしてるウチに気づいたんだよ」
ええっ!聞いてないんだけど……
「そういうこと。まぁ、ロックならいいんだけどさ。それにしても、やっぱり高いよねぇ……」
スカイウェーブもこのくらいだっけ?
「ま、電波ってのは大概が宙に浮いてるもんだからな。ほれ、さっさと調べちまおうぜ。明日は早いんだろ?」
ああ、そうだった。委員長との約束に、遅刻はヤバい。前に遅れた時は大変だったのもね……不機嫌なら手なんて繋がなきゃいいのに。不思議なコトをするよね、委員長も。
「そうそう、早く寝てしまわないと……」
よし、原因のデンパくんを探さなきゃ。それにしても、結構広いな……
……あ、いた。完全にイビキまでかいてるぞ!
「グ~グ~」
「ねぇ、キミ」
「グ~グ~」
「起きろォッ!」
うわぁっ!急に叫ばないでよロック!
「ギャァッ!!……って……」
「…………」
「ネ、ネ、ネてません!ケっしてネてませんヨ!」
あれ?以前より聞き取り易くなってる。これもバージョンアップの影響、なのかな?
「…………ねぇキミ、もしかして」
「エエ!ワタシはテレビのデンパです!テレビにウツし出される映像はこのワタシがハコんでいるのですよ!エッヘン!」
偉そうなデンパだなぁ……
「実は、さっきからウチのテレビの映りが悪いみたいなんだけど……」
「ギクッ!」
分かりやすっ!今時ギクッ!なんて言う人……いやデンパ、初めて見たよ……
「で?まさかオマエの居眠りのせいじゃないだろうな?こっちはウィルスだと思って来てるんだ。原因は、取り除かなきゃなぁ……?」
なんて言って、勝手にロックバスターのチャージを始めるロック。流石に怖いっての!
「ウ、ウ、ウウウ……ワタシ……『TKタワー』という場所から送信されてきました。かなりの距離を移動してきたのです。おかげでヘトヘトに……だから……その……」
「(ちょっとロック!脅し過ぎだって!)」
「(アン?いや、オマエがいつも見てる番組の真似をしただけだぜ?)」
それ『re:危ない暴れん坊ウルトラ大将軍』じゃないか!いや、まさか…………すいません確かに言ってました。もう見るの止めようかな……
「ようするに、オマエの居眠りのせいなんだろ!?アァ!?」
「よく見たら……貴方たち、もしかして
一体どんな認識になってるんだ!?
「オレたちも有名になったモンだな」
何呑気なこと言ってるのさ!?うわぁぁ……暴れすぎたか……!?
「どう見ても歓迎出来る知られ方じゃないでしょ!?」
「いいんだよ、別に。有名になればもっといろんなヤツと戦える。オマエだって悪くないだろ?」
おかしい。ロックの言っていることは明らかにおかしいのに、賛成しそうなボクがいる。ボクがおかしいのか、ロックがおかしいのかわからなくなってきたな……
「ま、まぁ兎に角、これでテレビの映りは良くなっただろうし。一旦戻って確認してみようよ」
「だな。……オイ、オマエ。次居眠りしたら……」
「居眠りシタら……?」
ニヤリと笑って再びロックバスターのチャージを開始するロック。拳銃のトリガー扱いするのは止めた方がいいと思うんだけど。
「ヒエェッ!」
効果は抜群だ。ちょっと可哀想だけど。
「よし、行こうぜ」
「う、うん……」
ウェーブアウト……
ーー星河家ーー
一仕事終えてリビングに戻ると電源の入っていないテレビが見えた。もしかして、直らなかったのだろうか?あのビビり方なら心配ないと思うんだけど……
「あらスバル、随分早かったのね」
「あはは……ホントにちょっとした用事だったからね。それより、テレビは直った?」
「ああ、そうなの!テレビ、突然直ったのよ。何が原因だったのかしらね」
あ、直ったから消していたのか。考えれば普通のことだったね。まだその番組の放送時間ではなかったみたいだし。
「不思議なこともあるんだね」
「フフッ、そうね。何にしてもよかったわ。どうしても見逃したくない番組があったのよ」
やっぱりそうか。
ーー2時間後ーー
「もうすぐ始まるわ」
夕食の後、あかねさんが観たいと言っていた番組を観ることになった。確かドキュメンタリーを謳っていたはず。面白そうではある。
ーーピッ!
『……さぁ、今週も始まりました「ドキュメンタリー220X」、今週取り上げるのは宇宙ステーション「絆」号です……』
やはりこの番組だったか。
「母さん、『絆』って……」
「そう、『絆』号は貴方のお父さんが乗っていた宇宙ステーション……これはそのドキュメンタリー番組よ」
そう言うあかねさんは、何だか寂しそうに見える。早くメテオG来ないかなぁ……
『「絆」号は、地球外生命体との交流という人類の夢を乗せて打ち上げられました。しかし夢半ばにして原因不明の事故に遭遇……未だにその行方はわかっていません。当番組では……』
ーー数十分後ーー
『残念ながら……現在の科学力では、「絆」号を見つけ出すことは不可能だと言われているのです……』
というか、崩壊してなかったっけ?しかも今更見つけたところでケフェウスの超強力なゼット波が残ってるだろうし、人間に何とか出来るとは思わないんだよね……
「母さんは……まだ、父さんが生きてるって、そう信じてる?」
「……もちろんよ。私は、信じてる。きっと大吾さんは無事だって。大吾さんの居ない間は、私がこの家を守って貴方を育てていくわ。大吾さんが帰って来た時、笑顔で言いたいの。『おかえりなさい』ってね」
凄いな。普通は三年も宇宙から帰って来なかったらスッパリ諦めてるだろう。なんというか……無性にダイゴさんを殴り飛ばしたい気分だ。いい嫁さんを貰ったと思うよ、本当に。ボクもこういう人と……いや、まだ小学生だしそういうのにはまだ、早すぎるよね。
「……母さん」
「さぁ、ドキュメンタリーも終わったことだし、今日はもう休みなさい。明日あたり、何かあるんでしょ?」
何も言ってないハズなんだけどな……ちょっとソワソワしてのかな?まぁ楽しみだったし?それに本気のバトルも出来そうだし……!
「うん、実はロッポンドーヒルズに行くんだ。映画を観に行くんだよ」
「へぇ……!誰と行くの?ルナちゃん、それともミソラちゃん?」
ちょっと、何でゴン太とキザマロの名前が出てこないのさ!邪推し過ぎだよ……
「違うって!委員長、ゴン太、キザマロの三人だよ!」
最近のミソラちゃんは何だか忙しいらしいし。楽しそうだからいいんだけどね。
「そう……ま、楽しんで来なさいね!」
ニコニコするあかねさん。何だか、釈然としないんだけどな。
「はぁーい……」
それじゃあとっととシャワーでも浴びて、寝てしまおうか。あぁ、何だか疲れたな、今日は……
ーーその頃・とある場所ーー
「この地球には、致命的に足りぬモノがある。それが何か分かるか?ハイドよ」
質問、と言うよりは既に自分の中で既に確信がある……というような女性の声が響いた。
「さて、何でございましょう?」
問われた男にはこうだ、という確信はなかった。故に聡明な上司に答えを仰ぐことにしたのだ。それにこんなことで不興を買っても、面白いことはない。
「それは支配者だ。絶対的な支配者が必要なのだ。そして、それに相応しいのは、妾のような優れた人間だ」
絶対的な自信と、それを裏打ちする優秀さを自覚している女性の声は、更なる確信に満ちていた。
「ンフフ……なるほど。流石はオリヒメ様。並の人間ではそのようなこと、考えもしないでしょう」
それは、考えもつかなかったハイドも同じことなのだが。
「愚かな人間たちに知らしめるのだ。誰が地球の支配者であるかを……それが、妾に与えられた使命である」
女性の声は、怒りに満ちていた。はっきりとこの地球、いや、人類に対する憎しみを持っているのだろう。
「ハッ!このハイド、必ずやご期待に応えてみせましょう!!」
跪いた男は既に、自分の脚本のことで頭が一杯だったが。
ーー翌日ーー
ベッドを含む、この部屋全体を照らす朝日の眩しさによってボクは目覚めた。手元のスターキャリアーを確認するに、約束の時間にはまだ余裕がある。一応、ラジオ体操でもしておこうかな……
「1、2、3、4……」
「何やってんだ?」
「あ、おはよ」
「おう。それでよ、そのダンスみたいなのは何だ?」
別に、電波体のロックには関係なさそうだけどね。ただルーティンのような意味合いもあるから、習慣としてはオススメ出来るかもしれない。
「ああ、これね。これはラジオ体操と言って……」
スラスラとラジオ体操の内容について説明していく。体を解して急激な運動に備える、という部分には興味があるようだ。バトルに関係あるもんね。仕方ないね。
「……と、いうわけ。どう?」
「ふむ……まぁオレには関係なさそうだが、スバルはなるべくやっといた方がいいかもな、それ」
まぁ、確かに。バトルは待っちゃくれないからね!
「オッケー。じゃ、ちょっと続けてやってみるよ」
「おう、だが程々にな」
はぁーい。
ーー1時間後ーー
「よし、そろそろ行こっか?」
スターキャリアーのデジタル時計もそろそろ約束の時間に近づいている。急ぐ程じゃないけれど、早めに行っておいて損はない。
「オレは何時でもいいぜ」
「それじゃあ出発!……母さん、行ってきます!」
「気をつけて行くのよ~!」
「わかってるよ!」
ガチャッ!
ーーコダマタウン・バス停前ーー
バス停の近くまで来ると委員長が一人、待っているのが見える。流石に委員長だ。誰よりも早い。
「おーい、委員長~!」
「スバルくん?……おはよう。ちゃんと遅刻しないで来たのね。……早めに来るのは、ポイント高いわよ!」
ポイントって何?
「ポイントって……何のポイントなのさ」
「それは……ええと、ワ、ワタシの好感度が上がるポイントよ!」
それはちょっと無理がないかなぁ……
顔が赤いけど、自分で自分の発言の恥ずかしさに気づいたのだろうか。正直ボクなら、頭抱えてベッドで転げ回るレベルだけど。完全に黒歴史じゃないか。
しゃーない。フォローでも入れてあげるか……
「フフッ、それなら頑張ってポイント貯めちゃおうかな。好感度が上がったら、何かしてくれたりするの?」
「そ、それは……ワ、ワタシがアナタに…………って、何でもないわ!今のナシ!ポイント制もナシ!」
「あはは…………あ、キザマロが来たみたい。おーい、キザマロ~!」
ふぁぁ、と眠そうな目をしたキザマロがバス停までやって来た。そこまで早い時間じゃないんだけど、さっきまで寝てたのだろうか。寝る子は育つってね。
「あぁ、委員長、スバルくん。おはようございます……」
「キザマロ、アナタ眠そうだけど大丈夫?ちゃんと早寝したんでしょうね?」
訝しむような口調で問い詰める委員長。
「あぁ、実は昨日の夜は見たかったドラマの再放送があってですね……」
ーーギロッ!
「ヒィッ!」
ヒィッ!
「ドラマの再放送~?キザマロ、アナタ……!」
ヤバい、委員長がお冠だ。
「まぁまぁまぁまぁ……一旦落ち着こう、ね?」
「スバルくん?」
怖いってば!
「何でもありませんどうぞ懲らしめてやってくださいッ!」
「スバルくん、裏切りましたね!?」
だって正面から見た委員長、凄くキレてるんだよ!ヤバいよ、寿命が縮まるレベルだよ!
「いや、だって委員長の迫力が半端ないっていうか……いや、ほらよく言うじゃない!美人が怒ると凄く怖いってさあ!?」
「それにしたって……あ」
キザマロ?何々……後ろ?後ろっていうか、委員長?
「どうしたの、委員長……って、また湯気が!」
「美人って、スバルくんに美人って言われた……!」
ジュワァァァ、という音でも聞こえてきそうな程顔を赤くした委員長が、そこにいた。しかし、助かったぞ。これでキザマロへの怒りは収まってくれる……ハズ。
「そ、それにしても……ゴン太が来ないね?」
「え、あ、そうですね!ゴン太君のことですから、まだ寝てるかもしれませんよ!」
「あ……そういえば、そうね」
『ゴメ~~ン!!』
あ、来た。
「ハァハァ……な、何とか間に合ったか!?」
「普通に遅刻よ!……どうせまた、夜遅くまでゲームでもしてたんでしょう!?」
「ゲッ!ど、どうしてそれを……!?」
「フン、まぁいいわ。今は気分が良いから、このくらいにしてあげる。あっ、そうだわ……スバルくん、新しくスターキャリアーを買ったみたいね。ブラザーバンドもリセットされているから、後で結び直しましょう」
「あぁ、そうだった。改めてよろしくね」
「フフッ、今更ね」
それにキズナリョクって結構大事だし……。確か、ブラザーバンドによる繋がりの強さを表しているんだっけ?これが高いと色んな恩恵を受けられるとか何とか。分かりやすく言うと、皆に一目おかれる存在になる……とかだったはず。
ーープップ~!
「あっ、バスが来ましたよ!」
「それじゃ皆、乗りましょうか。自慢じゃないけどワタシ、バスの運賃は半額なのよ」
へぇ、それは凄い。
「委員長はブラザーがボクたちより多くてキズナリョクが高いですから、そのおかげですね」
そういえば、テレビでやってたんだよね。何でもキズナリョクが高いと、パスポートなしで外国に行けたり、試験ナシで有名大学に入学出来るとか。眉唾の話だけど、キズナリョクが高いってことはそれだけ周りの人に信頼されてるってことだから、人材としては優秀なのかも。
「さっすが委員長だぜ!」
それは多分、両親の分では……?
「よし、それじゃあ……いざ!ロッポンドーヒルズへ!」
「おう!ポップコーンがオレたちを待っている!」
「ボクも楽しみですよ!キャラメル!キャラメル!」
「アナタたち、ホントに仲良いわねぇ……ちょっとだけ羨ましいわ、まったく……」
因みに、バスの中では騒がなかったよ。本当。
それにしても、ロッポンドーヒルズまでは大体……一時間くらいか。楽しみだなぁ……!
「(また変なコトに巻き込まれなきゃいいけどな)」
「(不穏なコト言わないでよ!)」
その日、ボクは黒き幻影に出会う。知ってたけど。
感想・評価の数が次話スバル君のテンションに直結する……かもしれません。