星河スバル(偽)の戦闘録   作:星屑

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 ーーゲレンデ2の電波ーー

 

「更に吹雪が強くなってきてる……」

 

「オイオイ、結構ヤバいんじゃねぇか……?」

 

 こりゃあ、いよいよマズイことになってきたかもしれないな。この視界の悪さだ。戦闘にも影響が出るだろうし、何よりプロコースの頂上はウェーブロードではなく地上になっている。地の利は向こうにあると見ていいだろう。

 天気の電波システムが発する電波の影響で、多少は通信……もとい行動しやすくはなっているんだろうけど、依然としてこちらが不利だということに変わりはない。特にドラミングをトリガーとして引き起こすナダレダイコはヤバい。ダイナソーじゃなくてもヤバい。

アイちゃんも巻き込まれてしまう可能性がある。使わせる隙を与えないような立ち回りが必要だ。

 

「これ以上酷くなる前に、天気の電波システムを正常に戻さないと……!」

 

「ああ、だがさっきの結晶、あと2~3個はあるだろうな。複数の場所で凄い数の電波を感じる……」

 

 それはボクも感じていた。あちこちからSOSが聞こえるものだから、気になる……というか気が散ってしょうがない。まぁ、助けるのだけど。

 

「わかってる。今は兎に角、先を急ごう!」

 

「おう!」

 

 間に合ってくれよ……!

 

 

 ーー10分後ーー

 

「……よし、粗方デンパを掘り起こしたぜ!」

 

「フゥ……それじゃ、ウェーブアウトするよ」

 

 恐らく最後の結晶にウェーブインし、多数のデンパくんを踏みつけまくることに成功してゲレンデの電波へと戻ってきたボク達。既に山頂は見えている。

アイちゃんのスキーウェアは……ここからじゃよく見えないな。

 

「そろそろ山頂だ。あまり気を抜くなよ!」

 

「うん!」

 

 

 ーーゲレンデの電波2・山頂ーー

 

「……アイちゃん!」

 

 雪に埋もれていて時既に遅し……という最悪の事態は回避できているようだが、意識を失ったらしい彼女は体を丸めて天気の電波システムを管理している建物に寄りかかっている。……あまり看過出来る状況ではないな。

山頂は思ったより吹雪いていない。流石のゴリも人殺しには躊躇したのだろうか。

……今は、向こうの事情を考えている場合じゃない。人命最優先だ。

 

『グハ!その先は行かさねぇぜ!!』

 

「スバル、上だ!」

 

 死亡フラグ乙。

 降ってくるシルエットは……って、コイツ結構……デカい!

 

「縁起でも無い……って、このブリザード……!」

 

 地響きが木霊する。辺りを包囲するは、更なる極寒の檻。

 

「コイツが雪男か!……如何にもって感じの見た目だ」

 

生物的な体毛、異常なまでに発達した四肢。

実はホントにUMAだったりするのではないかと、疑いたくもなってしまう。

 

「グハ!まさかここまで来るとはな!ホントにまさかまさかだぜ!……グハハハハ!オレがウワサの雪男、『イエティ・ブリザード』様だ!」

 

 わかりやすくチカラに溺れてるな……

 巨大な体躯に紫色の鬣、あとは肘から先と膝から先に分厚いプロテクターって感じの風貌だ。それにフェイスパーツも仮面みたいな感じだし……ホント、こんな風にならなくてよかった。

 

「……スバル、やっぱりだぜ!」

 

「ああ、この声……」

 

「オレも波長を感じるぜ……コイツはあのゴリってヤロウだ!」

 

「じゃあ、今回の事件を起こしていたのは……」

 

「ああ、そうだ!やっぱりゴリのヤロウが企てた陰謀だったってことだぜ!」

 

「グハ!その通りだよ!だが、このミッション:ワイルドブリザードは邪魔させねぇぜ!」

 

 ゴリ……イエティ・ブリザードが戦意をみなぎらせて叫ぶ。

 合わせて、周囲のブリザードが一層強まった。

 ……これ以上はアイちゃんの容態がマズい。

 

「ホテルの邪魔をしているのは、アンタの方じゃないか!」

 

「グハ!このまま電波システムの異常が続けばリゾートの人気はガタ落ち。しかも有名人のアイまで被害者となれば世間が許さねぇ!そうすりゃあ、あの滑田のヤロウもリゾートを手放すしかなくなるってもんだ!コイツはお買い得だぜ!グハハハハハハハ!!」

 

 既に落雪事故で苦情が来てるってのに、欲張ったな!アンタが犯した最大の失敗は、その堪え性の無さを改善しなかったことだ!

 

「お買い得はコッチの台詞だ!決して現場には姿をみせなかっアナタが、今は証拠付きでここにノコノコやってきた……これ以上ない、絶好の機会に違いない!」

 

「グハ!中々威勢のいいガキだぜ!どこのどいつかは知らねぇが……言うことを聞けばオレの部下にしてやるぜ!オレは楽が出来て、お前は金持ちになれる!……どうだ?」

 

にやけながら問うてくる雪男。

まさか応じるとでも思っているのだろうか。

 

「お金持ちと幸せはイコールじゃない!そんなお金持ってたって虚しいだけだ!」

 

 お金に困ってるワケでもないしね。

 

「グハハハハ!わかんねぇなぁ、そんな理屈、!……金はチカラだぜ、がきんちょ!その金の為になんでもやってやるっていう気概がなきゃあ、乗っ取り屋なんてやってらんねぇよ!!」

 

 ダメだコイツ。早くデリートしないと!

 

「いっそ清々しいくて助かるよ!アナタに対しては、全く引け目無しに戦えそうだ!」 

 

「ケッ、これだからガキはキライなんだよ!なら、お前もここで遭難してもらうぜ!助けが来るかはわかんねぇけどなぁ!!グハ!グハ!グシャシャーーーー!!!」

 

 本物のゴリラのように、胸を叩くゴリ……イエティ・ブリザード。流石にゴリラの真似は得意みたいだ。

今のは戦意高揚を狙ってのものらしいけど、次からは雪崩にも気をつけないと。

 

「来やがるぜ!」

 

「上等!ウェーブバトル!ライド・オン!!」

 

こういうヤツには正面からだと相場は決まってる。インファイトだ。 

 

「いくよ!」

 

「おう!」

 

 まずは近づくことから!

 足裏でいつもより気持ち強めに踏ん張り、ロックオンを開始する。

 パターンに入れば素人のゴリならいくらでも圧倒出来るハズだ。

 

「ソォイッ!」

 

 って、跳躍した!?

 ……凄い脚力だ。数十メートルは飛んでいる。

 

「これは……硬質化した雪玉か!」

 

 幸いウィルスが潜んでいるということはなく、ただの雪玉だった。

 だが結構大玉なので、余裕をもって避けないと飛び散った雪塊に足を取られてしてしまうかもしれない。これも要注意だ。

 

「グハハハハ!!今のはほんの挨拶代わりってヤツだ!さぁ……いくぜェッ!」

 

 イエティが吠えた。

 両拳にブリザードの結晶が集まり、指先までが氷柱を思わせる形状に覆われる。よく見ると、手の甲からスパイクすら生えているのが確認出来た。

 ……直接拳を突き合わせるのは危険か。

 

「遠距離から削ったら時間が……!クソッ……ああ、やってやるさ!接近戦だ!」

 

「よく言ったぜ、がきんちょよぉ!」

 

右の抜き手。

氷柱のコーティングで強化された刺突攻撃は、受ければバターのように容易くボクの体を貫くだろう。だが……直線的過ぎる!

 

「力比べには突き合わないぞ!」

 

シールドを展開。後方に受け流しつつ、滑るように懐に潜り込む。

踏み込みをかけるが、足場が悪い。仕方なくソードを展開させ、イエティの体を十字に切り裂いてシステム的ダメージを与えていく。

今回は踏み込みに失敗したが、この感触ならば次はいけるハズだ。今度はその鼻っ面にヒートアッパーをお見舞いしてやろう。

 

「痛かねぇよ!そんなもん!」

 

「ケッ、脂肪で痛覚が鈍ってるだけじゃねぇのかァ!?」

 

不敵に笑うイエティを、ロックが煽っていく。

が、特に反応した様子もないことから、どうやら本当に効いていないらしい。

 

「ほざけよ青二才共!」

 

熱くなるゴリとは対照的に、吹雪はますますその攻勢を増していく。

暑さ寒さの影響を受けにくい電波体ですら、指先がかじかんでしまいそうな冷気。

バイザー越しでなかったら、今頃は吹き寄せるブリザードに目を開けることも叶わなかっただろう。

しかし、今はイエティとのクロスレンジを保っている。故に吹雪の影響は殆どないと言って差し支えない。

 

「……このまま!」

 

「やらせねぇ!」

 

牽制として射出したワイドウェーブ。イエティは空中で凍らせてから殴り返す。

シールドで払った時には既に、氷塊で出来た巨大な大槌を振り下ろそうとする雪男の姿が目に入っていた。

回避は間に合わない……なら!

 

「これで!」

 

右腕に展開していたソードを切り離し、イエティの手首が重なるポイントめがけて射出。

 

「なん……ッ!?」

 

勢いのままのけぞり、ガラ空きの顎を晒すゴリ。

これはもうアレしか無いだろう。

……ボクの右手が真っ赤に燃える!運命がヒートアッパーしろと叫んでいるッ!

 

「悔い改めろアッパーァァァァァッ!!」

 

雪原の大地を踏みしめ、さながらジェット機のごとく跳躍したボクの拳は、いっそ芸術的なまでに美しくゴリの顎にめり込んでいく。

そのまま十メートルほど吹っ飛ばし、ボクは危なげなく着地。残心を取って構え直す。

しかし、確認しなくともわかる。勝敗は明らかに決していた。

 

 ……しかし、やり過ぎた感もあるので、一応リカバリー10をイエティ・ブリザードに使ってやる……が、既に電波体を崩壊させつつあるので、まぁ命は助かるのではないだろうか。

 

「やった!」

 

 元に戻ったゴリはかなり消耗しているが、思ったより無事といった容態だ。リカバリーが間に合ったのだろうか?それに吹雪も止んでいる。

 

「ク……」

 

「ヘッ、ザマァねぇぜ!!コイツを倒したことで、吹雪も収まったみたいだな」

 

 というか、どうやって吹雪を起こしていたのだろうか。イエティ・ブリザードとしての能力?それとも電波システムを利用していた?まぁ、既に終わったことか。

 

「よし、それじゃあアイちゃんを回収して帰ろう」

 

丸っきりアイテム扱い(両手がふさがるというデバフ付き)だが、気を失っている以上、それは仕方ないと思うのだ。

 

「ケハ!まだ勝負は終わっちゃいねぇぜ!」

 

「まだやるのか……!?」

 

 確かハイドが見てるんだっけか。

でもぶっちゃけ、あんまり脅威には感じないんだよな……

 

「こうなりゃあ癪だが、ハイドのヤロウのチカラを借りてやる……!」

 

「ハイドねぇ……」

 

「今度の事件もアイツが絡んでやがったのか。ここでもう一戦となると……体力的にちょっと厳しいか!?」

 

(そんなに厳しく)ないです。

寧ろアイちゃんがね…… 

 

「ケハ!形勢逆転だな!じゃあ、ハイドを呼び出すとするぜ!」

 

 まぁ、来ないんですけどね。

 

『……その必要はない』

 

 やっぱりか。もしかしてビビってる、とか?TKタワーの時も、普通に肉弾戦をしていたような気がするし……

 

「気配は近いぜ……油断するなよ!」

 

「わかってる……!」

 

「ハイド、今ならこの青いガキをやるチャンスだ!頼むぜ!」

 

 なんでそんなにボコボコにされたのに、余裕でいられるのだろうか。普通にボコボコにされたあとに助けを求めるって、かなりダサくない?

 

『……断る』

 

「なんだと!?」

 

『こんな酷いシナリオに、乗れるわけがない。吹雪は既に止んでいる。つまり、もうすぐここには大勢の救助隊が現れるだろう。そんな時までここで油を売っていては、お前と一緒に捕まってしまうではないか』

 

 悲報:世界征服を目論む組織の幹部、救助隊に捕まることを恐れる。

いや、それって電波人間としてどうなのさ……

 

「ゲハ!?裏切るってのか!?」

 

『ハハハハハ!!……裏切る?冗談はよしてもらおうか。私達は仲間じゃない。金だけで繋がった、ただのビジネスパートナーなんだろう?』

 

 ……古代のスターキャリアーは回収しなくていいのだろうか。

 貴重品らしいし、普通に失態なのでは……?

 

「ゲハ……チクショウ!」

 

 万策尽きたのか、崩れ落ちるゴリ。趣味の悪いスーツが雪に埋もれる。運動するならジャージでも着ておきなよ……

 

『それにこの青い少年を倒す機会など、まだいくらでもある。では、そろそろお別れだ。少年よ、次の恐怖を楽しみにしておくんだな』

 

 アンタのシナリオはイラつくだけで、全然怖くないんだよ!せめてジェミニがやった、人質作戦くらいはしなくっちゃ。……なんかこれ、フラグっぽいな。

 

「……」

 

「気配が消えやがった……」

 

「ふぅ……ああ、もう少しスキーしたかったな……」

 

 出来れば今度はゴン太とキザマロだけじゃなく、委員長も一緒に滑れればいいんだけど……

 

「オイオイ……」

 

 

 ーープルルルル!!

 

 あ、電話だ。

 

「通信だね。……出るよ」

 

 ーーブゥーン!

 

『よかった!やっと繋がりました!』

 

 っと、なんだキザマロか。

 

「キザマロ!こっちは終わったよ!今から戻るね!」

 

『おお、流石です!ところで今は何処に?』

 

「今はゲレンデの一番上……アイちゃんも一緒にいるよ!」

 

『本当か!?』

 

「うわっ!?って、ゴン太?」

 

『おう!サンキューなスバル!もうすぐ救助隊がそっちに着くそうだぜ!』

 

 お、一応救助隊は編成されていたのね。

 

「ありがとう!」

 

「これで事件は解決、だな!なら、とっととウェーブアウトして退散するとしようぜ」

 

「うん!」

 

 これで終わりか……ああ、疲れた。

 

 

 ーー数十分後ーー

 

「今回の吹雪騒動の容疑者として……五里門次郎!オマエを逮捕する!」

 

 その後、たまたま居合わせた五陽田さんに五里は無事逮捕された。恐らくは取り調べで余罪が出るだろうし、暫くシャバには出られないだろう。

 

「…………グハッ!」

 

 

 ーー暫くしてーー

 

 ーーリゾートホテル・玄関ーー

 

 

 楽しかったスキー旅行もホテルのチェックアウトが済み、漸く終わりの時を迎えた。委員長とも滑れなかったのが、唯一の心残りではあるけれど……

 

「アイを助けてくれて、本当に感謝しているよ。皆、ありがとうございました!」

 

 滑田さんがボク達にお礼を言ってくれる。なんとリゾートホテルの支配人とその愛娘に見送られるというVIP待遇だ。因みにこの場合の助けた、とはカイロであったり、救助隊に情報を流したり……という意味だ。流石にロックマンの正体は知らないだろうし。

 

「敬語で言われたら照れちゃいますよ……それに、今回一番頑張ったのは、ゴン太ですからね」

 

「リフトが止まるやいなや、アイちゃんに連絡を取って現在位置や安否確認をするゴン太くんは、確かに胸を打たれましたよ」

 

 キザマロも感動した!とばかりにゴン太を褒めちぎる。確かにボクも、ゴン太の行動には少し驚かされたよ。ただ無事を祈ってるだけかと思ったし。

 

「そうだったんだ……ゴン太くん、ホントにホントにありがとうね!」

 

「そ、そんな風にアイちゃんに喜んでもらえたらオレ……」

 

 ここでテンパっちゃダメだよゴン太!攻めなきゃ!

 

「でも……気を失いそうな時に届いたゴン太くんの声で、アタシ頑張って起きなきゃって思えたんだ。あの時、ゴン太くんからの通信がなかったら今頃……そうやって頑張れたのは、ゴン太くんの声だったからかもしれないね」

 

 神妙な顔で語るアイちゃん。実際ゴン太が電話していなかったら、ボクが着くまで持たなかった可能性もあるわけだし……やっぱりお手柄だね。

 

「エヘ、エヘ、エヘヘヘヘ」

 

 うわっ、だらしない顔だ……

 

「フフ、ゴン太くん、にやけてますよ」

 

「う、うるせー!!」

 

 

 ーーハハハハハハハハハ!!

 

 ホテルの玄関に、ボク達の笑い声が響く。

 

「まぁしかし、アレね!モテないゴン太のサポートでスバルくんもキザマロも、走り回ってたってわけね。そういうことなら、ワタシもまぁ納得ってとこかしら」

 

 先程から考え込んでいた委員長が、漸く怒りを収めたことを表明する。その表情は大変明るかった。

 た、助かったぞ……

 

「あはは……それじゃあ、そういうことにしておこうか」

 

「そうですね、そうしないとまた、ややこしい状況が続きそうです」

 

 あの委員長は確かにややこしかった……やっぱり委員長は怒らせるものじゃないね。慌てさせるのが一番だよ。アワアワしてる委員長が一番可愛いと思うのはボクだけだろうか?

 

「はン?キザマロ、今なんて?」

 

 ビキビキビキ……という音が聞こえそうな表情に早変わりした委員長がキザマロを問いただす。こえーよ。

 

「いえいえいえいえ、なんでもないですよ!」

 

「そ、そうだよ。委員長は笑ってたほうがさ……」

 

 ここでまたマジギレ委員長リターンズをするわけにはいかない!というか変態呼ばわりは流石にヤバかった。二つの意味で。

 

「笑ってたほうが……?」

 

 ゲッ、そこ言及する!?

 

「え、えっと……ほら、委員長も一応女の子だし?笑ってたほうが……か、可愛いんじゃないの?」

 

 く、苦し紛れ過ぎたか……?

 

「フ、フン!……そんなのわかってるわよ!」

 

 ヒエッ!地雷だった!?顔も赤いし、委員長沸点低すぎないか!?

 

「っと、そうだスバル」

 

「どうしたの?ゴン太」

 

「いや、ほら……今回は色々助けられたしな。(最後だってロック……じゃなくてお前が助けに来てくれなかったら、結構ヤバかったし……)」

 

「それはいいよ。だってボク達、友達じゃない?それに今回はゴン太のお手柄だって。ボクだけじゃあ、どうにもならなかったしね」

 

「ヘヘッ、なんか照れるな……ま、ダチなんだ。これからも助け合い、だぜ!よろしくな!」

 

 こういうのも案外悪くない。頑張った結果としちゃあ、まぁ上等なんじゃないかな?

 

「こちらこそ、だよゴン太!」

 

「だからオレ、改めてお前にブラザーを申し込もうと思う。オレとブラザー……結んでくれるか?」

 

「当たり前さ!これからもよろしく、マイブラザー!」

 

「ヘヘッ、おうよ!」

 

 ええっと、ブラザーバンドの設定は……ここをこうして……ホイホイホイっと。よし、完了!

 

「今度なんかあったら、オレが助ける番だからな!」

 

 あれ……ナンスカで散々走り回されるような予感がしてならない。ま、ブラザーだしね。しょうがないか。

 

「OK!その時は頼むね!」

 

 ガシッと握手をして、笑い合うボク達。やっぱりブラザーは最高だ!

 

「うーん、素晴らしい友情だね!そうやって友達と助け合う気持ちはとても大切なものだよ。ゴリにも気持ちが繋がった友達がいれば、お金だけで人を動かせるなんて思わなかっただろうに……」

 

 確かに。因みに戦闘後に確認したら、ゴリのキズナリョクは100ほどだった。多分、ビジネスライクなブラザーだったか、社員達と結んでいたんだろうなぁ……

 

「滑田さん……」

 

 この人も中々苦労していそうだけどな。まだ一代目だし、マテリアルウェーブからリアルウェーブへと技術が移行したとき、このリゾートホテルがどうなっていくのかも少し、気になるところだ。案外、変わらなかったりしてね。

 

「あーあ、でもホントにゴン太くんとスバルくんが羨ましいなぁ……アタシ、ゴン太くんとブラザーになろうと思ってたのに……」

 

 お、よかったじゃないゴン太!

 

「え、マ、マジで!?アイちゃんとブラザーになるってコトは……オレ、アイちゃんのヒ、ヒ、ヒミツを……!」

 

「ヒミツが目当てなんですか?」

 

 実際否定は出来なさそう……

 

「え~、そうなの?ゴン太くん?」

 

 からかうようにゴン太へと尋ねるアイちゃん。やっぱりどことなく雰囲気がミソラちゃんに似ているような気がする。何かが決定的に違うような気もするけど。

 

「そ、そんなコトないよ!!い、いや……でもヒミツもやっぱ知りたい……ワーーー!!どうすりゃいーんだよぉーー!!!」

 

 ーーハハハハハハ!!

 

 逆に考えるんだ、どっちも大事ってさ。

 

「(……ったく、地球人ってのは平和な人種だな)」

 

「(戦闘民族のロックには言われたくないよ)」

 

「(お、言いやがったな!?どうやら、久しぶりにオレ単体のチカラを見せてやる時が来たようだな……!)」

 

 ノイズ率急上昇して灰になるのは止めてください。

 

「(ハイハイ、ロックはスゴイネーツヨイネー)」

 

「(ちょっとオイスバル!オマエ信じてねぇだろ!?いいか、オレがFMプラネットにいた頃はなぁ……)」

 

 うわ、ロックの一人語りが始まってしまった。というかロックって、コーヴァスとヴァルゴのコトだけは頑なに話さないよね。いや、ボクも知らないってことにしているんだけどさ。

 

「(……って感じでな。オレが道を行けば、大抵のヤツはオレに道を譲ったんだぜ!)」

 

「(ふーん、へー、凄ーい!)」

 

「(オマエやっぱり信じてねぇな!?オイ!)」

 

そんなことないと思うよ。多分。(棒)




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