遊戯王VRAINS 幻影の咆哮~青き天使との日常~   作:kajoker

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第17話です。
ついにplaymakerとのデュエルに決着が着きます!

かなり久しぶりの投稿です…最近、モチベーション的な問題で投稿が遅くなりました…これからも不定期更新になりますがこの小説を楽しんでいただければ幸いです。

それでは本編をどうぞ!


第17話 新たな力

「やるね、playmaker!なかなか魅せてくれるじゃないか!」

 

「お前こそ、まだまだ本気じゃないんだろ?」

 

「あぁ!お楽しみはこれからさ!」

 

 

 

「……何か嫌だな」

 

楽しげにデュエルをしているPhantomとplaymakerを見ながらそう呟く。

 

侑哉がデュエルを楽しむのはいつものことだし、デュエルを楽しんでいる侑哉は大好きだけど…

 

その目に映っているのが私じゃないのがどうしようもなく嫌だった。

 

「はぁ、私ってこんな重い女だったかな…」

 

きっと、侑哉だからなんだ…私がこんなふうに嫉妬したりするのは。

 

侑哉は、こんな私でも好きでいてくれるのかな?

 

「あ…」

 

私がそんなことを思っていると、侑哉と目が合った。

 

そして、私に気づいた侑哉はいつもみたいに優しい笑顔を見せてくれた。

 

その笑顔を見ていると自然と笑みが零れた。

 

侑哉がちゃんと私を見てくれた、それだけで嬉しかったから……でも、それと同時に侑哉にはもっと私を見てほしい、そんな独占欲にも似た感情が沸き上がってきてしまう。

 

「……今は侑哉を応援しよ!」

 

その黒い感情を振り払うようにそう呟き、再び二人のデュエルを観戦した。

 

 

////////////////

 

「いくよ!playmaker!俺のターン、ドロー!」

 

 

Phantom LP2050

手札0→1

 

場 EXモンスターゾーン なし

 

メインモンスターゾーン オッドアイズ・ファントム・ドラゴン攻撃表示(ATK2500)

 

アカシックマジシャンLINK2(ATK1700)リンクマーカー上/下

 

伏せなし

 

Pゾーン EMオッドアイズライトフェニックス(スケール3)

 

EMオッドアイズユニコーン(スケール8)

 

 

playmaker LP700

手札0

 

場 EXモンスターゾーン エンコードトーカーLINK3(ATK2300→3100)リンクマーカー上/下/右下

 

メインモンスターゾーン フレイムアドミニスターLINK2(ATK1200→2000)

 

伏せ1

 

Pゾーンなし

 

 

 

 

さて、まずは手札補充からかな…

 

「俺は手札から魔法カード、カップオブエースを発動!このカードはコイントスを行い、表なら俺がデッキからカードを2枚ドローでき、裏なら相手が2枚ドローできる」

 

「運まかせのドローソースか…」

 

「まぁね…でも、こういうカードを使いこなしてこそのエンタメデュエリストだからね!」

 

俺はそう言いながら、コイントスを行った。

 

指で弾いたコインは空中で円を描きながら、手のひらに吸い込まれる……恐る、恐る手のひらに吸い込まれたコインに目をやる。

 

「…よし!表!よってデッキからカードを2枚ドローする!」

 

手札1→0→2

 

ふぅ、助かった…ここで裏が出てたらやばかった。

 

「さらに、手札から魔法カード、強欲で貪欲な壷を発動!デッキトップから裏側でカードを10枚除外し、2枚ドロー!」

 

手札2→1→3

 

よし、これで準備は整った。

 

「さて、playmaker…今度は俺が魅せる番だよ!」

 

「何をするつもりだ?……まさか!?」

 

「そのまさかだよ!いくよ、お楽しみはこれからだ!!」

 

 

俺はそう言葉を紡ぎ、データストームの中へと突進していく…凄まじいデータの嵐に曝されながら奥へと進んでいき、そのままなんとか体勢を立て直した。

 

「ふぅ、相変わらず体勢を立て直すのに苦労するな…ここ」

 

『誰かと思えばお前か…今日は随分と来客が多いな』

 

「playmakerも来たもんな、確かにいつもより来客は多いかもね」

 

『全くだ…それで今日はどうした?またデータストームに巻き込まれたのか?』

 

少し、からかうようにデータストームの主はそう呟いた。

 

「ははっ、今回は違うよ…自分の意思でここに来たんだ」

 

『自分の意思で、か…大方、私に聞きたいことがあるといったところか…』

 

「あぁ、その通りだ……まぁ、playmakerが魅せてくれたから、今度は俺が魅せる番だと思ったからでもあるんだけど、一番の理由は…」

 

俺は一度そう言葉を区切って、言葉を続けた。

 

「一番の理由は、葵が見てるから、かな…葵が見てくれてるのに簡単には負けられないからね」

 

それに、葵と目が合った時何か様子が変だった気がするからな……俺の気のせいなら良いんだけど。

 

まぁ、どっちにしても俺のすることは変わらない…俺の、俺とplaymakerのデュエルで観客を、そして、葵を楽しませる!それだけだ。

 

『ククッ、どうやらお前の行動原理は葵という少女のため、というのがほとんどのようだな』

 

「まぁね……葵は俺の大切な人だから…」

 

『フッ、まぁお前たちの惚気話はまたの機会に聞かせてもらうとして、私に聞きたいこととは何だ?』

 

「惚気話って…まぁ、それは良いや…あんたはリンクアクセスって知ってるか?俺がこんなふうにデータストームの声を聞けるのはそれのおかげらしいんだけど…」

 

『リンクアクセス…?聞いたことがないな、確かにお前のようにデータストームの声を聞くことができる人間に会ったことはあるが、そんな名称とは知らなかったな』

 

「そっか…」

 

データストームの主も知らないか…う〜ん、本当に謎が多いな、この能力。

 

『さて、そろそろお前をここから出すとしよう、このカードを受けとれ』

 

そう言って、データストームの主は俺の手元にカードを送った。

 

そのカードはエンコードトーカーの時と同じく白紙だった。

 

「なるほどね、どんなカードになるかは俺の運次第か…」

 

『当然だ…さぁ、そろそろデュエルに戻れ…また機会があればその時はお前達の惚気話を聞かせてもらうとしよう』

 

「いちいち掘り返さないでくれよ……まぁ、次に会う時までに考えておくよ」

 

俺は最後にそう言って、データストームから抜け出した。

 

そこでさっき手に入れたカードに目をやる。

 

「なるほど、これはなかなか汎用性が高そうなカードだな…」

 

「スキルを使用せずに、データストームからカードを手に入れたのか!?」

 

『そんなのありかよ!?』

 

俺がデータストームから出てくると、playmakerが驚きの声を上げた。

 

「Phantom、お前は一体…」

 

「ただの、しがないエンタメデュエリストだよ……さぁ、いくよ!現れろ希望を照らすサーキット!アローヘッド確認、召喚条件はトークン以外のモンスター2体以上!俺はリンク2のアカシックマジシャンとオッドアイズ・ファントム・ドラゴンをリンクマーカーにセット!サーキットコンバイン、リンク召喚!現れろ、リンク3!トライゲートウィザード!!」

 

トライゲートウィザードLINK3(ATK2300)リンクマーカー上/右/左

 

「さらに、俺は手札からサイバースガジェットを召喚!そして、サイバースガジェットが召喚に成功した時、墓地のレベル2以下のモンスターを特殊召喚できる、俺はピットロンを墓地から特殊召喚するよ!」

 

サイバースガジェット攻撃表示(ATK1400)

 

ピットロン守備表示(DEF2000)

 

「サイバースだと!?」

 

『マジか!?ストームアクセスに似たことができるだけじゃなくてサイバースまで持ってんのかよ!』

 

俺がサイバースを使うと、playmakerはさっきと同じかそれ以上の驚きの声を上げた。

 

まぁ、そりゃそうなるよな…目の前で自分と同じサイバースのカードを使う奴がいるんだもんな…

 

実際、俺がサイバースを使えることは葵と花恋以外の人には言ってないしな。

 

いや、リボルバーも知ってるか…デュエルした時にサイバースを使ったしな。

 

「まさか、お前がハノイに狙われているのはサイバースを使っているからか…?」

 

 

「さぁね、実は俺にもよくわからないんだ…まぁ、でもとりあえず今はデュエルを楽しもうぜ!話しは決着がついてからでも遅くないだろ?」

 

「フッ、それもそうだな……来い!Phantom!」

 

「それじゃあ遠慮なく、再び現れろ希望を照らすサーキット!アローヘッド確認、召喚条件はモンスター2体!俺はサイバースガジェットとピットロンをリンクマーカーにセット!サーキットコンバイン!リンク召喚!現れろ!リンク2プロキシードラゴン!!」

 

プロキシードラゴンLINK2(ATK1400)リンクマーカー左/右

 

「そして、サイバースガジェットが墓地に送られたことによりガジェットトークンを特殊召喚!」

 

ガジェットトークン守備表示(DEF0)

 

「なるほど…サイバースのカードをよく使いこなしている…あいつの言った通り、Phantomはいくつものカードを使いこなせるらしいな」

 

『だから感心してる場合かよ!さっきから思ってたけどよ…お前、このデュエルを楽しんでるだろ?』

 

「……そうかもしれないな」

 

 

 

「どうやら、なかなか楽しんでもらえてるみたいだね!でもまだまだお楽しみはこれからさ!俺はトライゲートウィザードの効果発動!このカードが2体以上のモンスターと相互リンク状態の時、フィールド上のカード1枚をゲームから除外できる!」

 

「くっ、俺の場のエンコードトーカーのリンクマーカーを利用したのか…!」

 

「そういうこと!俺はトライゲートウィザードの効果で君の場のエンコードトーカーを除外するよ!」

 

トライゲートウィザードの効果によりplaymakerの場からエンコードトーカーが除外された。

 

それにしても、やっぱり汎用性が高いなこのカード…召喚条件も緩い方だし相互リンクしているモンスターの数次第で強力な効果を発揮できる。

 

スピードデュエルだから完全に効果を使えるわけじゃないけど、それでも十分すぎるぐらいだ。

 

「さぁ、まだまだいくよ!三度現れろ、希望を照らすサーキット!アローヘッド確認、召喚条件はサイバース族モンスター2体以上!俺はプロキシードラゴンとガジェットトークンをリンクマーカーにセット!サーキットコンバイン!リンク召喚!!現れろ!リンク3、エンコードトーカー!」

 

エンコードトーカーLINK3(ATK2300)リンクマーカー上/下/右下

 

「エンコードトーカー…やはりお前も持っていたか」

 

「へぇ、俺がエンコードトーカーを持ってるってわかってたのか?」

 

「あぁ」

 

「一応聞いておくけど…どうしてわかったんだ?」

 

 

「理由は3つある…1つ、お前は以前、ハノイの騎士とのデュエルでデータストームに巻き込まれていた、その時にサイバースのリンクモンスターを手にいれていた可能性が高い」

 

「2つ、お前は俺と同じくサイバースを使用していた…だから俺と同じリンクモンスターを使ってもおかしくはない」

 

「そして、3つ目…お前は俺がエンコードトーカーを召喚した時、そこまで大きな反応を見せなかった…まるでエンコードトーカーについて最初から知っていたかのようにな…だから、お前もエンコードトーカーを持っている可能性が高いと考えた」

 

「…なるほど、さすがはplaymakerってところかな?」

 

まさか、今のデュエルの情報からそこまで考えているとは……相手のわずかな反応も見逃さない、これがplaymakerか…!

 

「良いね!ワクワクしてきたよ!さぁ、続けようか!俺はセッティング済みのペンデュラムスケールでペンデュラム召喚!再び現れろ!オッドアイズ・ファントム・ドラゴン!!」

 

オッドアイズ・ファントム・ドラゴン攻撃表示(ATK2500)

 

現れた幻影の竜が咆哮を上げる、その咆哮はいつもよりも大きく、まるで俺の心に呼応しているようだった。

 

「ははっ、オッドアイズも気合いが入ってるみたいだね!それじゃあいくよ!俺はオッドアイズ・ファントム・ドラゴンでフレイムアドミニスターに攻撃!夢幻のスパイラルフレイム!!」

 

これが決まれば俺の勝ちだけど、playmakerが何の対策もしていないわけがない…さぁ、どうくる?

 

「ただで通すわけにはいかない!罠発動、破壊輪!このカードの効果でフィールド上のモンスターを1体を破壊し、破壊したモンスターの攻撃力分のダメージをお互いに受ける!俺はトライゲートウィザードを破壊する!」

 

「なっ…!?」

 

破壊輪だって?しかもこの効果ってエラッタされる前の効果じゃないか……何でエラッタされる前のカードがあるんだ?

 

ーーーーーーーーいや、今はそれよりも…

 

「引き分け狙いってわけか…」

 

「今の状況では引き分けに持ち込むしかないからな」

 

「……次は勝たせてもらうよ!playmaker!」

 

「…望むところだ」

 

playmakerがそう言い終えると同時に、すさまじい爆発音が響き、俺達はその爆風に吹き飛ばされた。

 

「ぐっ、ぐわぁぁぁぁ!!」

 

「うわぁぁぁぁ!!」

 

playmaker LP700→LP0

 

Phantom LP2050→LP0

 

/////////////

 

 

「…ふぅ、強かったなplaymaker…」

 

playmakerとのデュエルに決着が着いた後、またデュエルをしようとplaymakerと約束し、近くの建物に降りたっていた。

 

それにしても…まさか、エラッタ前の破壊輪を使われるとは思わなかったな…この世界の破壊輪はエラッタ前の効果なのか?

 

「あ、侑哉!」

 

俺がそんなことを思っていると、俺に駆け寄ってくるブルーエンジェルの姿が目に入った。

 

「葵……playmakerは強かったよ、まぁ、楽しいデュエルだったけどね!」

 

本当にplaymakerは強かった、というより皆強いんだよな…葵もGo鬼塚も。

 

まぁ、だからこそワクワクするんだけどさ…

 

「そう?実質、playmakerの負けだと思うけど」

 

「え、なんで?」

 

俺は葵の言葉にそう質問する。

 

というか、若干棘がある言い方に聞こえたのは俺の気のせいか?

 

「だって、あの状況じゃplaymakerは引き分けに持ち込むのがやっとって感じに見えたし…だから、実質、侑哉の勝ちだと思う」

 

「そ、そうか?まぁ、だとしてもちゃんと決着は着けるつもりだよ…」

 

「大丈夫、侑哉の手を患わせなくても私がplaymakerを倒すから…」

 

「葵…?」

 

何か様子が変じゃないか?あの時も様子が変だったし…やっぱり何かあったのか?

 

「あのさ、葵…」

 

「どうかしたの?」

 

「何かあったのか?デュエル中、お前と目が合った時も何か様子が変だったし…俺で良ければ相談に乗るけど」

 

「…ふふっ!心配してくれてるの?」

 

「そりゃあね…で、どうなんだ?」

 

俺がそう尋ねると、葵は悪戯っぽい笑みを浮かべて

 

「大丈夫!心配してくれてありがとう、侑哉…」

 

と言った。

 

「そっか、なら良いんだけどさ……それじゃあ、そろそろログアウトしようか!」

 

「そうしよっか!それじゃあまた明日…侑哉!」

 

「うん…また明日!」

 

俺と葵はそう言葉を交わして、ログアウトした。

 

とりあえず、葵が元気そうで良かった……俺の考えすぎだったか?

 

俺はそんなことを思いながら意識を手放した。

 

 

 

 




といった感じの第17話でした!
次回はUA3万突破記念の話しを書くつもりです!まぁ、どんな話しにするかはまだ決まっていませんが…ある程度候補はあるのでその中から書こうと思います!

それでは今回はここまで!ここまでの拝読ありがとうございます!




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