遊戯王VRAINS 幻影の咆哮~青き天使との日常~ 作:kajoker
今回はちょっとした日常会です。
何気に初対面なあの人と、侑哉君が会います!
それでは本編をどうぞ!
「ふぅ、何か緊張するな…」
俺は喫茶店の前で誰にも聞こえないぐらいの声でそう呟く。
今日、俺がここに来たのはある人から連絡を受けたからだ…その連絡をしてきた人物が人物なだけにこんなふぅに緊張しているわけなんだけど。
「とりあえず、中に入るか…」
俺はそう言って、喫茶店の中に入っていった。
「さてと、どこに居るんだ?」
俺は喫茶店に入るなり、辺りを見渡し、俺に連絡をしてきた人物を探した。
そうして、しばらく探していると奥の席にコーヒーを口にしている人物が目に入った。
「…あ、どうも一応初めましてですかね?」
「そうだな、連絡をした時に顔を合わせてはいるがこうして直接会うのは初めてだろう…今日はよく来てくれたね、侑哉君」
「はい、それで話しって何ですか?晃さん…」
そう、今日俺をここに呼んだのは葵のお兄さんである財前晃、その人だ。
今日の朝方に急に連絡が来て、話しがあると言われてここに来ることになったんだけど…やっぱり、何か緊張するんだよな。
「まぁ、そんなに畏まらなくても大丈夫だ…楽にしてくれ」
「は、はぁ…わかりました」
晃さんに楽にするように促され、少し体の緊張を解いた。
「今日、君をここに呼んだのは特に深い理由はない…単純に君と一度話しをしたくてね」
「え…?」
晃さんの答えに思わずそう聞き返す。
「もちろん、それだけではないさ…君にお礼を言いたいという、理由もある」
「俺はお礼を言われるようなことはしてない気がしますけど…」
「…葵を救ってくれたじゃないか、それも自らの危険も省みずに…だからこそ、お礼を言わせて欲しい、葵を救ってくれてありがとう…!」
なるほど、晃さんがお礼を言いたかったことはあの時のことか。
「単純に葵を助けたかっただけですよ…それに結局は葵に助けられましたし、むしろお礼を言うのはこっちの方ですよ」
「そんなことはない!君が葵を助けてくれなければ、今頃、葵はどうなっていたかわからない…君は自分を過小評価しすぎだ」
俺の返答にそう返す晃さんの様子は真剣そのもので心からそう思っていることが伝わってきた。
「…ありがとうございます、そう言って貰えると気が楽になります」
「私だけではない、葵も同じことを思っているはずだ」
「そう、ですか…それならすごく嬉しいな」
ふと、葵の顔が頭に浮かぶ。
それだけでなんだか笑みが零れてくる…そういえば、葵とのデートについてちゃんと考えないとな、葵はどういうデートなら喜んでくれるだろうか。
「今、葵のことを考えていたね」
俺が葵とのデートについて考えていると、晃さんが少し微笑ましそうにそう言った。
「え…?何でわかったんですか?」
「葵が君のことを考えている時と同じ顔をしていたからだ…安心したよ、君は本当に葵のことを愛してくれているようだ」
そう言って、晃さんは笑みを浮かべた。
「ははっ、何か照れますね…」
「…ところで式はいつ頃挙げるつもりだい?私もできる限りは協力するが?」
「待ってください!いきなり話しが飛びすぎです!」
「今の内に将来設計について考えておくに越したことはないぞ?」
「いやいや、俺達はまだ高校生ですし…それにそういうことはもう少し、大人になってからちゃんと考えたいと言いますか…」
しどろもどろになりながら、そう話す俺に晃さんが楽しげに笑った。
「冗談だ、まぁ君が葵と式挙げるつもりならできる限り協力するというのは本当だが」
「ははっ、ありがとうございます……そういえば、晃さんが俺を呼んだ他の理由は何ですか?」
「…?どうして、そんなことを聞くんだい?」
「あぁ、いや…もしかして俺を呼んだ理由は他にもあるんじゃないかなって…」
正直、今のタイミングで聞くべき内容ではない気がしたが、どうにも気になった。
俺がそう尋ねると、晃さんは少し考えるようにしてから口を開いた。
「どうやら、君に隠し事はできないようだ…さっき言った理由ももちろん本当だが、他にも理由がある」
「それは…?」
「…葵から10年前の事件について聞かれてね、その話しの通りなら、10年前の事件にSOLテクノロジーが関係していることになる…もし、その事件にSOLテクノロジーが関係しているのであれば、私はそれを見過ごすわけにはいかない」
「なるほど…」
葵から10年前の事件にSOLテクノロジーが関係しているかもしれないってことを聞いたのか。
そういえば、葵は花恋が俺のデュエルディスクに仕込んでいた小型カメラを通してあのデュエルを見ていたんだったな。
まぁ、花恋が俺のディスクに小型カメラを仕込んでいたことはかなり衝撃的だったけど、結果的には情報が伝わったわけだから良かったのかな?
「だから、私は10年前の事件について調べようと思っている…ちょうどそういう事に関心がある協力者も居るからね」
協力者…?一体どんな人なんだ…まぁ、今は聞かなくても良いか。
「…ところで侑哉君、君は10年前の事件について調べようと思っているのか?」
「…はい、知りたいことがあるので」
リボルバーは10年前の事件に俺も無関係とは言い難いかもしれないと言っていた…それに、俺の身の安全の為にも詳しく事情は話せないとも言っていた。
俺の持つリンクアクセスの力、それが一体何なのか…それを俺は知りたい。
「そうか…だが、無茶はしないでほしい、君が居なくなったら今度こそ葵は立ち直れなくなってしまう…危険だと判断したらすぐに手を引くんだ、良いね?」
「…はい、わかりました…約束はできませんが努力はします」
「あぁ、頼む……君が意識を失っていた時の葵は見ていられなかった、その時の葵はまるでこの世界に絶望しているかのようだった、この世界で生きる意味を失っているそんな顔をしていた」
晃さんは、とても辛そうな表情をしながらそう言った。
その言葉に、胸が痛くなる……実際、葵にはかなり心配をかけちゃったからな…もし、俺が葵の立場だったら同じような気持ちになるだろうし。
「…葵の中で君はそれほど大きな存在になっているんだ、だから無茶はしないでくれ」
「…はい」
念を押すように晃さんにそう言われて、そう答えた。
「さて、この話しはここまでにするとして…君の話しを聞かせてくれ、未来の義弟について色々と知っておきたいからね」
「義弟!?いや、確かに葵と結婚すればそうなりますけど…うーん、参ったなぁ…」
晃さん、いくらなんでも気が早すぎやしないだろうか…そう口にしたいのをぐっとこらえ、ふと考える。
でも、これってある意味、親公認みたいなものなんじゃないだろうか…それならむしろ喜ばしいことだよな。
うん、そうだよな!
「…まぁ、俺の話しで良ければお話ししますよ」
「ありがとう」
そう言って、晃さんは笑みを浮かべた。
その後、俺の好きなものや趣味といった他愛のない会話を交わしながら、時間が過ぎていった。
/////////////////
「…ここか」
晃さんとの話しが終わり、playmakerに来るように言われた場所でそう呟く。
その場所は草薙さんのホットドッグの店で、正直、驚いている。
「…来たか」
「あれ?遊作…今日も草薙さんの店に来てたのか」
「…付いてこい」
「あ、あぁわかった」
遊作に付いてくるよう促され、その後に続く。
そして、そのまま遊作に付いていくと草薙さんの店の中に入っていった。
「よっ、神薙!」
「草薙さん!?いや、草薙さんが居ること自体はおかしくないんですけど…ここって本当にホットドッグの店の中なんですか?」
店の中に入ると、何やら色んな機器が並んでいて、とてもじゃないがホットドッグを売っている店の中だとは思えなかった。
「まぁ、確かにそういう反応になるのも無理はないな…それにしても驚いたぞ…まさか遊作が、ここにお前を連れてくるとはな」
どういう心境の変化だ?と、草薙さんは付け足して遊作の方を見た。
「別に深い意味はない、こいつに正体を明かした方が協力を仰ぎやすい…そう考えただけだ」
「協力、か…そんな言葉が出る時点で心境が変化してるじゃないか」
「あの~、とりあえず話しが見えないんだけど…playmakerの正体は遊作ってことで良いのか?」
話しがあまりに見えなくて、そう口にする。
実際、こうして目の前に居る時点で遊作が正体を明かしてくれているも同然だ。
「あぁ、そういうことだ…これからお前に協力を仰ぐときはこっちから連絡する」
「お、おう…そういえば、どうして俺に正体を明かしてくれたんだ?協力を仰ぐ為とはいえリスクも高そうなんだけど…」
「…確かに、リスクもあるがお前ほどのデュエリストを味方にできるのは大きいからな…それに」
「それに?」
「……いや、何でもない」
「…?まぁ、言いにくいなら別に言わなくても良いけどさ」
歯切れが悪そうな遊作にそう言葉を掛ける。
「…さて、情報交換でもしようか…俺も色々と聞きたいこともあるし」
「そうだな」
そうして、お互いの知っている情報や経験したことについて、話しあった。
「…なるほど、データストームの声を聞き、その中に潜むモンスターと心を通わすことのできる能力…それがリンクアクセスか」
『なるほどな、だからストームアクセスのスキルがなくてもデータストームからカードを入手できたのか』
「おわっ!急に出てくるなよ…びっくりしたじゃないか…って、Aiにいつの間にか体ができてるんだけど」
『この前、リボルバーの腕を喰った時にデータが戻ってきたからな、どうだ?カッコいいだろ』
「う、うん…まぁな」
遊作のデュエルディスクの上で色んなポーズをとっているAiに思わず苦笑しながらそう呟く。
本当にAIなのに感情が豊かだな…これが意思を持ったAIってことなのか?
まぁ、ハノイの騎士が狙っているわけだしただのAIなわけないか。
「…そういえば、遊作の持っているリンクセンスだっけ?それってリボルバーも持ってるのか?」
「それはわからない…だが、リボルバーもストームアクセスを使うことができる…それは間違いない」
「そっか…まだまだ謎は多そうだな」
「そうだな…」
お互いに情報交換をして、わかったこともあったけど、まだまだわからないことが多いな。
リボルバーがもう少し色々と教えてくれれば良いんだけど…そうはいかないよな。
それに、遊作も自分の過去については話してくれなかったからな…まぁ、まだ話したくないってことかな。
「まぁ、地道に情報を集めていくしかないか…草薙さん、Aiの中にあったプログラムってどんな感じだったんですか?」
「それが、そのプログラムは特殊なアルゴリズムで構成されていてな…俺達には解読できなかった」
「なるほど…花恋に頼めば何かわかるかもしれないけど、そのプログラムを見ている途中にハノイの騎士に俺達の居場所がバレてもまずいよな…」
前はそのせいでリボルバーに場所がバレそうになったらしいからな。
それになにより花恋まで危険にさらすことになるかもしれないし…うーん、参ったな。
「ダメだ!花恋さんを危険にさらすわけにはいかない!」
「草薙さんの言う通りだ、花恋さんを巻き込むわけにはいかない」
「お、おう…俺も花恋を巻き込むわけにはいかないとは思ってるよ」
すごい剣幕で二人にそう言われ、思わずたじろぐ。
まさか、二人して花恋を巻き込むわけにはいかないと言うなんてな…うん?待てよ…
「…あのさ、俺を巻き込むのは良いのか?」
「あぁ、お前なら簡単にはくたばらないだろうしな」
「え…?」
何か俺の扱いがひどい気がするんだけど…
「ははっ、神薙…悪く思わないでやってくれ、こう言ってはいるが遊作はお前のことを信用しているからこそ、ここに連れてきたんだ」
「そうなのか?」
「………」
俺が遊作の方を見ながら尋ねると、遊作は黙ったまま視線を逸らしてしまった。
これは、肯定と捉えて良いのかな?
「…ありがとうな遊作、俺のことを信用してくれて」
「…気にするな、お前に協力を求めるのは俺の為でもある」
「あぁ、わかった…」
やれやれ、素直じゃないんだから…まぁ、急に遊作が素直になったら、それはそれでちょっと心配になるけどな。
俺はそんなことを思いながら、1日を終えた。
といった感じの第31話でした!
最近、閃刀姫デッキを組むためにカードを集めているんですが、なかなか欲しいカードが当たらず苦戦している今日この頃です。
いっそのことシングル買いしてデッキを組みましょうかね。
それでは今回はここまで!ここまでの拝読、ありがとうございます!