遊戯王VRAINS 幻影の咆哮~青き天使との日常~ 作:kajoker
今回の話しの時間軸的には、鬼塚さんとドクターゲノムのデュエルが終わって、ハノイの騎士が大量にLINK VRAINSに現れだしたぐらいです。
それでは、本編をどうぞ!
「……あれ?ここ、どこだ?」
意識が覚醒すると同時に、辺りにたくさんの自然がある、のどかな場所が目に映る。
ちょっと待ってくれ…状況が呑み込めないんだけど。
確か、俺は…最近、よく出てくるハノイの騎士をいつも通り倒しに行こうとして、LINK VRAINSに行ったはずなんだけど。
「LINK VRAINSにこんな場所あったか?」
『マスター?どうかなさいましたか……って、ここどこですか!?』
デュエルディスクから姿を現した、レイは俺と同じような反応をする。
「俺にもわからない…とりあえず、ログアウトしてみるか…」
そう言って、俺はいつも通りログアウトの操作を進めた。
「嘘だろ…!ログアウトできないぞ…どこのVRMMOだよ…」
『そんな!?私も試してみます!……どうしましょう?マスターの言う通り、ログアウトできません!』
「これは、どういうことなんだ?また異世界に来ちゃったのか?」
『…ダメです、花恋さんにも連絡がつきません…』
「そっか…さて、どうしたもんかな」
花恋に連絡が繋がらないとなると本格的に帰る方法がないぞ…しかも、連絡が繋がらないってことはここはネットワークから切り離されている可能性が高いな。
多分、ログアウトできないのもそれが原因だ。
まぁ、俺達が知らないまったく別の世界に来た可能性もあるけど。
前に誠の世界に行った時は普通に連絡できたけど、それは花恋のアシストがあったからだしな…今の状況じゃ花恋に頼ることもできない。
「とりあえず、他に人がいないか探すか…」
『そうですね、まずはここがどこなのか把握しないと』
「そうだな」
俺はレイにそう返して、歩き始めた。
「それにしても、のどかな場所だな…こういうところで昼寝をしたら気持ちよさそうだ」
『そうですね…あれ?見てください!マスター!何か小さい生物がこっちに向かってきます!』
「本当だ…うん?あの生物どこかで見たことがあるような…」
そう言って、俺が視線を移すとその生物は俺達のところにとことこと歩いてくる。
「クリクリンク~!」
「おぉ!どこかで見たことあると思ったらクリボーに似てるな!色からしてリンクモンスターっぽいし、リンクモンスターのクリボーなのかもしれないな」
「クリクリンク!」
「へぇ~、お前リンクリボーって言うのか!俺はPhantom、よろしくな!リンクリボー!」
「クリクリンク~!」
『あのー、マスター?自然に会話してますけど…リンクリボーさんの言葉がわかるんですか?』
レイが少し驚いた様子で、俺にそう質問する。
「もしかして、レイはリンクリボーの言葉がわからないのか?」
『わかりませんよ!そんな驚いたような顔で、言わないでください!』
「クリ!?」
『リンクリボーさんまで!?これは私がおかしいんですか?』
レイが若干涙目になりながら、そう口にする。
さすがに、これ以上はかわいそうだな。
「ごめんごめん…多分、俺がリンクリボーの言葉がわかるのはリンクアクセスの影響だと思う…だから、普通は言葉はわからないと思う」
『な、なるほど…私がおかしいわけじゃなかったんですね…安心しました』
レイはホッとした様子で、そう呟いた。
「…さて、人ではないけど一応この世界について知ってそうな奴に会えたし、ここがどこか聞いてみるか」
『そうですね…といってもマスターしかリンクリボーさんの言葉を理解できる人はいませんけど…』
「ははっ、確かにね…さて、リンクリボー、ここがどこか教えてくれないか?実は、俺達、気付いたらここにいてさ…右も左もわからなくて困ってるんだ」
リンクリボーと視線が合うように体勢を低くし、そう尋ねる。
…それにしても、今の俺って他の人から見たら変な人に見えそうだな。
まぁ、今はそんなことは良いか。
「クリ、クリクリ!クリクリンク!」
「え…!?それって本当なのか?」
「クリ~!クリクリンク?」
「あぁ、頼むよ…」
俺がそう言うと、リンクリボーは嬉しそうな様子で歩き始めた。
そして、俺もリンクリボーの後に続いた。
『えっと…マスター、リンクリボーさんは何て言ってたんですか?』
「…ここはサイバース世界らしい…」
『サイバース世界!?本当なんですか?それ…』
「俺も信じられないよ…でも、リンクリボーは確かにそう言ってた」
実際、リンクリボーが嘘をつく理由もないだろうし多分、ここがサイバース世界なのは本当なんだろう。
でも、何で俺達はサイバース世界に来たんだ?
これもリンクアクセスの影響なのか?
「…とりあえず、リンクリボーがサイバース世界を案内してくれるらしいから、付いて行こう!」
『そうですね!サイバース世界がどんなところなのか気になりますし!』
「あぁ、そうだな!」
俺とレイはそんな会話を交わしながら、リンクリボーの後に続いた。
まだまだわからないことだらけだけど、とにかく今はサイバース世界について知ることが先だな。
俺はそんなことを考えながら、歩き続けた。
//////////////
「ホーリーエンジェルでダイレクトアタック!」
ホーリーエンジェルの攻撃によりハノイの騎士のライフが0になった。
「…おかしい、何で侑哉が居ないの?」
ハノイの騎士がLINK VRAINSで暴れているのに、侑哉が居ないのはおかしい…だって、今まで侑哉はハノイの騎士が現れたら絶対に来ていたはずなのに。
「…ログアウトして、花恋さんに聞いてみるしかないわね」
私はそう考えて、ログアウトした。
「…さて、花恋さんに連絡しないと」
私はそう呟きながら、花恋さんに連絡した。
『葵ちゃん?どうかしたの?』
「花恋さん、侑哉に何かあったんですか?」
『え!?LINK VRAINSに行ったんじゃないの?』
花恋さんは驚いた様子でそう口にする。
でも、驚いたのは花恋さんだけじゃなく私もだった。
「LINK VRAINSには居なかったんです…だから、侑哉に何かあったんじゃないかと思って花恋さんに連絡したんです」
『そうだったの…ちょっと待ってて!侑哉の様子を見てくるわ!』
「はい!私も今から、そっちに向かいます!」
『わかったわ!それじゃあまた後でね!』
花恋さんはそう言って、通話を終了した。
「…よし、行こう!」
そう口にして私は出かける準備をして、侑哉の家に向かった。
/////////////
「花恋さん!侑哉は?」
「葵ちゃん…良いところに来たわね、着いてきて」
私が家に入ると花恋さんが私を出迎えてくれた。
ただ、その表情はとても暗くて、侑哉に何かあったことはすぐにわかった。
「はい……あ、あの…侑哉はどういう状況なんですか?」
「…侑哉がどこかにログインしているのは間違いないわ…ただ、侑哉のデュエルディスクの位置を調べてみても侑哉が今、どこに居るのかはわからなかったの」
「そんな…!」
花恋さんの話しを聞いて、思わずそんな声を上げる。
そして、話しをしている内に侑哉の部屋に辿り着いた。
部屋に入ると、目に入ってきたのはデュエルディスクをしながらベッドで眠っている侑哉の姿。
「侑哉…!」
その姿を見て、すぐさま侑哉に駆け寄る。
だけど、近くで何度か声を掛けてみたり、体を揺すってもまったく反応がなかった。
「…言ったでしょ、侑哉はどこかにログインしてるって…」
「…でも、一体どこに?」
「考えられる可能性としては、侑哉もアナザーになってしまったということが考えられるわ…ただ、侑哉がハノイの騎士にそう簡単にやられるとは思えないけど…」
「侑哉がアナザーに…」
確かに、今の侑哉の状態はアナザーになってしまった人達に似ている。
私も侑哉がハノイの騎士にそう簡単にやられるとは思えないけど、ふいをつかれたり、誰かを人質にされて、やられてしまった可能性も充分に考えられる。
…なら、私のやるべきことは1つ。
「…花恋さん、アナザー事件の首謀者について調べてもらえることはできますか?」
「えっ?まぁ、少し時間は掛かるけど可能だと思うわ…それよりも葵ちゃん、まさかとは思うけど首謀者を見つけたら、その人物にデュエルでも挑むつもり?」
「…それはわかりませんけど、それ相応の報いを受けさせるつもりです」
「…怖っ!ちょっと葵ちゃん…侑哉が心配なのはわかるけど、一旦落ち着いて!まだ、ハノイの仕業と決まったわけじゃないのよ?」
花恋さんが慌てたような様子でそう口にする。
それにしても、心外ね…怖いなんて言われるほどのことは言ってないのに。
「…はぁ、わかったわ…とりあえず、アナザー事件の首謀者はこっちで調べてみるわ」
「はい、お願いします!何かわかったら連絡をください!」
「任せておきなさい!…正直、葵ちゃんは怒らせたら怖いし…」
「…?花恋さん、どうかしたんですか?」
「ううん!何でもないわ!とにかくこっちは任せておいて、葵ちゃんは家に帰った方が良いわよ」
「あの、そのことなんですが…しばらくここに泊まっても良いですか?」
「それは構わないけど、大丈夫なの?」
花恋さんは少し心配そうな表情をしながら、私にそう尋ねる。
「大丈夫です!着替えは今から取りにいきますし、兄さんからは侑哉の家なら泊まっても良いって言われてますから!」
「…何というか、親公認みたいな感じなのね、侑哉と葵ちゃんは……もう結婚すれば良いんじゃない?」
「け、結婚!?それは、いつかそうしたいとは思ってますけど…その、まだ、私達は学生だし…そういうことはまだ早いと言うか何と言うか…」
花恋さんの言葉に、思わずタジタジになりながらそう答える。
「ふふっ!わかったわ…さ、早く着替えを取りに行った方が良いわよ」
「は、はい…」
私はそう言って、恥ずかしさをごまかすように自分の家に向かった。
「本当に侑哉のことになるとおっかなくなるんだから…逆に侑哉との関係について何か言うと、顔が赤くなるし…葵ちゃんにとっては侑哉が一番なのね」
「…って、それは私やレイちゃんも同じか…やれやれこれだけ多くの女の子に大事に思われてるなんて、侑哉は幸せ者よ…本当に」
「…さて、早いとこ侑哉を助ける方法を見つけないとね!」
眠っている侑哉と自分以外に誰もいなくなった部屋で花恋はそう呟きながら、アナザー事件の首謀者について調べ始めた。
といった感じの第38話でした!
サイバース世界に迷いこんでしまった侑哉と、アナザー事件の首謀者を探す葵と花恋…果たして、どうなるのか?
そういえば、もうすぐソウルフュージョンが発売されますね、サイバースクロックドラゴンにサラマングレイトのカード…発売されるのが、今からとても楽しみです!
それでは、今回はここまで!ここまでの拝読ありがとうございます!