遊戯王VRAINS 幻影の咆哮~青き天使との日常~   作:kajoker

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第4話です。
ついに、UAが3500を突破しました!これもこの小説を読んでくださっているみなさんのおかげです!そういったこともありテンションがハイな状態で書きましたのでおかしなところもあるかもしれませんが、楽しんでいただければ幸いです!

では、本編をどうぞ!



第4話 侑哉と葵

「ふぅ、終わった…」

 

授業がすべて終わり、今日も今日とでデュエル部の部室へと向かう。

 

俺と葵がデュエル部を設立して、なんだかんだで1週間が経った、今のところ、俺と葵、そして葉山さんの3人がデュエル部の部員だ。

 

「さてと、財前さんを誘って、デュエル部に行くか…」

 

俺はそう呟いて、隣の葵へと声を掛けた。

 

「財前さん、デュエル部に行こうぜ」

 

「え、あ、うん…」

 

「どうかした?元気なさそうだけど…」

 

「ちょっとね…さ、行きましょう」

 

「あ、あぁ…」

 

明らかに元気がなさそうな葵と一緒に教室を出た。

 

でも、このまま葵をほっとけるわけがなく、意を決して葵へと声を掛けた。

 

「なぁ、財前さん…俺で良ければ相談に乗るけど?」

 

「え…?」

 

「ほら、一人で溜め込むよりは誰かに話す方が気が楽になるかもしれないしさ」

 

実際、悩み事は誰かに話した方が気が楽になる、それは俺も経験したことあるから間違いない。

 

まぁ、俺が基準なのもおかしな話しだけどな

 

「そうね、そうする…今日、私に話しかけてきた人達がいたでしょ」

 

「そういえば、色んな人達に声掛けられてたな、財前さん…」

 

「その人達が話しかけてきた理由がね、新型デュエルディスクを優先的に回してほしいとか、SOLテクノロジー社に推薦してほしいとかそんなのばかりで…」

 

そう話しをする葵は見るからに気持ちが沈んでいるのがわかった。

 

そりゃそうだよな、自分に話しかけてきた人達がほとんどそういう目的で話しかけてきたら、テンション下がるよな……うん?

 

「ちょっと待って、なんでそんな話しが財前さんに関係あるんだ?」

 

「私の兄さんがSOLテクノロジー社のセキュリティ部門の部長をやってるから…って、神薙君知らなかったの?」

 

「全くもって知らなかった、財前さんに兄さんがいることは知ってたけど…」

 

キャラクター紹介で葵に兄さんがいることは知ってたけど、詳しくは見てなかったし、葵からもそんなことは聞いてないしな…

 

「そ、そうなの…これじゃあ、私がバカみたい…」

 

「どういうこと?」

 

「もしかしたら、神薙君もそういう目的で私に声を掛けたのかなって…そんなわけないのにね…」

 

少し、自嘲気味に笑いながら葵はそう言った。

 

「それで、そんな風に思った自分に自己嫌悪して、勝手に落ちこんで…本当にバカみたい…」

 

「そうでもないさ、実際、そんな風になったら他人を信じられないのも無理ないって…俺も人間の醜さをまざまざと見せつけられた気分だし…」

 

ーーーーーただ、ひとつだけ言わせてもらうと

 

俺は最後にそう付け足して、言葉を紡ぐ。

 

「俺は財前さんの兄さんが偉い人だからって見方を変えたり、接し方を変えたりなんかしないよ…だって、財前さんは財前さんだろ?」

 

「うん、そうだよね…ありがとう神薙君」

 

「それにさ、俺は財前 葵っていう一人の女の子を好きになったんだからさ…」

 

「……へっ!?え、えっとそれってどういう?」

 

俺がそう言い終わると葵がなぜか、あたふたしながら俺に声を掛けた。

 

なんか、変なこと言ったかな…俺

 

「財前 葵っていう一人の人間として好きだってこと」

 

「あ、ありがとう…」

 

葵は頬を少し朱色にそめながら、そんなことを言った。

 

その姿が可愛くて、思わずからかってしまいそうになったが、やめておいた。

 

だって、今はこれで充分かな…なんて思ったから。

 

「それじゃ、財前さん、今日も張り切ってデュエル部に行こうぜ!」

 

「………葵」

 

「ん?」

 

「だから、葵…私のことは葵って呼んで!」

 

「はい?」

 

思わずそう聞き返した、だって名前で呼んでほしいなんて言われるとは思ってなかったから…

 

「何度も言わせないでよ…!」

 

「…わかった、じゃあ、そっちも俺のことは侑哉で」

 

「うん、改めてよろしくね…ゆ、侑哉」

 

「こっちこそ、あ、葵…」

 

いざ、名前を口にすると顔が熱くなってくる、やっぱ実際に名前で呼ぶと恥ずかしさが増してくるな…

 

「これは、思ったより照れるな…」

 

「そうね…私も兄さん以外の男の子から名前で呼ばれたことなんてなかったし…」

 

「そうなのか…それはちょっと嬉しいな」

 

「何が?」

 

「う~ん、内緒だ…さ、早く行こうぜ、葵」

 

「そうね、早く行きましょうか…侑哉」

 

そんな会話を交わしながら俺達はデュエル部の部室へと歩を進めた。

 

/////////////

 

 

「それじゃ、また明日な!葵」

 

「また明日、侑哉!」

 

デュエル部の活動が終わり、侑哉と共に帰路へと着いて、別れの挨拶を交わした。

 

本当はまだ離れたくなんかない、侑哉ともっと一緒に居たい、でも侑哉にも用事があるだろうし、そういうわけにもいかない。

 

「はぁ、最近なんだかおかしいな、私…」

 

暇さえあれば、侑哉のことばかりを考えてる、会えない時間が寂しくてしょうがない。

 

多分、こういうのを恋って言うんだろうな…

 

学校で同じクラスになって初めて出会ったはずなのになぜか、初めて会った気がしなくて…

 

うんうん、実際初めて会ったわけじゃない。

 

多分、Phantomの正体は侑哉だ…だって、言動とか性格とかまるで一緒だもん…それに、デュエルを心から楽しんでいる姿も…

 

といっても気づく人はLINK VRAINSで彼に関わった人だけだと思うけど。

 

もしかして、葉山さんも侑哉の正体に気づいて…?

 

だとしたら、彼女が私にとっては一番の敵だ。

 

それでも、負けるわけにはいかない…

 

でも、今はそれよりも…

 

「また明日、侑哉に会えるの、楽しみだなぁ…」

 

明日なんて、言わずに、今すぐ会いに行こうか?

 

「さすがに、それは難しいかな…?」

 

そうなったら、私が自分の気持ちを抑えきれないし…

 

家に帰ったら電話してみようかな?それぐらいなら大丈夫そうだし…

 

うん、そうしよう!電話なら侑哉の顔を見ながら話せるし

 

「でも、どんな話しをすれば良いのかしら?侑哉が喜びそうな話し………デュエルしか思い浮かばないわね」

 

でも、侑哉のことだからデュエルの話しじゃなくても聞いてくれるんだろうな…

 

それなら、私が侑哉と話したいことを話そう。

 

「なんだか、楽しみになってきた!早く家に帰ろう」

 

侑哉は私との会話を楽しんでくれるかな?もっと話していたいって思ってくれるかな?

 

私はそんなことを思いながら、家へと早足で駆けていった。

 

 

//////////////

 

「うん?」

 

家に帰って、デッキを編成していると携帯が鳴り始めた。

 

誰だ?え~っと着信者は…あ、葵!?

 

着信者を確認し、すぐさま、電話に出る。

 

すると、画面に少し気恥ずかしそうにしている葵が映った。

 

『ねぇ、今大丈夫?』

 

「大丈夫だよ、デッキ編成してただけだから」

 

『帰って、すぐにデッキ編成なんて、さすがは侑哉ね』

 

「それは、誉めてるのか?」

 

それにしても、まさか葵の方から電話がかかってくるなんてな…正直、嬉しいな…

 

電話番号を交換してはいたけど、デュエル部の活動以外のことで電話はしたことがなかったからな。

 

「そういえば、葵の方から電話してくるなんて珍しいな…何か用事か?」

 

『用事がないと、連絡しちゃダメなの?』

 

「あ、葵…?」

 

上目遣いをしながら、そう言う葵に思わず動悸が跳ね上がる。

 

「ダメじゃないって、むしろそっちから連絡してくれるならいつでも大歓迎さ!まぁ、さすがに寝てる時に電話されるのは困るけど」

 

『ふふっ、さすがにそんな非常識なことはしないわよ…でも、良かった…これでダメだって言われたらしばらく立ち直れなかったわ…』

 

「そんなに!?まぁ、俺も葵の立場だったら結構へこむしな…」

 

実際、そうなったら…なんてことは想像したくもないな。

 

『落ち込んでいる侑哉か……一度見てみたいわね』

 

「待って、わざとへこまそうとしないでくれよ?葵…」

 

『しないわよ、そんなこと…ふふっ!』

 

「なら、いいけどさ…」

 

葵と、こんな風に電話でやりとりするのが楽しくて、ずっと話していたい…そんなふうに思わずにはいられなかった。

 

葵がそう思ってくれてるかはわからないけど…

 

そんなことを思いながら、俺は葵と他愛ない会話を続け、気がつけば1時間ほどが経っていた。

 

「もう、こんな時間か…楽しい時間ってあっという間に過ぎるって聞くけど本当だな」

 

『本当ね、もう…こんな時間…』

 

そう呟く、葵はどこか寂しそうだった。

 

俺ともっと話していたいって思ってくれてるんだろうか?だとしたら、嬉しいけど…

 

さすがに、それはうぬぼれすぎだよな。

 

「そろそろ、夕飯の時間だな…」

 

『そうね、本当はもっと話していたいけど、しょうがないわね…』

 

「だな…」

 

『ねぇ、侑哉…またこんなふうに電話しても良い?』

 

「言ったろ?大歓迎だってさ!まぁ気が向いたらいつでも連絡くれよ、葵と話すのは楽しいしさ!」

 

『ありがとう、侑哉…』

 

葵は心の底から安心したような表情を浮かべ、そう呟いた。

 

「良いよ、別に…それじゃ、また明日な!葵!」

 

『また明日!侑哉!』

 

笑顔でそう言う葵を見ながら、俺は葵との通話を終えた。

 

「へぇ~、侑哉にこんな可愛い彼女がいたなんてね~」

 

 

「ファッ!?」

 

急に後ろから響いてきた声に思わず素っ頓狂な声をあげた。

 

恐る恐る後ろを振り返ってみると栗色の長い髪をなびかせているスレンダーな美少女、俺の義理の姉である花恋が立っていた。

 

「ちょっ!いつからいたんだよ!ビックリするだろ!」

 

「さっき来たんだけど、お取り込み中みたいだったから電話が終わるまで待ってたの」

 

「さっきって、いつ?」

 

「えっと、侑哉が電話始めたあたりからかな」

 

「それって最初じゃんか!全然さっきじゃなくないか?」

 

「ほら、侑哉も言ってたじゃない、楽しい時間はあっという間に過ぎるって」

 

がっつり聞いてたよこの人!というか、1時間も気づかないって……俺、どんだけ夢中になってたんだ。

 

「で?彼女との馴れ初めは?」

 

「いや、俺と葵はそういう関係じゃないって!そういえば、義姉さんはなんで俺の部屋に?」

 

「侑哉、義姉さんじゃなくて花恋でしょ?」

 

「……花恋はなんで俺の部屋に?」

 

なぜかはわからないけど、花恋は自分のことを名前で呼んでほしくらしく、義姉さんと言うたびにこんなふうに注意される。

 

って、今はそんなことは良いか…

 

「今日の夕飯ってなにかな~って気になってね」

 

「あぁ、そういうこと…今日の夕飯は豚のしょうが焼きにしようかなって思ってるよ」

 

「味噌汁もついてる?」

 

「もちろん」

 

「そっか、今日の夕飯も楽しみだわ!侑哉の彼女についてはその時に、じっくり聞くわね!」

 

「はぁ!?ちょっと待って、まだ聞くのか?それ…」

 

俺のそんな叫びは花恋には届かなかったらしく、そのまま花恋は階段を下りて、リビングへと向かってしまった。

 

「今度から電話するときは周りに注意しないとな…」

 

俺はそう心に決めて、リビングへと歩を進めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




といった感じの第4話でした。UAが3500を突破したことを記念してなにか話を書こうと思っているので良ければご覧下さい!
それでは、今回はここまで。
ここまでの拝読ありがとうございます!
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