遊戯王VRAINS 幻影の咆哮~青き天使との日常~   作:kajoker

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第44話です!

今回はタイトルにもあるように、リンクアクセスについて明らかになります。

果たして、リンクアクセスとは何なのか?

それでは本編をどうぞ!


第44話 リンクアクセス

「葵ちゃん、侑哉の所にたどり着けたかしら…」

 

多分、サイバース世界に着いたとは思うんだけど…侑哉にそろそろ話さないといけないわね。

 

このままじゃ侑哉は何も知らずに巻き込まれることになる…それだけは避けないと。

 

でも、本当に話していいの?侑哉があの力のことを知るということは、それだけ他の人に情報が漏れる可能性が高くなるということ。

 

そうなった時、侑哉を守りきれるの?

 

「侑哉!良かった…目が覚めたのね!」

 

「あぁ、ありがとな葵…それにしても、体の節々が痛いな…レイの言う通り、思った以上にダメージを受けてるみたいだな」

 

私がそんなことを思考していると、侑哉の目が覚めたのかそんな会話が聞こえてくる。

 

「お帰りなさい、侑哉、葵ちゃん…完全に無事とは言いにくいけど、こうやって戻ってこれて良かったわ」

 

私は戻ってきた侑哉達に視線を移しながら、そう言った。

 

「花恋もありがとな、おかげで戻ってこれた…」

 

「私は何もしてないわ、侑哉が思いついた方法を試しただけよ」

 

実際、侑哉が思いついた方法のおかげで侑哉の場所を特定できた。

 

「そうだとしても、ありがとな…本当に感謝してる」

 

「…そう言ってもらえると嬉しいわね」

 

「…なぁ、花恋…一つ聞いて良いか?」

 

「良いわよ、何?」

 

「俺に何か隠してることがあるんじゃないか?もちろん、花恋が俺のことを思って隠してることはわかってるつもりだ…だけど、ここまで隠し事されるとさすがに気になってさ」

 

侑哉は遠慮がちに私にそう尋ねる。

 

多分、侑哉も私が隠し事をしているとなんとなくわかっていたのかもしれない。

 

どうすれば…本当のことを話すべき?それとも適当にはぐらかす?

 

はぐらかされても、多分、侑哉は追及はしてこないと思う…だけど、侑哉の優しさに甘えて侑哉が危険な目に遭ったら?

 

それは、絶対にダメ…なら、私は…

 

「…話したくないなら、無理には聞かないけどさ」

 

「…いや、話すわ…侑哉にいつまでも隠してるわけにもいかないし…だけど葵ちゃん、あなたは聞かない方が良いかもしれないわ」

 

「どうしてですか?」

 

「この話しを聞いてしまったら、葵ちゃんも危険な目に遭うかもしれないわ…それほどこの話しは重要な話しなの…それでも聞く?」

 

私は葵ちゃんに視線を移し、そう口にする。

 

すると、葵ちゃんは覚悟を決めたような顔をしてこう告げた。

 

「聞きたいです…それを聞けば侑哉のことをもっと守れると思いますし!それに、もし、私が危険な目に遭っても侑哉が助けてくれるって信じてるから…」

 

「葵…あぁ、お前のことは俺が守ってみせるよ!」

 

葵ちゃんの言葉に侑哉がそう返す。

 

まぁ、こうなるってなんとなくわかってたけど…侑哉と葵ちゃんは本当にお互いに信頼しあっている。

 

これなら、話しても良いかもしれないわね。

 

「わかったわ…それじゃあ着いてきて、特別な部屋に案内するわ」

 

私はそう言って、手元のボタンのスイッチを入れる。

 

すると、部屋の隅の床が開き、地下室への入り口が出現した。

 

こういう時のために用意していた特別な部屋…あの部屋なら他の人に会話を聞かれる心配はない。

 

「花恋!?こんなのいつの間に…」

 

「まぁ、細かいことは良いの!さ、着いてきて!」

 

「いや、全然細かいことじゃない気がするんだけど…」

 

侑哉の当然といえば当然の反応をスルーしつつ、私は地下室へと歩を進める。

 

そして、侑哉と葵ちゃんが私に続いて、歩き始めた。

 

 

「まぁ、色々と質問もあるだろうけど、さっそく話すわよ…」

 

「あぁ、頼む…」

 

さて、何から話そうかしら…まずはそうね…

 

「…まずは、侑哉の持つリンクアクセスの力について話そうかしら」

 

「さっそく、一番気になってる話しをするのか…」

 

「…確か、リンクアクセスの力はデータストームの声を聞き、その中に潜むモンスターと心を通わせることができる能力だったはずじゃ…」

 

葵ちゃんが考えるような仕草をしながらそう口にする。

 

そう、その通り…表向きはそういう能力ということになっている。

 

「確かにそうよ…だけど、それはあくまでリンクアクセスの力の副産物のようなものなの、リンクアクセスの本来の力はそんなレベルのものじゃないわ」

 

「リンクアクセスの本来の力?それは一体どういう力なんだ?」

 

「リンクアクセス本来の力、それは…あらゆるネットワークシステムに干渉し、それを自在に操ることができる力なの」

 

「は?ちょっと待ってくれ!あらゆるネットワークシステムに干渉し、それを自在に操ることができる力?そんなのチートじゃないか!」

 

侑哉がそんなふうに驚きの声をあげる。

 

実際、侑哉の言う通りチートという言葉が一番ふさわしい…リンクアクセスの力があれば、どんな機密情報だって手に入れられる。

 

侑哉がやったようにデータストームを操ることだってできるし、その気になればネットワーク上に存在するあらゆる情報をすべて手に入れることもできる。

 

他にもどんな強固なセキュリティですら、侑哉にとってはザルのようなものになるだろうし、挙げていけばキリがない。

 

「…だからこそ、リンクアクセスの力については絶対にバレてはいけないの…バレてしまったらハノイの騎士やSOLテクノロジーに狙われてしまう…いや、最悪の場合、世界中の色んな組織に狙われることになるわ」

 

侑哉の能力は謂わばネットワークの神とも言える能力…そんな強力な能力を欲しがる人間はごまんと居る。

 

「…なるほどな、リボルバーが俺の身の安全の為にも今は話せないって言ってたのはそういう理由だったのか」

 

「そういうことよ…もし、あの段階でリンクアクセスについて話していたら、今頃、SOLテクノロジーに情報が渡っていたかもしれないわ」

 

そうなってしまった時のことは、考えたくもない…本当に良かった、どうやらハノイの騎士の幹部達はリンクアクセスについて他言する気はないみたいね。

 

「…待って、花恋さんはどうしてリンクアクセスについてそんなに知っているの?」

 

葵ちゃんが、恐らく、多くの人が疑問に思ったであろうことを口にする。

 

「それは…私がリンクアクセスの力について研究していたからよ…」

 

「「えっ!?」」

 

私の言葉に侑哉と葵ちゃんがハモりながらそう返す。

 

「…そうね、少し昔話をしましょうか…10年前の私の物語について」

 

そう言って、私は話し始める…すべてが始まった10年前の出来事を。

 

/////////////

 

ーーーーー10年前

 

 

「おはよう!みんな!」

 

「おはよう、花恋」

 

「おはよう!」

 

当時、14歳だった私は両親と侑哉、私の4人家族で暮らしていた。

 

昔から発明が得意だったこともあって、よく思いついたものを作っていたりもしたわ。

 

しかも、その発明がすごいこともあって、周りの人は私を天才少女だとか、色々と持て囃されていた。

 

「あれ?侑哉は?」

 

「侑哉は今、花恋お姉ちゃんみたいに発明するんだって、部屋にこもってるわ…多分、そろそろ来るとは思うんだけど…あ、ほら来たわよ」

 

「花恋お姉ちゃん!見てみて!」

 

「うーん、どれどれ?わぁっ!すごいじゃない!侑哉!これってデュエルディスク?上手に出来たわね!」

 

「うん!本当のデュエルディスクとは違うかもしれないけど、頑張って作ったんだ!」

 

「さすがは侑哉ね!ご褒美にお姉ちゃんがハグしてあげる!ぎゅーっ!」

 

「えへへ、ありがとう!僕もお返しのぎゅーっ!」

 

いつものように、朝が来て、両親や侑哉に囲まれて1日を過ごす、それだけでとても幸せだった…そんな時よ、鴻上博士が私に自分の研究を手伝ってくれないかと勧誘しにきたのは。

 

//////////////

 

「鴻上博士だって!?どういうことだ?何で鴻上博士が?」

 

「多分、私の噂を聞いて来たんだと思うわ…さっきも言ったけど、当時の私は天才少女と周りから持て囃されていたから、それが鴻上博士の耳に届いたんだと思う」

 

「…結局、花恋は鴻上博士に協力したのか?」

 

侑哉は少し、複雑な表情をしながらそう言った。

 

侑哉は10年前に起こったロスト事件について知っている、だからこそ鴻上博士に私が協力したのだとすれば、それはロスト事件に私が関与したことになる。

 

だから、侑哉はあんな顔をしているんだと思う。

 

「安心して、私はロスト事件に関与していないわ…もちろん、最初は人類を救う研究だって聞いて、喜んで研究に協力したわ…だけど、途中でその研究は人類を救うことには繋がらないことに気づいたの」

 

「そ、そうか……確か、鴻上博士は意志を持ったAIを作ろうとしてたんだよな」

 

「えぇ、そうよ…私達人間にはどうしても寿命というものが存在している、だから、AIを人類の後継種にするつもりだったの…でも、それは間違いだった」

 

「…人間とAIの争いが起きる可能性が高いからか?」

 

私の言葉に侑哉がそう問いかける。

 

さすがは侑哉、理解が早いわね。

 

「その通りよ、人間は傲慢な生き物だからAIに支配されるなんてことを認めるわけがない…だから、確実に人間はAIを敵視する、そして、人間が襲ってきたらAIもまた人間を敵視してしまう…だから、この研究は誰の為にもならない研究だったの」

 

しかも、鴻上博士の研究のせいで、色んな人が傷ついた…それに、今LINK VRAINSで起こっている争いだって、元を辿れば鴻上博士の研究が原因だ。

 

本当にクソッタレよね…向こうは罪の意識を少しでも感じているのかしら…今、思えば、鴻上博士を除けばまともな人が多かったし、その人達は罪の意識を感じているかもしれないけど。

 

「それに気づいていたなら、鴻上博士を止めることもできたんじゃないのか?」

 

「もちろん、止めたわ…だけど、鴻上博士はその研究に取り憑かれたみたいに没頭していて私の話しをろくに聞いてくれなかった」

 

「そうだったのか…」

 

「その結果がこれよ…少し考えれば、こんなことになることは簡単に予測できるのにね…しかも、本人は自分の研究が正しいと思っていたから余計にたちが悪いわ」

 

一応、リンクアクセスの情報を消していってくれたのは感謝しているけど…まぁ、単純に自分達がリンクアクセスの情報を独占したかっただけかもしれないけど。

 

「…さて、続きを話すわね…鴻上博士が話しを聞いてくれないとわかった私は、人とAIの争いを止めようと行動を始めたの」

 

//////////////

 

「…やっぱりダメね、全くもって方法が思いつかないわ」

 

(鴻上博士…あんな、少し考えればわかるようなものもわからないの?このままいけば間違いなく、人間とAIによる争いが起きるのに…)

 

「やめやめ!とりあえず今は、争いを止める方法を考えないと!」

 

行動を開始したのは良かったけど、最初は全く方法が思い浮かばなかった…だけど、争いを止める方法を考えている時に気づいたの。

 

人間とAIの架け橋になるようなものがあれば良いんだって。

 

それに気づいた私はさっそく、架け橋となるようなものを探し始めた。

 

そして、その中で私はある資料を見つけたの…そこには、不思議な能力を持った…いえ、正確に言えば持っていた人達について記されてあった。

 

その不思議な能力こそが、私が後にリンクアクセスと名付けた能力だったの。

 

資料には、子供が解けるはずのないパスワードを解いたことや、気づいたら自分のパソコンにまったく知らない他人の情報が映されていたことなどが記されていた。

 

ハッキングの技術や、パスワードの解き方を知らない子供がこんなことを起こしたとは考えられず、その資料を書いた人は頭を悩ませていたみたいね。

 

しかも、その能力を持った子供達には共通していたことがあった。

 

それは、その不思議な出来事が起きた後は、子供達は強い睡魔に襲われて、眠ってしまう…そして、不思議な能力は子供時代にしか発現しないということだった。

 

その能力が発現し始めるのは5歳から6歳、そして、9歳の頃には能力が消えてしまう…私が調べた限りでは1番長くて10歳までしか能力は持続していなかったわ。

 

/////////////

 

「ちょっと待ってくれ!おかしくないか?もし、花恋の話しが本当なら、俺がリンクアクセスの能力を持っているはずがないだろ!」

 

私の話しを途中で遮るように、侑哉がそう叫ぶ。

 

そう、侑哉の言う通り、本来リンクアクセスの力は最大でも10歳までしか使えない。

 

私がその資料を見つけるまで、その能力の存在すら知らなかったのも、その能力はごく一部の人達だけに発現し、子供時代にしか能力が発現していなかったせいで、そこまで問題にならかったからだ。

 

でも、侑哉は違う…侑哉は今でもリンクアクセスの力を持っている…そして、どうしてそういう状況になったのかはある程度、予測はついている。

 

「…侑哉、あなたには他の人とは決定的に違うことがあるの…多分、リンクアクセスの力が未だに侑哉にあるのもそのせいよ…」

 

「どういうことだ?」

 

「侑哉…あなたはね、異世界の人間なんかじゃないの…あなたは、元々この世界の人間なの」

 

「それって一体…どういう意味だよ」

 

「そのままの意味よ…あなたは元々この世界の人間…つまり、あなたが前まで居た世界こそが異世界で、今居るこの世界こそがあなたの本来の世界ということよ」

 

私の言葉に侑哉は沈黙する。

 

それも当然といえば当然のこと…だって、侑哉は前まで居た世界が自分の本来の世界だと思っていたんだから。

 

私は重い沈黙の中、ただ、押し黙ることしかできなかった。

 

 




といった感じの第44話でした!

ついに、明らかになったリンクアクセスの本来の力…そして、侑哉が元々遊戯王VRAINSの世界の人間だったということが明らかになりました。

正直、この話しを今回出すべきか悩んだのですが、結局、出すことに決めました。

次回は何故、侑哉がリンクアクセスの力を未だに持っているのか、それについて書くつもりです。

それでは、今回はここまで!ここまでの拝読ありがとうございます!
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