遊戯王VRAINS 幻影の咆哮~青き天使との日常~   作:kajoker

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第53話です!

今回から日常編が始まります!時間軸としてはハノイの塔編の後から、ボーマン達との戦いが始まるまでの間になります。

それでは、本編をどうぞ!


第53話 依頼

「はぁ…どうしてこうなった…」

 

リボルバーと協力関係になってから、慌ただしく日常が過ぎていき、気づけば夏休みになっていた。

 

本来なら、家でごろごろするなり、葵と出かけたりしたいところではあるが、何故か俺はSOLテクノロジー社に呼び出されていた。

 

遡ること昨日の夜…学校から出された夏休みの課題をさっさと終わらせるために夜更かしをしていたのだが、その時に晃さんから連絡が来た。

 

なんでも、俺に手伝ってほしいことがあるらしくSOLテクノロジー社に来てほしいとのことだった。

 

そんなこんなで俺は今、ここに来たわけなんだけど…

 

「あの、すみません…財前さんに呼ばれてきた、神薙侑哉ですけど…」

 

「はい、お話しはお伺いしております…近くの席にお掛けになって、お待ちください」

 

受付の女性が俺の話しを聞いて、近くのソファに座るように促す。

 

俺はその言葉を受けて、近くのソファへと腰かける。

 

いや~、それにしても広いな…さすがはSOLテクノロジー社。

 

本当に何で俺はこんなところに呼ばれたんだ?

 

まぁ、晃さんが来ればわかることだよな。

 

俺はそんなふうに考えごとをしていると、しばらくして晃さんの姿が目に入った。

 

晃さんは俺に気づいたのか、足早に俺のところへと向かってくる。

 

「やぁ、侑哉君、久しぶりだね」

 

「お久しぶりです、晃さん…それで俺に手伝ってほしいことって?」

 

「それについては後で話すつもりだ、着いてきてくれ」

 

「はぁ、わかりました」

 

そう言って、俺は晃さんの後に続く。

 

 

「すまない、せっかくの夏休みなのに呼び出してしまって」

 

「いや、構いませんよ…まぁ、本音を言えば葵とどこかに出かけたかったですけど」

 

「ははは…葵にも同じことを言われたよ、君と出かけたかったのに、私のせいで行けなくなってしまったとね…まぁ、侑哉君にしか頼めないことがあると言ったら渋々納得してくれたが」

 

「そうだったんですか…」

 

葵も俺と同じようなことを考えていたんだな…というか晃さんに対して結構辛辣な気がするけど気のせいか?

 

だけど、まぁ…下手に遠慮するより思ったことをはっきり言えた方が良いか。

 

それにしても…結局、俺は何をさせられるんだろうか。

 

そんなことを考えていると、エレベーターが降りてきた。

 

そして、エレベーターの扉が開き、俺達はその中へと入っていった。

 

「それで晃さん、結局俺は何で呼ばれたんでしょうか?」

 

「…ハノイの塔事件のせいでリンクヴレインズが多大な被害を受けたのは知っているだろう?」

 

「はい、知ってますが…」

 

それについてはよく知っている、おかげでリンクヴレインズでデュエルが出来なくて困っているぐらいだからな。

 

そういえば…プレイメーカーやブルーエンジェル、Go鬼塚はリンクヴレインズを救った英雄と呼ばれるようになってたな。

 

何故か、俺の名前もあってびっくりしたけど…俺は何もしていないんだけどな…強いて言うなら、リンクヴレインズの建物にプログラムをぶつけて、再構築して時間稼ぎをしたぐらいだな。

 

…うん?まさか、俺が呼ばれた理由って…

 

「晃さん、もしかして俺が呼ばれた理由って…俺達が作ったプログラムが関係してますか?」

 

「よくわかったね…確かにそれも理由の一つだよ、今、我が社はリンクヴレインズの復興作業で忙しい、以前の上層部の人間が全員我が社を追い出されて人事異動なども混乱していてね」

 

おかげで私達は大忙しなんだ、と晃さんは言葉を続けた。

 

なるほど、確かにそれは大変だな。

 

「だけど、俺が手伝えることなんて限られてますよ…逆に足を引っ張るかもしれませんし」

 

「安心してくれ君に負担を掛けるつもりはない、これは私達で何とかしなくてはならないことだからね…ただ、リンクヴレインズの復興作業については君の協力がどうしても必要なんだ…協力してくれるかい?」

 

「…わかりました、どこまでできるかはわかりませんがやるだけやってみます」

 

「…すまない、ありがとう」

 

そう言って晃さんは、頭を下げる。

 

「気にしないでください、俺も早くリンクヴレインズでデュエルしたいですから」

 

「…そうか、本当にありがとう、侑哉君」

 

「まぁ、失敗しないように善処します」

 

そんなふうに晃さんと会話を交わしていると、目的の場所に着いたのかエレベーターが停止する。

 

そして、そのまま扉が開かれ、オペレーターらしき人達が慌ただしく作業をしているのが目に入る。

 

うわぁ、こりゃすごいな…確かにこれは猫の手も借りたいぐらいの状況だな。

 

「現在の状況はどうなっている?」

 

「ただいま、リンクヴレインズの復興作業中です…ですが進捗はあまりよくありません」

 

「侵入したウィルスを発見、すぐに除去します」

 

「わかった、リンクヴレインズの復興作業は引き続き行い、ウィルスをすぐさま除去してくれ!」

 

晃さんがオペレーターの人達に指示を行う。

 

す、すごい…晃さんは普段こんなことをやってるんだな…これは手伝わないといけないな。

 

「…晃さん、問題のあるものをこっちのパソコンに一纏めにできますか?」

 

「あ、あぁ…可能だが…」

 

「それじゃあさっそくお願いします!問題のあるものを一纏めにしてくれれば俺がまとめて処理します、後、リンクヴレインズの復興作業がどの程度進んでいるのか教えてくれるとありがたいです」

 

「わかった…結局、君に負担を掛けることになってしまったな…すまない」

 

「こんな状況じゃゆっくり、リンクヴレインズの復興作業もできませんからね、仕方ないですよ」

 

そう言って、俺は目の前のパソコンを操作し始める。

 

正直言って、不安だけど花恋に色々と教えてもらってるし大丈夫なはず…多分、恐らくだけど。

 

俺はそんなふうに一抹の不安を覚えながら、作業を始めた。

 

//////////////

 

「ふぅー、ようやく一息つける…疲れた…」

 

ようやく一段落して、晃さんに案内された客間でそう呟く。

 

はぁ、本当に疲れた…オペレーターの人達すごいな…こんなことを毎日やってるわけだもんな。

 

「お疲れ様、コーヒーでも入れようか?」

 

「気持ちはありがたいんですけど…実は、俺コーヒーが未だに飲めなくて…MAXコーヒーとかなら飲めるんですけど」

 

「そうか…ではお茶を入れよう」

 

「…ありがとうございます」

 

そう晃さんにお礼を言い、軽くけのびをする。

 

いや~、本当に疲れた…次から次へと問題が発生してそれを処理しつつ、リンクヴレインズの復興作業を進めるために再構築プログラムのストックを流し込んだりと本当に忙しかった。

 

ただ、その甲斐があったのか、大分仕事が楽になってこうして客間でゆっくりできているわけだ。

 

「ありがとう、侑哉君…君のおかげで大分負担が減った」

 

「そう言ってもらえると頑張った甲斐があります」

 

「それにしても驚いたな、君があそこまでネットワーク系統が得意だったとは…できればこのまま我が社で働いてほしいぐらいだ」

 

「あはは…まぁ、将来の進路の一つとして考えておきます」

 

「あぁ、君が来るのを待っているよ」

 

そう言って、晃さんは笑みを浮かべる。

 

「…それはそうと、復興作業の方はどうですか?」

 

「あぁ、君のくれたプログラムのおかげで、作業は順調に進んでいるよ」

 

「そうですか…それなら良かったです」

 

本当に良かった、まさか、葵達を救うために念のため作っておいたプログラムがこんなふうに役に立つとは。

 

「そういえば、他に何か手伝えることはありますか?ここまで来たからにはとことんまで付き合いますよ」

 

「そうか…では、いくつかアイデアを考えてもらって良いだろうか?」

 

「アイデア…?何のアイデアですか?」

 

「新しくオープンするリンクヴレインズのアイデアだよ、今回君を呼んだのはそのアイデアを考えてもらおうという理由もあったんだ」

 

「なるほど…わかりました、ちょっと考えてみます」

 

新しくオープンするリンクヴレインズのアイデアか…そうだな、俺がやってほしいことならあるにはあるけど…まぁ、とりあえず言うだけ言ってみるか。

 

「定期的に何かしらのイベントを開催するとか…後、もっと他の人にスピードデュエルを楽しんでもらう為に安全性を強化するとかどうでしょうか?」

 

「なるほど…スピードデュエルの安全性を強化するのは確かに重要だな…ちなみに、イベントとは具体的にはどんなことをするんだい?」

 

「そうですね…例えば、デュエルするとポイントが入って、そのポイントを使って欲しいカードとかと交換できるようにして、そのポイントを大量に手に入れられるイベントを開くとかですかね…後は、大会みたいなものを開くのも面白いと思います」

 

そんなふうに思いついた内容を口にする。

 

ただ、内容としては誰にでも思いつきそうな内容で我ながら、もう少し別のアイデアはないのかよ、と思わずにはいられない。

 

でも、晃さんはそうでもないのか、俺の話しを真剣に聞いてくれていた。

 

「なるほど…確かにそれは盛り上がりそうだ、ありがとう侑哉君、とても参考になったよ」

 

「いえ…気にしないでください」

 

晃さんとそんな会話を交わしていると、ふと、近くの時計が目に入り、その時計の示す時間に思わず絶句する。

 

「やっば…もうこんな時間か…すみません、晃さん、俺はこれで失礼します!」

 

「…うん?そうか、もうこんな時間か…ありがとう、侑哉君、今日は急に呼び出してすまなかったね」

 

「いえ、大丈夫です…また、何かあったら連絡してください、俺のできる範囲でなら協力しますから」

 

「あぁ、ありがとう」

 

俺は晃さんに一度お辞儀をして、部屋から出ていった。

 

//////////////

 

「ふぅ、ただいま…」

 

「お帰りなさい、侑哉!」

 

「あれ?葵、家に来てたのか…」

 

「うん、今日は兄さんの手伝いで侑哉がSOLテクノロジー社に行っていたのは知ってたから、夕飯ぐらいは私が作ろうと思って…」

 

「そっか、ありがとな…葵!」

 

「どういたしまして!さ、もうご飯はできてるから早く入って!」

 

そう言って、笑みを浮かべながら葵は俺に家に入るように促した。

 

まるで、新婚さんみたいなやりとりにどことなく恥ずかしさがこみ上げてくる。

 

「あ、そうだ…」

 

「ん?どうしたんだ?」

 

俺がそう言うと同時に頬に柔らかな感触が襲ってくる。

 

「…お帰りのキス、してなかったから…」

 

葵は顔を真っ赤にしながらそう言った。

 

やばいな…ただでさえ、恥ずかしいのにさらに恥ずかしくなってきた。

 

「お、おう…ありがとう」

 

多分、今の俺は顔が真っ赤になっていると思う。

 

恥ずかしさが限界突破して、おかしくなりそうだ。

 

…とりあえず、ご飯を食べにいかないとな。

 

そう思ってリビングへと向かおうとして、ふと立ち止まる。

 

「葵、愛してるよ」

 

「へっ!?」

 

俺の言葉に驚いたのか、葵はさらに顔を真っ赤にしながら、そんな声を上げる。

 

「わ、私も愛してるわ…侑哉」

 

そう言って、葵は恥ずかしそうに視線を逸らす。

 

やばい、これ以上は本当にやばい…葵が可愛すぎてメンタルがやばい。

 

「そ、それじゃあ、早く夕飯を食べようか!せっかくの料理が冷めちゃうしな」

 

「そ、それもそうね…今日はオムライスを作ったの…侑哉の口に合えば良いんだけど…」

 

「オムライスか!俺の大好物だよ!ありがとな、葵」

 

「そう、それなら良かった…せっかくだし、私が食べさせてあげようか?」

 

「それは勘弁してくれ…これ以上は俺のメンタルが持たない」

 

そんな会話を葵と交わしながら、俺達はリビングへと向かった。

 

いつか訪れるかもしれない未来を思い描きながら。

 

 

 




といった感じの第53話でした!

しばらくはこんな感じの日常編を書いていこうと思います、そして、日常編をある程度書いたら、原作に入っていくつもりです。

それでは、今回はここまで!ここまでの拝読ありがとうございます!
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