俺の嫁は史上最強の剣士です   作:ネギ丸

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すみません。学校のことでしっちゃかめっちゃか忙しくてなかなか小説に手をつけられない状態です。なんとか最低でも週一のペースで書くので、応援宜しくお願いします。


第2話 : 稽古デート

結婚式の翌日の朝

俺は窓から差し込む爽やかな朝日に目を覚ます。起き上がって辺りを見渡すと、ここが宿舎の自室であることが理解できた。しかし、昨日は随分と酒に酔っていたらしく、昨日の記憶がなかなか思い出せない。頭がズキズキと痛む。俺は大きく伸びをして少しでも眠気を覚まそうとした。そして、段々と意識がはっきりして来るのを感じると俺はベッドから降りようとベッドに手をついて体をよじらせる。

 

「ん?」

 

すると俺の左手に妙に柔らかいものが触れた。俺はそれが何なのかよくわからなかったので、感触を確かめるために手を動かす。そして、俺は視線をそちらにやると、俺の眠気は一瞬にして吹き飛んだ。ついでに頭痛も吹き飛んだ。そこにはしっとりとした綺麗な金髪に綺麗な顔立ちのクレアが俺の横で寝ていたのだ。そして、俺が今左手で握っているのは、クレアの胸、おっぱいであった。俺は慌てて手を離し、後ろに仰け反る。

 

「うおあっ!」

 

その拍子で俺はベッドから転げ落ちた。ドシンと豪快な音が部屋に響いた。俺はゆっくりと起き上がると、ちょうどクレアと目があった。どうやら今の音で目が覚めたらしい。まさか、さっきのこと気づかれてないよな?俺はすぐに目をそらし、姿勢を立て直す。するとクレアは体を起こして眠そうな目をこすりながら言った。

 

「んむぅ、おはよぉ…、オルト…。」

 

そう言うとクレアは大きなあくびをし、大きく体を伸ばす。どうやら気づかれてないようだ。このまま黙っておこう。

 

「おおおはよう、クレア。昨晩の記憶が全然ないんだけど、俺二次会のときどうしてた?」

 

俺は自分の頭を不自然にワサワサとかきながらクレアに聞いた。今のクレアの服装は少し露出が目立って目のやり場に困る。

 

「え〜と。ギルドの酒場についてからしばらくはみんなと昔の話とかで盛り上がってたんだけどね、アルバートがせっかくだからってオルトに無理やり強いお酒を飲ませて。……その後のオルトは凄かったなあ……。」

 

クレアは昨日のことを思い出したのかニヤニヤしながらそう言った。

 

「え、凄かったってどんな感じに?」

 

俺は何か嫌な予感がしてならない。酒ってこういうのがあるから怖いんだよなあ。

 

「えー、それは私の口からは言えないなあ。まさかオルトが急にあんなことをするなんて……。」

 

彼女はそう言った後に笑いを堪えられなかったのか少し吹き出した。俺ほんとに一体何したんだ?

 

昨日のことに関しては凄く気になるのだが、とりあえず俺たちは朝食の準備をする。調理はクレアがしてくれるとのことで、俺はとりあえず食器を並べたり、コーヒを淹れたりしている。とりあえず、一通りの用意を終えた俺は玄関へと向かい、メールボックスから新聞を取り出す。俺は食器を並べた机の椅子に座り、新聞を開く。国家の記事や市場の記事、モンスター学の記事など、様々な記事が載っていて、それらに一通り目を通す。そして俺はふと思い出した。

 

「そういえば、今週末から新婚旅行だよな。本当にあれで良かったのか?」

 

俺はクレアの方に視線をやりながらそう言った。

 

「んー?私が提案したことだし、私はああいうの好きだから。オルトは嫌だった?」

 

彼女は調理の手を止めずにそう答えた。

 

「いや、嫌いじゃないよ。むしろ俺も好きだし。旅行に支障が出るわけじゃないしな。」

 

俺はそう言うと、自分が淹れたコーヒを一口飲んだ。

しばらく経って、俺が新聞の4コマ漫画を読んでいると、どうやら朝食ができたらしく、クレアはそれを盛り付けてテーブルに運んでいる。

 

「お待たせー。」

 

クレアは軽く声を弾ませてそう言いながらできた朝食をテーブルに置いていく。俺は新聞を閉じて運ぶのを手伝う。クレアが作った朝食は一般的なスクランブルエッグやサラダ、スープといったものだ。全ての料理を運び終えて、俺たちはそれぞれの椅子に座る。そして、静かに両手を合わせて言った。

 

「「いただきます。」」

 

 

 

朝食を終え、俺とクレアは自分が使った食器を洗っている。

 

「いやあ、クレアの料理はうまかったなあ。俺も今まで自分で作ってたけど、負けたよ。」

 

俺はスポンジでコップを洗いながらそう言った。

 

「騎士団にいた時に料理当番が日によって決まってたから、それを繰り返してるうちに腕が上達したみたい。」

 

彼女は苦笑しながらそう言った。

全ての食器を洗い終わり、時刻は朝の8時ごろ。特にすることがない。仕事は休みを貰っているのでしばらくの間時間が空いてしまう。俺はとりあえず普段着に着替えた。昼からはクレアと買い物でも行こうかと考えていると、戦闘服に着替えたクレアが目に入った。

 

「あれ?しばらく仕事休みなはずだけど、なんで戦闘服に着替えてるんだ?」

 

俺は床に座っていたので、クレアを見上げるようにしながら聞いた。

 

「日々鍛錬を怠らないようにしてるから、訓練場で少し体を動かそうと思って。」

 

そう言ってクレアは鞘に収まった剣を腰のベルトに装着する。

確かに、休みとはいえ、ずっと体を動かさないわけにはいかないな。復帰した時に体がなまってちゃあロクに仕事できないしな。

 

「クレア、俺も訓練に付き合ってもいいかな?君の剣を近くで見たいってのもあるから。」

 

俺は立ち上がりながらそう言い、タンスから自分の戦闘服を取り出す。

 

「ん、全然いいよ。寧ろ稽古する相手がいて、私としては有り難いし。あなたの剣を受けてみたいと思ってたしね。」

 

クレアは自分の寝間着を丁寧に畳みながらそう言った。俺がクレアの相手になるかは不安だが、何かアドバイスでも貰えたらいいな、と思いながら、戦闘服に着替えた。

 

 

 

準備が終わり、ギルド内の地下にある訓練場で俺たちは稽古することになった。訓練場には何人かの冒険者が先に特訓をしたりしていたが、朝早いので人数は少なく、走り回っても大丈夫なくらいにスペースはある。

 

「へえ、ここなかなかいいところだね。設備もしっかりしていて、いろんな特訓ができそう。」

 

クレアは周りをキョロキョロと見渡しながらそう言った。確かに、うちのギルドは結構名の知れた冒険者ギルドだ。そして、うちのギルドマスターは訓練場にもかなりのこだわりがあるらしい。

 

「そうなんだよ。扱う武器によって様々な稽古道具を取り揃えてるんだ。」

 

一通り施設の説明を終えると、そろそろ稽古を始めることになった。使用する武器はそれぞれ訓練用の片手剣だ。荒く削られた木製の剣は極めて殺傷能力は低く、訓練にうってつけだ。

 

「それじゃあ、とりあえず組手をしようか。勝敗は完全な一撃を相手にいれた方が勝ちということで。」

 

クレアはそう言い、剣を構える。クレアの剣の腕は確かだ。その剣さばきから『神剣』の異名を持っている。

 

「オッケー。格下だからって手加減は無用だぜ。」

 

俺もそう言いながら剣を構える。少しの間、訓練場の空気が静かになり、冷たい緊張感が湧いてくる。そして、数秒たったところで、俺とクレアは同時に飛び出した。俺とクレアの間合いは10mも無かったので、俺たちが剣を交えるのまでに時間はかからなかった。先に仕掛けたのはクレアで、速い斬撃が俺に向かって放たれる。俺はなんとかそれらを裁いて、反撃に移ろうとしたが、クレアの剣が速すぎて、それらを受けるので精一杯だ。疾風の如く放たれる剣撃は俺に反撃の余裕を与えてはくれない。しばらく防戦一方だったが、ついに決着がついた。クレアの剣を受け続けていた俺はとうとう隙を作ってしまい、クレアはその隙を見逃さず、俺の脇腹に強烈な一撃を叩き込んだ。

 

「ぐほうっ!」

 

俺はその衝撃で勢いよく吹き飛ばされた。さすがは『神剣』、木製の剣とはいえ、かなりの威力を出してきた。

 

「ご、ごめん!すごく痛かったよね?大丈夫!?」

 

クレアは心配そうにそう言って、俺のところに駆け寄ってきた。俺は自分の脇腹を押さえてうずくまっている。その様子を見てクレアはオロオロしている。しばらくして、痛みが引いてくると、俺は体を起こした。まだ結構痛いが我慢できない痛みではない。

 

「ホントにごめんね!私の剣をこんなに受け止めたのはあなたが初めてでつい楽しくなっちゃって……。立てる?」

 

クレアはそう言って俺に手を差し出した。俺はその手を掴んでゆっくりと立ち上がった。

 

「いてて、強烈なの貰っちゃったよ。さすがはクレアだな。全然歯が立たなかったよ。」

 

俺は苦笑しながらそう言った。

普通の冒険者の俺が最強の剣士に負けるのは仕方ないのかもしれない。だけど、それは昨日までの話だ。今は違う。俺は、この人の夫だ。本当は、俺がクレアを守らないといけないのに…。

俺は彼女より弱い自分への悔しさと怒りが混ざった苛立ちを覚えながら、1つ決心をした。

 

「クレア…、1ついいか?」

 

多分俺はこれから君に何度も護られるだろう。

 

「これから毎朝、俺に稽古をつけてくれないか?」

 

 

けれどいつか、俺が君を守れるようになってみせるよ。

 

 

 

稽古を終た俺たちは今、街の繁華街を歩いていた。今は丁度お昼時、王都アルカナティアは今日も多くの人で賑わっていた。街のあちこちにはレンガでできた建物が多く、華やかな印象を与える。そんな素敵な街で今俺たちはランチタイムを取るべく、頃合いの店を探していたのだった。

 

「うわー、今日も人が多いねー。さすがは国の中心都市。」

 

クレアはそう言いながら辺りをキョロキョロと見渡している。

 

「そうだね。他の街からの商人も集まる時間帯だからいつもよりも人が多いようだね。」

 

俺はクレアの方に視線をやりながらそう言った。

 

「それじゃあ、今日はどこ行きますか?私の最近のオススメは最近オープンした、サンドイッチが美味しいお店なんだけど。」

 

クレアはそう言いながらその店がある方向を指差した。クレアが言った店は、この繁華街からは少し離れたところにある喫茶店のことだ。場所が場所なので、世間ではあまり知られてないが、落ち着いた雰囲気と美味しい料理に定評があり、一部の人々からは隠れた名店としてかなり好評らしい。俺も一度は行ってみたいと思っていたので丁度よかった。

 

「あー、あそこの料理は好評だから前から気になってたんだ。せっかくだから行こうか。」

 

俺はそう言い、クレアとそこへ向かうことにた。

 

 

 

賑やかな繁華街を脱け、俺たちは小さな川沿いの道を歩いていた。

 

「もう直ぐ見えてくるはずだよ。確かそこの角を曲がったところに……。あ!あったよ!」

 

クレアはそう言って前方の曲がり角を指差した。俺はそこへ視線をやると一軒の木造の喫茶店が見えてきた。壁はピンク色に塗られており、全体的に華やかさを醸し出している。喫茶店について、俺は入り口の扉を開けた。内装もとても華やかでおしゃれな感じがする。

 

「いらっしゃいませー。」

 

玄関から中へ入ると猫耳の女性が出迎えてくれた。

 

「2名様ですね。ではこちらの席へどうぞ〜。」

 

彼女はそう言いながら俺たちを奥のテーブルへと案内する。どうやら猫耳は飾りではないらしく、ぴこぴこと動いている。この街に獣人とは珍しいものだ。俺は案内された席へ向かおうと足を進めたが、途中で異様な空気を感じた。油断すると今にも意識が飲まれそうなどす黒い空気だ。俺は少し身構えながら、その空気が感じられる方を見る。すると、そこには二人用のテーブルに座り、コーヒーを飲んでいる全身黒づくめの男が虚ろな目でこちらを睨んでいる。男はコーヒを飲み終えたのか、席を立ちこちらへ向かってくる。なんとも言えない不穏な空気がどんどん濃くなってくる。俺は額に汗を流しながら、案内されたテーブルへと進んだ。そして、その男とすれ違う時、男が呟いた。

 

「見つけた………。」

 

その時俺はゾッとした。一瞬、その男から放たれた濁った歓喜の感情と同時にわずかな殺気を感じたからだ。男はそのままレジで会計を済ませて店を出て行った。やっと張り詰めた空気が戻ると、俺は深く深呼吸をした。クレアは俺の様子がおかしいことに気づいたのか声をかけてくれた。

 

「大丈夫?なんか顔色悪いけど…。」

 

俺は「なんでもない。」と笑顔で答えると、案内されたテーブルの席に座った。

それにしても、さっきのアレはなんだったんだ?「見つけた。」?一体何を?

俺はさっきの男のことが頭から離れなかった。もしかしたら、この街にとんでもない何かが紛れているのかもしれない。俺はそんなことを考えながら無意識にメニューを取った。




最近勉強が忙しい!とにかく忙しい!前回のクレアの身長とオルトのイメージカラーを変更しました。あと他の項目を追加しました。すみません!確認してください。
あと、なかなか戦闘シーンが書けない!書きたいです!頑張ります!



キャラ紹介

アルバート・グレイツ(20)
身長:191㎝

体重:87kg

like:仲間、努力、女性、筋肉、肉料理、酒

hate:嘘、味の薄い料理

イメージカラー:黄(銀)

容姿:金髪、髪ボサボサ、青い目、薄いあごひげ、少し重量系の装備、斧

性格:情に熱い、仲間思い


シェリナ・フラスト(17)
身長:158㎝

体重:44kg

like:仲間、イタズラ、面白いこと、甘いもの

hate:苦いもの、つまらないこと、暇

イメージカラー:ピンク

容姿:濃いめのピンクの髪、短いツインテ、黄色い目、全体的に子供っぽい(胸も)、若干軽装、ナックル

性格、いたずらっ子、子供っぽい

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