俺の名前は日野修也、家庭事情が少し複雑なくらいで他は何の変哲の無い小学1年生だ。
と言ってもその家庭環境のせいで、自分で言うのもアレだが他の子どもよりかなり大人っぽい性格だ。
それこそ放課後に似たように複雑な家庭環境の友人とシリアスなお話をしてしまうくらいには。
まあ、それも最終的には、やっぱ小学生だねと言いたくなるようなこっ恥ずかしい締めくくりになる程度には子供なんだがね。
兎も角俺の自己紹介はこの程度で良いだろう。
本題に入ろう。
場所は変わらず放課後の教室。
変ったと言えば取り敢えず黒板を使いたかったから一番前の席に移動したくらいだ。
まあ、俺は立って黒板の前に立っているのだが。
一夏「それで?IS倒すって、どうやってやるんだよ?」
修也「まあ、そう急くな。俺も幾つか案を持って来たが、それで出来るとは限らない。だから、まずは暫く会議に会議を重ねて行こうではないか。」
そう言って修也は黒板に幾つか案を書いて行った。
修也「こんなもんか、それじゃあ、まず初めにこれを」
修也は何やら分厚い本と二~三ページくらいの薄い冊子を一夏に渡した。
一夏「これは?」
修也「頑張って手に入れたISの基本理論が掛かれた辞典的な取説と取り敢えず今話に必要な要点だけまとめた冊子。」
一夏「んなもんどうやって手に入れたんだよ!?」
修也「束さんに土下座して千冬さんと箒の可愛い服着た写真を渡して譲ってもらった。」
一夏「最低だなおい!?どうやってそんなもん手に入れたんだよ!てか人の姉の写真で何やっちゃってんだよ!?」
修也「まあまあ、お前にも千冬さんの写真やるから黙っとけよ。」
一夏「お…俺は騙されないからな!」
修也「写真を懐にしまい込んでるやつの言う事じゃ無いな。」
一夏「ハッ…!?しまったいつの間に!?」
修也「まあ、そんな事はいいじゃないか。大体俺はあの人の言う所の道端の石で有象無象の一人だ、名前何て覚えられてないしな。そんな俺に、無償で何かくれるとか夢見すぎだろ。兎も角、本題だが、まずは冊子の方を見ろ。そこに書いてあるのは何故ISが世界最強の兵器と呼ばれているかという事はざっとまとめてある。まあ簡単に説明すると」
その一、ISには絶対防御と言うものがあり、搭乗者の命を如何なる攻撃からも守る。
その二、重力を相殺し陸空海、果ては無重力空間まで全ての環境に置いて高速立体起動を可能にし、圧倒的な機動力を有する。
その三、ハイパーセンサーと言うアホみたいに性能の良いセンサーが搭載されていて、訓練すれば対物ライフルの弾丸だって余裕で避けられる。
その四、此れだけの、高スペックにも関わらず、コストパフォーマンスが戦闘機と変らない。寧ろ下手したら安いかもしれない…。
修也「って感じだ。非常にざっくりした説明だが取り敢えずはこんなもんだ。最強と言われる由縁は他にも沢山あるが、それを言い出したらキリがないし今は取り敢えずの借り案を出さなきゃだからそれは各自で予習して、後日すり合わせよう。」
一夏「まあ、俺はあんま頭良くないし行き成りそんな沢山言われても困るしな。」
修也「それでだ、まあ色々言いたい事はあるが、早速本題に入ろう。まあ取り敢えず俺の出す案を聞いてくれや。」
一夏「おう」
修也「まず第一、ISを倒せる兵器を作る。」
一夏「まあ、妥当な案だな、でもあの天災って言われてる束さんを越える発明が出来るとは思えないけどな。」
修也「別にそう難しい事じゃ無い。」
一夏「と言うと?」
修也「まず、大前提として銃とか戦車とかでISに勝てないのは絶対防御が有るからだ。砲弾の一発二発ではISを倒せないし人が持てるサイズの兵器では火力足りなくて論外だ。」
一夏「まあ、確かにミサイルが叩き落されていく映像を見せられたらそう思うわな。それにISのトンデモスピードにエイムが追いつかないだろ…」
修也「その通りだ。それにしてもよくエイムなんて言葉知ってたな?」
一夏「ああ、この前弾とゲームしてた時に教わった。」
修也「成程、さもありなん。」
一夏「で?そんなトンデモ兵器に勝てる兵器を簡単に作れるってどう言う事だよ。」
修也「まあ、これは発想力があれば誰でも思いつく事の出来る事なんだが、例えば核爆弾なんかは流石にISの絶対防御を容易に貫通してISを瞬殺できるよな。」
一夏「そりゃそうだろ。」
修也「そう、当たり前の事だ。だがここにヒントが一つ隠されている。
そう、絶対防御と誇称されているバリアーだが、その実キャパシティーが存在していて、防ぐのにもきちんとした限界があるという事だ。」
一夏「ああ、確かになんか矛盾してんな。」
修也「ただ核兵器何て環境汚染まっしぐらな物を使いたくない。そこで出て来るのがコレです。」
修也が出したのは、一つのゲームソフト、そのパッケージだ。
一夏「あー、それ弾の家でやらせてもらった事ある。確かARMORED COREってゲームだよな。」
修也「人の事は言えんが弾の奴め、小学生の癖にこんなゲームやってんのかよ…。まあいい、このゲームの中で馬鹿デカい兵器が出て来るだろ?」
一夏「ああ、なんていったっけ?アームズ・フォートとかそんな感じだっけ?」
修也「そう、設定的にアレの設計理念としては生産性を度外視にして過剰なまでの圧倒的火力で相手を面制圧し擦り潰す、だ。まあ、つまり質より量で勝負したぶっ壊れ兵器だ。例えるならISがアルトリアでアームズ・フォートがギルガメッシュだ。」
一夏「成程、という事は砲門とかを過剰なまでに搭載できる巨体とそれを支える骨組があれば確かにISに勝てる兵器が開発できるな。」
一夏「これを理解できる俺等って小学生1年生としてどうなんだろうな?」
修也「まあ、世界には小学生でISの構想企画を書ける大天災が居るくらいだし大丈夫じゃない?」
一夏「そ…そうか?」
一夏「確かに、周りが凄すぎて俺らの常識が侵食されている気もするけど今更気にしてもしかた無いよな。」
修也「兎も角本題に移ろう…このままじゃ色々ドツボに嵌りそうだ。でだ、此れは此れでいいんだが、資金確保に何十年かかるんだよって思うし、俺等がやりたいのはこんな超兵器任せの戦いじゃないんだよな。」
一夏「確かにこれで勝っても嬉しくないね。それに、譲れないものの為とか言っといてこれじゃあ本末転倒している感が否めないよね。一々要塞で近くに居るとか傍迷惑すぎる…。」
修也「という事で、取り敢えず出してみたけど没!」
一夏「分かってたのに出したのかよ」
修也「いや、まあ取り敢えず勝つ方法が無くはないよねって事を言うために出したんだよね。実際手段を択ばず探せば日常に結構こういったヒントってあるもんだよ、ってね。」
一夏「まあ、いいや。で?本命は?」
修也「それじゃあ、他にもあったネタ案は取り敢えず全部後回しにして最終案行ってみようか」
一夏「結局色々考えて来たとか言っておいて、本命以外はネタかよ。」
修也「まあ、聞いてくれ。まず、俺等の目標としては守りたいものを守るって事なのだが、現状男である俺達にはそれを一朝一夕で可能にする方法が無い。そこで、多少時間が掛かろうと生身でISを倒せるようになるのが俺等の心情的にベストな回答だ。」
一夏「まあ、これについては本気で悪魔に魂売り渡すくらいしないと無理があるよな。」
修也「俺だって流石に無理があると言うのは分かって居る。だが条件次第では倒せるくらいの事は出来るくらいになりたいだろ?」
一夏「ま、そうだな。」
修也「そこで、まずお前はその取説を隅々まで覚えてISへの知識を深めてこい。」
一夏「こ…これをか…。」
修也「ああ、因みに俺もやってるぞ。3割くらいしか覚えてないけど…」
一夏「まあ、時間かかると思うけどそれ位ならまあやっておくよ。」
修也「で、次に、俺等は武術を収めようと思ってる。」
一夏「武術?もう剣道やってるじゃん。」
修也「馬鹿野郎、剣道は武道であって武術じゃない。」
一夏「どう違うんだよ?」
修也「簡単に言えば武道はスポーツで見せるための武だ。それに対して武術は単に敵を倒すための殺人案件な戦闘用の武だ。お前は剣道をやってるからって本物の侍に勝てると思うか?」
一夏「あー、何となく理解した。それが出来るのは千冬姉ぇくらいだわ…」
修也「理解できたならよし。それでだ、俺等は剣道やってるがそれじゃ間に合わん。という事で色々考えた結果剣は我流で行くとして体術を学ぼうと思う。」
一夏「体術?」
修也「そう、具体的には合気道だ。ざっくり言ってあれは無手で攻撃をいなしつつ相手を無力化するって武術だ。主に相手の呼吸を呼んで自然な形で無力化するからな。極めれば力もそこまで要らないしパワーに圧倒的差がある相手には其れなりに有効だ。後は相手の力を利用する柔道なんかも少し齧ってみるのも良いと思ってる。」
一夏「結局武道じゃねーかよ…」
修也「…まあ、柔術を学びたいって思ったけど思いついたのがこれだっただけだ、武道にしては俺の求めている理想形の一つなんだよな。」
一夏「成程な、じゃあ、アレは?空手、確か空手って源流をたどって行けば鎧通しって言う内部破壊技があった気がしたけど…。」
修也「ああ、成程、確かにバリアーを貫通して搭乗者に直接ダメージを与える為には必要な技だよな。ただそれ以外には旨みが少ないんだよな…剣術に応用が利きずらそうだし…。それならアレだよ、中国拳法の方が内部破壊技多いんじゃない?ああ、そう考えると戦闘向きと言えばロシアのシステマとかも良いな…。戦闘は必ずしも一対一とは限らんし、まあ余裕があれば追加って方向で。」
一夏「OK、他には?」
修也「銃とか爆薬の知識を付けよう」
一夏「一気に物騒になったなおい!?」
修也「仕方ないだろ、お前相手は世界最強の超兵器だぞ!」
一夏「それに、そんな知識なんてどうやって手に入れんだよ?」
修也「簡単だ。世の中にはインターネットと言う万能な情報端末がある。C4とかなら多分余裕で作れる知識は手に入ると思う。知識はね…。」
一夏「まあ、確かに知識あっても安全に作れるかは別問題だよな。」
修也「今日の処はこんなもんだろ。後はお互いにこの辞書まがいな参考資料を参照してISの弱点的なのを探して行こう。」
一夏「そうだな、流石に1日目でそんなばかすか名案が出たら世の中苦労しないよな。」
修也「先が思いやられるけどな」
一夏「でも一度始めたらもう諦めるなんて恥ずかしい真似出来ないよな、俺等は意地でもやり遂げるだけだよ。」
修也「さっきまで折れてた奴の言う事じゃねーだろ」
一夏「う…うるさい!」
修也「ハハ、まあ、俺等のこの試みは芽吹くとか植えるとかいえない、今はまだ種ですらないけどな。」
一夏「成人までに芽吹くといいな…」
修也「そうだな、何時までも挑戦できる子供では居られないからな。」
一夏「何とかやってみるか…、芽吹かなかったらスポーツ選手にでもなろうかな。」
修也「と言う訳で今日の処は解散!」
一夏「あいよ!」
結局脳筋的な生身で戦うっていう発想になる当たり矢張りこの二人は小学一年生ですね。