Fate/Grand Order vs ALL RIDER ー幕間の物語ー 作:ジュンチェ
分かりにくそうだったんで、先日タイトルを変更しました。
★今日のエグゼイド…
清姫「シャァァーーーーーーーッ!!!!!(憤怒)」
貴利矢「んアァーーーーーーーーーーッ!!?」
…やはり、貴利矢んときよひーは相容れないことが証明された。
「…ォオ!!」
降り下ろされるクモアマゾンの爪を払いのけ、パンチにキックと叩きこむオメガ。幸い、思ったほど技術は落ちておらず生身と同様のテクニックで充分に相手に出来る。出来るのだが……
『ギギギギ…!!』
(ッ……力が出ない!)
問題…かなりのパワー不足。生身の自分なら一方的に圧倒できる相手のクモアマゾンだが、ダメージは蓄積すれど勢いは留まらず挑みかかってくる。加えて、オメガが戦いに集中出来ない理由が……
「ええい、ちょこまかと!」
「清姫、周りに燃えうつってる!気をつけて!!」
Gと清姫である。Gはガンド程度しか対応が出来ないために必然的に清姫が出なくてはいけなくなるのだが、如何せん彼女は守りを得意とするサーヴァントではない。自分はまだ変化のスキルによる竜化で防御力は上げられるが、マスターを護るには捨て身の盾になるのが限度だ。となれば、彼女に残されるのはありったけの火炎放射をばらまいて弾幕を張るくらいだ。逸話通りの愛(増悪)した人を焼いたそれはまぁ強力な炎だが、これまた相手が悪い。室内という閉塞された空間なれどダンスホールというそれなりに広さがあればコウモリアマゾンの飛翔能力にはそこまで障害にはならず、炎は機動力によってかわされ続けている。おまけに、この炎はダンスホールの至るところに燃えうつりはじめていた…。このままではディスコ中に火が燃え広がるのも時間の問題だろう。
…と、目線を逸らしたのが仇となる。
『シュシュッ!!』
「!…しまった!?」
クモアマゾンが放った糸の網がオメガに吹きかかり、床に貼り付けにされてしまう。そのまま、クモアマゾンは飛びかかるやマウントし捕らえた敵を勢いのまま滅多打ちに……
「……ぐっ!?あ!?」
「悠さん!…ちぃ!!」
飛び散る血。何とか清姫も助けようとするもこっちはこっちでコウモリアマゾンが阻む。彼女の意識が少しでも護りから逸れたのを執拗に狙い、隙あらば後方の人間〈マスター〉を喰いちぎらんとする。
されど、この程度の劣勢…人類を救ったマスターには何を今更という話だ。
「ガンド!」
バシュッ!!と放つ黒い魔力弾がコウモリアマゾンの合間を縫って、離れたクモアマゾンの顔面を砕く!
『ギギギギ!?』
「悠!」
「!」
この機を逃さない。オメガはアマゾンズドライバーのグリップへなんとか手を伸ばし、これを捻って腕のアームカッターを展開。纏わりつく粘着質な糸ごと彼は悶えるクモアマゾンの胸部を斬りはらうッ!!
【VIOLENT PUNISH】
ズジャッ!!
無機質な電子音の死刑宣告に…生き物の身体が千切れる生々しい音。辛うじて背部の皮一枚で繋がった肉塊からドス黒い噴水が立ち昇り、ベトベトとオメガの翠色の表皮を汚す…
この相棒の絶命の瞬間を見たコウモリアマゾンは戦況の流れが敵側に変わったのと自らの生命の危機を察し、慌て清姫から離れるや燃え朽ちる壁に突撃して強引にその場から離脱した。
【疑似特異点反応、移動します!】
「逃がしちゃ、駄目だ!清姫!!」
「承知しました。逃がしません…。」
マシュのオペレートと同時にGの指示。清姫はコウモリアマゾンを追うためにこの場から霊体化…オメガも続くためにジャングレイダー…所為、バイクを呼び出しGを後部座席に乗せディスコを扉を突き破り飛び出した。そして、清姫の気配を追ってハンドルを切りアクセルを蒸かす。華やかな夜道を駆けるジャングレイダー…そこへまたマシュからの通信が入る。
【悠さん、今のエネミーは……】
「ああ、『アマゾン』だよ。人を喰う怪物…!」
【…やっぱり……】
彼女はカルデアの計測器から今回のエネミーたちの霊基を観測し…彼等が非常に悠=アマゾン・オメガと近い霊基パターンを持っていることを知った。まさかと思ったが、やはり結果は予想通りとオメガからの答。つまりは……
「待って悠、それって……」
「…」
……彼の戦う理由。
Gとマシュは既に知っている。悠が自身の物語でどう『線引き』をしたのか……
つまり、自分たちは彼に何をさせて何をさせようとしているのか……
すると、オメガは応える。
「…良いんだよ。この新宿〈時代〉が僕達の時間に続くかはわからないけど、少なくとも今はアマゾンが産まれているはずが無い…産まれてちゃいけないんだ。だから、狩るだけ…何も気にしなくて良い。」
アマゾン…と呼ばれる異形が産まれた正確な時間はとにかく、彼等が人間の世界に放たれたのは西暦2000年代である。つまり、この人喰いがバブル時代の新宿にいるわけが無い。則ち、彼等はこの時間に置いて存在しないはずの異物なのだ。そうなれば、狩るには充分な理由になる。
オメガは冷静に語り、角で再びハンドルを切った。
(そう……ここに僕の護るものは無い。でもっ…)
狩るべきものは狩る。それが今の水澤悠=仮面ライダーアマゾン・オメガの戦い。
何度も言い聞かせた言葉を胸に再度、唱えながらふと…ある場所でジャングレイダーを止めた。コウモリアマゾンと清姫の気配もそこからする……だけど、
「ここは……」
知っている。一見、物静かで砂ぼこり臭い廃車置き場…
『悠?』と首を傾げるGを後に座席から降りると錆び付いた柵の扉を押して開けて中に入るオメガ。先の新宿の街並みが嘘のように光も音も不気味に静まりかえり、生き物の気配すら無く…風が廃車の隙間をヒュウヒュウと無機質に吹き抜けている。
【…特異点反応、清姫さん共にこの先で動きません。先輩と悠さんからは何か目視で確認できませんか?】
「悠、どう…?悠…?」
後方でGがマシュが通信をしているが、オメガの耳には届かない。
「なんで、なんでここが……?」
自分の記憶を切り取ってジオラマにしたようだ。
この場所はとてもある種の深い意味合いがあった所にとても酷似していた…。奥にある廃車置き場の主の小屋に車の座席に押し込まれた『人間の死体』。脳裏に甦る身勝手で最低最悪な人間…傷つけられた仲間。
……何で?
…………どうして?
『ココハ、オ前ノ【線引キ】トヤラニ強ク影響シタ場所ダカラサ。』
「!」
唐突にかけられた声にオメガは顔をあげる!廃車の積み上げられた山の上に満月をバックに『奴』はいた…。見覚えのある異形のシルエットに左手がぐったりする傷だらけの清姫の頭を鷲掴みにし、オメガとGを見下ろしている。
「仁さ………いや、……お前は誰だッ!!?」
オメガは一瞬だけある男の名を呼びかけたが、違和感に正体は彼ではないと察す。すると、奴は鼻で笑うと清姫もろとも飛蝗の如く飛び上がり…彼の前に着地。目線の高さに来るや白い月光に照らされ、正体を晒してみせ……Gは目を見開き戸惑い、オメガは警戒心をマックスまで上げる。オペレートしていたマシュも『え…?』と一瞬だけ思考が止まった。
確かに『奴』は異形だ、間違いない。だけど、…その翠のボディは……赤い複眼は……
『ヨウ、俺〈兄弟〉…?』
…オメガだ。アマゾン・オメガからベルトを外して刺々しく有機的に……いや、怪物らしくしたと言ったほうが解りやすい。
オメガを俺〈兄弟〉と呼ぶアマゾン。対する彼は問いかける……
「何で、……何でお前が外にいるんだよ!?」
ありえない。ありえてたまるものか…自分の『本能』が自分の目の前で形を得ているなど!!
タイミング同じく、マシュからのオペレートが入る。
【目の前の敵性とおぼしきサーヴァント、解析結果が出ました。クラスはバーサーカー……そして、霊基パターンは非常に悠さん…仮面ライダーアマゾン・オメガと酷似しています…】
『アタリマエダロ?クラスガ違ウダケナンダカラサ。』
異形…取り敢えず、この場では『オメガオリジン』としておこう。奴の言うクラスが違うとは…?
サーヴァントとはそもそも、英霊から剣士や魔術師といった側面を(一部、例外こそあれど)削ぎ出して現世に召喚したものだ。例えるなら乱暴だが、切り分けられたホールケーキのようなといった具合。元々は同じだが、別々に成ってしまった存在…それがサーヴァント。ややこしい言い方になるが、オメガとオリジンは同一人物であり別々の独立した意識を持つ別人なのだ。
『アァ、良イネ…ヤッパリ生身ハ自由デ良イ。』
オリジンはボキボキと首や指の関節を動かして鳴らす…まるで、その感触を味わうように。そして…
ーーガブリッ!!!!
「…ああっ!?」
持ち上げた清姫の首筋目掛けて牙の並ぶ口で喰らいつく!!
「その娘を離せェ!!」
すぐさま、彼女を救うため突撃するオメガ。直後、オリジンとのアームカッターの衝突が起こり火花が散る!
『自分ノ狩ッタ獲物を喰ッテナニガ悪イ?!!』
「ふざけるなァ!」
ーーガキィィン!!
響き渡る衝突音。これが、更なる戦いの狼煙となった…
→→DELINEATION.Ⅲへと続く
アマゾンズseason2は次回の配信で最終回なんですが、千翼と仁さんにあまりに救いの無い展開に涙。そして、イユ退場フラグとか色々…(鳥で人外はもう前例があるよね) 最後、生き残ることを望むたちと決意した者たちの結末はどうなるのか…目が離せません。
さて、次回はFVA本編を更新できたらと思います。