Fate/Grand Order vs ALL RIDER ー幕間の物語ー   作:ジュンチェ

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アマゾンズ最終回感想。

誰か、仁さんを救ってあげてください。
そして、然るべき人たちを裁くべき。

ゾンビライダーがまた増えるのか。



DELINEATION.Ⅲ

…人間がいた。

 

ソイツは他人を傷つけ、辱しめなければ生を実感出来ないどうしようもない奴だった。

 

 

 

 

…男がいた。

 

男はどんなに救いようが無い罪人でも、力を人間には絶対に振るおうとはしなかった。それが、彼の『線引き』……

 

 

 

 

 

 

 

★☆ ★☆ ★☆

 

 

 

 

 

「オォォ!!!!」

 

『グルァァ!!!!!』

 

互いのアームカッターが相手の身体をかすめ、ドス黒い異形の血飛沫が舞う。直後、オリジンは清姫を投げ捨てると飛び退いて態勢をたてなおそうと距離をとる。この隙にオメガは血塗れの彼女を抱き上げ、駆け寄ってきたGに引き渡した。

 

「マスター、彼女を頼みます!」

 

「わかった。」

 

数秒後、再び戦線復帰する両者。オメガが殴りかかるが、素早くオリジンは彼の頭上を飛び上がり肩を蹴っ飛ばして背後へ。そのまま、オメガの背後に飛びつくや首筋に喰らいつきキバを立てる!

 

「ぐっぁあああああ!?!?」

 

苦悶の声をあげるオメガ。引き剥がそうと頭を掴み振り払おうと暴れるが離れようとしない……ならばと、アマゾンズドライバーのグリップへと手を伸ばしアームカッターを展開する!

 

【VIOLENT PUNISH】

「ぐっ!!」

 

そのまま、後ろへ凪ぎはらわれた刃はオリジンの脇腹を穿ち…流石の狂暴な異形もこれには離れずにはいられない。さて、引き剥がすことには成功したがオメガの首筋からはおびただしいドス黒い出血が起こり想定外の大きく蓄積したダメージに片膝をつく。一方でオリジンは脇腹の傷こそあれど、まだまだ戦闘は可能なようで再び雄叫びをあげながら獲物へと跳びかかる…!

 

 

 

ーーバシュッ!!

 

 

『!』

 

…が、空中で黒い弾丸が当たりバランスを崩し不時着。見れば、清姫を庇いながらもガンドを放ったGの姿。

 

『チッ…』

 

すると、オリジンは狙いをサーヴァントからマスターへと変えた。手負いの獲物を抜き去り、目障りな蝿を潰さんと地を駆けるッ!無論、Gも身構えるが…

 

『ギギギギ…!』

 

「…なっ!?」

 

不意をつき後ろから何者かに羽交い締めにされた!振り向けば、コウモリアマゾン…しまった完全に忘れていた。オリジンの爪先が新鮮な血肉を引き裂かんと空を切る……されど、怪人の力の前にはただの人間である彼では抜け出すことは不可能に近い。

 

 

 

 

やめろ

 

 

 

 

手を伸ばす…だが、届かない。

 

 

『ァァァァァアアア!!!!!』

 

【先輩!】

 

 

通信機越しのマシュの悲鳴が響く…

止まらない本能の凶器……

 

 

 

やめろ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヤメロォオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時、『ナニカ』が弾けた…

 

 

 

 

 

 

 

ジャキン!!!と鈍い音がしたかと思うとオリジンが背後より鋭い無数の槍らしきもので串刺しにされており、絶命していた。さながら、ヴラド三世の宝具である極刑王〈カズィクル・ベイ〉 のようだが勿論だが彼はここにいない。

 

では、誰が……?

 

 

 

「ゥゥゥ……」

 

 

聞き覚えのある低い唸り声。間にはさんでいたオリジンの肉体が溶けていくと同時にその姿が露になりGは息を呑む…。槍に思えたモノの実は触手であり、その全てがオメガから生えていた。…怪人……否、獣か…それとも化け物と呼ぶべきか。針山触手と化したオメガからはシャドウサーヴァントの如くドス黒い魔力が洩れだし、眼が血走るように赤く光っている。

 

「悠…?」

 

「…ゥッ!!」

 

あまりの変貌に戸惑っているGに目線すらあわせることなく直後、オメガは触手を収納して跳び上がり…Gを突き飛ばして逃げようとしたコウモリアマゾンにマウントをとった。狩る側から獲物へと一転した哀れな異形…今度は自分が逃げる術が無い…生憎、自慢の翼は誰がを乗せて翔べるほど強靭ではないのだ。なら、このあとはどうなるのか…?

 

 

「ォォォォォォォォォ!!!!」

 

 

…グシャッと命ある有機物を潰す音。オメガの咆哮の中でもあまりに生々しく響いたグロテスクな響き。

捕食者の手が皮を裂き、肉を千切り、臓物を引きずりだし、脊椎を砕く。暴力なんて生易しい言い方で形容出来ない嵐の行為にGと清姫が目を背けた。

 

 

「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 

やがて、被捕食者は異形としての形すら留めず物言わぬ肉塊へと変質していった…。在るべきモノ殆どがあってはいけない所に飛び散り、引き裂かれて無残にあたり一面に転がる……その中心で尚も吼えるオメガ。勝者の勝鬨如く熱を帯びた声…

 

しかし、熱というものはやがて冷めるというもの。やがて、眼から本能の光が消え失せ…黒のモヤも止まる。

はっ!?と我にかえった彼は辺りを見て自分が何をしてしまったかを理解する。

 

「……そんな…どうして……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…それが、お前の『本質』だからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「!」

 

抑えきれなかった自分に困惑する…と同時にが歩み寄ってくる新たな気配。車の影からゆっくりと現れたのはオメガと同じ『仮面ライダー』であり、『怪物〈アマゾン〉』だった。だが、アマゾンズドライバーを身につけてこそいるが姿はオリジンと酷似しており、色は無機質なグレーで眼が紫色に灯っている。

馬鹿な…確かに自分がサーヴァントになっているならあり得なくは無いだろうが、よりにもよってこのタイミングで現れるのか!?

 

「初めましてだな……カルデアのマスター。お前たちの流儀にあわせて言うなら『仮面ライダーアマゾン・シグマ』とでも名乗っておこうか。」

 

『Σ』…そう番付された名にアマゾンズドライバーからしてオメガと同様タイプの仮面ライダーだろう。ただ、このタイミングで現れたのとオメガの凄まじい警戒具合からしてとても友好的な存在とは思えないが…

 

【霊基情報、出ました!これは……『ルーラー』!?ジャンヌさんと同じエクストラクラス!!?】

 

「…何だって!?」

 

更に、マシュからの衝撃の報告。『裁定者〈ルーラー〉』とは本来の聖杯戦争において通常なら召喚されず、適性を持つ英霊もまた限られてくるクラス。エクストラというだけあって、能力は強力で真名看破など基本7騎には持ち得ない固有スキルを持っている。それが、仮面ライダーでアマゾンなどと全くGたちは予測すらかなわない。

これは彼を知らないが故の話であり、彼を知る者〈オメガ〉からすれば話は別。

 

「お前!何でサーヴァントに…!?」

 

「決まっているだろう。抑止力だ…人の歴史を脅かす害を排除する。それは、貴様がよく解っているだろう。」

 

シグマがオメガを指さす。

『抑止力』…人の歴史の存続に害悪・消滅の危機を与える存続に対する世界の防衛機構。召喚された土地かまたは害悪性存在に縁のあるものが世界により呼ばれ特異点においてもこれに該当するサーヴァントと遭遇したGは契約を結んだりすることもあった。

されど、シグマの言い回しは…まるで、オメガを『害悪』だと指しているように…いいや、確実に指していた。侮蔑するような視線がその証拠だ。

 

「…カルデアのマスター、貴様は甘い。コイツは紛れもない人喰いだ。人間に仇なす者…相容れないもの。そして、俺はアマゾンを狩るために産み出された者。即刻、この虫との契約を破棄して俺と契約すべきだ。」

 

そして、Gとの契約とオメガとの契約破棄を持ちかける。いきなり出てくるなり何を…とGが後退りするや、不思議そうに首を傾げた。

 

「何を躊躇う?正しい選択など見るに明らかだ。俺は人喰いの衝動は無い…それにエクストラクラスの霊基もある。何がが論理的かは考えるまでも無い。」

 

仮面ライダーアマゾン・シグマ…正確には『Σ』と分類されるアマゾン怪人にはある理由から仮面ライダーであるオメガですら持つ食人衝動が全く無い。つまり、令呪で縛る必要も無く…また、ジャンヌや天草四郎と同じルーラーのクラスならば強力な戦力になることだろう。何よりも…

 

「コイツが戦う理由は人類史が滅びれば必然的にアマゾンが産まれなくなるからに過ぎない…ただの利害の一致に過ぎないだろう。」

 

Gと悠の契約はあくまで利害が一致しているということ。アマゾン怪人は人の手によって産み出された怪人であるが故に人間の存在が無かったことになれば親無き子が産まれようが無いように誕生しようが無い。確かに、とっくに全ての黒幕である統括局ゲーティアは葬られたが未だに残る亜種特異点など不穏な影を拭いきれないためにズルズルと協力関係にあるに過ぎない。

 

「G……」

 

最も見られたくなかった異形の側面を見られてしまったオメガ。仮面ライダーという形の枷からはみ出た力は危険な因子そのものだと戦慄させるには充分だ。

 

だけど……

 

「?」

 

「……悠は人を襲わない。悠は仮面ライダーだ!」

 

「!」

 

Gはそんな計算人間ではない。悠は…仮面ライダーアマゾン・オメガは何度も共に死線を乗り越えてきた仲間だ。理屈や損得云々では無いものでマスターとサーヴァントの関係にある。ポッと出て来ていきなり自分が優れているだの契約破棄させろだの言って、はいそうですかと言うはずが無い。

すると、見かねた清姫が立ち上がりシグマに問う。

 

「シグマさん…と仰いましたか?私も訊きたいことがございます。貴方がルーラーというのなら聖杯にかける願いは無い…のだと同じルーラーの方から聴いておりますので貴方もそうなんでしょう。なら、何のために戦い…何のために旦那様と契約するのですか?」

 

戦う理由。カルデアにいるサーヴァントは皆、理由があってGに協力している。人類史救済に協力したい者や冒険を共にしたい者、清姫のようにGを慕う者など様々。なら、シグマはどんな思いでマスターに悠を排除させてまで契約しようと言うのか…

 

「……それが合理的だからだ。俺に人を喰う衝動も無い上にエクストラクラス、申し分ないだろう?」

 

合理的。そう簡単に言い放たれたどのサーヴァントよりも淡白か理由。オメガより利点が多い、ただそれだけ。

この答に清姫は顔をしかめる。

 

「気に入りません。私、嘘は大の嫌いですが血の気の通わないような理屈も好きません。つまり、旦那様より都合の良さそうな魔術師が現れればそちらに乗り換えることも意にかえさないということでしょう?」

 

随分と突飛した解釈…まあ、0か1の清姫の狂化思考回路なら仕方あるまい。されど、

 

「ああ、そちらが合理的…であればな。」

 

シグマの答もまた耳を疑うものだった。これが契約を持ちかけるサーヴァントの言い分だろうか…

この答と同時に清姫はキッとシグマを睨みGへと警告した。

 

「マスター、どうやらこちらの方は敵のようです。言葉の全てに嘘は感じませんが、明らかに自分の意思で口を動かしていないのは明らかですわ。」

 

「ほう?低ランクのバーサーカーとはいえ、少々侮り過ぎたようだな。」

 

真実。一転してシグマは敵として構えをとる。

咄嗟にオメガと清姫も臨戦態勢をとり、マスターを守るための陣形を組む。

「悠、俺はお前を信じる…!」

 

「G…ありがとう。」

 

 

―ドックン!!!!

 

「!」

 

その時、オメガが光に包まれアマゾンズドライバーが変化する。鋭い獣の眼のような赤いベルトに注射器のようなパーツがついたそれはアマゾンズドライバーの発展型『ネオアマゾンズドライバー』である。

 

「貴様、それは…!?」

 

危険を察したシグマ。咄嗟に襲いかかるがオメガがネオアマゾンズドライバーを操作するほうが早い。

 

 

【ν.O.ME.GA.】

 

「ウォォォ!!!!!霊基再臨〈アマゾン〉ッ!!!」

 

 

―ドゴオォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

 

吹き荒れる緑の熱風!シグマを弾きとばし機械的な模様を描きながら、オメガのボディは変化していく……。不完全ながら銀に輝く機械的な鎧が上半身に覆われ、翼のようなバイザーが顔に形成される。

 

 

『仮面ライダーアマゾン・ニューオメガ』

 

 

オメガの秘める力を更に引き出した姿だ。

 

【霊基再臨!?触媒も無いのになんで……!?】

 

その変身はオペレーターであるマシュも驚いた。本来、カルデアのサーヴァントはその特殊な召喚である故か本来の力より僅かしか力が出ない。故に力を取り戻すためには触媒となる素材を用いた育成・霊基再臨が必要となる…勿論、仮面ライダーのサーヴァントも例外ではない。しかし、オメガは触媒など無しに新たな段階…否、本来の力を取り戻してみせたのだ。

 

「マスター…!」

 

「悠、任せた!!」

 

「!」

 

一声。それだけで充分だった…信頼していると背中を押す。ニューオメガは地を蹴り、真っ直ぐにシグマへとむかう。咄嗟に腕を突き出してガードするシグマだが降り下ろされるアームカッターに力負けし、弾きとばされる。何とか、踏みとどまるもそこへ清姫の炎が追い討ちをかけた!

 

「シャァァァッ!!」

 

「…ぢっ」

 

直撃するやあっという間に炎がまとわりつくが、力任せに振り払う。

 

「ヴォォォ!!!!」

 

無論、そこから反撃など許さない。一気に距離を詰めたニューオメガの荒々しいラッシュがシグマの腕を裂き胸を裂き、眼を殴りとばす。飛沫をあげる反り血、ドス黒く染まっていく両者のボディ…

 

 

【AMAZON PUNISH】

 

「…ォオッ!!!!」

 

 

【VIOLENT STRIKE】

 

「…ッ」

 

そして、一瞬の間合いが空いた時…オメガのアームカッターとシグマの回し蹴りが激突したッ!!死の三日月が喰らいあい、獲物の命を刈り取るためだけに最高の威力を叩き出す!

キチキチと軋むアームカッターと亀裂が入る脚……振り抜いたのは…

 

 

「…オォゥ!!」

 

 

―斬!!

 

 

ニューオメガの一撃。シグマの脚をへし折り、バランスを崩した所へ容赦なく顔面に拳を叩きつけた。全体重とパワーを乗せた一発はいくらアマゾンといえど骨を粉砕するには充分だっただろう。地まで砕ける音と共に彼は動かなくなった…。

「…やったのか?」

 

「…」

 

決着はついた。終わった…………

 

血をはらい、Gの元へと戻っていくニューオメガ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……待て。」

 

 

 

 

 

「「!」」

 

しかし、息絶えたはずのシグマはムックリと立ち上がる。首と脚はあらぬ方向に曲がっているが、力任せに元の位置へ戻す。普通の生き物なら…いやサーヴァントだって麻酔も無しにやれば激痛に悲鳴をあげ失神してもおかしくない行為を平然とやり、逆に見ているGと清姫が顔をしかめる。一方、ニューオメガは振り返ると構えることなくその様子を見据えていた。

 

「シグマタイプの特性か……」

 

「……お前のデータは摂れた。5手で詰ませてもらう。」

 

小枝のほうがまだ安定するような足を踏み込み、神経と筋肉だけでかろうじて支える砕けた首をもたげながら突撃してくる…!されど、ニューオメガは動かない。

 

「悠!」

 

Gが叫ぶ!…が、ニューオメガは冷静に言い放つ。

 

「大丈夫。もう、彼は何も出来ないよ。」

 

「…!」

 

このタイミングと同じく、まるでプツッと糸が切れたように地面に転がるシグマ。踞る彼の身体からは…随所から融け……崩壊がはじまっていた…

 

「シグマタイプ…ダメージを感じないかわりに、自我も無い。それこそが強みで致命的な弱点の…兵器としてのアマゾン。」

 

ニューオメガ……悠は思い出していた。このシグマと戦ったのは初めてじゃない。その時も自分のダメージを認識出来ず戦闘続行した結果、限界を突破して今のように倒された。あの場合は倒すことで頭がいっぱいだったが…今は崩れていく彼がとても哀れに見えた。彼だって、元々は『人間』だったはずなのに…

 

「……自我が無い…?それは違う…」

 

「…!」

 

そんなニューオメガに…否とシグマは語る。

 

「シグマタイプにも自我はある……ただ、『記憶』に価値を見いだせない…何も感じない。サーヴァントになったところで、所詮は『死体』…願いになるはずのものがわからない。だから、かける願いもわからず………だから、ルーラー適性がある…」

 

無機質に違反者を裁く機械として……

 

「…死体?」

 

「G………シグマタイプのアマゾンのベースは人間の死体なんだ。」

 

「…酷い。」

 

こんな…こんなこと命への冒涜に他ならない。安らかに眠るべき死人の尊厳を踏みにじり、異形へと変えて感情までも兵器には不要と奪う。Gは見知らぬ傲慢な存在に怒りを覚える………が、そんな若き青年に死体は問う。

 

「酷い?お前に言えるのか………同じ死者を従えるお前が………?」

 

「…」

 

死者…即ち、サーヴァントのことか。確かにそうかもしれない…英霊とは死んだ英雄が世界に祀りあげられた魂で、これを召喚術にて分霊させ受肉させたものがサーヴァント。ある意味、墓穴を掘り返すような行いとしては同じなのか………

 

されど、『それは違いますわ!』と声をあげたのは清姫だった。

 

「私たちは確かに既に本来ならこの世にはいない存在ですが、しっかりと『願い』があります!ただ、動く死体では無いのです!!例え、一時の夢でも生きている…そんな私たちに寄り添ってくれるからマスターと一緒に戦っているのですよ。」

 

「清姫…」

 

彼女は否定する…自分たちは道具ではないし、自分の従うマスターは無情な冷血な人間でもないと。

すると、シグマはそうか………と立ち上がろうとするのを止め、膝をついた。

 

「ああ…俺には解らない。それが、サーヴァントだというのなら………俺は………………何の………ために………」

 

「もう良いよ。もう苦しまなくていい………ゆっくりと眠れ。」

 

再び、オメガはアームカッターを展開した。今度は敵を倒すための必殺技ではなく、処刑でもなく、まだ死体に縛られる魂を解放するための介錯であった。

次の瞬間、ヒュンッと刃が空を裂き…異形の首が宙を舞って地面に落ちた。これに呼応するようにシグマの肉体は完全に溶解し…そのまま、光の粒子となって消えていった。

 

【特異点反応、消失しました。マスター…悠さん、清姫さん、帰還の準備を。】

 

マシュのオペレーションが此度の異変の終わりを告げる。丁度、そこに『『無事かマスター!?』』とダブルオルタちゃんが駆けつけて探索はピリオドとなり…Gたちはカルデアへと戻っていった。

 

 

 

 

 

★☆ ★☆ ★☆ ★☆

 

 

 

 

「………と、まあ…これが今回の一部始終だ。」

 

そして、今回の探索をどういうわけか食堂にてドヤ顔で語るセイバーオルタ。あれ?何かしてたっけ?とか言ってはいけないとエミヤとマシュは微妙な顔をして彼女を眺めている。

 

「…だからな、あの蜥蜴(悠)の進化には必要な試練だとあえて身を引いて様子を見ていたのだ。な?だからな………頼むからこの消毒液くさい御飯はやめ…っ」

 

「つべこべ言わず食べなさい!」

 

「ふべらっ!?」

 

そして、涙目で懇願した彼女はナイチンゲールにより消毒液に満たされたフルコースディナーに顔面をぶちこまれた。此度、独断行動かつ全く役に立たなかったこのオルタちゃんにマスターが言い渡したのは3食ナイチンゲール飯1週間の刑である。勿論、当然の報いといえばその通りなのだが………

ここに、無慈悲に清姫が追い討ちをかける。

 

「旦那様、この不届き者は嘘をついていますわ!」

 

「宜しい、もう3日プラスだ。」

 

「ッ!? この人でなしーーーーーーーッ!!!!!? お前に人の心は無いのか!!」

 

これには我等がおかんエミヤも『自業自得と思いたまえ。』と切り捨て、暫くこのオルタちゃんがナイチンゲール飯に血の涙を流す日々が続いた。一方………

 

「さあ、ジャンヌオルタ…もう逃げられませんよ。」

 

「大人しく、罰を受け入れなさい。」

 

もう1人のオルタちゃんこと、ジャンヌオルタは目が妖しく光る天草四郎とオリジナルであるジャンヌ・ダルクに壁際に追い詰められていた。『ひぃぃ……』と怯えるジャンヌオルタの目線の先には天草が握る謎の小瓶に入った液体状の薬品。知っている…これを飲んだら自分はどうなるか…ジャンヌオルタは知っている…。

 

「「ハァ…ハァ……(狂気)」」

 

「来ないで…来ないデッテ、言ッてるのォーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!」

 

聖人なはずなのに、完全にキャスターのジルのような眼光の2人。明らかに犯罪的な変態の詰め寄り方をする聖人たちに最期、ジャンヌオルタの断末魔がカルデア中に響く。そのあと、季節外れのクリスマスのサーヴァントが現れたのはまた別の話。

これが通称・サンタリリィの刑である。このあと、録画されて元に戻った本人の前で観賞するという二段構えというジャンヌオルタ特攻の恐ろしい刑(笑)だ。

 

 

 

……さてさて、真面目な所に戻るとしよう。

 

 

悠はダ・ヴィンチちゃんと話をしていた。今回、自分のニューオメガへの進化とオリジンとの関連性…そして、今回の探索の一部始終に彼女はフムフムと頷くと天才なりに考えた結論を出した。

 

「悠くん、やはり察するに今回の特異点の発生は君のクラスチェンジが原因ではないかと私は思うんだ。」

 

「クラスチェンジ…ですか?」

 

「そうさ。君は元々バーサーカーだったのをカルデアに召喚されるにあたってアサシンにクラスチェンジした。その時、無意識に人喰い〈アマゾン〉の部分を強引に切り離してしまったんではないかな?本来、クラスチェンジなんて芸当はそう簡単には出来るもんじゃない…それなりの代償を伴うものさ。結果、君の欠けた霊基は不安定になり食人衝動がそれを補うために強くなった…皮肉なことにカルデアで迷惑をかけないようにした行為が裏目に出たわけじゃないかな。」

 

成る程、頷く悠。確かにバーサーカーで召喚されるのはカルデア側にも危険だと感じていたし、欠けた霊基を補強しようとしていたなら生者の時より強い食人衝動に説明がつく。

 

「…で、切り離された君の霊基を核に擬似特異点が発生した。そして、失われた部分を補填したことで君は本来の力を取り戻した…って所かな?実際、似たような事例は以前より報告されてるしね。」

 

最終的に独立した霊基の欠片…本能〈オリジン〉を倒し吸収したことでニューオメガへと霊基再臨できたという結論。確かに、筋は通っている。

 

でも……

 

 

(シグマ……アイツは何で現れたんだ?)

 

 

残る疑問。それなら、どうしてシグマが現れたのか?コウモリアマゾンやクモアマゾンはオリジンに反応して発生したと考えられるがシグマは明確に悠やカルデアのメンバーに敵意を持って立ち塞がった。本人は抑止力と言っていたが、それを聞いていたエミヤは考えにくいと言っていた。たかが、サーヴァント1騎でオメガ程度の力で働くものではないと……

 

(仁さん……千翼………)

 

過る元の世界の仮面ライダーたちに戦いを共にした仲間。彼等は無事なのだろうか……

何だか嫌な予感がする。自分がカルデアにいるのは本当にGと結んだ風都での縁だけなのだろうか…

 

(……それでも)

 

 

この身がサーヴァントなら……信じてくれるマスターがいるなら………帰れる場所があるなら………

 

別れの刻が来るまで戦おう。彼と彼の仲間たちのためにこの狂暴な力を牙とし、刃とし…………

 

 

(仁さん、甘いって言うかもしれないけど……これが今の『線引き』です。)

 

 

 

…水澤悠=オメガ改め、仮面ライダーアマゾン・ニューオメガのカルデアにての戦いはまだまだつづく。

 

 

 

 

 

〈〈仮面ライダーアマゾン・オメガ編 DELINEATION. END 〉〉

 

 

イメージED『DIE SET DOWN』

 

 





★NEXT SARVANT

マシュ「仮面ライダーアマゾンズseason2、完結おめでとうございます。」

???「随分と楽しそうじゃないか、G…?ゲームマスターの私を差し置いて!!?」

セイバーサンタオルタ「ギャアァアアアアアアア!!!!!!!!?!!!!?」

レーザー「嫌ですよ、こんな役回り。」

???「夏の新・檀黎斗祭り……開幕だァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!」

次回『仮面ライダーゲンム 夏の新檀黎斗祭り(大嘘)』

こーたーえー、大☆切☆断ッ!!


マシュ「ああもう、台無しです。」


次回もお楽しみに!!
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