魔法科高校の劣等生〜十三院の忌子〜   作:勘張 明倫

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プロローグ 十三院

・・・・・・・・・・・・・意識が再び戻り、目を開けた時広がった景色は。

真っ白な天井、そして自らに刺さる管だった。

 

管の先には水らしきものが滴る袋がつながっておりそれが定期的にポタポタと袋の中で滴る。

 

「・・・ここは。」

 

上半身だけ起こして周囲を確認する。

日の光が差し込む窓、計四つ存在する白いベッド。

前にいた研究所にも近いが明らかに違う知らない場所。

 

・・・・研究所、おれはそこにいたはず。

ならここは一体どこだ?

おれはどこに連れてこられたんだ?

と、疑問に思っていると。

 

 

ガラガラガラ

 

 

「おっ。

目が覚めたみたいだな。

どうだ?体の調子は。」

 

謎の男が入ってきた。

俺は警戒してすぐに立ち上がろうとしたが、

 

「あぁ!じっとしてなさい!

君はまだ怪我の回復が完全ではないのだから!」

 

と怒ったその男の言う事を、俺はとりあえず聞いておくことにした。

理由は特にないが、強いて言うならこの人の雰囲気は以前いた研究所の『いい人』に似ているからだ。

 

「やれやれ、警戒心が強いと言っていたがまさにといったところか・・・

まぁあんな凄惨なことをやらされていたら警戒するのが当たり前か。

 

 

君にとっては怪しい大人かもしれないが、私は君の味方だ。

神に誓って宣言しよう」

 

その発言自体が十分に怪しい。

てか、神に誓われても保証されるわけでもないのに・・・

 

「・・・な・・・なに・・・か、

よ、よう・・・・があ・・・るの・・・です・・か?」

 

俺はその男に思ったことを伝えたが、

何故か頭で考えたことがスラスラと言葉に出ない。

 

しかし、男はそれを気にすることなく俺に話し始めた。

 

 

玄「あぁ、そうだな。

だがその前に自己紹介をしようじゃないか。

 

私の名前は十三院という。

十三院玄三。

 

師補十八家のひとつ『十三院』の4代目だ。」

 

「お・・・おれの・・・名前・・・・解らない・・・ずっと・・・実験体・・・No.で・・よ、呼ばれて・・・ました。」

 

玄「・・・そうか、君達は私に聞かされた報告以上に苦しめられていたんだね・・・

気づいてやれずに済まないことをした。

 

実は君があの研究所にいた事を知ったのは私の知り合いからのつてでね、

国防軍のとある部隊が君がいた研究所に乗り込んだんだ。

非人道的な実験と、新型魔法の極秘開発。

 

とあるリークからの情報だったが、部隊が動くには十分すぎるものだった。

それで彼らは突入したが、そこにいたのは指令スペースらしきところにあった研究者らしき人達の死体。

実験体にされたのであろう子供達の死体。

 

そして指令スペースの直ぐ下にあった死体とともに意識を失っていた君だ。

 

君をその直ぐ後にこの病院に連れてきた。

あれから一ヶ月たったかなぁ・・・君が今目をさますまでずっと眠ってたんだよ?」

 

一ヶ月・・・・あれからもう一ヶ月がたったのか。

リアルな年月を聞かされて俺は初めて自分が逸脱した状況にあったのだと自覚した。

 

「・・・お、俺・・・以外・・・の・・・生きてる・・・人・・・は?」

 

玄「・・・残念ながら、君以外の実験体も研究者も。

あの場にあるものは全員死んでいたよ。

武装部隊が襲ってきたが彼らも我々との戦闘の際にほとんど死んだ。」

 

「・・・そう・・・で・・・すか。」

 

玄「・・・そんな悲しい顔をしないでくれ。

君に原因があるわけじゃないんだ、君が気にしたって仕方ない。

 

むしろ君はあの場を生き延び、私にこうして会えた。

そして君は第二の人生を歩むことができる。」

 

 

第二の人生?

と俺が気になっていると態度に出てたのか、その男性は改めて姿勢を正して言った。

 

玄「そういえば、本題を伝えてなかった。

・・・君が良ければでいいんだが・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

君、家に来ないか?」

 

「・・・・え・・・・え?」

 

唐突の提案に俺は混乱した。

家に来ないか・・・その誘いの意図といえば・・・

 

玄「君を、我が十三院の家族として迎え入れたい。

義理となってしまうが・・・君にお願いしたいこともあってね。

 

だが、前の奴らがやっていたことは絶対にしない。

もちろん人としての当たり前の生活も保証する。

 

・・・君の両親は、テロで亡くなっていることも私は知っている。

本来ならば君は孤児院等を一回挟んで里親を探すところだが、

 

私は君を見て、現状を知って・・・君を引き取りたいと思った。

私にも同じくらいの歳の娘がいてね、

彼女とともに君は同じ時を過ごし豊かに育ってもらいたい。

 

そしてあわよくば君に彼女を守ってもらいたい。

そう私は思ってるよ・・・どうかな?」

 

玄三さんはとても優しく諭すように話してくれた。

・・・家族を、父と母を失った俺が・・・もう一度家族になってもいいのだろうか?

 

それは死んだの両親を裏切る行為になるのでは?

最初はそう考えた俺だが、そのセリフを聞いた途端こうと思うようになった。

 

・・・『家族が欲しい』と。

 

「・・・お・・・俺なんかで・・・いいなら・・・か・・・これから・・・あなたの・・・家族に・・・なり・・・たい。」

 

玄「!!

勿論だとも!

あぁ、断られたらどうしようかと思ったよ。

 

じゃあすまないが、少し席をあけるよ。

医者の人に君を引き取ると伝えておかないとね。

 




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