私の家族はヤバイ奴ら!!   作:彩舞 艶渚

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私の家族はヤバイ。そして、カンタの叔父もヤバイ奴であった。彼はオオムラサメという希少な蝶々を保護する施設、オオムラサメセンターの館長であり、昆虫界に様々な発見と功績を残した偉大な人物なのである。そして、とにかく虫が大好きだ。虫を探し求めて世界を飛び回るのが日常であるこの昆虫博士はカンタ君の家よりも遥かにお金持ちだった。だから考えも大胆で…。

「きゃー!毒蜘蛛よー!!」
昆虫博士の妻は、突然悲鳴をあげた。足元には拳1個分あろうかというほどの巨大蜘蛛がのそのそと動き回っている。
「待てっそいつに触れるな!」
台所にいる妻にむかい、昆虫博士は顔を引きつらせた。巨大蜘蛛が妻の足にまとわりついていたのだ。すると、妻は錯乱状態になり、近くのスリッパを鷲掴みにした。そして大きく振り上げ…。
「危ないっ!!」
バシーンッ。一瞬の静けさが辺りを包み込む。昆虫博士はあまりのショックに膝から崩れ落ちた。目には涙をいっぱいため、一言。
「僕のタランチュラちゃん…。」
そんな昆虫博士の言葉を聞いた妻は眉をキリリとつり上げた。それはそうだろう。殺人蜘蛛に殺されかけたというのに肝心の旦那は蜘蛛の心配しかしていないのだから。
「私と毒蜘蛛どっちが大切なのよ!」
「もちろん…。」
普通このままいくと『お前に決まっているだろ。』という台詞となるだろう。しかし…。
「タランチュラちゃんに決まっている。一体、いくらしたと思うんだ。」
「知るか!この昆虫ジジイっ!」
「まあ、落ち着くんだ。」
「私を殺す気なの!?」
「いや…。」
2人は見つめあい、少しの時間がたった。
「…。なんであなたと結婚したのかしら。」
妻は吐き捨てるように言った。そして、彼女は次の日、忽然と姿を消したそう。さすがに昆虫博士もこの時ばかりは焦り、タランチュラやイグアナ、サソリ、ハチの放し飼いはやめたらしい。妻は放し飼いをやめた2日後に戻ってきてくれた。
「これでも少しは私を愛してくれていたのね。」
「いや、1人で126種の虫や爬虫類を全部飼うのは大変なんだよ。」
バシーンッ。タランチュラちゃんと同じように昆虫博士はスリッパ攻撃を受けることとなった。昆虫博士の中での順位は、1に虫、2に爬虫類3、4がなくて5にようやく妻らしい。そんな彼は、さっさと出て行こうとする妻にこう言った。
「これでも俺は君が好きなんだけどね…。」
このおかげで、妻が家を出て行くことは少なくなったらしい。

こんな人達が出てくるドタバタコメディー。では、スタート!!

注意 ・少しだけ汚い表現があります。話の繋がりは前書きを読めば次回以降の話に影響が出ることがありません。苦手な方は気をつけてください。


祭りの楽しみ方

祭り、それは人々が熱狂し、火照った顔に満面の笑みを浮かべる行事。つまり、わんさか人が集まってくる屋台の群れだ。そしてみんな、屋台の魔力に捕らわれる。あの神童カンタ君も例外ではなかった。

「ねぇ、昆虫おじさん。あれ凄くない?!」

指差したのは射的の屋台。色とりどりの美しいライターや大きなあんずバー、ぬいぐるみなどが景品となっている。

「昆虫おじさん、俺、射撃上手いからやらせてよ。」

カンタ君はどうしても射的がやりたいようで、昆虫博士の浴衣の袖をぐいぐいと引っ張っている。きっと、あんずの小片をシロップにつけて、棒状のビニール袋に入れた日本を代表する和菓子『あんずバー』が食べたいせいだ。カンタ君はアンズやスモモが大好物なのだ。

 

以前、あんずをごはん前に食べることを一週間の間禁止された時、カンタ君は我慢できずに28個を衝動喰いしたことがある。しかし、もう満腹の状態にも関わらず、ごはんを完食しなくてはならない。じゃないとあんずを食べたのがバレてしまうのだ。仕方なく胃袋に米を詰め込んでいた時、異変は起きた。グルルルゥゥゥウゥゥ。ピーゴロロゴロ。

「うっぷ。」

先ほど食べたあんずが喉まで押し寄せてきたのだ。青ざめていると隣のユメコちゃんがその様子に気づき、おかず移住作戦(前回参照)をやめた。

「お兄ちゃん、どうしたの?」

「ううぅぅぅ…。」

床に倒れ込んだカンタ君。次の瞬間…

「おえぇえ。グエッ。げぇぇげぇ。」

床は血…ではなく、あんずの赤に染まった。それから二週間はあんずを見るだけでも怯えていたらしい。

 

そんな事件が起こるほどあんずが好きなカンタ君そう簡単には引き下がらず、結局射的をやらせてもらうことになった。バン、バン。コツン。

「やったー!!当たった。」

カンタ君は見事、景品に玉を当てることができた。しかし、世の中甘くない。

「あんずバーをちょうだい。」

屋台のお兄さんは答えた。

「いや、ダメだよ。きちんと落とさなくちゃ。」

「そんなぁ。昆虫叔父さんもう一度やらせてよー。」

昆虫博士は黙っていた。そしてニヤリと笑うと自分がやってみると言ったのだ。美しい彫刻の施されたライターを狙う。そして、屋台のお兄さんが目を離した瞬間…。ゴトンッ。銃を前に出し、景品に押し当てたのだ。そのまま昆虫博士は何事もなかったように

「そのライターを頂きたい。」

と言った。

「んな馬鹿な!!これは絶対に落ちないはずなのに…。」

屋台のお兄さんは反論する。しかし、これは博士の作戦の範囲内であった。

「ええー、そんなはずないですよねー?そうしたらこれは詐欺じゃないか?」

もちろん、こんなことを大きな声で叫ばれたらひとたまりもない。他のお客やお巡りにバレてはまずいと慌ててライターを差し出す屋台のお兄さん。ついでに巨大あんずバーもくれた。

「あー。やっぱり、屋台の人を困らすのは楽しいなぁ。」

性格の悪い楽み方である。※良い子は真似しないように




遅くなりました。
雑ですみません。こんなの読んでいただき、感謝。
次回は何を書こうかなぁ。是非読んでくれると嬉しいです。
※実際にあった話しらしいですけど、何十年も昔の話なので、今は屋台がどうなっているのかは知りません。
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