転生レ級の鎮守府生活   作:ストスト

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前回死んだダイダラのかませ犬感よ……


「三宅島奪還作戦‼︎(後編)」

 

「人と……艦の……Fusion(融合体)……⁉︎」

 

「何故こうなったのかはわからない。

恐らくは起こるべくして起こったんだろうね」

 

サンズは腕を組み、多薬室砲をリロードした。

 

「俺はね、崇高な目的で行動してんだよ……

ま、そこまで言う義理はないがね。

ところで、まだやる気かい?」

 

「当たり前デショ……はぁっ……

私は……まだいけマスヨ……はぁ」

 

しかしその言葉とは裏腹に、金剛の

足は覚束なく、顔には汗が玉のように

張り付いていた。

 

「やめとけやめとけ‼︎さっきからお前の

動きがすっトロイ事に俺が気づかねーと

思ってんのか⁉︎これ以上は身体が持たねーぜ」

 

「金剛さん‼︎」

 

突如横から飛んで来た叫びに二人は

その方向を見た。

天龍と翔鶴。そして、レンゲの姿もあった。

 

「あらー来ちゃったか……まぁいいわ。お前ら一度

帰った方が良いぜ。そこのお荷物抱えたままじゃ

三宅島奪還なんて無謀の極みだよ?」

 

いつもの調子に戻ったサンズはそう言い、

足元から沈んでいき、そして逃走した。

 

「金剛さん、大丈夫ですか⁉︎」

 

「なんとか、という所デース……。

ちょっと無理をし過ぎマシタ」

 

天龍が肩を貸す。天龍に寄りかかりながら

金剛が立ち上がった。

 

「そうだ……加賀は⁉︎」

 

「加賀さん……?あ、いた」

 

加賀は既に触手から解放されていた。

 

「加賀さん‼︎」

 

レンゲがすぐにその元に行く。

刹那、金剛は気付いた。

加賀の身体の下、海面下にまだ誰かが

潜んでいることに。

 

「No‼︎近づいちゃダメデース‼︎」

 

「えっ?」

しかし、その時もうレンゲは充分すぎるほど

加賀に近づいていた。

 

 

 

 

「馬鹿が……サンズのいう事を私が

聞くとでも思っていたのか?」

 

 

 

 

 

加賀とレンゲを巻き込み、爆発が起きる。

魚雷や爆雷特有の水柱を立てて、

レンゲと加賀は互いに反対の方向に

吹っ飛んだ。

 

「ッ⁉︎」

 

「手負いの艦隊と、軽巡、それに空母か。

フン、私の敵ではないな……」

その爆発の中から八本の白い触手が現れ、

そして一体の丙型生命体が現れた。

イカリだ。

 

「てめぇ……このクソイカ野郎がッ‼︎」

 

天龍が怒りに震えながら魚雷を投擲する。

魚雷はまっすぐにイカリの元に進む。

イカリはすぐに潜ったが、逃れられるはずが

ない。

そう、普通の潜水艦なら、だ。

 

「うっとうしいんだよ……ガキ」

 

「なッ……⁉︎」

 

イカリが潜行してから50m先の天龍の

背後を取るまでにかかった時間は

僅か1.3秒。

当然天龍は反応できる訳がなく。

振り返った時には既にイカリは

水中銃を構えた状態だった。

 

「日本海軍に味方するものに、死を」

 

その目はただ冷静であった。

まるで、獲物を銃口に捉えた狩人の如く。

だが、イカリは上空から迫る烈風に気づくと、

すぐさま海中に潜行した。

 

「レンゲ‼︎皆を連れてとっとと逃げるぞ‼︎」

天龍は近くにいた霞と多摩を引っ掴むと

速力を出して逃げ出した。翔鶴も、金剛に

肩を貸し、そして比叡を担ぐと同じようにする。

そしてレンゲも、なんとか自力航行できるように

なった愛宕と共に加賀を抱えて全力で逃走した。

 

 

 

(逃すとでも……思ってんのかよオオオオオ)

 

イカリは彼女達が逃走している事に気づくと、

即座に追撃を開始した。

 

(潰す……二度とこんな思い上がった真似を

しねーようになアアアアアア)

 

 

 

 

 

 

 

「駄目だ‼︎これじゃ追いつかれる」

 

「天龍さん‼︎」

レンゲが天龍に耳打ちする。

その話を聞きながら、天龍は即座に

イカリを撒く為の準備を始めた。

 

そして、その準備が整う。

 

「いくぞレンゲッ‼︎」

 

その声を合図に、二人はありったけの魚雷を

海中に投擲した。

自分達の物だけでなく、霞や愛宕の物も

全て使い、魚雷を投擲していく。

 

 

 

(馬鹿が。私に水中銃がある事を忘れたか‼︎)

イカリは水中銃で迫り来る一つの魚雷を撃ち抜く。

水中で爆発。衝撃波がイカリを叩く。

 

(おっと……さて、奴らを……ッ⁉︎)

 

大量の気泡を掻き分けながらこれまた

大量の魚雷が四方八方に飛んでゆく。

 

(畜生めが……苦し紛れにやったんじゃない、

考えてやりやがったな(・・・・・・・・・・)‼︎)

 

イカリは今魚雷を所持している。

こんな大量の魚雷を全て捌くには、

近くで破壊せざるを得ない。

だが、そんな事をしたらイカリの魚雷が

誘爆する。

イカリの魚雷は指向性なので自らは傷つかないが、

雷撃という潜水艦最大の火力を失う事になる。

したがって、イカリは全ての魚雷が爆発したり、

どこかに行くまで待つしかなかった。

当然、レンゲ達は追えなくなる。

というか、無理をして追ったら支援艦隊に

やられる可能性もある。

つまり、イカリは追跡を諦めざるを得なかった。

 

(くそったれの……雑魚どもがアアアアアア‼︎)

 

誰もいない海中に、イカリの怒号が響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「追ってきてません……撒けましたよ‼︎」

 

「やった……なんとか首の皮一枚繋がったか」

 

ほぅ、と安堵の息をつくレンゲ達。

既に太陽は水平線に沈もうとしていた。

 

「暗くなる前に鎮守府に戻りましょう」

 

そう言いながら翔鶴は、速力を僅かに上げた。

その先には、陸地が見えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー三宅島。

 

「ダイダラが死んだ」とサンズは言った。

 

「やりやがったよ……レ級だ」

 

やはり、とイカリが立ち上がった。

 

「あのレ級か。貴様の予感が的中した訳だな」

 

「しかし、フジツボ以外で犠牲が出るとはね。

この事を他の奴等に伝達したら皆来るんじゃ

ないのかい?」

 

サンズは新しい投げナイフを腰にある

2つのポーチに入れた。

 

「来そうな奴は来るだろうけど、

来ない奴は来ないね」

 

「だろうねえ」

 

彼らは仲間の死を悼む気はさらさらなかった。

いつ死ぬかなんてわからない戦場で、

いちいち命を悼んでいたらきりがない。

そして、同族意識がないこともそれに

拍車をかけていた。

 

「ま、とりあえず今の所の撤退条件でも

出しておこうじゃないか」

 

ゲンブがナイトホークの微調整をしながら

条件を提示する。

 

「僕達の中の誰か一人が死んだら、

資源を持てるだけ持って撤退する。

いいね?」

 

「じゃあ俺はゲンブに1500円賭ける」

 

「サンズ?」

 

それを聞いたイカリがせせら嗤い、

触手の一本を上げた。

 

「では私はサンズに1800円」

 

これは何の賭けを始めたのか。

ゲンブはしょうがないといったように

静かに言った。

既に彼はこの賭けの内容を理解していた。

 

「僕は、イカリに1300円賭けよう」

 

 

ーーーーーーこの賭けの内容が、

「一番最初に死ぬのが誰か」という事に。




次あら汁さんとのコラボ書きまーす。
ご本人確認とれたし、パッパと書かせて頂きます。
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