俺はイカリの腹めがけ軍刀で刺突する。
(スットロイんだよ、レ級‼︎
あくびが出ちまうな‼︎)
イカリが鉄棍で弾き、カウンターを仕掛けた。
狙いは俺の右の肋骨。
(へし折れなァ‼︎)
俺はその一撃を、あえてガードせずにまともに
受けた。
メキッ、と鉄棍が俺の右胸に食い込む。
(なッ⁉︎ガードしねぇ……だと⁉︎)
パキッ……と肋骨にひびが入る音と共に身体に
激痛が走る。
俺は、奴の鉄棍を右手と身体で挟み込み、
叫びながら、裂帛の勢いで刀を振り下ろした。
(ッ……ウ……アアアアアアアアアアッ‼︎)
(が……ガキィ‼︎離せこの野郎‼︎)
その一閃は、奴の右の触手を二本斬り落とした。
肉を斬らせて骨を断ちたかったが、
俺と同程度の損傷しか与えられないか……‼︎
(ヴギィィィィィィィ‼︎俺のォオオ右腕がアアッ‼︎)
右腕を全て失ったイカリは、左の触手で
鉄棍を引き抜き、俺の腹を打突した。
(ぐあッ‼︎)
上へと俺の身体が打ち上げられる。
(ぶち殺す……ぶち殺すぶち殺すぶち殺す
絶ッッッ対にッ‼︎ぶち殺すッ‼︎)
紅い幾何学状のラインが顔に
ネイティヴアメリカンのメイクのように走る。
次の瞬間、打ち上げられた俺に向けて追撃を
開始した。
(ウシャアアアアアアアアアッ‼︎)
激流のように怒涛の勢いでイカリは攻撃を
仕掛ける。
俺は左肩への一撃を軍刀で防ごうとしたが、
それはあっけなく鉄棍に砕かれた。
(ハハハハハハハハハ‼︎手ぶらになったなァ
レ級ちゃんよォ‼︎)
イカリはそれを見て更に勢いを増す。
俺は腕や足でガードするが、痛みは
容赦なく襲いかかる。
(ぐ‼︎ がっ……‼︎ かはッ‼︎)
意識が朦朧としていく。
海底近くで戦闘をしていたのが、いつの間にか
海面近くまで上がっていた。
(反吐ぶちまけて死んでいきなァ‼︎)
イカリが鉄棍を大きく引き、次の瞬間
恐ろしい勢いで打ち出した。
この一撃は間違いなく俺の胸を貫くだろう。
朦朧とした意識をこれまでにない程……
レ級に生まれ変わる前でもこれ程に
やった事はないという位に集中し、そして、
皮一枚の差で奴の鉄棍を回避した。
(なんだとァ⁉︎しまっ‼︎腹が……がら空きに……)
そのままの勢いで、イカリは俺の横を通り過ぎた。
だが、俺は何もしない。正確には出来ないのだ。
既に意識を集中したせいで最早それを
保つのが精一杯だった。
イカリが振り返り、俺を嘲笑う。
(く……かはははははははははは‼︎
まだ、まだ運は俺を見放していなかった‼︎
さあ‼︎表情を見せろ‼︎絶望の表情を
私に見せながら沈んでいけええええええええ
うはははははははははははははははははは)
ザシュッ、という音と共に海面から
突き出された天龍の刀がイカリの首を
刺し貫いた。
(ウギッ……あぼッ……)
首の傷口から青い血が煙のように広がる。
ぽろりと、鉄棍を取り落とした。
瞬間、刀が引き抜かれ、イカリの身体が沈んだ。
俺は奴の鉄棍を掴み、打突した。
メリッという音と共にイカリの胸に突き刺さる。
メリッ……ブチブチッ‼︎ ベリッ‼︎
奴の体重が鉄棍にかかる。
(ッ、ウオアアアアアアアアアアアッ‼︎)
そのまま、奴の身体を海上に叩き出し、
そこで俺の意識が途絶えた。
「ッ……レンゲ……」
「レンゲの言った通り、海面まで来た奴の
首を刺し貫いたが……この後、どうするんだ……」
一方、天龍達はレンゲを心配していた。
と、そこに。
「ウギグガアアアアアアアアアッ‼︎」
イカリの身体が海上から打ち上げられ、
そして、近くにあった岩礁に叩きつけられた。
「ッ⁉︎」
「みんな‼︎」
続いて、168と19を翔鶴と潮に預け、
潜行していた58がレンゲを担いで浮上した。
「レンゲッ‼︎」
「大丈夫でち。尾は千切られたけど
命に別状はないし、今は気を失ってる
だけでち」
「……お前ら、レンゲを頼む」
そう言って、芝浦は天龍の刀を持って
歩いてゆく。
「ヒュー……コヒュー……何故、だ……ヒュウ……
何故、俺が……こんな攻撃を……ヒュウウ……
予想出来なかった……⁉︎」
満身創痍の状態ながらも、未だイカリは生きていた。
「それは、レンゲがお前の弱点を見抜いたからだ」
芝浦が、刀を持ってイカリの所まで来た。
「なんだ、と……ヒュ……弱点?
弱点と……言ったのか……⁉︎」
「それを自覚出来なかったのも無理はない。
お前は
イカリは首を芝浦の方に向けた、
「そんな……そんな馬鹿げた話が……‼︎」
「お前ら丙型生命体は艦と人間の魂が
融合した存在らしいな。そして、お前は
人間達の魂の恨みに感化されて海軍に
復讐しようとした。違うか?」
「ああ、ああ‼︎まさに……その、ヒュウ……
通りだ……」
首から空気の漏れる音を立てて、イカリが
肯定する。
「だがな、一つお前は勘違いをしている。
艦の魂も一緒に融合していることを、
忘れていたのか?
……お前の弱点はそこだ。人間達の魂と
艦の魂の怨む対象の食い違いなんだよ」
「……何……⁉︎」
「お前の中の人間達は海軍を恨んでいた。
だが融合した艦は、海軍の連中のような
だから、もしも艦娘と深海棲艦がいたら
深海棲艦の方を優先して攻撃し、
そいつに全ての警戒や能力を傾ける。
お前の身体の根底を作っている艦の魂が、
無意識の形として、そうしているんだ。
だから、深海棲艦と戦ってる間は他の奴に
集中がいかない。無論、艦娘にもな」
イカリは茫然とそれを聞いていたが、
やがて口惜しそうに口を歪め吼えた。
「ふざけるなァッ‼︎深海棲艦など俺は
どうでもいいのによッ‼︎なんでこんなことに‼︎
畜生、まだ、まだ俺は生きなきゃいけないんだ、
魂が満足するまでさァ‼︎」
もう、聞き飽きた。一度死んでも尚この世に
縋ろうとする亡者の叫びは。
芝浦は逃げられないように、イカリの左腕を
斬り落とした。
「ガアアッ‼︎て、てめぇ‼︎俺の中には、
悲惨な死に方をした魂がいるんだぜ⁉︎
そいつらごと俺を消す気か‼︎」
黒い羽虫のような艦載機が飛んでくる。
「ふざけるな……‼︎お前によって
殺された三宅島の人々はお前より悲惨な目に
あったんだ……お前の中の悲惨な死に方をした
魂には気の毒だが、悪いとは思わない」
そして、艦載機から爆弾がイカリに
落とされた。
「ちッくしょうめがあああああああああああああ‼︎」
直後、イカリを爆炎が包み、その身を
焼き払う。
「ガギアアアアアアアアアアアッ‼︎」
そして、その身を肉片に解体していく。
「が、カ……俺が……死んだら……他の奴が……
お前、らを……殺しにく、来る……ヒヒヒ……
ざまあ……みろ……」
イカリは、最期にそう吐き捨て、業火に
その身を肉片に変えられ、
一片残らず炭になった。
「死人は、死人らしく成仏しろ」
岩礁を覆う程の火炎を背にして、芝浦は
歩き出した。
「ようこそジャパリパーク」の……
「けものはいてものけものはいない」……
って歌詞よぉ〜……「けものはいても」
ってのは、よくわかる……スゲー
よくわかる……
アニメの題名が「けものフレン●」
だからな……。
だが「のけものはいない」ってのは
どういうことだアァァ〜〜ッ⁉︎
このアニメ両生類のフレ●ズが
出てねーじゃねーか‼︎
舐めやがってこの歌詞ィ、
超ムカつくぜェ〜〜〜ッ‼︎