転生レ級の鎮守府生活   作:ストスト

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球磨型はお好き?結構。ではますます
好きになりますよ。




「クマー特戦隊」

タクシーから降りた俺達は、鎮守府の玄関に

向かって歩き出した。

 

「あー、えっと提督に気をつけておけば

いいんですね?他に鎮守府には誰がいますか?」

 

「そうね〜。球磨ちゃんと、多摩ちゃんと、

北上さんと大井さんと。木曾ちゃんかしら。

あ、あとたまにジャックさんも来るわ〜」

 

「ジャックさん?」

 

「沖縄に常駐している空軍の一隊の隊長。

結構いい人よ〜」

 

あ、あとそれと、と龍田さんは続けた。

 

「中に入ったら彼女達のお出迎えがあるだろうけど

驚いた感じのリアクションをお願いね」

 

「? は……はぁ……」

 

俺達を歓迎するために何かしてくれるのだろうか。

それが何なのかを期待して俺達は鎮守府の中に

入った。

 

 

 

 

 

 

「クマー‼︎」

 

「ニャー‼︎」

 

謎の声と共に、ぐいっと俺の身体が持ち上げられ

次の瞬間抱え上げられたままどこかに

連れて行かれる。

 

「わっしょい!わっしょい!」

 

「わーっしょい、わーっしょい」

 

まるで俺を神輿か選手の胴上げのように

抱え上げ、掛け声をあげながら声の主は

鎮守府のとあるドアを開け、真っ暗な

闇の中に俺を放り込んだ。

 

「いてっ‼︎」

 

そのまま扉が閉まる。

 

「フフフフフ……よく来たクマ。

私達がこの沖縄鎮守府の艦娘クマ」

 

真っ暗な部屋に声が響く。

 

「にゃ。お前は横須賀鎮守府のレンゲかにゃ?

とりあえず、ようこそと言っておくにゃ」

 

……にゃ? ちょっと待って。この語尾、

どこかで聞いた覚えが……。

 

「これからちょっとしたことやるからねー」

 

「楽しみにしていた方がいいわよ?うふふ」

 

と、ここで素っ頓狂な声が出た。

 

「あれ、ジャックは?」

 

「あ、ホントだクマ。ジャックさんがいない」

 

にゃ……って……確か、内房の鎮守府で

聞いたぞ……?入渠した時だったか……。

……あっ‼︎

 

「もしかして、多摩さん⁉︎」

 

「にゃはぁ⁉︎」

 

ギクゥッ‼︎という擬音が聞こえてきそうな

声が聞こえた。どうやらビンゴのようだ。

 

「な、ななななーんのことクマ?

こ、ここには多摩なんて奴はいないクマよ」

 

「そうだ‼︎ここには多摩姉なんていないし

球磨姉も北上姉も大井姉もいねーよ‼︎

……あっ」

 

勝手に自爆したよ……。

 

「木曾ー⁉︎何バラしてくれちゃってるクマー⁉︎」

 

「あー、台無しだね。木曾のせいで」

 

「ホントにゃ」

 

「俺か⁉︎俺のせいなのか⁉︎」

 

ふと、俺はくすくすと笑う声を聞いた。

なんとなく分かったので、手探りで

扉のドアノブを掴み開けた。

 

そこには、龍田さんと皐月達、そして

外人の男性が笑いをこらえている姿が

あった。

 

「……知ってたんですね?龍田さん」

 

「うふふ……バレちゃった?」

 

「にゃ⁉︎龍田さん知ってたの⁉︎

何も言わなかったのに⁉︎」

 

「それぐらいわかるわよ〜」

 

まあ、龍田さんは面白いと思って、

隣にいる男性……恐らく彼がジャックという

人だろう。彼に目配せをした。

 

「まさか……ジャック、バラしたのか⁉︎」

 

「sorry. だけどタツタに頼まれちゃ

教えない訳にはいかなかったヨ」

 

はあ〜……と一気に脱力する多摩達。

 

「まあ私は楽しかったからいいけどねー」

 

「私は北上さんが楽しければなんでも

楽しいです♪」

 

……約二名を除いてだが。

 

ジャック、と呼ばれた男性は俺に

大きな手を差し伸べて、

「Hello! I’m jack. nice to meet you」と

言った。

 

「は、はろー」

 

俺は恐る恐るその手を掴んだ。

ジャックは笑って握手し返した。

大きな手に俺の小さな手が包まれる。

 

「……Oh, sorry. レンゲサン。

貴女は英語が分かりマスか?」

 

「あー、えっと、いいえ」

 

「それじゃあ改めて日本語で。

ワタシは沖縄駐留米国空軍の隊長、

Lt. Col のジャック・エルリックデス」

 

「……Lt. Col?」

 

「日本軍の階級でいうと中佐のことにゃ」

 

「Thank you, タマ。……ところで、

自己紹介はしたのデスカ?」

 

それを聞いて球磨があっと声を出した。

 

「忘れてたクマ。球磨型軽巡洋艦一番艦の

球磨だクマー。よろしくクマ」

 

「同じく球磨型軽巡洋艦二番艦、多摩にゃ。

……多摩って名前だけど猫じゃないにゃ」

 

「えーと、球磨型三番艦、北上だよー。

大井っちとは親友。よろしくねー」

 

「球磨型の四番艦、大井です。

よろしくお願いしますね」

 

「同じく球磨型……」

 

「末の妹、木曾クマ。剣術を学んでいるから

剣道をやった経験のある人は稽古をつけて

あげてほしいクマ」

 

最後に残っていた木曾の紹介をあっさりと

終わらせると球磨は、

「それじゃあ改めて歓迎パーティーを

始めるクマ〜」とレンゲ達を案内し始めた。

 

「球磨姉ーッ⁉︎俺、この日の為に徹夜して

自己紹介考えたんだけど⁉︎」

 

「お前の自己紹介は長いからカットクマ」

 

「Hey, キソ。早くしないとケーキが

なくなっちゃうヨ?」

 

「ちょ、球磨姉、ジャック‼︎皆も‼︎

俺を置いてけぼりにしないで‼︎」

 

木曾の叫びは虚しく沖縄鎮守府に響き渡るので

あった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

南方。沖縄から遠く離れた島。

その島は深海棲艦の巣窟となっていた。

そして、その巣の女王蜂とも呼べる存在が

深海棲艦達を集めていた。

 

 

 

白銀の長髪をツインテールに纏め、

厳しい両腕の艤装。

黒ビキニにジャンパーという風変わりな

出で立ち。

 

その女王の名は「南方棲戦鬼」と呼ばれて

いた。

 

数日前にハワイを制圧して気分はさぞ

良いはずなのだが、彼女の顔は暗く

曇っていた。

とある事情により、沖縄に侵攻する破目と

なったのだ。

 

「クソガ……アンナヤロー二……

指図サレルナンテ……‼︎」

 

怒りが篭った表情で戦鬼はギリリ、と

歯を食いしばった。

 

「……某のことを悪く言うのは構わないが、

これから来る某の仲間に対してそのような

ことを口走ると、酷い目に遭うぞ」

 

「ッ……‼︎」

 

声のした方を戦鬼は見やる。

そこには異形の者がいた。

その身は削ぎ落とされたように細くしかし

強靭な筋肉を備えている。

その顔は白い仮面のようで、一切の感情も

読み取ることはできない。

頭の頂点は丸くすべすべしていて河童のような

印象を受けそうになるが、河童というよりは

その姿はかつての映画で登場した

狩猟民族の異星人と言った方がしっくりきた。

 

「私ノ砲撃ハ本物ヨ……‼︎舐メナイデ‼︎」

 

「失礼ながら戦鬼殿。某は戦鬼殿のことは

愚弄しておらん。むしろアレを舐めない方が良い」

 

「……フゥン。私ノ姉ヲ殺シタ貴方デモ

恐レル位ノ輩ナノ?」

 

「無論。アレが来るまでは我々は下手に

動かぬ方が得策かと」

 

「フフフ……ソイツガ来タラ私達ノ侵攻ガ

始マルノネ……♪ソイツノ名前ハ、何ナノ?」

 

異星人のような風貌をした怪人は、海の方を

見やり、左手に持っていた日本刀を地面に

置いて、座禅を組んだ。

 

「某と互角に渡り合えるのは奴だけです。

他は誰もござらんよ。奴の名は……」

 

ふう、と息を吐いて、錆びついた声が

その名を読んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「奴の名は、リヴァイア・サンズ」




一週間かかっちまった……。
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