いう解釈でお願いします。
糸井川提督や球磨達との対面から
3、4日ぐらいした頃。
「球磨達と演習をするクマ」
そう、球磨は胸を張って俺達に言った。
「あー、ちょっと待って、球磨姉。
これ終わったらねー」
「北上さん、あなたこのゲームやり込んで
いますねッ‼︎」
丁度その時、俺と北上と皐月、長月は
レーシングゲームで競っていた。
「答える必要はないよねー」
「誰だバナナ置いた奴⁉︎皐月か⁉︎」
「俺だ」
「レンゲかッ‼︎」
正直、全員が球磨の話を半分に聞いている
様子であった。
「ファイトー!北上さーん!」
「あいよー大井っちー」
「お前ら話聞いてんのかクマ……?」
北上が球磨の問いに気だるそうに答えた。
「聞いてる聞いてる……よし、1着」
「北上さん強すぎィ‼︎」
皐月が躍起になりながらコントローラーを
操作する。北上は後頭部を掻きながら
立ち上がり、球磨に
「でもさ、今日木曾と多摩姉が近海の警備で
出撃しちゃったから無理じゃない?」と
聞いた。
「むー……だったら中途半端だけど
5vs5でやる「あー、パスで。今日私
大井っちと服買いに行くから」
「……そんなもん明日にするクマー‼︎」
「わー!ゲームがフリーズしたー‼︎」
「球磨さん落ち着いて‼︎」
球磨が怒りを収めたのはそれから約一時間も
後のことであった。
その頃。
「なあ、龍田」と糸井川は問うた。
「自慢じゃないんだが、俺は他人からよく
美形だなんだと言われる。なのにだ。
なんで俺はこうもモテないんだと思う?」
そう言う糸井川の顔は、少なくともブスと
言われるようなものではなく、むしろ
端正な顔立ちであった。
ただし、その右頰には真っ赤な
手形が付けられていたが。
「それは〜。提督がスケベだということが
わかるからじゃないかしら〜♪」
「……初対面の女性でも同じことが言えるか?」
「提督のオーラで分かりますよ」
糸井川はおし黙り、書類に判を押す。
「龍田、胸を揉ませてくれ。暫く女性の
身体に触ってない」
「昨日レンゲちゃんにセクハラして
頰を張られたのは誰だったかしらね〜♪」
龍田の一言に糸井川は再びおし黙り、
黙々と書類仕事に取り掛かるのだった。
沖縄鎮守府の近くには、二本の滑走路と
沢山の建築物が並んでいる。
米軍のものだ。
その建築物の一つで、男達が会話をしていた。
『ジャック。アレは一体どういうことだ』
筋骨隆々としたスキンヘッドの男がジャックに
対して詰問した。
『ハワード、私だって見るまでは
信じられなかったさ。まさか本当に日本が
深海棲艦を鹵獲しているなんてね』
ジャックはそう言って、腕を組んだ。
彼はレンゲが来るということを
糸井川から聞かされていた。
無論、彼女の「偽の
ジャックは当初は信じなかったが、
糸井川が横須賀鎮守府から送られてきた
レンゲの写真を見せたことで漸く事実だと
いうことを理解した。
『日本の情報は恐らく全て事実だろう。
彼女を母国に護送する案は
撤廃した方が良い』
『いや、全て事実とは俺は思っていない。
「丙型生命体」なんてのは日本のでっちあげの
はずだ。我々の母国に持っていかれるのが
よっぽど嫌なんだろうな』
ハワードの階級は少佐。ジャックより下だが
ハワードの仕事柄上、対等な関係となっていた。
ジャックの仕事が沖縄の空挺部隊を纏める。
一方ハワードの仕事は日本の状況や
日本の海軍の情報をアメリカに提供することで
あった。
現在アメリカは艦娘を「探す」のではなく
「造る」という視点に転換し、その技術の
実用化に向けてあらゆる可能性を模索している。
理由として、艦娘の適性を持つ人間がアメリカに
ほとんどいないことが上げられる。
レンゲはその艦娘を造る技術の確立に役立つかも
しれないのだ。……代わりに彼女は死ぬことと
なるが。
彼女を母国に連れて帰り、研究すれば
研究は大きく進歩する。そうなれば深海棲艦との
戦闘は優位に進むことになるのだ。
『なんとしても彼女を本国に送るぞ』
『……私は反対したからな。何があっても
知らないぞ』
ハワードはジャックの忠告を鼻で笑うと、
部屋から出ていくのであった。
「なんでみんな示し合わせたように
いないんだクマ……」
球磨ががっくりとうなだれる。
結局、球磨が騒いでいる間に北上は大井と
共に買い物に行ってしまった。
そうなると演習なんて絶望的な訳であり、
演習のはずだったが、今日は訓練という
形となってしまったのだった。
「……球磨さんの教え方上手でしたよ?」
「そうそう。雷撃も的に全部当てるなんて
すごいですよ」
「そう言われても普段は教える機会なんて
ないクマ。宝の持ち腐れクマ」
「球磨さん、腐らないで」
「また明日がありますから」
俺達が言ったのはあながち嘘でもないので、
もったいないな……と球磨以外(俺も含め)
残念に思うのだった。
その日の夕方、皆でテレビを見ていたら
天気予報で数日強い雨が続くと予報されて、
球磨が皆で演習できないことに対して
発狂し、取り押える羽目になったのだった。
深海棲艦の拠点となった島、ハワイ。
「マダコナイノカ‼︎」
「……焦りは禁物」
そこで南方棲戦鬼とプレ●ターのような姿の
怪人が丙型生命体達を待っていた。
「モウココ二留マッテ1週間ガ経ツゾ‼︎
コレ以上待テナイ、スグ二……」
「……来たようです」
彼の言う通り、海中から複数の影が浮かび
海上にその姿を現した。
「……よう、霧ちゃん。お久」
「某をそのように呼ぶのは止めろと
申したはずだったが」
そのことを問われ、それは手をひらひらと
降って答えた。
「再開を祝してだ。そこまで浅い仲じゃ
ないだろう俺達?」
そう言いながら、それは島へと足を
踏み入れて、上陸した。
「貴様ガサンズカ。霧ノ方カラ聞イテイル。
私ハ南方棲戦鬼。ハワイヲ占領シタノハ
私ダ」
南方棲戦鬼はそう言うとサンズに握手を求め、
ニヤリと笑みを浮かべた。
「フゥン……霧ちゃんがこんな奴に付くなんて
よっぽどの事情があったのか?」
「ナッ……‼︎」
「サンズ、某は当初この戦鬼から姉の暗殺を
承った。その後により強い者を求め、
彼女に付いた次第で」
「はーん……まあ霧ちゃんらしいや」
ヘラリとサンズは笑い、南方棲戦鬼を
無視した。明らかに戦鬼を格下扱いしている。
「キ……サマ……ッ」
「霧ちゃんと呼ぶのは止めろと」
「わーった。わーったよ
で、沖縄の件だったか?」
霧秀、と呼ばれた怪人は南方棲戦鬼を親指で
指して「彼女は我々にやらせろと仰せでな。
某からもお願いしたい」と言った。
その南方棲戦鬼はサンズを親の仇のごとく
強く見据えている。
「まー……沖縄はまず前準備が必要だ。
ゲンブ、お前1人で準備してこい‼︎」
「マジか、アレ冗談だと思ってたのに……」
「俺が冗談言うように見えるか?」
「全くもってそう見えるよ」
サンズは深海棲艦の住処となったハワイの
砂浜に大の字になると、クアッ、と大きく
口を開けて欠伸をした。
ゲンブはそれを見てため息を付くと、
首を回して海を見据えた。
「それじゃあ、全力で引っ掻き回すとしますか」
動き出す丙型生命体と深海棲艦。
サンズの言う「前準備」とは……。
その前にまたスピンオフ書きます。