転生レ級の鎮守府生活   作:ストスト

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「せせら嗤う悪魔」

ーーーーーー木曽は、薄暗い部屋の中で

目を覚ました。

 

「……オォ。目ェ覚ましたかガキ」

 

せせら嗤うような声の方向を向く。

そこには蜥蜴のような鰐のような化け物がいた。

慌てて木曾は立ち上がろうとしたが、

その時になって自分が縛られている事に気付く。

 

「ッ……‼︎」

 

艤装も、愛用の刀すらも奪われ、完全に

丸腰の状態で、木曾は化け物……

リヴァイア・サンズの前に拘束されていた。

 

「テメェ……俺に何をする気だ?拷問か?」

 

「ハハッ、そういきり立つんじゃねぇよ。

短気な女は嫌われちまうぜ?」

 

サンズは軽薄な声で木曾の神経を逆なでする

言葉を放つ。

 

「まあ落ち着けや。テメェを傷付ける気なんざ

これっぽっちもねぇからよ」

 

そして両手を広げて木曾に対して害意のない事を

示した。

とりあえずはすぐに殺される事はないだろう。

 

「丙型生命体か」

 

「丙型?なんだそりゃ。捻りもないネーミング」

 

もっと良いネーミングあるだろ、とばかりに

大仰な仕草でサンズは頭を抱える。

その仕草一つ一つが、わざとらしく、

人の神経を逆なでするようで。

……だがしかし、とても()()()()()()

 

深海棲艦より遥かに、意思の疎通も容易く

感情も人間のそれとほぼ同じ。

まるで人間がガワを着ているのではと

錯覚してしまうほどだった。

 

だが、木曾は彼を人間だとは思ってはいなかった。

何故か。

それは木曾の意識がこの薄暗い部屋にいる前。

海上で天龍の援護に向かった際に彼に

襲撃され、捕縛されたからだ。

まず艦娘以外で海面に立てる人間など

存在するわけがない。

それにーーーーーーとある理由からも木曾は

目の前の者が人間でない事が分かっていた。

 

「……なんで、丙型生命体が深海棲艦側に

ついているんだ?」

 

「簡単な話。これだよ、これ」

 

サンズは腰のポーチからタバコを取り出しながら

もう片方の手で金のジェスチャーをした。

 

「俺達は傭兵。積むもん積んでくれれば

味方にでも裏切りでもやってやるよ。

地獄の沙汰も金次第、俺達の助力は

弾薬に燃料次第ってな」

 

「なるほど。じゃあ人間がお前らを

雇うと言ったらどうする気だ?」

 

「そりゃあ、前のクライアントより多けりゃ

喜んで雇われるぜ、俺は」

 

それはつまり、交渉によっては彼らが

味方になる事も十分にありうる事を示していた。

……とはいえ、傭兵という身であるため

後ろ玉を撃たれるような行為に走られる危険性も

あるが。

 

「……これから俺はどうなるんだ?」

 

「教えねえよォ〜だ。自分で考えろ」

 

ハハハ、とサンズはどこか乾いた笑い声を

上げた。

 

「口だけはよく回るな」

 

「そうだよ(適当)。ただ……まあ、

これから面白い事になる、とだけ

言っておいてやろうか……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、沖縄鎮守府。

 

『残念だが……すぐには沖縄に行く事は

難しそうだ。こっちでも色々模索している途中

なんだが……』

 

「ああ。こっちもだ。なんとかしないと

まずい事になる。……ッ、そろそろ電波が

悪くなってきた。切るぞ」

 

『武運を祈る』

 

ガチャリ、という音と共に糸井川は

レトロな受話器を置く。

米軍から大規模な電波障害に襲われていると

連絡を受けてから、糸井川の脳裏に

嫌な予感がよぎった。

そして、その予感は的中してしまった。

九州から派遣されるはずであった支援艦隊は

電波障害によって羅針盤やありとあらゆる

計器が狂うために未だに沖縄に辿り着けない

事態に陥っていたのだ。

 

先程、電波障害が弱まったので連絡を取ることが

出来たものの、それもほんの10分程度の事。

既に沖縄各地ではパニックが起こり始めている。

 

「ああ、くそっ‼︎」

 

思い切り机を蹴り上げる音。

イライラした様子で糸井川は髪をかきあげ、

沖縄周辺の地図を睨んでいた。

 

「イライラしとんなぁ……。

あんまイライラすんのも身体に悪いで。

若くして禿げるで」

 

「龍驤か……。提督の仕事はな、

イライラすることなんだよ。

常にお前達を危険に晒す仕事だ。

こっちも命ぐらい賭けるべきだろう」

 

まあ、これが終わったら多分俺は

沖縄からいないだろうけど、と糸井川は

付け加えた。

彼自身、かなり大本営のお偉方から

厭われている。

どうせなんらかの理由をつけられて

またどこかの地方の鎮守府に異動になるだろう。

 

「あーあ。ここの鎮守府での生活は、

楽しかったなぁ……。さて俺は次は

何処の鎮守府に行くのやら」

 

「アホウ、んな事言ってないで今どうするか

考えや。後のことはそれから、ええな?」

 

そう言いながら龍驤はこつん、と軽く

糸井川を小突いた。

 

「……そうだな。まずは今どう切り抜けるか

考えるとするか。……龍田の情報だと、

敵は下地島にいると。そうだったな?」

 

「せや。さっき全快した天龍も同じこと

言うてたわ」

 

「罠の可能性は?」

 

「大いにありうるな」

 

やはり糸井川の元で秘書艦を務め上げた事も

あり、2人は作戦をどんどんと構築していった。

「……なあ、糸井川。こないだアンタが

言うた事やけど……」

 

と、龍驤がぽつりと呟く。

糸井川が言った事とは、この戦争が終わったら

付き合わないかという話の事である。

 

「あれ、な。そのー。なんていうか……」

 

「今どう切り抜けるか考えるべきじゃないのか」

 

だが、今はその答えは出せなかった。

出す程の余裕もなかった。

 

「……あ、うん。ごめんな」

 

龍驤のその声には、若干の寂寥が含まれていた

事に、糸井川は集中し過ぎて気付く事は

出来なかった。




レ級を書いてみました。下手くそなので
見たい人だけどうぞ。

【挿絵表示】





ボブデミミミ……(瀕死)
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