転生レ級の鎮守府生活   作:ストスト

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曙のライバル、登場。


スピンオフ「雷の如き曙の光:その2」

横須賀の軍学校に行って数日。

曙は学校の生徒達にも馴染み、勉学に

勤しむようになっていた。

 

「はあぁ……」

だが、彼女は今一つの問題に直面していた。

 

「ちょっと、曙‼︎ため息つかないで

掃除やってよ‼︎」

 

とある艦娘、雷との関係についてである。

 

「分かってるわよ‼︎全く……」

 

曙が学校に来てから数日、ずっとこの調子だ。

しかもこの軍学校は全寮制なのだが、

雷と曙は同室なので、部屋の中でも同じことを

やることになっているのだ。

 

「あんたこそロッカーの上雑巾で拭きなさいよ」

 

「背が低いから拭けない。曙代わりにやって」

 

「はぁ⁉︎あんたそこやりたいって言ったから

代わったのにそこもあたしにやらせる気⁉︎

背が届かないんだったら別の場所の掃除を

しなさいよこのチビ‼︎」

 

「チビって何よチビって‼︎」

 

そして必ず口論がヒートアップして、

 

「何よ、やる気?」

 

「上等。やってやるわ‼︎」

 

取っ組み合いの喧嘩に発展するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「またやったのか」と那智は曙に向かって

言った。

 

「なんでそんなに喧嘩するんだ?今回だって」

 

「しょうがないでしょう?あの子背が低いのに

高い所の多いロッカーをやって、しかも

出来ない所もあたしにやらせようと

したんですよ?」

 

「だからといって馬鹿は言い過ぎだ。

この数日の間に何回喧嘩した?」

 

額に手をやって、曙はため息をついた。

 

「……8回です」

 

「そんなに喧嘩するんだったら一回何かの

勝負でもしたらどうだ?」

 

那智はそう言うと、「彼女にも辛い過去ぐらい

あるんだぞ?」と続けた。

 

「それって、どういう意味なんですか?」

 

「あ……いや、なんでもない。忘れてくれ」

 

慌てて話を終わらせると、彼女は曙に

寮部屋に戻るように伝えるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

曙と雷の寮部屋。

 

「ねぇ、雷」

 

「……何?」

 

曙と喧嘩したせいで説教をされたのを

根に持っているのか、不機嫌な顔で

雷が曙を睨む。

 

「この関係を終わらせようとは思わない?

いい加減にどちらが上か決めましょうよ」

 

「……それもそうね。どうやって決めるつもり?」

 

雷が曙の方に向き直る。

 

「三本勝負で決めるわ。まず、体力勝負。

その次は……」

 

彼女は雷に三本勝負の最後の内容を伝えた。

雷はそれを聞いて一瞬驚いたような顔を

したが、すぐに微笑を浮かべた。

 

「へー、面白いじゃない。その勝負、乗った」

 

「じゃあ、体力勝負は学校の身体力試験で

競わない?」

 

「負けても文句なしよ」

 

曙はその言葉をせせら笑い、

「こっちの台詞よ」と言ってのけるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その数日後、身体力試験という名の体力勝負の

勝敗が決まった。

 

「ふふふ……私の勝ちね」

 

勝ったのは、雷であった。

曙は惜しくも総合点で数点遅れを取っていた。

 

「……次は負けないわよ」

 

「ふふん。次も勝たせてもらうわ」

 

雷がニカッと快活な笑みを浮かべる。

その笑みが曙の闘争心を刺激したのは

いうまでもなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして次の勝負の学力勝負(軍学校の学力試験)

まで後一週間となった頃。

 

「ッ〜……今回の試験の範囲って一次関数

入ってるのかぁ……」

 

寮部屋で雷は頭を抱えていた。

曙がどんなに学力があるのか分からない以上、

苦手な科目をなくしておかないとならない。

しかし、どうやればいいのか雷は分からず、

学校の教科書を前にして苦悶していた。

 

「……何やってんのよ」

 

その背後から曙が声をかけた。

 

「……考え事してんのよ。見て分からない?」

 

「勉強で分からない所でもあるんだったら、

あたしとか他の人に聞きなさいよ」

 

何を馬鹿なことを、と雷は言おうとして

振り返り、絶句した。

 

曙の姿は普段あまり掛けていない眼鏡の他は

変わらないが、その片手に持っている

テキスト本に目を注がざるを得なかったのだ。

そのテキストの表紙には、

「中三の数学をもっと分かりやすく」と

書かれていた。

その本の中には付箋がいくつか貼ってあり

使い込まれているのがよく分かる。

今、雷と曙が教えられているのは中学二年の

内容。つまり。

 

 

 

 

 

……曙の学力はかなり高いということだ。

 

「曙、数学出来るの?」

 

「別に。普通よ普通」

 

普通じゃないでしょ、と突っ込みたい気持ちを

抑え、雷は曙に問う。

 

「今どんな内容を勉強してるの?」

 

「そうね……今は学力試験の範囲を

勉強してるけど、その前は二次関数とか色々と」

 

中三どころか、高校のLvまでやっている。

雷は「絶対あんた頭良いでしょ……」と

頭を抱えた。

 

「まぁ二次関数は最近やり始めたし……

あ、雷。あんた一次関数出来ないの?

教えてあげるわよ」

 

曙は机の上に置いてあった教科書を見て、

雷に言った。

 

「……分かりやすく説明してよね」

 

「分かってるわよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「那智さん、本当に彼女達を同室のままに

しておいて良かったんですか?」

 

教員室。那智に天城はおずおずと聞いた。

 

「大丈夫だ。彼女達はうまくやっているよ。

互いにライバルとして切磋琢磨してる」

 

「……本当に?だって……」

 

那智は天城の思った事を察し、その懸念に

対して答えた。

 

「あぁ、雷のその事(・・・)も含めて

大丈夫と言ったんだ。それにな、よく

言うじゃないか」

 

那智はそこで一区切りおいて、僅かに

微笑を浮かべた。

 

「……喧嘩する程仲が良い、って」




FGOやってて遅れました。
誠にすいません。次はもっと早く出します。
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