コミュ障ヘタレと9人のアイドル   作: まきパリ

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えーと、最近虹ヶ咲にはまりまして投稿が遅くなりました。申し訳ございません。そしてたくさんの誤字の指摘ありがとうございます。本当に感謝しております。話は変わりますがいつかμ’sメインの話も書きたいなと思っています。余裕ができたらやろうかなと思います。


廃校と新たな目標

前回のコミュ障ヘタレ。様々な衝突や葛藤がありながらも難しいパフォーマンスを成功させ、予選1位でラブライブ決勝にコマを進めることができたAqours。そして入学希望者を確認しに学校に戻ったのであった。

 

入学希望者の締切まであと4時間弱、現在の数はというと・・・

 

鞠莉「92人ね。」

 

瑠惟「あと8人か・・・。」

 

千歌「いけるよね?大丈夫だよね?」

 

曜「ネットに上がっている私達のさっきの予選の動画も再生数がどんどん増えてるし、きっと大丈夫だよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

しかしそんな曜の言葉も虚しく、この先人数が増えることはなかった・・・。

 

今はちょうど日付が変わって午前0時、浦の星の生徒募集のホームページは消えていた。

 

俺達は学校を守ることができなかったのだ。

 

千歌「嘘・・・だよね?私達学校を救えなかったの?浦の星は無くなっちゃうの?」

 

梨子「千歌ちゃん・・・」

 

瑠惟「俺、鞠莉さんのお父さんと話します。」

 

ダイヤ「待ってください。・・・もう廃校は決定しました。今更何を言っても・・・。」

 

瑠惟「無駄かもしれません。でも・・・でも!」

 

そして俺はケータイを取り出して鞠莉さんのお父さんに電話をかけた。

 

向こうは早朝だから繋がらないかもしれないけど・・・。

 

鞠莉父「はい。」

 

繋がった!

 

瑠惟「もしもし、僕です。こんな朝早くにすいません。」

 

鞠莉父「あぁ分かっている。浦の星のことだろう。」

 

瑠惟「はい。」

 

鞠莉父「私もできるだけ引き伸ばしてもらったんだ。でも、もう廃校は決定した。簡単な話だよ。この町には人は集まらなかった。」

 

瑠惟「でも、あの希望者数は女子だけの数ですよね?」

 

鞠莉父「・・・希望者は男子も含めてあの人数だよ。」

 

瑠惟「そんな・・・。」

 

鞠莉父「そう落ち込まないでくれ。君達が悪いわけじゃない。むしろ君達は良くやってくれた。廃校寸前のこの学校をラブライブ決勝まで連れて行ってくれたのだから。」

 

瑠惟「じゃあもう本当にこの学校は・・・」

 

鞠莉父「悲しいが廃校になってしまう。・・・だから残りの時間をみんなと大切に過ごしなさい。」

 

瑠惟「廃校になってもみんなは同じ学校に行けるんですよね?」

 

鞠莉父「もちろんだよ。だが君は本当にいいのかい?前に約束した通りにして?」

 

瑠惟「はい。大丈夫です。俺なりのケジメですから。」

 

鞠莉父「そうか・・・。なら君の言う通りに手配しておくよ。」

 

瑠惟「ありがとうございます。では失礼します。」

 

話を終えた俺はみんなを見て、首を横に振った。

 

瑠惟「すまん、ダメだったわ。」

 

明るく言ってみるが、こうでもしないと平常心を保てそうにない。

 

それはここにいる全員同じで、誰も何も言おうとしない。

 

瑠惟「・・・今日は遅いし、帰るか。」

 

千歌「・・・うん。」

 

瑠惟「この時間じゃバスも無いし、沼津組は俺達の所に泊めるよ。他のみんなは気をつけてな。」

 

解散した後、千歌は曜、善子を連れて部屋に戻った。

 

 

 

 

俺は少し外の空気を吸いたくて近くの浜辺に来ている。

 

前に千歌、梨子、曜の3人でグループ名を考えた場所だ。

 

懐かしいな・・・。

 

ふと空を見上げるとそこにはきれいな星空が見えた。

 

改めて実感する。学校が無くなってしまうのだと。

 

今年浦の星に来た俺は千歌達2年生、果南さん達3年生ほど思い出があるわけじゃない。

 

でも・・・

 

みんなと同じく大切な場所であることは間違いない。

 

Aqoursや学校のみんなと一緒に過ごした時間は本当に楽しかった。

 

もっとあそこにいたい、もっとたくさんの思い出を作りたい。

 

そう思えるからこそ悔しい。

 

学校を救えなかったことが、あいつらの思い出を守れなかったことが。

 

瑠惟「クソッ!」

 

誰もいない浜辺に声が響く。

 

そんな時だった。

 

「あの・・・。」

 

この声は・・・

 

後ろを振り向くとそこには。

 

瑠惟「善子。」

 

善子「先輩・・・。」

 

瑠惟「どうした、こんなところで?」

 

善子「それはこっちのセリフよ。いつまでたっても帰ってこないし、夜中にこんなところにいたら風邪ひくわよ。はいこれ。」

 

どうやら毛布を持ってきてくれたみたいだ。

 

瑠惟「ありがとさん。」

 

彼女は毛布を渡すとそのまま俺の隣に座った。

 

瑠惟「眠れないのか?」

 

善子「うん。」

 

瑠惟「・・・ごめんな。学校守れなくて。」

 

善子「なんで謝るのよ。」

 

瑠惟「だって・・・あれだけみんななら学校を救えるって言って、練習も厳しくしたのに、結局学校は廃校になったし俺は何もできなかったから。」

 

善子「それ本気で言ってるの?」

 

瑠惟「え?」

 

善子「私は先輩がいなかったらここまでできなかったと思ってるの。Aqoursができたのは先輩のおかげだし、私がスクールアイドルになろうと思ったのは先輩が背中を押してくれたから。」

 

瑠惟「善子・・・」

 

善子「毎日私達の練習を見てくれるし、曲作りや衣装づくりも手伝ってる。私達が落ち込んだ時は励ましてくれるし、ライブが成功すれば一緒に喜んでくれる。練習後にはたまにアイスとか買ってくれたり、テスト前には勉強を見てくれた。他人のことを第一に考えて、たまに無茶なこともする。そんな先輩がいてくれたからここまでこれたの。私はそんな先輩に感謝してるし、他のみんなもきっと同じだと思う。だから・・・何もできなかったなんて言わないでよ。」

 

あぁダメだ。善子の言葉を聞いてると涙が出てくる。

 

情けないな。後輩の前で泣くなんて・・・。

 

瑠惟「少しみっともない姿を見せるが許してくれ。」

 

善子「泣きたいときは泣いて。私が受け止めるから。」

 

そして彼女は優しく俺を包み込む。

 

瑠惟「ありがとう・・・。」

 

俺は彼女の腕の中で泣いた。涙が枯れるまで泣いた。

 

 

 

しばらくして落ち着いてきた。

 

考えるとさっきまで俺は後輩の女の子に抱きついて泣いていたんだよな。

 

急に恥ずかしさがこみ上げてきた。

 

そしてすぐに善子から離れる。

 

善子「あら?もういいの?」

 

瑠惟「あぁ、だいぶ落ち着いたからな。ありがとう。」

 

善子「子供みたいに泣いてる先輩、なかなか可愛かったわよ。」

 

やめてくれ〜!

 

瑠惟「ま、まぁ今日はもう寝よう。話はまた明日に。」

 

そう言って帰ろうとすると善子に腕を掴まれた。

 

瑠惟「ん?どうした?」

 

善子「先輩は・・・次の学校はどうするの?」

 

瑠惟「・・・」

 

善子「私達と同じ学校に通うの?それとも・・・」

 

遅かれ早かれいずれ言うことだ。ここで言ってもいいだろう。

 

瑠惟「俺は東京に帰る。」

 

善子「やっぱりそうなのね。」

 

瑠惟「気づいてたのか。」

 

善子「なんとなくね。多分、みんなも気づいてると思うわ。」

 

瑠惟「止めないのか?」

 

善子「本当は止めたいわ。2年生の3人が悲しむし、多分ルビィとずら丸も。」

 

なんでルビィちゃんや花丸ちゃんが悲しむんだ?

 

まぁいいか。

 

善子「私も先輩には行ってほしくない。・・・大切な人だから/////」

 

瑠惟「最後の方、何て言ったんだ?」

 

善子「なんでもない!」

 

瑠惟「そんなに怒るなよ。」

 

善子「でも先輩が決めたことだから。それが正しいと思う。だからたまには会いに来てよね。」

 

瑠惟「言われなくても毎週のように行ってやるよ。」

 

善子「それはさすがに・・・。」

 

瑠惟「俺も放送楽しみにしてるからな。実はここ最近の楽しみなんだ。」

 

善子「えっ!?まさか私の放送見てるの?」

 

瑠惟「当たり前だろ。なんせヨハネ様のリトルデーモン第一号だからな。」

 

善子「あ、当たり前よ!リトルデーモンなら私のことは常にチェックしておかないとね!」

 

瑠惟「全くどうにも俺の後輩は可愛い奴ばっかりだな。」

 

そう言ってヨハネ様の頭をナデナデする。

 

善子「あっ。」

 

どうやらヨハネ様はお気に召してくれたようだ。

 

瑠惟「善子と話せて良かった。ありがとう。」

 

善子「・・・どういたしまして。」

 

 

 

 

次の日学校に行くと臨時集会があって、そこで鞠莉さんから生徒にこの学校の廃校の決定及び、次年度から沼津の学校との統合が伝えられた。

 

みんなに話をしている時の鞠莉さんはどこか申し訳なさそうだった。

 

教室では廃校の話題はもちろんだがAqoursのラブライブ決勝進出のことで盛り上がっていた。

 

クラスメイトから祝福や激励の言葉をもらった。

 

「ラブライブ決勝がんばってね!私達も応援に行くから!」

 

千歌「・・・ありがとう。うん。がんばるね。」

 

千歌の様子がおかしいことに周りも不思議に思う。

 

梨子「やっぱりまだ廃校のこと引きずってるのかな?」

 

曜「仕方ないよ。千歌ちゃんこの学校大好きだから。」

 

瑠惟「練習前にみんなで話そうか。ラブライブのこと。そして・・・これからのこと。」

 

 

 

放課後、沼津のスタジオに行く前にミーティングをすると言ってみんなに屋上に集まってもらった。

 

瑠惟「急に呼び出して悪いな。でも、俺達Aqoursは決めなきゃならない。ここからどうするのか。」

 

千歌「え?何言ってるの?次はラブライブ決勝だよ?」

 

瑠惟「千歌・・・今は話を聞いてくれ。」

 

千歌「・・・うん。」

 

瑠惟「Aqoursは今までラブライブの優勝と学校存続を目標にやってきた。・・・だが学校存続は達成できなかった。」

 

みんなの表情が暗くなる。

 

だがそのまま俺は続ける。

 

瑠惟「今日一日考えてみたんだ。・・・俺達はこのままラブライブ決勝に出て最大のパフォーマンスを出して、優勝できるのかと。」

 

瑠惟「今日のみんなの様子を見かけたんだけど、やっぱりまだ気持ちの整理ができていないと思った。もちろん俺も含めて。」

 

瑠惟「だからみんなにも考えてほしい。このままラブライブ決勝に出るべきか。それとも浦の星での残りの時間をみんなと大切に過ごすか。」

 

すると・・・

 

「私達はラブライブの決勝に出てほしい!」

 

誰かが叫ぶ声が聞こえた。

 

声のする方を見ると・・・

 

千歌「みんな!」

 

なんと中庭に浦の星の生徒が集まっていた。

 

「私達はAqoursなら優勝できるって信じてる!」

 

千歌「でも、ラブライブで優勝しても・・・廃校に・・・。」

 

 

 

「だったら残してよ!ラブライブの歴史に浦の星の名前を!」

 

 

 

Aqours「!!」

 

そうか・・・たとえ学校が救えなくても・・・。

 

ラブライブに俺達の学校を残すことはできる!

 

俺はみんなに聞いた。

 

瑠惟「みんなの答えは決まったか?」

 

いや・・・みんなの顔を見れば分かる。

 

瑠惟「そうだよな。聞くまでもないな。・・・千歌やめるか?」

 

千歌「ううん!やめるわけないじゃん!私達はラブライブ決勝に出る!相手が誰でも関係ない!ぶっちぎりで優勝してこの浦の星女学院とAqoursの名前をラブライブの歴史に残す!」

 

瑠惟「そうと決まればすぐに練習だな。」

 

全員「おぉー!!」

 

その後のAqoursの練習はみんな気合いが入っていて雰囲気も良かった。

 

 

 

練習が終わりみんながクールダウンしてる様子を見ていてふと思った。

 

次で最後か・・・。

 

ラブライブ決勝が終われば卒業式があってそれが終わったら俺は東京に帰る。

 

こうして練習を見てあげられるのもそんなに多くないんだな。

 

なんとしてもみんなを優勝させてあげたい。

 

・・・でもその前にみんなにちゃんと言わないとな。

 

瑠惟「みんな大事な話がある。聞いてほしい。」

 

善子「先輩・・・」

 

善子は俺が何を言おうとしてるのか察したらしい。

 

瑠惟「気づいている人もいると思うが、俺は来年みんなとは同じ学校には通わない。東京に帰る。」

 

千歌「え・・・?」

 

やはり何人かは分かっていたみたいだな。

 

瑠惟「来年もAqoursが続くかは分からないがラブライブ決勝が俺にとってラストステージになるかもな。」

 

梨子「やっぱり東京に帰るのね。」

 

瑠惟「悪いな。相談もせずに勝手に決めちゃって。」

 

花丸「先輩・・・本当にいなくなっちゃうずら?」

 

瑠惟「ごめんな。最後まで一緒にいれなくて。」

 

しかし次の言葉は予想していなかった。

 

花丸「マルは・・・マルは嫌ずら!もっと先輩と一緒にいたいずら!」

 

ルビィ「花丸ちゃん・・・。」

 

花丸「先輩はマルの大切な人ずら!マルを・・・私を図書室からこんなにキラキラした世界に連れてきてくれた先輩は私の恩人、まだ何も返せてないのにどこかに行かないでほしいずら!また『ずら丸』って言ってもいいから、だから一緒に・・・」

 

こんなに感情を表に出した花丸ちゃんを見るのは初めてだ。

 

それだけ考えてくれてたんだな。

 

瑠惟「俺のために泣いてくれるなんてこれ以上に嬉しいことはない。それに俺はAqoursのみんなからたくさんの大切なものを貰った。だから恩返しだなんて思わないでほしい。・・・でも強いて言うなら、決勝でみんなの全てを見せてほしい。Aqoursの全てを・・・。そして優勝してくれたら十分だよ。それなら俺も花丸ちゃん達も悔いはないだろ?」

 

花丸「じゃあ・・・マル達が優勝したら先輩のお願いを一つ聞くずら。」

 

瑠惟「そうしたいならそれでもいいけど・・・。」

 

花丸「じゃあ考えておいてずら。」

 

瑠惟「みんなもそれでいいかな?」

 

みんな頷いてくれた。

 

だが・・・

 

千歌「私は・・・よくない。」

 

瑠惟「何が良くないんだ?」

 

千歌「なんで・・・なんで学校を変える必要があるの?一緒の学校に行っちゃダメなの!?」

 

瑠惟「俺だって、できることなら一緒の学校に行きたい!でもそれじゃダメなんだよ・・・。」

 

千歌「分からない、私には分からないよ!」

 

そう言って千歌はスタジオを出て行ってしまった。

 

果南「追いかけなくていいの?」

 

瑠惟「・・・」

 

鞠莉「瑠惟!」

 

瑠惟「行ったところでどうなるんですか!千歌はあぁ見えて人一倍責任感が強くて優しい子なんです!だから学校を救えなかったのも自分の責任だって思ってるはずなんです!・・・情けないことに俺はあいつに何て言ったらいいのか分からない。それに俺と離れたくないのも分かります。でも、今回はそうはいかないんです。」

 

鞠莉「私と果南を仲直りさせてくれた時、あなたは私に言ったわ。『素直に気持ちを伝えるのって難しい。でも伝えなきゃ分からないこともある。』って。私はあの言葉に救われた。そして今こうして果南達とスクールアイドルができてるの。あなたと千歌っちも私達と同じで不器用なのよ。千歌っちは色んなことがありすぎて心の整理ができてないだけ。だからあなたが千歌っちを支えてあげて。きっとお互いに話し合えば上手くいくはずよ。だってあなたはマネージャーである以前に家族だから。」

 

瑠惟「まさか前に鞠莉さんに言ったことが返ってくるとは思いませんでした。・・・俺、あいつを探してきます。それで思ってること全部言います。」

 

鞠莉「Good luck!」

 

そして俺は千歌のあとを追いかけた。

 

 

 

ハァ・・・ハァ・・・ハァ

 

瑠惟「どこに行ったんだよ?」

 

しばらくこの辺りを探すがまだ見つからないどこにいるんだ?ケータイも繋がらないし。

 

だがここからそう遠くには行ってないはずだ。

 

だとしたら・・・

 

そして俺は沼津にある水門に来た。

 

ここは中に入れて上に行くことができる。そこからの景色、特に夜景は中々の見物だ。

 

昔、沼津で千歌とはぐれた時、あいつをここで見つけたのを今でも覚えている。

 

だから多分今回も・・・

 

水門に入って上に行くと予想通り千歌はいた。

 

瑠惟「千歌!」

 

千歌「やっぱり来てくれた。・・・ううん、来るって信じてた。」

 

瑠惟「俺も千歌ならここに来るって思ってたぞ。」

 

千歌「本当は分かってたんだ。廃校になったら瑠惟君とは別々の学校に行かなくちゃいけないって。」

 

仮にも統合先が共学だったら俺も一緒に行くことができたかもしれない。

 

でも、おそらく向こうの学校も女子高だろうな。

 

浦の星の生徒のみんなは男である俺を温かく歓迎してくれた。まぁ鞠莉さんや千歌がいてくれたおかげかもしれないけどな。

 

しかし統合先でも同じようにいくかといえば・・・答えは否。

 

千歌達だけでなく浦の星から来た生徒にも迷惑がかかる可能性が高い。

 

瑠惟「俺の言いたいこと分かるよな?」

 

千歌「うん。・・・ごめんね、私のせいで卒業まで一緒にいれなくて。私のせいで・・・」

 

誰のせい?いや、誰のせいでもない。廃校はなるべくしてなった。

 

別にAqoursの努力が無駄だったということじゃない。

 

事実あともう少しで廃校は阻止できていた。それに俺たちが何もしなければここまで廃校を引き延ばすことはできなかった。

 

それなら・・・

 

瑠惟「まさか学校が廃校になった責任は全部自分にあるって言いたいのか?」

 

千歌「だって私が・・・」

 

瑠惟「やっぱりいつまでたってもお前はバカ千歌だな。」

 

千歌「バカ千歌?」

 

瑠惟「ひとつ言っておくけど、浦の星にいる子は誰も廃校になったのは千歌のせいだなんて思ってない。むしろ俺の責任だ。だから私のせいでこうなったとかネガティブなことは考えなくていい。そういうのは俺の仕事だ。ただでさえ少ない俺の仕事を取るんじゃない。千歌達は前だけ見てればいい。そしてみんなを引っ張る。それがリーダーであるお前の仕事だ。」

 

すると千歌は笑った。

 

千歌「もしかして慰めようとしてくれたの?だとしたら全然慰めになってなかったよ。」

 

瑠惟「うるせぇ。」

 

千歌「・・・でもなんか元気がでてきたかも。ありがと。」

 

そんな笑顔で言われるとなんかこう恥ずかしくなる。

 

瑠惟「それは良かった////」

 

千歌「Aqoursのみんなで話したことがあるの。私達が瑠惟君にしてあげられることってなんだろうって。」

 

瑠惟「さっきも花丸ちゃんに言ったけどお前らがステージで全力で歌って踊ってる姿を見せててくれるだけで満足だっての。それ以外には・・・」

 

千歌「あるんでしょ?」

 

一つ頭に浮かんだことがある。

 

瑠惟「まぁないこともないかな。」

 

千歌「言ってみてよ。」

 

瑠惟「でもこれは・・・」

 

完全に俺のワガママなんだよなぁ。

 

千歌「いいからいいから。」

 

瑠惟「まぁ言うだけならいいか。・・・知ってると思うがラブライブ決勝で優勝したグループにはアンコールでもう一曲歌えるのは知ってるよな?」

 

千歌「うん。μ’sはそこで『僕らは今の中で』を歌ったんだよね。」

 

瑠惟「そうだ。で、ここからが俺のワガママだ。もしAqoursも優勝すればその機会があるわけだが・・・」

 

千歌「もしかして・・・」

 

どうやら分かったようだな。

 

瑠惟「アンコールで歌う曲を俺が作ってもいいかな?」

 

これを聞いた千歌はどこか嬉しそうな顔をしていた。

 

千歌「それ・・・すっごくいい!私、瑠惟君の作った曲を歌いたい!踊りたい!アキバドームで!」

 

瑠惟「あくまで俺のワガママだから。千歌がよくても他のみんながどう言うか・・・」

 

曜「私達も賛成だよ!」

 

えっ!?

 

後ろを見るとさっきまでスタジオにいたはずのみんなが来ていた。

 

瑠惟「曜、みんな!?なんでここにいるって」

 

善子「私にかかれば一人の人間を探し出すなど容易いことよ。」

 

瑠惟「ほんとは?」

 

花丸「じーぴーえす?機能を使ってみつけたずら。」

 

イマノジダイハベンリダナー

 

まぁいいや。それより

 

瑠惟「みんな本当にいいのか?俺なんかが大事なアンコールの曲を作っても?」

 

梨子「私はいいと思う。瑠惟君ならきっと素敵な曲を作ってくれそうだから。」

 

ルビィ「先輩の曲、ルビィも歌いたい!」

 

果南「アンコール用の曲ってことは優勝させてくれるってことだもんね。」

 

ダイヤ「期待してますわよ!ラブライブ史に残るような素晴らしい曲を!」

 

鞠莉「私達の曲を作ることを承認シマース。」

 

全員のOKもらっちゃったよ。

 

これはやるしかないですね。

 

瑠惟「期待しとけよ。会場のみんな・・・いや、スクールアイドルファンみんなが驚くようなすっげー曲作ってやるから!だから絶対に優勝してくれよ!」

 

千歌「当たり前じゃん!絶対に優勝して瑠惟君の曲をみんなで歌う!そしてラブライブに学校を残す!これが私達の新しい目標!」

 

色々あったけどいい感じでまとまってくれてよかった。

 

さてさて今年も残すところ一ヶ月ちょっと。

 

みんなの決勝進出祝いにちょうどいいものをプレゼントしましょうか。

 

瑠惟「突然なんだがみんな」

 

Aqours「??」

 

 

 

 

瑠惟「北海道に行こうか。」

 

 

 

Aqours「えぇ~~!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次は番外編を書きます。

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